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前作(関連作)


「お疲れさん伊織。早めに終わってくれたから予約には間に合いそうだよ」
「……それ、キャンセルして」
「おい、キャンセルって今日は伊織のたん…」
「いちいち言わなくても分かってるわよ。今日はもう家に帰りたいの」
「あの…どっか具合でも悪くなった?」
「いいからドアを開けなさい、後ろのよ」

収録前にナーバス気味だったのは緊張のせいかと思っていたが、
お嬢様はどうやらご機嫌斜めのご様子である。
こういう時には大人しく言う通りにしたほうがいいのだが
この豹変に思い当たる節がなく、何が原因かが気になって仕方ない。
そもそも誕生日は二人でディナーにしようと言い出したのは伊織なのである。

「帰る前にキャンセルの連絡しておく…」
「そんなの後でいいでしょ、早く車を出しなさいよ!」
ヒステリックな叫び声を浴び、慌てて携帯をしまうと車を発進させる。
デビュー当時ならいざ知らず、最近の伊織がここまで感情的になるのも珍しい。
「失礼しました、急いで家に向かいます」
「べ、別に飛ばさなくてもいいから安全運転心がけなさいよ?」

無言で車を走らせながら、時折ルームミラーで伊織の様子を窺い見る。
表情の裏にあるのは“怒り”ではなく、“不安”だと俺の経験と勘が告げている。
少なくとも伊織が怒っているならこんな風に黙り込んだりせず、
八つ当たりの文句を口うるさく言い続けるはずだ。
では伊織は、その小さな胸に一体どんな不安を抱えているというのか……
不意に伊織が顔をあげ、ミラー越しに視線がぶつかる。

「次の信号、右に曲がって」
家に帰るなら左折で、右に曲がれば行くはずだったホテル。
「右だと遠回りになりますが」
そういうと伊織はきまり悪そうに目を逸らした。
「いい、それよりお腹空いているの。なんとかして頂戴」

やれやれ、そういうわけか。
理由はともかく、行動がいつもの我侭の範疇ならそう心配するほどでもないだろう。
少なくとも事態は悪い方を向いてないのだから、事情の究明は後回しでもいい。
俺は密かに安堵のため息をつくと、車をホテルの駐車場に向けた。



さっきまで駄々っ子のように不機嫌丸出しだった伊織だが
車寄せでベルボーイに手を取らせて降りた瞬間、見事なまでに
本来の優美な姿を取り戻していた。
物慣れた俺ですら気後れしそうになる超一流ホテルにあって
水瀬財閥の末娘という本物のお嬢様は、何気ない振る舞いにも気品を秘め
豪勢な調度に囲まれた中で、誰がその場の主人か雰囲気だけで明らかにする。
16歳になってもまだ小柄で華奢な少女の癖に、こういう場での存在感は圧倒的で
スポットライトを浴びているときよりさらに輝いて大きく見える気がする。
そして自分と彼女の間にある、目に見えない絶望的な壁の存在までも。

だがすぐに気を取り直し、これまで仕込まれてきたエチケット通り腕を差し出すと
伊織も自然な仕草でその細い腕をしっかり絡ませてくる。
何度も撮影された俺たちのこの姿には、大手の週刊誌からゴシップ専門雑誌まで、
申し合わせたように同じキャプションがつけられる。
もちろん“熱愛カップル”なんかじゃない。
“お嬢様とその従者”である。


レストランの個室に案内された頃には、伊織の機嫌も元通りになったらしい。
メニューに好物をみつけ、無邪気な笑顔をこぼれさせたのがその理由だ。
だが……それにしては口数の多さが少し不自然ではある。
”素”の伊織は実はそうお喋りな方ではない。彼女が喋り続けるのは感情が
どちらかに偏っているときに限られるのである。
懸命な笑顔と不自然なテンション、その理由を俺の思考が追い求めようとした瞬間、
伊織も気付いたらしく、俺に手をだしぶっきらぼうな口調で言う。

「ほら、早くだしなさいよプレゼント」
「えっ、今か?」
「今かって、今出さずにいつ出すわけ?」
「そ、そうか…それはすまん」
「ねえ……まさかとは思うけど、忘れたんじゃないでしょうね?」
「違うぞ、ちゃんと用意はしてきたが……車に置いてきた」
「…………」
「そんな顔しないでくれ、すぐ取ってくるから」


