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なんかabout-16.4からの続き




●2016.5.6 コイツはスゴいみたいな話

最近、YouTubeでラジオ代わりに聴いているのは映画解説でおなじみ町山智浩番組ともうひとつ、茂木誠世界史講座というシリーズ。
どっちもなんかスゲえという感じで、町山氏は話術もあるが、それ以上に情熱でカバーするタイプらしく、とにかく本気をだすとヤバいみたいなエピソードが多い。 また何でもかんでもぶっちゃける危険人物でもある。 映画の話ならライムスター宇多丸のほうがマニアックな面が多かったり話術もなかなか優れているので同じくらい好きだが、テクニックではない何かで町山氏は一歩リードしているような。
ブラック・スワン解説では明らかに宇多丸師匠のほうが勝ってたね、多大な知識を披露して、ちょっとは町山氏への対抗心があったのかも。
町山氏と宇多丸共演だと虫皇帝が名作だった。
水槽に入れた虫が喧嘩するだけの映画をあそこまで語れるとは、他の人にはなかなか真似ができない。

茂木誠世界史講座はわりと最近アップされたシリーズで、コレがなんかスゴい。
なんというか、世界史って出来事を並べてもサッパリで、そこにある理由、動機などを教えてくれないと意味不明になるもので、それが原因で疎遠になる人もいるかも。
そこで優れた解説者やテレビ番組などではそーゆー裏事情をうまく説明するわけで、茂木講座もそんな感じ。
とにかく「その説明ならわかるわ〜」と膝を打つような事が多かった、名解説者だと思う。
茂木氏は本では人気あるが、YouTubeの動画はまだ再生数500とか、多くて1000とか、あまり注目はされていない模様。

このふたりの話がスゴいと思うのだが、共通点は・・・モノマネ?
町山氏は映画屋、あるいは俳優さんにインタビューした件をわざわざモノマネで表現し、シュワルツネッガーやスタローンの場合だと無理矢理にでもモノマネで語らなければ気がすまないらしい。
うっかり普通にスタローンの言葉を言っちゃったら、わざわざモノマネで言い直すくらい。
オリジナル脚本アイデアを披露する際にもキャラひとりひとりを使い分けたがる凝りよう。
そして茂木氏も負けてはいないが、歴史人物のキャラ使い分けはもちろん、ヤギや羊のモノマネは欠かさないつもりのようだ。
歴史を語るなら国を、そしてそこの産業なども語り、紡績、牧畜、毛織物などの話題にも触れるものだが、そのさい無理矢理にでもヤギや羊のモノマネを入れる。
ネズミのモノマネも得意なようだ。


茂木誠世界史講座は本来、受験生を集めて開催するビジネスなんでYouTubeでは音声だけ公開なのだが、どうやら声真似だけではなく、いろんなギャグも入れているらしい。
iPadを使った説明もあるらしいし、その他にも教材を使っているのだろう、音声にガタゴトいう音があるし、時として受講生がドッカンドッカンウケている場面もあるし、気になる。
どんなギャグか見たければ講座に来てね、ということなんだろうが、受験生に笑う余裕あるのかね。 いや笑ってるんだけど。
このYouTube版茂木講座、いちおう世界史一巡して完了したようだが、じっさいもっと聴きたい。
とくにギリシャ・ローマ編はもっと細かく話してもらいたいが、受験生向けの世界史にそーゆー講座がなければ録音の機会もないわけで。
つか日本史は専門外なのだろうか、そこも聴きたいのだが。

またアメリカ史の認識はかなり似ているようでじゃっかん違うかもみたいな。
いっぺんアメリカ史で対談してほしいね町山氏と茂木氏で、スゲえ大喧嘩になるか気が合うのか楽しみじゃん。
町山氏はアメリカはキリスト教国家を建設するためにできたと言い、茂木氏は人権国家を造るためと言ってたような・・記憶あいまいだが。
どちらも特定の目的を持って国家を建設した珍しい例、という点では一致しているっぽい。
モノマネ対決も興味深いね、映画と世界史、共通のモノマネテーマがあまりなさそうだが・・・。

そいや町山智浩の映画解説、といえばけっこーコダワリがあるシリーズらしい。
まず映画評論、というタイトルではなく映画解説というところが違うし、映画評論家が自分の感想をダラダラ語ってどうすんだよみたいな持論があるようで。
映画に詳しい人でないとわからない事を解説しないと、みたいな使命感があるのだろう。
また自分は映画をランキングしない、というポリシーみたいなのもあるそうな。
それでいて自由で暴言家でもあるので、アメリカのあまり知られていない映画を解説すると、映画そのものより町山トークのほうが面白かった、という結果も時としてある。

あとはここ三十年くらいだろうか、十代の若者ウケする表現というのを把握しきっているような語り口も面白い。
従来の「大人」がよくわからん感性を集大成したのが「新世紀エヴァンゲリオン」だけど、その後もいろんな作品が調子に乗ってセカイ系などという言葉もできたが。
町山解説も茂木講座もそーゆーの何気に取り入れるの得意みたい。
今となってはあらゆる世代に浸透する強力な武器だろうね。


とまあこのふたり、非常に面白いのでもっと聴きたい。
こうして文章やpixiv小説を書いているときには自分の話と耳から入る話がごっちゃになって困るため、音楽を聴くわけだが、ゲームやイラストを描いているときはトーク番組ってスゴい頭に入る。
知識も増えるし便利なものだ。

というわけ。


●トゥルーマン・ショー

探したらHULUにあった、とゆうか既にマイリストに入ってたので観た次第。

公開当時からそれなりに興味あっって、でもなかなか観る踏ん切りがつかなかったが、先日にシャマラン監督のヴィレッジ観たんで比較みたいな。
比較って大事だよね、類似の作品同士どっちがどうの言うのは観客の楽しみだし。
上の日記に書いたとおり町山智浩氏はランキングをしない、つまり似た映画を比較して上下をつけないということだろうか、でも我々一般人はぜんぜんおk。

ところでヴィレッジの時にも言ってたけど似た話はいくらでもある。
具体的なタイトルもだいぶん思い出したんでとりま並べると有名なのはなんつてもマトリックス。
そして最近でも「オブリビオン」ゆうトム・クルーズ主演の作品があったし、逆に無名で昔だと山田正紀先生の小説にもあったよ、江戸時代を舞台にして、でも実は・・っての。
THEビッグオーだって結果的にそういう設定だし。
いやーネタバレになるんで詳しくは言わんが、ホント珍しくない話だなという感じで。

ネタバレも何もないのかな、今更・・でもなるべく曖昧に書きます。
高校生くらいである女生徒にある事を言われ、それ以来、身の回りの全てに疑問をもつトゥルーマン、その猜疑が面白い映画で、観客もトゥルーマンといっしょに「なにか変だ」と戸惑うのが正しい視聴スタイルかな。 かなり早い段階でそうなって、世界に抗うとゆう物語は類似の作品と同じで、なおかつトゥルーマンの疑惑を(ふつうに)描いているので面白い映画。
ここだよな、ここがヴィレッジに足りない成分で、視聴者から観てもなーんか異様な世界にて、それと戦う構図がないと。
それ以前にヴィレッジのシャマラン監督はドラマ部分がうまくもあり、下手でもあって、その下手な部分で勝負しちゃったのがヴィレッジかと。

まあヴィレッジの話はもういいや。
トゥルーマン・ショー、けっこう途中で笑えました。
戦うトゥルーマンと阻止する連中の必死さ加減がもうなんとも。
皮肉のきいたオチもまあわりといいんでないか・・というか90年代の映画らしくてこれはこれでいいよ、という感じ。
ああゆうドライな市民も確かにいるよ。

全体的に、世界のほうがトチ狂っているという感じも他の作品と共通。
だから楽しいんだけどね。
FREE TRUMANみたいな団体もいるようだが少数派らしいし、良識が摩滅した社会ということで納得しよう。
これも皮肉だが、良識なんて巨大な権力や企業の思惑の前には無力である、とアメリカ社会が実証しつつあるようだし。

とにかく長年放置してたが、観てよかった。
思ったより退屈しない、エンターテイメントでした。


●JM

なんか急にキアヌ・リーブス観たくなったのでコレを。
マトリックスはこの前観たのでそーなるが、よっく考えるとマトリックスも2と3は一度づつしか観てないのでそっちでも良かったか。
ちなスピードとかはテレビで観た気がするが、あまり気乗りしないとゆうか、キアヌ・リーブスを筋肉アクション俳優だとは思っていないので。
あとはコンスタンティン最高だが、何度も観ているし。

