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秋月律子と秋月涼は男親が兄弟という事もあり、幼少の頃から度々顔を合わせて遊んでいた。
当時から女と見間違える容姿だった涼は、年上である律子のいい玩具であり
度々女の子の服を着せられたり、ままごとの相手をさせられたりする事も多かった。
しかし二人の仲はとても良く、二組の両親は安心して彼らを見守っていた。

そのどこにでもある幸せな関係に狂いが生じてきたのは
律子が中学に上がるか上がらないかといった時期だった。
この年頃の女子は男子に比べて、総じて早熟である。
色のある話題や知識を耳にする事が多く、周りよりも一歩大人に近づこうと背伸びをする。
律子も例外ではなかった。彼女は、気まぐれに立ち読みした
年齢層がやや高めの女性向け雑誌を読んで、その刺激的な内容に軽いカルチャーショックを受けた。
そこにはキス止まりの少女漫画を軽く凌駕するような
深い情交の記事や描写が多く散りばめられていたのだ。

(これが、大人のする本当の恋愛なんだ……。
 今までの漫画で見ていた恋愛は、子供の遊びみたいなものだったんだ……)

そう合点した律子は、是非その本物の恋愛を自身で体験し、周りの娘よりも大人に近づきたいと思った。
しかし当時、彼女の周りには適当な相手がいなかった。
それもそのはずで、同年代の男子児童は相対的に
女子児童の目からは幼稚に映ってしまうものなのだ。
そんな彼女は、手頃な恋愛の相手役として涼を選んだ。
彼女は別に彼に惚れている訳ではない。
ただただ大人の経験をするための代替品として彼を選んだに過ぎない。
涼は、律子が気兼ねなく話せる唯一の異性であり
自分の言う事をほぼ無条件に聞いてくれる手下のような存在でもある。
そして外見中身共に汚れた所のない、同級生のような不潔さとは全く無縁の人間だった。

「ねえ、涼。本物の男の子になりたくない?」

ある日、律子は自室でこのように涼に持ちかけた。
その時の涼は、床に座って適当な漫画雑誌に目を通していた。
「本物? 僕は男の子だよ」
質問の意図が分からない涼は、顔を上げて律子のいる方向に目を向けた。
彼女は物知り顔で頭を左右に振って否定する。

「分かってないわね、今の涼は本当の男の子じゃないわ。
 恋愛をして初めて大人の男になるの。……涼は、男になりたくない?」

「なる」
涼は、二つ返事で承諾した。
小さい時から律子は間違った事を言わない、信頼できる従姉だった。
第一、断ると嫌なお仕置きをされるのではないかという危惧もある。
基本、彼は彼女に逆らえないのだ。

「じゃあ脱いで」
「ええっ、何で!?」
「男になりたいんでしょう? 言う通りにしなさいよ」
「う、うん……」

恥ずかしそうにしながら、涼は律子の言われるがままに衣服を脱いでいった。
彼の柔らかな体つきが徐々に顕わになっていく。
最後にパンツを一枚足元に下ろして、彼は完全な裸体となった。
成長期前の中性的な美少年の肢体は、それ自体が自然の産み出す至高の美術品である。
未発達な隠部ですら、得難いこの美しさに欠かせない一部となっている。

「脱いだよ、律子姉ちゃん……」
「分かってるわよ。次は私の番ね」

自分の番となり、律子は高鳴る胸の鼓動を抑えながら裸になっていく。
裸を晒す事に対して彼女の中には若干の抵抗感があった。
だが、これも恋愛体験のためとぐっと堪える。
相手が他の異性であったら、彼女は恥ずかしがって脱ぐのを思い止まっていたかもしれない。
しかし相手は全く色気づいた所のない涼である。男性的魅力の著しく希薄なこの子は
率直に言うと当時の律子にとって男ではなく、単なる顔見知りの子供として見なされていた。
律子は三つ編みを解き、シャツやショーツを床に重ねて、涼と裸で向かい合った。
律子の肉体は第二次性徴期の過渡期にあり、最近乳房が女らしく膨らんできた頃だった。
その処女体の所々に、大人になろうとしている色がちらちらと見え隠れする。