絨毯敷きの廊下をできる限りの早足で抜け、車からプレゼントを回収して戻ったとき……
そこに伊織の姿はなく、湯気の立つ珈琲カップに1枚のメモが残されていた。
丁寧な伊織の筆跡で書かれた数字はルームナンバーに間違いないだろう。
珈琲に口をつけながら携帯をコールしてみたが、案の定電話にはでない。
伊織の不安定さの原因はこれで特定できたが、このまま伊織の待つ部屋を訪ねたあと
俺は一体どうすべきか、あるいはしないべきかはまだ確信がもてなかった。



灯りを消した部屋は暗く、月明かりがかろうじて伊織の横顔を浮き上がらせる。

「泊まっていくなら新堂さんに連絡しておかないと」
「もうしたわよ」
「そうか。……プレゼント出すから明るくしていいか?」
「あ…あんまり明るくはしないで頂戴」

ベッドにちょこんと腰掛けた伊織が、窺うように俺に視線を向けた。
仕事場、あるいは人前では絶対に見せない伊織の不安げな素顔。
その答えがこの部屋に二人きりでいることにあるのだが、今はそれを置いておく事にして
スタンドのランプを少し明るくすると伊織に向き合うようベッドに腰を下ろした。

「伊織、誕生日おめでとう。今回のは結構自信あるんだぞ」
「あ、あんたのセンスには期待もしてないけど……でも、ありがとう」
「ほら、開けて開けて」
「ふーん、チョーカーね。デザインはまあ…気にいってあげてもいいわ」
「ありがたき幸せ」
「でも意外な選択ね。選んだ理由はなあに?」
「チョーカーというか首輪的な意味で、伊織が俺に首ったけになるように」
「バ、バカ……なんで私があんたなんかに」
「このように俺の思いは届かないから…せめて願いだけ込めてみたんだよ」
「重いわよ、そういうの。それよりほら、つけるの手伝って」

伊織が座ったままチョーカーを差し出す。
受け取った俺が伊織の前にたつと、首を小さく傾げた伊織が見上げる。
や…やばい。この伊織は可愛い、いや可憐すぎる。
湧き上がる衝動を押し殺しながら、腰を屈めて近づくと顔と顔の距離が一気に縮まり
横顔にかかる伊織の吐息がくすぐったい。
衝動のまま首筋にキスでもしてやろうかと思ったが、体臭を嗅ぐだけでなんとか我慢した。


「どう、似合っているかしら?」
「ああ、選ぶときはちょっと大人っぽいかと思ったが、なんとかなるもんだな」
「何よその言い草、失礼ね。私はもうとっくに大人よ」
「わかってるって。それより俺、そろそろ帰らないと」

わざとらしく腕時計を見ながら身を離そうとした袖口を伊織が掴む。

「な、何よ…この状況で私を置いて帰る気じゃないでしょうね?」
「一人で寝るのが寂しいなら子守唄でも歌ってねかしつけてやるが」
「とぼけないでよ……だいたいアンタが悪いんだから」
「おいおい、一体今日はどうしたんだよ」
「女の子に言わせる気? 最低、ほんと気が利かないわね」
口調は尖っていても、表情まではそうでもなかった。

「いいのか、本気にしちゃうぞ?」
「し、しなさいよ。私だって本気じゃないとこんなことしないんだから」
「伊織、ごめん」
思わずその手を引っ張って立たせると、華奢な体を強く抱き寄せていた。
「ちょっと……苦しいじゃない」
「我慢しろ」
「…うん」
「途中でやめろっていっても知らないぞ」
「いい。でも一つだけお願い聞いてよ」

伊織の真剣な声。
俺は抱擁を解くと、伊織の肩をそっと抱いて瞳を覗き込む。

「最初はちゃんと恋人みたいにして。そのあとは……あなたのしたいようにしていいから」
「恋人みたいじゃない、俺と伊織は恋人だ」
ぱっと顔を輝かせた伊織に唇を重ね合わせた。
驚いて目を閉じるのも忘れた伊織と見つめあいながらキスを続ける。
息継ぎを挟んだ2回目も伊織はまだ潤んだ瞳で俺を見つめ続ける。