キアヌ・リーブスというなんか異質なキャラもそうだが、もひとつ観たかったのがPCなどのインターフェイス。
最近、よくあるじゃんキアヌ・リーブスだと地球が静止する日にも出ていたが、巨大なテーブルくらいのタブレットPCで担当者がリアルタイムにプレゼン作成しながら指で情報をポンポン自在に操る感じの映画。 以前からあったがiPhoneの普及で直観的になおかつじっさい手応えのあるインターフェイスが現実世界に浸透した感じか。
そーなってはじめて、映画の中でも流行ったような気がするが、JMでみるとおりけっこー昔からある。

でもってJMを観たとき、あの両手をフルに使うインターフェイスは「前にもあったな」という感想だった。
つまり1995年より以前からあの発想はあったのだが、具体的になんだっけと言われるとよくわからん。 80年代のテレビアニメにあったかな、重戦機エルガイムでは液晶タッチパネルのインターフェイス、というのが登場していたが、指や手をポインティングデバイスにする考え方ではなかったかと。
うーむジャンボーグAをモーションキャプチャーみたいにしたロボットアニメがあった気がするが、それはPCデバイスの操作とは違うし・・・とにかく引っかかる。

ただ確実なのは、JMの何がスゴいってそのインターフェイスが「スゲえ、はええ」という点。
それ以前だとバーチャル操作であってもゆーっくり触れて動かす、という感じだったと思う。 前述したように具体例は思い出せないが。
これがJMだとものすごい勢いで次々と情報回覧してゆき、しまいにゃ開かないファイルを思いっきりゆさぶったりアクティブだった。

JMは個人的に好きな映画なんだけど、なんかこれは酷評されていたらしいね。
キアヌ・リーブスもいいが、イカれたドルフ・ラングレンの怪演もスゴいわ。 そしてビートたけしが演じる役柄のおいしいことこの上ない。
なんだけど、最初にVHSレンタルで観てからその後、印象が全く違う。
今回のGEOレンタルBlu-rayもそうだが、そこに入っていた映像特典で知ったが現在観れるバージョンと最初に日本で公開されていたバージョンが違うんだと。
さらにウィキペディアみたら音楽も差し替えられたそうで、そこまでするのかと逆に疑問だ。
現在の「インターナショナルバージョン」だっけ、編集で短くなったのはいいが、なんで音楽まで・・というやりすぎ感。

ちなみにバーチャル空間のCGは当時の印象でもかなりダサ目だった。
CGの出来不出来ではなく、デザイン的な問題かなと思う。

とにかくこの映画をキアヌ・リーブスの代表作みたいに思っていた自分をはじめとする人々は、マトリックス観たときにJMを連想したはず。
描こうとするものは全く違うのだが、どういうわけか非常に印象が似ている。
人類を救う鍵が自分の中にある、という点が似ているのだろうか・・とにかくキアヌ・リーブスのはまり役には違いないどっちも。

余談だが特典のインタビューみると、想像していたよりキアヌ・リーブスは面白いヤツだとわかった。
ぼっち状態をパパラッチされたり、ジョン・ウィックではアクションのために銃の扱いを習得して、プロ真っ青の腕前になっちゃったみたいな真面目で寡黙なイメージあるが、インタビューでは「なんだその身振り手振りは」といった感じの愉快な人物のようで、つまりはネオよりジョニーの方のキャラに近いのかも。

さらに余談、最初に観たときは320ギガのデータってどのくらいだろ?くらいで無知だったのだが、その後にiMacに触れることとなり、それが4ギガHDDだったんでやっと巨大さがわかった。
ちなはじめての自分PCであるiMacG3が40ギガ、次のiMacG5が250ギガ、今使っているiMac2012がようやっと1ギガだ、劇中のファーマコム文書320ギガデータってスゴいなー・・・思ったら、いま世界を賑わせているパナマ文書は2.6ギガだってね。 書類のスキャンデータとかも含まれるんだろうけどそんな時代になったかーと感慨深い。
まあPCにどっぷりな現在の自分でも、写真やビデオ、イラストにCGデータと音楽は確かにそれなりに巨大だが、テキストデータはぜーんぶネットストレージDropboxに入るので、パナマ文書もテスストに変換すればずっと小さくなるんだろうね、たぶん。

とまあ久しぶりに観て楽しみました。


●聖衣

キリスト映画あるいはローマとか観たいので、iTunesStoreでコレを。

なんでも最初のシネマスコープ映画だってさ、1953年ってゴジラの前年じゃないか・・その数年後にはかなり当たり前になっているワイドスクリーン。
では世界中でワイドスクリーン映画が広まるのってスゲえ速かったんだな・・現在でも例えばiPhoneが登場した後にAndroidスマートフォンとか普及が速いようだが、実はiPhone以前にもスマートフォンはあって、でもブラックベリーの例もあるようによっぽど裕福なヘビーユーザーでないと買わないだけだったりするわけで、iPadも同じくタブレット端末は以前からあったけど「タブレットは売れない」という業界法則のせいかあまり目にしなかっただけ。
そう考えるとシネマスコープも各国で研究は進んでいて、最初の興行をしたのがこの映画だっただけなのかも。
つか後年、上下を切った擬似ビスタサイズが増えたが、そんな感じでワイドスクリーンそのものはたくさんあった可能性もあり(つか擬似ビスタどころか普通に横フィルム映画もあったかも)、本格的なアナモルフィック・レンズ使用例は聖衣ではじめてとなる、という意味かもしれない。

それはいいが、タイトルは原題ROBEだったっけ。
たいていの日本人が思うのは聖衣といや「クロス」じゃないの?というアニメ脳発想で、じっさい「せいい」と打っても変換されず、「くろす」で聖衣と変換され、そっちのほうが手っ取り早い。
ちな使用している日本語入力システムはGoogleで、もう二三年ことえりは使ってないや。
どーでもいい余談を並べると、最初タイトルのROBEは読めず、「そういやローマってROMEって書くよな・・」と遠回りしてやっと「ローブか」と理解した次第。
また邦題の聖衣からとーぜん聖闘士聖衣を連想するがこの単語、セイントを意味する聖が重複してないかと余分な心配までしてしまった。
 ※後日矯正:聖闘士聖衣ではなく聖闘士星矢か・・なんでそんな間違いをしたのか不明↑

内容的には、けっこー笑いました。
マジメ極まる映画なんだけど。

とくに問題の聖衣が主人公マーセラスを襲うシーンはどーしても失笑してしまう。 しかも二度までもッ!
どんな感じか類例をあげると、1984ゴジラでショッキラスに襲われるシーンに似てます。
ぶっちゃけ単なるコントです。
またマーセラスが護民官なのにスパイもどきの活動をしていて、ユダヤ村で織物商人に化けていたらワラワラやってきて「ローマ人だローマ人だ、ぼったくれ」みたいな感じになってしまう一連のシーンも笑えた。 こちらは映画としてセンスのある笑いみたいな。
途中、キョドキョドした不審者が街にいて、なんかほざいていて、他のキリスト映画に出てくるイスカリオテのユダみたいだと思ったらじっさいそうだった。
前にも書いたがユダはどの映画でもキョドった痩身の俳優さんなので、またか! という意味で笑った。

いちおうローマものであり、キリスト映画でもあるのだが、例によって御姿は見せない方針みたいで、でも顔は隠しても全身映っとるやん、とは思うのだが・・。
またいろんなキリスト映画を観ていると、磔刑を指揮した百人隊長側のドラマとか、十字架の足元でイエスの衣類を賭けてバクチやってるローマ兵の話とかないのかなーと考えるもの。
今回の聖衣は、それに近い発想でなかなか良かったかも。
ただ序盤はただのメロドラマで退屈でした。
アメリカ映画の悪い癖かもね、コレが需要ある! と確信していたのだろうが実はそうでもないと気づいたのが70年代なのかな?