「お姉ちゃん……」
涼の唯一男性と判断出来る部分が、皮を被ったままその身を跳ねさせ、兜をもたげていた。

(おちんちんが大きくなっているわ……ひょっとして、これが勃起なのかしら……)

保健体育の教科書でしかまともに男性器を知らない律子は
初めて見る異性器の反応に対して好奇心を膨らませた。

「ごめん……。おちんちんが言う事聞かなくて……」
涼が不安げな声で呟き、恥ずかしそうにうつむく。
そんな彼を律子は肩を撫でて軽く鼓舞した。

「大丈夫よ。お姉ちゃんに任せなさい」
「早く男にして。僕、かっこいい男の子になりたいんだ」
「急かさないで。ちゃんと教えてあげるから」

律子はそう言って膝を折り、既読の漫画に描かれていた通り
相手の恥茎を握って口唇で食んだ。

「んうっ……はふ……ふぅ……」
律子はそのままチロチロと舌を動かして、涼の肉筆を味わった。
異性の性器を舐める行為に、涼のみならず律子もかなり戸惑っていた。
彼女はこの行為をする意味を良く知らない。
ただ性交渉の前にほとんどの漫画メディアが行っていたから
単にその形式を上からなぞっているだけなのだ。
飴玉を舐めるように口内で男性器を転がしてはいるが
そこに淫らな感情はほとんどなかった。
ただ、何か周りに隠れて秘密の事をしている事、それ自体が興奮を呼び起こし
彼女の身体を知らず知らずのうちに熱くさせていた。

「律子姉ちゃん……」
「んっ……どうしたの?」

涼は体をもじもじとさせながら眼下の彼女に言った。

「気持ち良い……」

その反応を見ても、律子は何故彼が気持ち良くなったのか全く分からなかった。
そういえば漫画でも男性キャラが気持ち良さそうな表情を浮かべていたな
と彼女はぼーっと思い出していた。

「そうなの? くすぐったくはない?」
「最初はくすぐったかったけど、何か段々と気持ち良くなって来たんだ……」

この後確か射精まで行う場合も律子は知っていた。
しかし彼女は早く大人の恋愛というものを体験したかったので
その口淫をさっと打ち切ってしまった。

「これで準備は終わりよ」
「これで?」
涼は不思議そうに首をひねった。
彼は明らかに興奮覚めやらぬ肉槍の処理に困っていた。

「さあ、ここからが本番よ」
律子はベッド上に腰を落として、涼に向かって自らの薄い恥唇を左右に広げた。
見事な桜色を呈したその部位は、乙女のものと称するに相応しい美しさを所有している。
涼は物珍しい様子で異性の恥部を凝視している。

「いい? 涼の硬くなったおちんちんの先を、この穴に入れるの……」
律子の細い指が肉色の花弁の中央を指差す。
そこには確かに小さな肉穴が存在し、少量の愛露によって微かに湿っていた。

「律子姉ちゃんは、痛くないの?」
「少し痛いかもね。でもそのうち気持ち良くなる……と思うわ」
「僕は?」
「アンタは気持ちいいだけよ。きっと」
彼はそれを聞いてほっと胸を撫で下ろす。
「さあ、早く始めましょう」
「う、うん……」

律子は涼の腕を軽く掴んで、自分の身体へと倒させた。
彼は律子の艶やかな肢体にはっきりしない欲情を持ちつつ、自らの幼い恥槍に手を添えた。

「ここ……?」

彼の肉先が彼女の尿道口を小さく叩く。

「違うわ、もう少し下……」

彼の手に添える形で律子は未通の女穴に男根を導く。

「そう、そこよ……」
「入れていいの?」
「ええ。でもゆっくりとね……」

涼は何度か挿入を試みるが、小さめの穴がさほど開いていない事と
自身の先走りによって上手く押し入る事が出来ない。
漫画の中の美形男子のようにスムーズな運びにはならないか、と見かねた彼女は
肉棒の向きを手で固定させ、蜜穴に肉帽をしっかりと宛がった。