「い、伊織よ……キスの時は、その…目、とじたほうが」
「知ってる……でも、みていたいの。あなたの顔……いいでしょ」
「べた惚れ?」
「う、うるさい……それならアンタが目を閉じなさいよ、ほら、んっ……」
3度目は伊織からのぎこちないキス。
俺はそれを柔らかく受け止めると、彼女の代わりに目を閉じて感触に集中する。
柔らかく張りのある伊織の唇。
重ね合わせるだけの幼いくちづけに夢中の伊織に、俺はふと悪戯心がわいた。
舌を伸ばして侵入させ、伊織の舌を軽くノックする。

「んっ!? んんんー!!」
驚いて逃れようとする体を抱き寄せ、舌を絡まると、そのうち諦めたらしい伊織が
おずおずと舌を伸ばしてくる。
その舌を優しく嬲りながら、俺は伊織の背筋をさすってやる。

長い口付けを終えると、伊織は深いため息をついて俺の胸に顔を埋めた。
「満足したか?」
「う、うん……ファーストキスとしては一応合格」
「ちゃんと大人扱いしたキスだったろ」
「……ば、ばかぁ。そういうことは言わないでいいの」
「でも今からもっと大人扱い……いや、大人の女にするんだぞ」
「だ、だから言わないでいい、は、恥ずかしいんだから……」


別に伊織をからかうつもりではない、俺としては照れ隠しのつもりだった。
ゆっくりと後ずさってベッドに腰をおろすと、伊織を膝の上に抱え上げた。
「な、何?」
「キスの続きさ」

膝に座らせて安定した伊織を引き寄せると、今度は素直に目を閉じた。
重ねるだけのキスの次は、唇をなぞるように動かすキス。
唇で、そして舌で伊織の張りのある唇をゆっくりとトレースしていく。
時折漏れるかすかな鼻声。
催促するかのようにチラリと顔をのぞかせるピンクの舌。
高まっていく伊織が見せる反応に俺自身も昂ぶっていくのを懸命に抑え
丁寧でゆるやかな愛撫に集中する。
背中を撫でる手をそっとブラウスの裾から忍び込ませると
久々に触れた伊織の素肌は熱を帯び薄っすらと汗ばんでいる。

「んっ…やぁっ、んん……」
艶かしいがまだまだ可愛いらしい伊織の喘ぎ。
まだだ、もっともっとお前を女にしてやる。
そんな事を考えていると俺自身さらに熱く昂ぶり滾ってくる。
だがそれを伊織に触れさせるのはまだ早すぎる。
全てを奪ってしまいたいという雄としての本能と
無垢で可憐な少女のまま可愛がっていたいという俺の本心。
今まで何度もぶつかり退けられていた本能だったが
今夜ついに本心を押しのけた。

背中を愛撫していた手を一旦抜き去るとブラウスのボタンを探って外す。
キスの合間に万歳をさせて脱がせると、残ったのは下着とニーソックスのみ。

「やだ……あんまりジロジロみないで」
「恥ずかしいなら目をつぶってろよ」
それでも伊織は無防備な半裸姿を隠そうともせず、俺をじっと見つめる。

「ねぇ……このまま、しちゃうの?」
「怖くなったか?」
「違うわ……あ、あのね、そのまえにシャワー……」
「ふむ……」
「だって今日から恋人なんでしょ? だったら最初はちゃんと、んむ!?」
皆までいうまえに伊織の口を塞いた。
確かにそのとおりだ。
いつもなら伊織の匂いも味も全てあるがままに味わうところだが
今夜、俺と伊織は恋人という関係になった。
その初めてならば、恋人同士にふさわしいやり方でいくべきだろう。
そう結論づけると、チョーカーが揺れる首筋に唇を這わせながら
その隙に指先でブラのホックを外す。
脱がされまいと抵抗の素振りを見せた伊織だったが、首筋を舌でなぞってやると
簡単に抗うのをやめて力を抜いた。

「やっ、やだぁ……お願い聞いて」
「わかってる。そのために脱がしてやるんだから」
「ううっ、いい、自分でするから待っててよ」
「駄目だって、一緒にお風呂はいろうぜ?」
「ちょっとぉ……そんな恥ずかしいこと」
「次はこっちな」