でもって殉教という、バッドエンドかどうかもよくわからん最後で、でもいろいろ思うところがあるんでわりといいラストかも。
まずはキリスト教はじめてではないかという神前結婚みたいな話で、それやるとマーセラスといっしょに死罪になるんですけど・・という選択。
そしてくだんの聖衣は人に渡してペテロに届けるようにという結末に。
そこからどうなったんだろうね聖衣。
トリノの聖骸布〜♪ ってスイカの名産地と混同してしまうが、トリノの聖骸布でさえあんなに有難がられるのだから、本当に聖衣が伝わってたら大ごとですよ。
でもそんな話は聞かないし、残っていないんだろうね。
聖杯も確か残っていないし、何もないはず。
まあだから、実在したかもわからない人物だよねナザレのイエスって。

それにしても後世の錯覚か、人々の認識が時系列おかしいのか、あるいは事実か・・・。
現在の街や建築、調度などがおおむね、ローマを基準にしているように思える。 多くのローマ映画をみて、中世ヨーロッパ、そして現在も、みーんなローマを再現しようとしているような感覚。
ビバリーヒルズ・コップの高級住宅街なんかもそんな雰囲気あった。
ほかにも例えば欧米のビルディング、銀行に役所、そんな予算かかった施設の床が大理石など可能な限り立派な石を使うみたいな風潮、ローマっぽいじゃん。
やっぱほとんどのヨーロッパ人は自分たちがローマの末裔であると信じたいのでは。 たとえゲルマン人っぽい人々であっても。
じっさいローマはその権威を安売りしていたらしいので、ロシアなんかもいちおうローマの系譜、という建前になってるようだし。
古代ローマが恐ろしく立派というか巨大な文明だったが、西ローマの末期あたりはもうかなり寂れて人口も少なく、そのまんま暗黒時代に突入したんだっけ。
中世はもう数知れぬ小国ばかりでそれをまとめる者もあまりなく、けっきょく古代ローマの特徴である巨大水道事業もできないで貧乏暮しだったようで・・・・いやこれらのイメージはぜーんぶ映画で仕入れた知識からなんだけど。

名作ってほどじゃないストーリーだったな聖衣。
でもとにかく楽しめた。
やっぱローマは面白いし、後々スペクタクル映画の競争がはじまる前っぽいのでそんなに贅沢な絵ではないが、それでも立派なセットや衣装を堪能した。

とまそんな感じ。


●ウルヴァリン: SAMURAI

なんかYouTubeで日本刀のウンチク動画観たし、今は映画から離れて録画した仮面ライダー鎧武を観ている時期なんでちょうどいい。
余談ながらHULUやレンタルDVD、iTunesStoreで映画ばかり観ている間にレコーダーのハードディスクがだいぶん残り少ない感じになっていて、それを消化する意味もあって仮面ライダー鎧武を観ているのだが、同時にHULUでミラーマン観てたりしてけっこう楽しんでいるが、新しい特撮も観とかないとみたいな心境になっていた。

でもってウルヴァリン: SAMURAIですね、コレは日本で撮影した、わりと低予算の余話というかサイドストーリー的なものかと思ったら、前半のロケ多用は「日本」を見せるためで、ちゃんと後半からフツーにウルヴァリン映画になっていたという。 つか観た後にウィキペディアで知ったが、ちゃんと原作を反映したいつものシリーズ、という感じみたい。
内容的には超確信犯的な死ぬ死ぬ詐欺、といったところ。
予告編とかにもあった気がするが、要は死を予言されたウルヴァリンが治癒能力を奪われ、ガンガン弱っていくという。
劇中でみると肝心の予言がえらく曖昧で、それって思い違いなのでは・・と観ているとやっぱり、となるわけ。
まあすぐに次のXメン映画ができたんで、それが過去を扱った作品でない限りウルヴァリン生存は確実だとは思ってたけど。

日本を舞台にした映画ということで、日本人なら誰でも心配するところだが、あんがいうまく撮れてた。
まあ日本といや屋根には忍者がいてヤクザが戦争しているという日常?を普通に取り入れつつ、新幹線や日本刀や真田広之も盛り込んでみた感じ。
またXメンで日本といえばとりまシルバーサムライだが、これもちゃんと出しているので感心。
ただ、変な部分が全く無いわけではない。
例えばハラダって台詞言わせるとなーんかおかしいんだよね、演技が下手とか方言とかそうゆー感じじゃなくて、日本人らしくないみたいな。
また長崎の原爆が描かれるが、収容所と対岸の街が焼けた、くらいの演出で、お前らアメリカ人はあの兵器の怖さがわかってないだろ思ったり。
広範囲で文明社会が一瞬、消え去るんだよ核兵器って。
威力にもよるが、電気ガス水道などのライフラインが途絶えて、爆撃の瞬間とそれからしばらく、文明らしさが無くなる。
ソースははだしのゲン。
要は巨大地震みたいなもので、生存者が復興活動をはじめるまでの数日間、世界が激変しているくらいの描写がないと。

シルバーサムライはほとんど鎧武の世界でしたね〜、なかなか良かったが、まあ贅沢を言うとちょっとキラキラすぎかな、アダマンチウム製という設定のせいかもだが、CGみたいな質感なんよ、いやまあじっさいCGなんだろうけど。 もちっといぶし銀みたいなくすんだ感じのほうが良かったかもとは思う。
それにしてもこの世界で、アダマンチウムがあんな一箇所に集まるってあるんだという変な部分に感心する。
またアダマンチウムにしてはやや弱かったかな・・とも。
まー日本のミュータントは総じて弱いほうらしいので、そんなもんかもだが。
いやまあパワードスーツ・・いや単なるロボットなんでミュータントでもないか。
ミュータントから力を奪って別な人に与える機械、という感じ。
ちな日本のが弱いというソースはディスクウォーズアベンジャーズ。

太平洋戦争のウルヴァリンとかだいぶん古い話ではあるが、このころのウルヴァリン爪ってまだ骨だっけ。
たぶん後になってアダマンチウムの骨格になったのだと思うが、自分の骨で壁登りとか痛そう。
まあヤツはストイックなのだと考えれば納得もするが。

とまあマニアではないが、それなりにマーベル系アメコミにやや詳しくなったので、なんとなく楽しめた。
わからん部分をウィキペディアで補完する際も、事前の知識が若干あればより把握できる。
日本が舞台ならチェックするべきかもね映画は。
それもまた楽しみだから。

●メガシャークvsグレートタイタン

タイトルからしてバカ映画確実なんで楽しみにしていたコンテンツがHULUに。
ちな原題はメガシャークvsコロッサスだった。
巨大イカ関連のネット情報を読んでいた時期があるので知っているのだが、コロッサスとはつまりコロシアム、ローマの闘技場のこと。
どーゆー意味かというと、ローマの闘技場って映画グラディエーターの劇中台詞でもあったけど、人類が創りあげたとは思えない、というほど巨大な建築。
要は「でかいもの」の代名詞がコロッサスなわけで、今回の映画だと「巨人」という意味合いだろうか。
イカだとコロッサス・スクイッドは率直に巨大イカ、というわけ。
類似の用語に「ジャンボ」がある。

なんか基本的に情弱なんで、今回になってやっとわかったのだが、メガシャークってぜーんぶアサイラムのシリーズなんだね。
ほら昔は映画でも何でも版権無法地帯だったじゃん、メガシャークは現代の映画だがB級の代表みたいな作品で、それをアサイラム以上(あるいは以下か)の底辺制作会社がパクって変な映画が複数誕生、日本の配給がぜーんぶまとめて「メガシャークシリーズ」に仕立て上げている、くらいの認識だった。
ちゃんとアサイラムのメガシャークシリーズだったのか、なるほど。

また前回観たのはメカシャークだったっけ、全世界がサメの脅威にさらされ、対抗するための手段を問われている劇中設定、というのも共通しているのかとやっと気づく。
陸上までぶっとんだ船舶が有名な観光名所をぶっ壊すというギャグも定番化しているみたい。
こうなるとゴジラシリーズやパシフィック・リムとよく似た話だとは思うが・・・。
パシフィック・リムの怪獣をサメにした話だけど、対抗手段はメカシャークだったり戦闘ロボットだったり、今回はオキシジェン・デストロイヤーという字幕もみられたようだが、とにかく定まらないのはゴジラっぽい。 かといってゴジラシリーズほど気合の入った映画でもないし。
アサイラムもそれなりに利益が上がっているのだろう、映像は年々進化していて、サメのCGも向上しているのに、不思議なショボさは変わらない。
以前にアサイラムの映画は意図的なB級ではないか、と言ったが、それにしてもうまい具合にしょーもない作品を造るもんだと感心する。

あとパッケージアートなどでおなじみなのだが、コロッサスのデザインは・・・誰がどう見ても進撃の巨人に登場する有名キャラ、超大型巨人という。
これだけで「ああもう清々しいなあ」と感銘。
関節とか完全にバトル・オブ・アトランティス(アトランティック・リム)のロボットと同じような感じで設定上もソ連軍が依頼して博士が作った兵器なのに、なーんで人体模型みたいな顔なんだよw
つか名シーンが撮れそうになると慌てて笑いを取る方向へ走り直していないか、くらいの勢い。

やはり意図的な確信犯であれなんであれ、見事にB級なんだよね、さすがアサイラム。
オリジナリティで勝負する気はありませーんみたいな態度、底辺映画好きとしては評価する。
むろん常識人の方々が評価するのは思いとどまってほしいのだが。


●墨攻

なんか先に書いたが、茂木講座の古代中国編というのを聞いていたら。
この映画を紹介していた次第。

とにかくいろんなネタ、実用知識があるんですわ世界史って。
墨攻に関して言えば、元は日本の小説で中国、台湾、香港の合作映画とのことだが、じっさいみるとスタッフ・キャストに日本人の名前がちょこちょこ出てきて、気のせいか音楽に川井憲次とかあったような・・じゃあ中国、台湾、香港、日本の合作映画じゃんある意味。
この映画を観れば墨家の思想も出てくるし、昔の戦いもわかるし、中国城壁都市の様子も描いてあるみたいなことを茂木講座で言ってた。
でもそれって「うしおととら」でもわかるんじゃないかな。