「ほら、これでおちんちん入れてみて」
「う、うん……」

涼は恐る恐る、言われた通りに膨らんだ肉身をうずめていった。

「ぁ……んっ……!」

その中途で律子はささやかな痛みを感じた。
これがあの破瓜の痛みなのかと、交合中にもかかわらず冷静に分析している自分自身がいた。
大した前戯を施していないため、恥部はほとんど濡れていない。
だから相当処女穴の開通は痛いはずなのだ。
しかし、相手である涼の肉茎がそれほど大きくなかった事。
それに仮初めにも恋愛をしたという満足感。
それらが破瓜の痛みをやや緩和させたようだ。

「は……入ったよ」

少しズキズキと痛むが、涼の肉根は根元まで律子の恥穴に埋没している。

「じゃあ、そのままおちんちんを涼の気持ち良くなるように動かして……」

律子は言った。漫画や小説では、男が気持ち良く動かす事で女性も心地良くなっている。
だから相手に任せる事で自分も気持ち良くなると思い込んでいたのだ。
素直な涼はこくんとうなづいて、不器用ながらも肉根の抜挿を始めた。

「はぁ……はぁ……!」

未通の隘路を涼は肉色の本能で開拓していく。
無数の膣襞は太古の遺伝子によってその侵略者に絡みかかる。
年若きそれは不断の愛撫を受けて、更にその身に血潮をたぎらせた。

「気持ち良いよ、律子姉ちゃん……!」

少年の真っ赤な顔には、快美に悶える表情が浮かんでいる。
彼の幼い心身はもはや隅々まで肉欲に制圧されていた。
発情期の雄猫のように彼は快い喘ぎ声を漏らす。
その腰使いは目で追う毎に激しいものになっていった。

「ああっ……! んっ……! あはぁ……!」

涼の体の下で律子はしきりに口を開いて喘いだ。
涼の技術はお世辞にも上手いとは言えないし、彼女も痛痒い気持ちしか感じていない。
しかし参考にしたメディアでは、濡れ場になると
女は必ず心地良いとばかりに何度も嬌声を吐いている。
そのため、彼女はそれに倣って艶声を漏らしたのだ。
ただ、人間とは不思議なもので、自ら作り出した雰囲気に気持ちを揺さぶられる事も少なくない。
律子の発した形ばかりの喘ぎは、二人の間を淡い桃色に染め上げていく。
それに釣られて今度は二人が色に酔い、情欲を奮わせていくのだ。

「ああっ……! いい、いいわ……っ!」

涼を受け入れて、律子は疑似恋愛の感覚を満喫していた。
性的快楽よりも、こうした知識欲の充足による喜悦の方が実際大きいかもしれない。

「ああんっ……! あっ……! り、律子姉ちゃんっ……!
 おちんちんが、何かおかしくなってるよぉ!」

野猪のようなピストンを繰り出しながら、身体の変化を訴えた。
射精が近くて困惑しているのだ。
それに気づいた彼女は、彼の身体に脚を絡めてその小さな身体を抱き締めた。

「安心して……お姉ちゃんの中で気持ち良くなりなさい……」
「んはぁ……! 律子、律子姉ちゃん……っっ!」

律子の腕の中で、涼はその秘められた青い肉欲を解放した。
律子の中へと精通し立ての少年の精汁が、びゅうびゅうっと音を立てて迸る。
彼女は下腹部の内奥に熱く重い液汁が広がっていく感触を覚えていたく満足した。
それは女が感じる支配欲にも似た心地良さである。
涼は律子の肉体によって、生来味わった事のない淫快を受け止め、その余韻に深く痺れていた。