甘えた声の抗議を無視してショーツに手をかけたが、膝に座らせた体勢で
脱がすのは無理があるため、伊織を抱えあげるとその場で立たせた。


「……へ、変態」
「脱がせてやるだけだろ。 それとも自分で脱ぐか?」
「脱ぐとこ見たいの分ってるわよ……変態」
「知ってるくせに。ほら、足あげて」

伊織は文句をいいながらも、身を屈めた俺の肩に手をついて
ショーツを脱がせるのに協力してくれる。

「全裸にニーソだけって刺激的だな」
「み、見てないでちゃんとこっちも脱がせなさいよ」
「この体勢はちょっときついよ」
そういうと伊織はポンとベッドにお尻をのせて、伸ばした爪先を俺に向けた。

「ほら。これならいいでしょ?」

目の前に伊織の大切な場所があるはずだが、伸ばした足がランプの明りを
うまくさえぎっているため、暗い影しか見えない。

「あんたの考えてることなんてお見通しよ……」
「さすがいおりん、こんな時に焦らしプレイか」
「う、うるさい! それより脱がしてくれないと先に進めないでしょ」
「いやそれがな、こうして脱がせるのも意外と楽しくてな」
「バカ! 変態は自重しなさい」

返事の代わりに、膝上までのソックスをくるくる丸めて下ろすとま先から抜く。
右足、ついで左足。

「あぁ、夢にまで見た伊織の全裸が」
「言い方がエロイわ。もっと綺麗にまとめてちょうだい」
「そろそろ俺も考えてる余裕が無くなってきた」
「じゃあいいわ……それよりお風呂、連れてって」



高級ホテルのスゥィートだけあって、浴槽も二人で入るのに十分な広さだった。
今度はむこう向きにした伊織を膝の上に乗せて足を伸ばす。
アップにまとめた髪先がくすぐったいのを我慢しながら
お腹にまわした手をゆっくり上に這わせて乳房を包み込む。

「少し成長……したかな」
「疑問形でいわないで。少しだけど大きくなったんだから」
「でも俺は形と感度を重視するタイプだから、そこはこだわらないよ」
「その割には事務所で誰かさんの胸に見とれてなかったかしら?」
「気のせいだよ……なんで俺が担当に伊織を選んだと思ってるんだ」
「可愛いから、でしょ?」
「その通り、それ、ご褒美だ」
「あっ、や、ちょっとそんな、ふぁっ、ああぁ……」
「思ったとおり、感度は良好と」
「こらぁ……ふざけないで真面目にしてぇ」
「してるさ。こんな風にも」
「んっ、はぁ、それダメ、か、感じ……あぁあああ!」

初めて受けた乳首の愛撫で、伊織は体を震わせながら喘ぎ声をもらす。
最初の声より、さらに艶を増した女の声で。

「そんなに気持ちいいなら、こっちはどうだ?」
左手は乳房に残したまま、右手を乳房からゆっくり下に這わせていく。
お腹、ヘソ。
わき腹に少し寄り道してから、もう一度お腹にもどると
今度は真っ直ぐ目的地に向かう。
よく締まった下腹部に達すると、指先に柔らかい陰毛が触れる。

「そ、そこはダメなの……」
「どうして?」
伊織の手が俺の手首を制止しようとするが、力はほとんど入っていない。
俺はペースをゆるめ、じわじわと指先を歩ませて目の前のゴールを目指す。
「どうしても……そ、そこは」
「風呂ではなくベッドで、だろ?」
「……バ、バカァ」



真っ白いシーツに伊織を横たえると、スイッチを調節して明りを増やす。
「やだ、暗くしてくれないとダメよ」
「せっかくの綺麗な体なんだ、この機会にちゃんと見ておきたいんだよ」
「……じゃあ見たら暗くしてよ?」
俺は応えず、そのまま伊織に覆いかぶさる。
もう一度唇を重ね、さっきと同じように唇から頬を経て首筋を辿っていく。
それだけで伊織は声をあげ、今度はしっかり俺の背中に手を回す。