二千年以上前、紀元前ともなると中国ってその後とはだいぶん違うので面白い。
日本は大和政権なるまでろくな文字すらなく、文明が伝わらないのにギリシャ・ローマ、中国ってスゴいよな。
余談ながらこれも茂木講座で言ってたんだけど、古代中国と古代ローマってけっきょく、出会うことがなく終わったんだってね。
ふたつの巨大文明の間に国がひとつというか、イランの文明圏が挟んであって、コイツが両者の出会いを妨害したらしいとのこと。 巨大な勢力が共闘して挟み撃ちにしてきたら困るしな。
中国って独特な思想を持つ国で、またまた茂木講座での知識だが、例えば儒教みたいな思想が根付いているため一族至上主義的なところがあり、また漢奸という、売国奴みたいなレッテルを貼られると末代まで祟ってしまうため、言論に自由度がないみたいな面もあるとか。
そーゆー独自性がまだない時代、古代中国はまだギリシャ・ローマみたいな気風があって面白いわけ。

けっきょく実現はならなかったが、現在のような自由博愛思想が育ちかけていたのが古代であり、でも王族貴族の権力が勝って、封建社会が確立したのがいわゆる中世ヨーロッパや秦の始皇帝以降の世界、ゆー感じだろうか。 よくわからんが。
よってこの墨攻という映画も、なかなか荒削りな雰囲気を出している感じが興味深くて。

墨家というのは古代中国の、謎の傭兵集団らしいが、謎すぎて本当によくわからないとのこと。
それがとある国家の危機を救うために参戦する映画だと説明されていたが、じっさい劇中では墨者ひとりが派遣されただけだった。
墨家の戦術家なわけだが、つえーんだコレが。
諸葛孔明ってたぶんこんなふうだったんだろうな。
ともあれ墨家というのは今じゃ、困っている国を助ける正義の傭兵部隊みたいな語られ方をしているっぽい。
その思想は孔子みたいに代表的な中国思想なのだが、いくつもあるのを覚えきれないのでとりま映画の中では「兼愛」と「非攻」が語られているし、ウィキペディアにリンクが有るのもこれだけ。
ナザレのイエスも仏陀の教えとか墨家とか知ってたんじゃないかなと思うほど普遍的ではある。

あと何気に黒人奴隷(ザンジュ?)が登場してるけど、当時いたんかい、みたいには思う。
まあローマでさえ疎遠だったのに直接アフリカと交流があったわけないだろうが、遠回りに転売されて中国にたどり着いたというのはあり得る。
国交がなくても商品は遠くまで流通するだろうし、黒人奴隷がいても不思議はないか。

内容はまあ、いかにも史実っぽい語り口で、香港的なスーパーアクションではないが、逆に安心して観られるかも。
ただ、やはり観客が墨家を知っているという前提みたいな映画で、日本向けではないのだろう。
原作小説知らないんでどこが改変されているとかわからない。
それなりに墨者が活躍するのだが、かといって超大逆転があるわけでもないし、だからドラマティックでもあるのだが。

なんだかんだで中国の歴史ドラマは面白い、という感じ。


●富士山頂

石原裕次郎が企画したらしい映画群で、GEOにおいてあって気になるコレをようやく視聴。
以前観た黒部の太陽よりはずっととっつきやすいのは、黒部の太陽が三時間映画だったのに対し、富士山頂は二時間なため。
内容はぶっちゃけプロジェクトX。

それにしてもどーやって撮影したんだこの映画。
富士山頂そっくりの山に、実物大の富士観測所のセットを作って、その過程を撮影したのか?
まあラストシーンの空撮だけは本物の富士山頂観測所なんだろうけど。

ところで富士山測候所ってお馴染みの施設だけど、台風レーダーであり、気象庁の観測所だったのかとはじめて知った。
でもってヘリコプターで観測所のレドームを取り付ける写真が有名じゃん、だから映画を観ていて資材の運び入れにあんなに苦労しているのが意外だった。
当時は、というか戦前からあそこは乱気流がヒドくて航空機は通れない、ということになっていたのかなるほど。
期日が迫ってやっと、ヘリコプター輸送ができるルート探しになるみたいな。
余談ながらパイロットは渡哲也、どんだけヘリコプターが好きなんだあの人は。

先述したとおりプロジェクトX的な内容であり、じっさいプロジェクトXにも富士山測候所物語があるそうなんで、そーゆーものってこと。
でもちゃーんといろいろ再現して見せているのが何よりうれしい限り。
レーダー施設はハリボテなのか知らんが、内部もちゃーんと再現して、でっかいレーダースクリーンとか近所の工房で使ってるオシロスコープとはモノが違う、と感心。
三菱の協力で借りたのかもだが。

もうだいぶん長いこと、気象衛星ひまわりで台風接近もわかるようになってるけど。
アメダスの打ち上げって80年代だっけ? それまでは富士山測候所が頼りだったのかね。
こんな努力があったのだとわかるだけでも映画化の価値がある話。

特撮ファンとして、円谷プロみたいなミニチュア撮影は偉大だと思うが、こうやって実物大のセットで再現するのもいい。
レドームをヘリで運ぶとか、ぜったい実物大の大道具が映えるに決まっている。
かような意味で見応えのある作品でした。



●ブルーノ

これはwww
酷い映画を借りてしまったww

「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」をだいぶん前に観て、まあなんつか、あんな汚いヌードは観たことねえぞという感じで、二度と観るか!!とは思うんだけど、じゃあ嫌いかというとそうでもなくて、むしろ好きという不思議な作品だった。
今回もそーゆー期待を込めて観たのだが、ボラットより酷い酷い。
ボラットってブルーノの酷評を受け、あれでけっこう改善された映画だったのかもしれないな、手法は似ているというかほぼ同じなんだけど。
 ※文章を書きながらネットで調べたが、逆にブルーノのほうが後の作品だってさ。 じゃあ調子に乗りすぎて逸脱した、というほうが正しいのか。

終始、汚いホモネタを執拗に続けている映画で、それだけだったら「悪い映画を観たな・・」と忘れることにするんだけど、ちゃんと面白い部分もあるわけ。
その最たる部分が黒人の子供OJエピソードで、まずアフリカで買い物といって象牙や像の足剥製とかアメリカの空港に持ち込み、周りの通行人が「なんてこったい!」みたいな顔をしているのは例によって得意のゲリラ撮影らしい。 欧米で得意気に象牙を取り出すとか非常識にもほどがあるのだが、さらに密輸した黒人の赤ちゃんが荷物から登場。
これはアフリカでiPodと交換したんだと言っていて、じっさいスタッフがアフリカで実践して「それ」が可能であることを確かめたそうな。
アメリカでは可哀想な黒人の子供を養子にして有名人になるのが流行っている、とかブラックジョークにもほどがある。

のみならず、この子で宣伝用のスティール撮るから、別な子役集めてナチスやキリストを磔刑にするローマ兵をあてがうのだが、そのオーディションがけっこう長い。
日本でも問題になっているのだが、こうした子役の親が、仕事のために何でもする(させる)という事を皮肉っているわけ。
いや噂に聞いていたがこれもゲリラ撮影なのだろうか、酷いな。
例えて言うなら「この子は特殊効果用の劇薬は大丈夫ですか?」「大丈夫です!」みたいな即答を親がしているとゆう。
またその子供OJを引き連れてテレビ番組で売名しようとするのだが、そこでは過保護法案爆裂のアメリカでは禁断とされていることをありったけぶっこんでいるっぽい。
よくわからんのだがゆりかごで登場したら番組の観客たちが一斉に激怒していたのは、ゆりかごにノートパソコンがついていたためだろうか、それとも服に書いてある文字とか与えてある玩具に問題が? つか向こうじゃ子供にパソコンって禁忌なんか。

あとケヴィン・スペイシーとトム・クルーズとメル・ギブソンの共通点は・・とかいうシーンも意味わからんが笑った。
ケヴィン・スペイシーは知らんけどさ、トム・クルーズとメル・ギブソンは問題児じゃん。
そいやポーラ・アブドゥルって意外と可愛いのだなと感心。けっこう昔からいる人なのだが。
これは本人登場だからだろうが、写真だけ登場の人たちは変な偽名でまた笑えて、でもメル・ギブソンだけは「ユダヤ人嫌いの総帥」ってヒトラー扱いかい!みたいな。
確かにユダヤ人に暴言を吐いたエピソードは有名だが酷いよなホント。
もっと根本的な問題として「僕はブルーノ、19才」とかそんなわけねえだろ! という。
オカマ的キャラで業界人なのでサバ読みが当たり前な設定なのだろう、サシャ・バロン・コーエンが40ちかいオッサンなのによく言ったと感心はする。

あとは妊娠の超音波検査ネタってトム・クルーズが問題になった後の話なのだろうか。
思って「トム・クルーズ 超音波」でぐぐったら、うん例の件でトム・クルーズ法とかできた後の映画だねブルーノ。 おもいっきりネタにしたと考えて良さげ。
同性愛者といえばアメリカでの天敵はキリスト原理主義者など大勢いるが、そんな連中にも突撃収録する姿勢はさすがで、ラストの仕掛けもなかなかうまいと思う。
新番組がはじまるよーと金網デスマッチみたいなステージを用意、集まった観客を激怒させるようなことをするが檻の中なんで手が出ないとゆう。
悪意あるイタズラもここまで突き抜けると爽快みたいな話。

いやー褒めたけどマジで汚え下ネタが濃厚で、二度と観ないことは決定なんだけど、相変わらずアメリカをおちょくる姿勢は好きだな。
じゃあボラットってかなり良い映画だったんだと痛感。 バカなことをやってトーク形式の収録でもってアメリカ人の真意をかなり引き出してたから。
今のアメリカ人は無知ばかりで、カザフスタンなど知らん、向こうの人がインタビューに来て、欧米では公開されない番組なら何言っても大丈夫みたいに油断をさせる悪質なものであるが、面白い。
次は「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」を観てみたい。


●ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!