「律子……姉ちゃん……」

二人はしばらくの間、情事後特有の気だるい空気の中で
繋がったまま息を整えていた。

「ふぅ……涼、どうだった?」
上体を腕で持ち上げ、律子は涼に尋ねた。
彼は律子の美乳に顔をうずめて荒い息を吐いている。
「僕、男の子になれた……?」
「うん、格好良かったわよ」
「本当に!」
涼は無邪気な笑みを浮かべて、喜んでいた。

「これ、裸になるの恥ずかしいし、かなり疲れるけど……」
涼は律子に向かって笑った。
「でも、その百倍気持ち良いね……!」

それからも律子は理由をつけて涼と会い、性交を繰り返した。
二人は隠れてする大人の真似事に毎回胸を高鳴らせ、その興奮と快楽を共有し合う。
性欲を刺激された涼は射精欲の赴くままに激しく律子と交わり
律子もそんな彼を自分好みの男にしようと教え導く。
休日に飽くまで性交し続け、抱き合いながら互いにキスし合う事が
いつしか二人共通の楽しみとなっていた。

   #  #  #

律子が涼と男女の関係になってしばらく経った後の事である。
彼女はある夜、両親から大事な話があると言われ、リビングに残った。
テーブルを挟んで父親と母親が話のきっかけを探っている。
「貴方……本当によろしいの?」
「ああ。律子ももう年頃だ。そろそろ本当の事を話してもいい歳だろう。
 こういった話は後回しにすればする程、厄介な事になるからな」
そう呟きながら父の話した内容は、少なくとも律子にとって衝撃的の真実だった。
事は十年程前に遡る。秋月家の弟夫婦、つまり律子の叔父と叔母は
中々子宝に恵まれず、それが悩みの種となっていた。
産婦人科に足を運んで検査した所、叔母が不妊症であるという診断が下された。
子供を儲ける事が難しいと知り、打ちひしがれる義妹を見た律子の母親は
当時三歳の律子に弟妹が生まれたら、その子供を養子にしてはどうかと提案した。
その時、彼女は既に第二子を腹の中に宿していたのだ。
「でも義姉さんだって、その子を楽しみにしていたんでしょう。
 私が横取りをしちゃったら、悪いわよ……」
義妹の手を握り締めて、律子の母はその時こう言ったそうだ。
「いいのよ。夫も納得してくれているし
 大切に育ててくれたらどちらが産んだ子供かなんて関係ないわ。
 貴女の悲しい顔を見ているのは、義姉としても辛いの」
最初は遠慮していた弟夫婦も、兄夫婦の暖かな説得を受けて
最後にはその厚意に感謝した。
四人は律子が中学に上がる頃には本当の事を話す事で合意した。
やがて産まれた子は弟夫婦たちの下へとやってきた。
その赤ん坊は兄夫婦が名付け親となり涼と命名され、美しく健やかに育っていった。

   #  #  #

「涼が……、弟……?」

律子は口元を氷のように強張らせていた。
涼の続柄を知らされてまず彼女が思い浮かべたのは、あの何度となく繰り広げた男女の営みだった。
小説や漫画の知識であるが、そこでも姉弟同士の性的な繋がりは
最大の禁忌として描かれている事を彼女は知っていた。
知っていたからこそ自分の犯した罪を知り、口唇を震わせているのだ。

「わ、私と……」
律子は不断の戦慄を抑えながら、両親に尋ねた。
「私と……涼は結婚出来るの?」

本当は性行為が許されるのかどうかを聞きたかったが、流石に直截な表現は口に出せず回避した。

「出来ないよ。養子縁組したとはいえ、血は繋がっているんだから」
律子の父親がきっぱりと言った。
両親は彼女の反応を見て怪訝に思いながらも
やはり早めに告白しておいて正解だったと胸を撫で下ろした。
彼らは、娘がよもや既に実弟とかなり進んだ関係であるとは思っていない。