胸のてっぺんで小さく震える伊織の可愛らしい乳首は色素が薄いため
ピンクに近い肌色に見える。
指先でつまみ、指の腹で丹念に転がしてから口に含む。

「あぁん……やっ、ふぁ、ああっ」
「本当に感度がよさそうだな、伊織は」
「いゃん、そんなの知らない……、あっ、ひゃあん」

舌先で啄ばむたび、軽く歯で挟むたび、伊織は声をあげ背中をのけぞらせる。
そうやって伊織の意識を胸に向けている間、さっき風呂場で中断した動きを
もう一度再開する。
今度は伊織も止めようとはしなかった。

指先が薄い陰毛を掻き分けたたどりついた伊織の大切な場所。
そのまま指先を滑らせて、ぴったり閉じ合わさった肉片の間をなぞって開くと
そこは既にたっぷりと愛液が溢れていた。
指先に粘つく液体をからめながら、慎重に入り口を探す。

全体的に小ぶりな伊織の花びら。
それが今刺激を受け、ゆるやかに花弁を広げながら内部をさらけ出してゆくにつれ
ようやく俺はそこを探り当てた。
人差し指一本だけですら侵入を拒むような狭くてきつい伊織の膣口。
一気に犯してしまいたい衝動をこらえ、じっくりと周囲をほぐすように撫でてゆく。
侵入のアプローチのたび、伊織の表情が歪み喘ぎに苦痛の響きが混じる。
俺は指先でそっと膣口をおさえたまま、伊織の耳もとに口を寄せた。

「なぁ、もしかしてこうすると痛いんだろ?」
「……んっ、少し、っあ……イタ」
「少しじゃないだろ、我慢するな」
俺は指を外して体を起こした。


俺の動きを察した伊織が薄っすらと瞼を開く。
「心配するな、今さらやめないけど、痛くするつもりもないから」
「ねぇ……ど、どうするの?」
俺は応えず、素早く伊織の足の間に体を入れると足首掴み、
持ち上げながら大きく開いた。

「やっ、ちょっと何! だめ、やだはずかし……ああぁっ!」

目の前にある、青い果実のような伊織の秘裂。
慌てた手がそこを覆い隠してしまう前、
たっぷりと果汁を流すその場所を貪るように俺は口をつけた。
途端にあがる悲鳴のような喘ぎ声。

「いやぁあん、だめ、そんなとこ舐めないでっ、やっ、ああ、やぁああ」
暴れる足を押さえながら、俺はなおも唇と舌による愛撫をくわえていく。
花びら全体を丹念になぞり、徐々にその輪を内部に向けて狭めていくと
ついには舌先が狭い膣口に迫っていく。
溢れる愛液を何度も飲み込みながら、時間をかけて馴染ませていくにつれ
伊織の声もさらに艶を帯び、体の力もいい具合に抜けてくる。

そろそろいくか。
そっと伊織の足をおろすと、バスローブの前を開く。
準備OKどころか、これ以上焦らしたら破裂するんじゃないかというくらい
はち切れそうな俺の相棒。
先走りの量だって半端じゃない。
へたしたらこれだけで孕むのではないかと……あ、あれ?
アレがねぇ……

「……ど、どうしたのよ?」
「あのさ伊織。もしできちゃったら……どうするよ」
「そうね、私はどっちでもいいわ、あなたとの子供なら」
「そ、そうか。じゃあ」

俺はもう一度伊織の上に覆いかぶさり、それから先端をそっと伊織にあてがった。
「んっ……熱いわね。それに……」
緊張のためか何かと口数の増える伊織の唇をキスで塞ぐ。
もうここからはお喋りは不要だ。
できる限り慎重に、けれど決意を込めて俺は腰を進めて行った。



「なぁ、まだ痛む?」
「へ、へーきよこんなの……グスッ」
「泣いた顔見るの、初めて見た気がする」
「なっ、泣いてないわよ! こ、これはただの汗よ……泣いてなんかないんだから」
「無理するなよ。伊織が泣いたら俺がこうしてよしよししてやれるんだから」
「グスッ……じゃあ、いっぱいよしよしして。すごく痛かったんだから」
「よしよし、伊織はよく頑張ったな、これで一人前の女だからな」
「そ、そうでしょ。今から子ども扱いするのは禁止よ」
「もちろんさ」
「ほら、手が止まってる!」
「あの伊織、こういうのは子供っぽいとは思わないか?」
「ば、バカ……こういうのはいいの。ほら、痛くなくなるまで続けるのよ?」
「はいはい、伊織は俺の嫁……」


おしまい。

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