HULUに来たんでさっそく視聴。
これは面白かった。 最近のバカ映画でも上位に入るのでは。

イギリスは酔っぱらいの国と言われるが、その中でも特にタチの悪い男が街に戻ってきて大学生がやるようなはしご酒ゲームを再開するという。
昼間っからはじめて最後の店ワールズ・エンドまで12件、一件の店で必ず一杯ゆうからほとんど死ににいくようなもんで、さすがのイギリス人もめったに挑戦しないことが伺われる。
はしごしてる最中に宇宙人が街を侵略していることに気づくのだが、そこに至るまでの非常識もスゴいし、宇宙人のロボットもどき「ブランク」もなんか面白い。
とにかくもう、街の様子が怪しすぎて笑える、笑えてしょうがない。
「感づいていることを感づかれないようにしよう」とするがぜったい感づかれているだろみたいな異常な絵。
ものすごいヤケッパチのような発光をするブランクとかもバカバカしくてナイス。

宇宙人のロボットもどきをブランクと名付けるまでの紆余曲折がまた、現代的で面白いというか、現実の市民はもうスタートレックはじめ、SFに馴染んでいるのが当たり前なので、劇中のオヤジたちもそのようになっているわけ。 ロボットもどきだから〇〇ボットなどとフェムボットみたいなネーミングをいくつも思いついたり、みていて楽しい。
そしてブランクとの格闘シーンがもう超ウケる。
酔っぱらいの五人が「なんでそんなに強いんだよ!」みたいな、ほとんど香港アクション映画みたいな勢い。
乱闘シーンだけでかなり笑えて、さらにいちど倒したふたりがニコイチになって、つまり腕があったところに足を取り付けて文字通りブンブンと振り回す様が抱腹絶倒もの。

こんだけ危機的な状況なのにとにかく飲む、もうはしご酒ゲームどころじゃないのになんだかんだで次の店、次の店、と進んでいって必ず飲むというアホさ加減がよろしい。
ただ最後の店ワールズ・エンドで、最後の一杯がウヤムヤになったのがちょい惜しい。
ちなブランクと人間を見分ける方法は、外見的にはないので頭かち割るくらいしか思いつかないのだが、バカな方が人間、という法則がよい感じに。

SF的には後進国である地球に介入した銀河連合が、地球にネットワークをもたらしていた、という話で、酔っぱらいと痴話喧嘩した結果、地球から撤退したので世界の文明が後退してしまったという。
いちおうマッドマックス状態なその後の世界も描かれていて、ブランクが何気に人間らしさを模索してフツーに生活しようと試みるが、なんとなく嫌われているという感じが愉快。
イギリス映画ということと関係あるのかないのか、全体的になぜか80年代MTVっぽい雰囲気がある。
当時のMTVはイギリス勢に勢いがあって、世界的な人気があったのでそのように造られた映画なのかも。

例によって例のごとく、町山解説によって知ったのだが、これは宇宙人ポールの一同が造った映画で、かの連中はアメリカ映画の世界をイギリス流に再構築するみたいな一貫したテーマがあるそうで、今回のお題はジョン・カーペンターであろう、ということだった。
なーるほど、ゼイリブね。 その他いろいろ混ざっていると思うのだが、まあジョン・カーペンターいうても観たけど忘れている映画もあるんで、特定はできないんだけど。
余談ながらこの映画を知ったのもYouTubeの町山解説。 話を聞くと面白そう、となるんだよねあの人は。
本人曰く「映画そのものより面白い解説を目指してます」ということだが、じっさいそんな部分もある。

とまあ、とにかく楽しんだ、面白かった。
こーゆー映画をもっと観たいので探しています。


●アイアンクラッド

もう何度目になるか、YouTubeの茂木講座を何度も聴いてます。
何度も繰り返して聴くのは世界史は長大で覚えきれないってのもあるけど、ごろんと横になってゲームとかしてる時に聴くのでそのまま寝落ち、というパターンで聞き逃した部分があるため。

そのなかでマグナカルタに関する話も、とーぜん出てくるが・・・ここは強調して原因はジョン王というバカ者が原因みたいに言っていた。
茂木講座って中世ヨーロッパはだいぶんヤケッパチみたいな語り口なんだけど、専門の講師からみても「なんでこんなバカなことになるんだ・・」いう歴史みたい。
特にジョン王はかなりバカ、ということで力強く語っている感じ。

その馬鹿者ジョン王を描いた映画が、HULU漁っていたら見つかったのでさっそく視聴。
ゆうても歴史には書かれていない戦い、みたいな作品みたい。
詳しいことはわからんが、何をやったんだろうねジョン王は。 もともと無能だったようだが、いろんな失策で英国は多くを失い、さらに国民に重税みたいな流れで、「勝手なことすな」という内容が有名な大憲章、マグナカルタらしい。 何度もきく名前なんで、その一部が今の英国にも活きている・・と思いきや、すぐに無効になったというのも意外で。
例えば現在でも使われる条文の中に「〇〇の件はマグナカルタに準ずる」的な感じで、今も欠片が残っているもの・・・ではない、という。
ローマから四散した感じで広がった中世ヨーロッパの数えきれない王国はつまり、けっきょく共和制を振り切った権力者たちが王政を復活させた結果であり、でも行き過ぎた支配を制限する動きがマグナカルタで、だから重要な一件・・そー解釈していいのかな。

内容的には、まあワールズ・エンドを観た後なんで、自然と似た感想が生じるみたいな。
見どころというか主役はジョン王ではなくひとりの騎士で、それがジョン王に反旗を翻して二十人の反乱軍となり、ちいさな城に籠城して抵抗する話。
まー歴史の隙間を狙った映画なんでスケール小さくせざるをえないため、ジョン王のほうもデンマークの傭兵千人だけというが、二十人の反乱軍にはハードル高し。
攻め入る傭兵軍団を壁の上で食い止めるのだが、このへんは「墨攻」にも似ていて、それは籠城戦という同じテーマなんで当然。
ここでの白兵戦がなかなかワールズ・エンドみたいで、血の色が青から赤にかわった雰囲気。
今までのアクションとはやや違う趣なのは、執拗に腕を切り落としにかかったり、相手の頭を斧や剣で「掘る」みたいな描写だったり、率直なバトルではない感じ。
いっぽうで主人公がグレートソード使いで敵兵を唐竹割りにするシーンもあったりして、どんだけ強いんだよという。
ワールズ・エンドと同じ趣向として、転がっている敵兵の手足を振り回して倒す、という場面もある。
要はじゃっかん、笑える戦闘シーンになっとる次第。
そいやファンタジーではおなじみのグレートソードって史劇ではあまり見ないが、現実のグレートソードは刀身のなかごろまで握れる構造で、じゃあ日本の野太刀ではなくナギナタみたいな使い方をするのかなと、ふと思ったりした。

海外映画はなるべく字幕でみたいものだが、今回も原語ならではの小ネタを発見。
無言の行をしているテンプル騎士団員に対し、誰かが「舌のない騎士団か」と言うシーンがあって、これは間違いなく舌、英語で言う「タン」を使ったダジャレとみた。
つまり例えば「テンプル騎士団か」を「タンナシ騎士団か」みたいにひっかけたものと思われ。
時代はまだ十字軍の頃であり、ローマ教皇とフランスとの関係が重要なんだけど、そこまで把握していないのでストーリーはよくわからず。
なんか城主の妻だっけアレ、ムリにロマンス要素を入れようとしてるけどしつこすぎでややギャグというか、じゃっかんストーカー女になってないか。
ジョン王は欠地王という素敵なニックネームがあり、王子だったころから信用がなくて領地をもらえていない上に王になってからは領土を削り取られて失地王というさらに素晴らしい呼び名がついたそうな。 茂木講座によればジョン一世とかよばれないのは後の王家は二度とジョンと名付けなかったためだそうで、二世も三世もないためだと。
よほど縁起の悪い名前になったようだ。
劇中でもわずか二十人がこもっている城に執着してけっきょく援軍のフランスが来るまでに落とせなかったという。