「もし……結婚したらどうなるの……?」
「そりゃあ……警察に捕まるな」

父親は冗談混じりに答える。その口調には
「間違ってもそのような事はしてくれるなよ」といった警告のニュアンスも入っていた。
ただ母親は鋭い。律子のわずかな動揺に違和感を覚えて彼女の顔色を伺った。

「律子、貴女まさか涼ちゃんと……」
「な、何でもないよお母さんっ! ただ、聞いてみただけだから……」

律子はその場を流した後、さっさと席を立って自室へと閉じこもった。

   #  #  #

問題はその後である。律子は禁忌を犯してしまったその恐怖に日々怯えていた。
そんな時に叔父夫婦が涼と共に遊びに来た。

「律子姉ちゃんっ!」

涼は従姉の部屋に入ると、いつものように彼女へ挨拶代わりのキスをしようとした。
その涼の横顔に、彼女の強い平手打ちが襲い掛かる。
彼は発赤した頬を手で押さえて、しばらく呆然としている。
何故何も悪い事をしていない自分が叩かれたのか、理解できなかったからだ。

「涼! もうキスとかして来ないでっ!」

呆然とする彼へ、律子は冷たい言葉を投げかける。今の彼女に余裕はなかった。
一刻も早く弟との関係を断ち切りたくて、感情的に任せて動く事しか出来なかった。

「ど、どうしたの? 僕、何か悪い事した?」
「とにかく、私たちはもうあんな事をしちゃいけないの!」

理不尽な対応、そして仕打ちである事は律子も強く感じている。
しかしそれ以上に、この危険な関係から早く逃げ去ってしまいたい気持ちで一杯だった。
涼にしてみれば、これまで非常に仲良く接してきた従姉が
急に怖い顔をして自分を拒絶したのだから、訳が分からなかった。

「いい!? この間までした事は誰にも話したらダメだからねっ! 分かったっ!!?」
「……うん」

有無を言わさぬ律子の強かな口調に呑まれ、涼はただただ「はい」としか言えなかった。
二人の睦言をこのように固く涼に口止めした律子であるが
彼女はそれから数年、ずっとあの思い出を不安の種として抱えざるを得なかった。
万が一涼が口を滑らせて他人にあの事を話したら
その日から自分たち姉弟は世間から白眼視される存在になってしまうのだ。
しかし涼は良く分からないながらに、従姉が自分との淫行をタブーにしていると分かり
他の人間には決して口外しなかった。
律子は極力、実弟と会わない事にした。

しかし律子の意志とは裏腹に、彼女の若い肢体は
最初の相手である少年を恋い焦がれ、身体を熱くさせた。
この頃までに二人は、相手を強く慕うまでに本能のまま性交の回数を重ねていたのだ。
特に涼は一番性欲に振り回される時期であり、会う度に
疲れる事を知らないまま彼女の体を何度も慰めていた。
そうして内奥に刻み込まれた悦欲の楔は、始終彼女の体に愁いをもたらした。
このままではいけないと思った律子は、彼の代わりとなる異性を求め、恋するように努めた。
しかし事ある毎に弟との深交が頭をよぎって一歩が踏み出せない。
結局キスすら成立する事なく、彼女の仮初めの恋愛は一度終わった。
そんな彼女を救うべき存在はアイドル業界に入ってから現れた。
相手は十歳も年上のプロデューサーだった。
彼女は彼を人間的に慕いながらも、異性として徐々に意識をし始め
いつしか本格的に恋愛感情を抱き始めた。
焦燥感を抱かずに好意を持った事が良かったのだろうか
彼とはキスどころか体すら許す間柄にまで発展した。
しかし、彼との情事で彼女は決して満足しなかった。
彼は典型的な早漏で性行為の時間が大変短く、物足りないと感じていたのだ。
それでも彼女はこれでいいと思った。
何時しか彼との関係に慣れ、禁忌に満ちたあの日々が
記憶の中から消えていくに違いないと固く信じていた。