それにしても相変わらず、海外映画での中世ヨーロッパが貧しく描かれていて、史実に忠実を心がけているんだろうけど大変な時代だなーと。
英国ともなれば元々ローマとは離れているし、13世紀なんで仮にローマの都市が過去にあってもローマ水道は維持できず、また人口は増えたためそのぶんの水道建設ができようもない時代。
とにかく風呂に入れない、不衛生な世界はマジで大変そうだ。

余談ながらこの映画で不思議なのは、ウィキペディアに該当ページがない点。
まあ全てを網羅しているネット事典ではないと承知しているが、そーゆーこともあるんだ・・という。

そんな具合で、よくわからない部分は単なる不勉強なためであり、映画は何かと面白かった。
史劇って創作ものであってもいいなーと改めて思う。


●猛獣大脱走

HULUのマイリストに置いてあったのを視聴。
まず記憶曖昧なんだが、このタイトルがTwitterトレンドになったことがあって、それがHULUのマイリスト入りした前なのか後なのか不明で、Twitterトレンド自体はテレビで猛獣大脱走を放送するぞ、という話題だった。 視聴困難だろとゆーマイナーコンテンツが、HULUとテレビに来ていたわけか・・。

とにかくTwitterで浮上していて、でもってそれをみると今時こんなB級映画がテレビ放送、という驚きがあったようで、なおかつ内容の古さも話題の原因ではないかと。
また三十年ぶりのテレビ放送だ、というつぶやきもあったような気がする。
プロジェクトAと同時上映して、一部の観客にとってはトラウマ映画である、という情報も。
たしかにここ十五年くらいに出回ったB級サメ映画とはまったくちがう趣がある作品だった、猛獣大脱走という映画は。

内容的には、先進的な北ヨーロッパ都市にて、コンピュータの故障で全自動の動物園が全開放という。
でもって動物が街になだれ込んで大暴れして・・動物大暴れの原因は水道水に混じった化学物質なんだけど、コンピュータの故障はなんだっけ、ゾウが暴れたせいだっけ、なんとなくウヤムヤになっている部分。
観る前から安っぽい映画であろうと思って、それは半分的中なんだが、甘くみていた。
いろんな動物を出している時点でかなり労力と時間を費やした作品であり、とくに見どころはチーターが町中を疾走するというけっこー長いシーン。 尺を考えただけでもサファリパークに街のセットを持ち込んで・・などという手法ではなく、じっさいに町中で撮影したのがわかる。
またゾウが空港に突撃〜というのもなかなかいい絵になってる。 ジャンボジェット機が置いてある格納庫の前を闊歩するとことか、本当にゾウを歩かせたんだなーという感じで。

この作品の魅力は、当時からけっこうあった動物愛護の精神とかエコとかまったくもって知ったこっちゃないというスタンスか。
ネズミの大群を放水でぶっとばして、踏んづけて蹴っ飛ばして、挙句の果てに火炎放射とか、今もそうだが当時でも他の映画では真似できず、89年の「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」ではフェイクのネズミを燃やしていて、それが常識というもんだった。
つか燃やしたネズミがスゴい勢いで走り回ってるけど、それ火事の原因になるだろ、ゴキブリを焼却したら走り回って火災になったという話が最近あった気がするし。
また動物園から逃げ出したのはトラやライオン三十頭ほどで、それらが畜産業の牛や豚を襲ってパニックになった家畜が町中へ・・と増えているわけだが。
家畜が襲われるシーンはじっさいにトラやライオンを使って襲わせているっぽい。
ちょっと最近の映画でジュラシック・ワールドの劇中、大人の観客に人気があったのは肉食恐竜によるヤギの虐殺ショーだったな・・みたいなことが頭よぎる。
まあ映画撮影でライオンとかが牛豚にかぶりつくなんて、今ではなかなか撮影できないでしょうな。
やるとしたら「後でスタッフがおいしくいただきました」というテロップが必要になる。

ところでこの映画、テレビでは三十年ぶりの放送ということだけど、なーんか過去に観たことあるような気がして。
それはゾウが空港のフェンスを壊して乱入するあたりで「おや?」と思い、場面の絵ではなくシチュエーションが以前にこんな話を観たような・・という。
まあテレビドラマでゾウが空港に入って困った困ったみたいな話もあった気がするが、そうではなく、滑走路に入って大惨事という展開が。
そう思って映画全体を思い直すと、やっぱりいろんなシーンに既視感があるわけ。

むろん三十年前の放送を観ただけ、という可能性もあるが、テレビの番組でシーンが引用されたとか、映画紹介番組とか、なんらかの遠回りな理由で観たかもしれない。
今と違い、80年代だとビデオソフトの紹介番組などという、のどかなコーナーもあったし。
今と違わないものとして、レンタル用のソフトに話題作紹介が入ってるパターンもある。
でもそーゆー感じじゃないなー、ラストの展開を、なーんか覚えているようないないような気がして、例えば子供たちがいっせいに水を飲んで、ひとりだけコーラ飲んでいるという意味ありげなシーンとか、包丁とか、学校の中庭でゴロゴロしているシロクマとか。
やっぱりテレビ放送か、あるいはレンタルビデオで観たんだろうね。
レンタルビデオ黎明期は店に置いてあるタイトルが少なくて、あるもんは片っ端から観るような感じだったから、猛獣大脱走もあれば観たかも。

わりと余談だが、スタンピードだ! という字幕があったけど、今時の人にわかるのかなそんなん・・と余計な心配をして、念のためぐぐったが、画像検索ではトライガンのアイツが出てきた。
なるほど苗字がスタンピードっていうのかあの主人公は、じゃあ今時の人にもわかるかな・・ってトライガンそのものが旧いや。
まあ家畜などがまとめて暴走する感じをスタンピードっていって、昔の映画だとけっこう使った用語ってことで。

出だしがイキナリ馬の解体シーンで、ときおり鏡がグニューんと歪んだりする面白いカットがあったり、他にも「おっ?」となるよな面白い部分があります。
なにがどうなのかわからないが、ここ十年くらいのCGを多用した映画より、楽しめる要素がたっぷりあります。
ストーリー的にはモタモタして緊迫感がない映画なんだけど。

というわけで。


●鬼神伝

HULUでなんか気になったので視聴。
サムネールというのかプレビュー静止画が、中国や韓国アニメっぽいんだよね。

観てみたら普通に日本のアニメでした。
スタジオぴえろが製作か・・昔っからある製作会社だよな、ロボットアニメで言うとなんだっけ。 いやロボットアニメ作っていたとは限らないんだけど。
 ※いまぐぐったら星銃士ビスマルクでした。 ロボットアニメを出さなくてはならないお約束でもあったのか80年代のアニメ会社は。

観終わってから結論を言うと、そんなに面白い作品ではなく、だからこそ埋もれていたんだろうね。
公開は2011年の4月というから、もののけ姫より十年以上あとの作品か。

なんでもののけ姫を引き合いに出すかというと、千年前の都と対立する(あるいは追いやられた)山の民という構図が同じだし、妖怪変化が多数登場というのも同じだし。
つか宮崎アニメでお馴染みの僧兵とか生活感とかたっぷり取り入れているんで、いきおい思い出さずにはいられない。
京の都にタイムワープというか召喚させられた主人公が、当時の人々に頼み込まれて「悪い鬼との戦争で難儀してます助けて資格者のご子孫様」みたいな感じで、この弱々しい現代っ子が歴史の雲流で遭難するみたいな運びは「BALLAD 名もなき恋のうた」と同じような雰囲気です。 でもラスト、現代にもどった後でわざとらしい展開にならなかったぶん好感はもてる的な。
「よおしご先祖様の戦いでいろいろ学んだぞ、僕もこれからがんばらなくっちゃ」というBALLADオチだったらぶっとばしていたかもしれん。

歴史もので不用意に現在の価値観を持ち込まれるとイラッとくるからな〜天空の城ラピュタ、もののけ姫や風立ちぬなど宮崎アニメがそうならないのは心を砕いて作ってるためかと。
今回、鬼神伝はわりとその点はしっかりしたほうかな、と評価はする。
ネットでちょい耳にしたんだけど、携帯電話とかも不用意に使うとイラッとくるという。 アレも現在の価値観だからか。
この作品では昔と現代と共通の認識をうまく取り出して、深入りしないで組み立てた物語みたいな。
でもイマイチ面白くはない。

作画とかデザインとかなかなか見応えがあるんだけどね、じゃあ演出の問題だろうか。
エンドクレジットで知ったが音楽は宇崎竜童でした。 にしてもカムイの剣みたいな盛り上がりがぜんぜんないです。
とにかく鬼神伝はパッとしない感じ。
やっぱ演出の問題だろう。
そう思うと、この演出は過去にいくつか観たことあると気づく。
まず思い出されるのは昔のビデオアニメ。 80年代から90年代、作画レベルはミョーに高いのにもったりとした演出で盛り上がらない、ってパターンよくあった。
オリジナルビデオアニメでもあるが、「うしおととら」などでもそんな感じのシーンは多かった。
もうひとつは海外アニメ。
海外アニメも今じゃ、けっこー作画とかのレベル高いんですわ。
そんな市場に、なぜ日本のアニメが食い込めるかというと、やっぱ演出のメリハリが足りないのではないだろうか海外アニメって。
BGMもただ単に流していればいいみたいな感じみたいな。

あとは・・・ゲド戦記。
テレビでいちど観ただけだけど、なーんか面白く無いよねゲド戦記。
思うに宮崎吾朗監督はわりと利口なタイプなのではないだろうか。 あるいはサラリーマン的な賢明さがあった時期だったとか。
アニメの監督っって仕事中は意図的にバカになるような勢いがないとうまくいかんような気がするんだよね、根拠はまったくないが。
まあ鬼神伝の盛り上がりの無さはまた違うタイプかもしれないけど。

もっと内容についてちょい語ると。
根本的なところを考えるなら、現代の、フツーの中学生を主役にした時点でかなり話が弱い。
話が弱々しいこと決定。
あいや、それが決定打ではないか。
ずっと悩み続ける主人公たち、とかいう展開は(よくあるんだが)、観ていてけっこーツラいんだよね、退屈だから。
しかも覚醒したあとの吹っ切れ具合とか説明不足だし。 スーパーパワーの開眼というか、あの力をどう考えればいいやら観客に準備はないし。
水を司るオロチの力?だっけ。 いつ起源で何のためにあり、誰がどう使っていたものか、それが現出したらなんなんだ、とか、ケッコー語るべきことは多いんですこーゆーのって。
片や源雲は四天王を呼び寄せ、帝釈天など外国神のパワーとか無節操に集めて巨大な炎の鬼となる・・・じゃ最初からそれで決戦すれば? となるし。
巨大妖怪も多数、破壊神レベルも登場するのにどうも心躍らない。

逆に過去の傑作を考察してみると・・例えば風の谷のナウシカ。
大海嘯、巨神兵、墓所の技術など、巨大なパワーを持ち出すごとに破局にズンドコ向かってゆくという恐ろしい描き方をしていて、これなら納得するわけ。
千年くらいの歴史が語られて、墓所のテクノロジーで戦争したら世界がヤヴァいことになり、決戦兵器の巨神兵で文明にトドメ、さらに大海嘯で世界の大部分が腐海に沈んだわけで、どれをとっても末恐ろしい。 ナウシカの代になってそれらがまとめてやってくるみたいな・・危機感が半端なかったな風の谷のナウシカは。 要は宮崎監督ってあんがい語り口がうまいというか、よく練った結果かもしれない。

鬼神伝には原作があるようで、たぶん原作はちゃんと描いているだろうね、いろんな部分が。
とまあヒット作にくらべると単調でつまらない、と思えるが、なんせ千年前の街とか観れるだけでも楽しい。
作画レベルも高いとなれば悪い映画じゃないという感じか。


●アンダー・ザ・ドーム シーズン3

ずいぶん間をあけて、三期目を視聴。
結論からいうとかなり面白いドラマ。

いちおう、コレの前にターミネーター サラクロニクルを観てたんで、アメリカのドラマというものを理解しているつもり。
その前提で、アンダー・ザ・ドームを観始めていたんで、つまりわかったうえで付き合ってるので評価できる的なとこあるけど。

まず、アンダー・ザ・ドームというのは基本、ドーム出現で隔絶された人々、という一種の出オチで視聴者の心を掴み、あとは出たとこ勝負。
アメリカのドラマはあまり観ていなかったが、手法として視聴者の反応をデータでリサーチ、脚本を変えてゆくのだという知識もあって、前にも言ったけどひたすら視聴者の興味をひくようなネタを小出しにして話を引っ張る、とにかく引っ張る、の繰り返しをやらかす。
たぶん、視聴者が怒り狂って見放すまで続けるんだろうね、よく知らんが。
こうしたアメリカドラマのやりかたを知ったうえで観始めたし、出オチ同然のアンダー・ザ・ドームがどう展開してゆくのか、興味深かったが及第点といった感じ。

二期目のラストはみんなでドームを出るんだ! というところで終わってるが、このへんは一期目のラストと二期目の始まりと同じで、過剰な期待をすると裏切られる系。
ドームを出る話はウヤムヤになり、また全然違う話がはじまる。
こんどはマトリックスだってさ。
脱出に向かった住民がぜーんぶマユに取り込まれ、文字通りのマトリックス状態で仮想の平安な一年間を過ごすという。
そこから脱出したあとで、ちゃーんと劇中で「マトリックス」という言葉が出ているので比喩ではない。
でもって次はマユから出てきた住民が変になって「同胞」という共同体になっちゃったどうしよう、という話に。

ここでマユに入らなかったのはジュリアとビッグ・ジムだけで、ふたり主観のドラマになってくる。
ちなみに題材にマトリックスを取り入れるなら「エージェント」もいるのではないかと思い、仮想世界で怪しいふたりに注目するのだが、マユから現実世界に出た時にそのふたりも出てきて、仮想世界の仮想人物じゃないのか、誰だお前! みたいなより怪しいことに。
まあ細かい話はともかくとして。

最初から感じていたことだが、このアンダー・ザ・ドームというドラマの魅力はやっぱビッグ・ジムだったんだと、三期目で確信した。
中古車販売で小さな町では財産家に分類され、影響力も強い人物で、ある意味、理想的なアメリカ人。
だがこれまでの悪役とは明らかに格が違い、企んでいる場面でも「ニヤリ」とかはないという、まあ今風の演出がされているが、徹底具合がスゴい。
またまったくの自己中ではなく、人の心がちゃんと残っていて、でも邪魔が入れば殺人は厭わない。
とゆか毎回観ていて、今回のエピソードはジムが一人も殺していないなー、寂しいなーくらいの頻度。
何人殺したかカウントした人いないかな。

とくべつ身長が高くもなく、ハゲ頭で愛想の欠片もないというのが逆に凄みになっているビッグ・ジム。
バービーやジュリアではなく、コイツが主人公とも考えられるわけ。
第二期というか、第一期の終わりごろからもうドームの秘密とかどーでもいいんだろ企画者は、と思っていたが、たぶんそのとおりで、第二期ではそうとうに雑な展開となっていた。
物語にも舵取りというものがあり、ある回で「食糧危機が迫っている・・」と触れた数回あとに、とつぜんその問題が「解決した」ことがあり、その理由はアメリカ人にたまにいるらしいがサバイバルマニアが地下に糧食を蓄えていたからだってさ。 それで千人単位が数年間食いつなげるわけねーだろと視聴者は突っ込みたくなる理屈だが、これが「スタッフがドラマの方向性を変えることにしたため」食糧危機はなかったことにした一件だと思われ。

他にも砂塵や赤い雨もあったが、しょーもないガラクタ発明で瞬間的に解決したり、無茶なエピソードが散見。
第三期になってから最後の試練でも、なんでドームが空気を通さないと一日で酸欠になるんだよ・・とは思う。 あんなに広くて隠れ放題の森もあるのに、閉じた地球環境スフィアみたいなことはないんだ、住民が生きる酸素はすぐに消耗するんだ、と。
第一期、第二期でドームの特性とか仕組みなど、そのへん説明あったっけ? あったとしても今、解説しないと意味不明ですがな。

とまあ、わりと素人でもツッコミ放題なドラマではあった。
面白い部分も多くて、バービーの活躍もまあ見どころだったが・・。
やっぱりこのドラマ、ビッグ・ジムがどうやって問題を切り抜け、誰を殺して解決するかが見どころだと思う。

余談ながら第三期で登場のエヴァはなかなか美人で良かったが、役どころは操り人形で魅力ないからな〜。
思ったら生み出した「女王」ことドームがエヴァにクリソツで、なおかつストレートヘアというなんか好みがどストライクな感じに。
まあボス敵なんですけど。

これまた余談だが、以前に自分が3DCGソフトでドームの全体像を考察した件。
ドームの形状と直径の設定から、中心点を割り出そうとしたのだが、図のように地上に現れたのはドームの上端であろうという感じで、中心点はかなり地下深くにある! と確信したが、ドラマ上ではそのへん、どーでもいいことでした。 残念。


ラストではなんかXメンを連想させる残ったメンバー集結で締め。
あの連中で戦いを続けるのかなるほど、みたいな。
ウィキペディアによると、第四期の予定はないそうで、アメリカドラマには珍しい引き際ですな。
とゆうか続編を作るにせよ、もうドームは関係ないというか、女王の方のドームが焦点になる話になるだろうし、アンダー・ザ・ドームというタイトルの意味が変わってしまう。
それでもちょっとだけ先を描いたスペシャルドラマとか映画もあっていいのでは。
そのさいの題名はドゥームズデイとかなんとかになるのだろうか。

とまそんな感じで。


●ディクテーター 身元不明でニューヨーク

サシャ・バロン・コーエン主演のコメディ映画。
突発的に観たくなったので物理レンタルではなく、iTunesStoreでSD画質のを。
なぜHDではないかというと、SDだとデータサイズが3分の1だっけ、小さいので即みれるため。
別にHDでもiMacでならすぐ観れるが、なーんかAppleTVに反映されるのが遅いんだよね、それ困るから。

でもってディクテーター身元不明でニューヨーク。
今回はどうも「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」や「ブルーノ」と違ってドッキリカメラ形式ではない・・と思うんだけど、断言はできない。
ブルースはウンザリする映画だが嫌いじゃない、という話をしたが、今回はかなーり毒が薄くて面白い。

こんな言い方できる作家はサシャ・バロン・コーエンやラリー・チャールズ監督だからで、他の作家だったら尖った攻撃性が減ってマイルドになったばあいガッカリ、となるかと。
サシャ・バロン・コーエンだと、ブルーノで明らかな「やりすぎ」領域にはみ出していたので、多少丸くなったくらいがちょうどいいのは確か。
執拗なゲイネタもそうだが、ドッキリカメラ形式でイスラエルに行ってユダヤ教徒をバカにするシーンの収録では、あぶなく石打ち刑で殺されるとこだったそうで、尖りすぎて命がけの映画になっていて、コメディとして笑える境界線を余裕で超えてしまっていた。
ネットなどで人々の意見をみると「全方向にケンカを売っている」という言葉をよく聞くくらいで、もう何もかもをおちょくった爆弾のような映画だったからブルーノは。
だからディクテーターはそれに比べてマトモであるし、丸くなった点を評価もできるわけで。

今回のディクテーターは現状の独裁者をテーマにした作品で、まず冒頭の「金正日・・」のところから大爆笑。
まー世界から独裁者がいなくなってきている昨今、絵に描いたようなバリバリの架空独裁者をサシャ・バロン・コーエン演じる、という。
でもってチャップリンの独裁者みたいな、あるいは王子と乞食みたいな入れ替わりもある。
邦題からして身元不明でニューヨークだからもう全編大爆笑であった。
ちなみにブルーノでは全方向、世界のすべてをおちょくっているようで、アジア人は対象外・・というか描かれていなかったので、今回のディクテーターでちょい入れたみたいだ。

まず最初のとこ、独裁シーンとでもいうのか、モンティ・パイソンみたいでなかなか良い。
アラジーンの一人勝ちオリンピックとか、追いすがってくる選手をバンバン撃つという、ありがちなギャグもナイス。 ほんとだったら銃を持った選手など恐ろしくて、追い抜こうとは思わないのだが、そこがナンセンスなわけで。
またいろんな言葉を「アラジーン」に変更したため意味不明になり、医者の宣告をうける患者が戸惑う様子とかもウケる。
世界中の独裁者が親友であり、いまは金正恩しか残ってなくて寂しい感じとかもなかなか。
人種差別が当たり前なバチあたりギャグも健在。
気に入らない者みーんな処刑、登場人物がいなくなってしまうぞこの調子ではと、いらぬ心配もしてしまう。
しかも牛までww

ネタが細かくて枚挙にいとまがないが、例えばヘリコプターツアーなども面白かった。
ある意味、人種差別ギャグのひとつなんだが通報されて当然、みたいにも思える。
内容的には独裁者アラジーンとマッドサイエンティストがわけあってホテルを偵察する必要性に迫られ、でも軍隊などあるわけもないので民間のヘリコプターツアーを利用する場面。
好き放題なバカトークで目の前のアメリカ市民に話しかけ、「アメリカ人になりすましてやったぜ」的なことを言うのだが、 まず会話がヘッドセットで筒抜けである、という点がおかしい。
次にアラジーンとマッドサイエンティストの会話だが、贅沢な独裁者のボンクラトークなんだけど、話の要所に「ポルシェ911」「激突」「エンパイアステートビル」などなどが勢い良く出てきて、しかも中東系なので他のツアー客からは「911テロを再現しようとしている!!!」と思われてしまうわけ。
しかもポルシェで激突したせいかアラジーンは背中矯正ベルトかなんかをつけていて見せびらかしたり、カウントダウンをはじめたりするのだから・・つまり服の下に自爆ベストを着込んだテロリストが秒読みを開始! みたいな誤解がっ。 観光ヘリコプターの中は阿鼻叫喚。

中東系とみればテロリストあつかいかよ! というだけでは済まされない、悪質なジョークがいい。
あとはヒゲのエピソードも良かった。 トレードマークのヒゲを剃られて市中をさまよう独裁者アラジーンだが、付け髭でいいじゃん・・思ったら「偉人のヒゲでないと」と妙なコダワリが。
そこでちょうど死んだ麻薬王のヒゲを盗みに葬儀場へいくのだが、会場のマフィアに見つかりあわててプランB。
このプランBがまた笑えて。
ラスト・アクション・ヒーローもそうだけどマフィアの葬儀ってなんか盛り上がるよな。

ただ有名俳優などが登場するギャグは、ほとんどわからなかったです。
やっぱ映画を観ない方、なんだな自分は・・みたいに思った。 シュワルツェネッガーも出ていたらしいが見逃したし。

でもってこの作品に限らない、以前からの疑問なのだが、映画によく動物の剥製がでてくるのはなぜ?
とくに思いだすのはドラマ「ダーマ&グレッグ」でグレッグの父親がトロフィーとして剥製を所有しており、ド左翼であるダーマの両親はそれみて悲鳴、とか。
あるいはアイアン・スカイのなかで大統領執務室に剥製があったり・・もしかしてアメリカでは剥製って、右翼を示す象徴的な小道具なのか?
あ、ド左翼といえばこの映画、ディクテーターにもそんなキャラが出てきて、やっぱり有機栽培とかやってて、これまたステレオタイプなのかなと。

相変わらず下品なギャグは満載だが、これなら編集次第でテレビ放送できるのではとゆう感じか。
たっぷり楽しんだ映画でした。




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ikeaさん
どうもです、思い出しました、アメダスは全国に配置された観測システムで、気象衛星はひまわりでした・・そんな知識は子供の頃にはあったけど、大人になるとけっこういろいろ曖昧になったりしますね。 ちなみに小学生の頃は町中の百葉箱がアメダスだと思い込んでました。

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Posted by てきとう怪獣 2016年05月11日(水) 06:25:24 返信

はじめまして、ikeaと申します。「ぼかうた」から来ました。ブログ主様の作品に対する深い愛が感じられる素敵なレビューを、いつも楽しく拝見させていただいております。揚げ足取りで申し訳ないのですが、今回1点指摘させて下さい。

> アメダスの打ち上げって80年代だっけ?

「アメダス」とは気象衛星の名前ではなく、全国約1300ヶ所に設置されている気象観測ロボットで構成される観測システムのことです。要するに無人の測候所が全国にある訳なのですが、昔のNHKでニュースの後の天気予報のコーナーでいつも「気象ロボット」と呼んでいたこともあり、当時の子供心に、激しい雷雨に打たれながらも微動だにせず立ち続ける四角いブリキのロボットを常に心に描いていましたw

すみません、記事に関係ない話でしたが、以上ですw

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Posted by ikea 2016年05月09日(月) 20:04:32 返信

はじめまして、ikeaと申します。「ぼかうた」から来ました。ブログ主様の作品に対する深い愛が感じられる素敵なレビューを、いつも楽しく拝見させていただいております。揚げ足取りで申し訳ないのですが、今回1点指摘させて下さい。

> アメダスの打ち上げって80年代だっけ?

「アメダス」とは気象衛星の名前ではなく、全国約1300ヶ所に設置されている気象観測ロボットで構成される観測システムのことです。要するに無人の測候所が全国にある訳なのですが、昔のNHKでニュースの後の天気予報のコーナーでいつも「気象ロボット」と呼んでいたこともあり、当時の子供心に、激しい雷雨に打たれながらも微動だにせず立ち続ける四角いブリキのロボットを常に心に描いていましたw

すみません、記事に関係ない話でしたが、以上ですw

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Posted by ikea 2016年05月09日(月) 20:01:34 返信

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