   #  #  #

ある日律子は「あの」涼から、相談事を受けた。
真と共演するミュージカルについていくつか相談したい事があるから
876プロの会議室へ来てほしいとの事だった。
彼とはあれから数年口も利かないで避けていたが
徐々に以前のような親しい関係を取り戻しつつあった。
勿論、性的交渉を求めるような事があれば律子は即座に拒絶する。
しかし彼はそんな素振りを全く見せずに極普通に接してきた。
最近では事務所に押しかけてきて「アイドルになりたい」と言ったり
女装アイドルとなってからはレッスンを手伝って欲しいと
相談を持ちかけたりして何かと頼って来ている。
例の事は、時間が解決してくれたのだろうと彼女は思う事にした。
幼少期の記憶など、大人になるにつれて曖昧になっていく物なのだ。

   #  #  #

「あらっ……」
メールを受け取って876プロの会議室に来てみるとそこに真の姿はなかった。
もう少ししたら来ると言って、涼は扉を背にして扉を閉めた。
問題は音だった。カチャリと鍵を閉めるような音が律子の耳に聞こえたのだ。
急に彼女の中に不安の色が現れ始める。
振り返って一瞥した弟の顔は、笑っていなかった。

「り、涼……」
「律子姉ちゃん、……僕の気持ち、ずっと知っていたでしょう?」

その問いかけを聞いて、律子の脳裏に忘れかけていたあの記憶が、色を帯びて蘇っていった。
彼女は不安に怯えてその場から後ずさりする。
涼はそんな彼女を見つめながら一歩一歩と近づいていった。

「やっ……止めて……っ!」
壁際にじりじりと追い詰められた彼女は、すぐ涼に両手首を握られた。
振り解こうと腕を振り回して抵抗を試みたが、相手の力は思ったよりも強かった。
結局彼女は彼に軽くいなされて、その柔らかい口唇を奪われた。

「んんっ……! ん……涼ぉ……っ!」

数年振りに味わった実弟の口付けは、昔のあの甘美な一時を思い出させた。
意味も分からずに相手の口に舌を入れていた、あの日の情景が蘇る。
それと共に、彼のキスが昔よりもずっと上手くなっているのを彼女は感じていた。
ただ無闇に唇を合わせているのではない。
相手の……女の理性を引きずり、吸い出そうと努めている。
彼女は初めてその時、涼を肌で男と感じた。

「律子姉ちゃんは、ずるいよ……」
キスの合間に涼は彼女に囁く。
「僕をその気にさせておいて、勝手に捨てて……」

「し、仕方ないじゃない……あの時、私たちは何も知らなかったんだから!
 涼だって、私達が姉弟だっていう事……もう、知っているんでしょう?」

「……。知っているよ……お父さんたちから聞いた」
彼女は事の原因が自分にあると分かっている。
だから真摯な涼の眼差しをまともに見る事が出来なかった。

「……アンタに酷い事をしたのは、謝るわ。ごめんなさい。
 確かに私も言葉が足らなかった。
 けど、……もうあんな関係になっちゃ、いけないわ……。
 ……ねぇ、分かるでしょう」

涼は律子の体をきつく両腕で抱いて離そうとしない。
その腕の中で彼女は涼の身長が自分を越えている事を今更のように実感していた。

「分からないよ、お姉ちゃん……!」

涼の瞳には涙が滲んでいる。
それは彼の実姉に対する愛の深さと、それによる数年来の苦悩を語っている。
律子はただ圧倒されて言葉が出なかった。

「僕は律子姉ちゃんに謝ってもらいたいんじゃないっ!
 律子姉ちゃんは、僕の、大切な人なんだ……っ!」

涼は律子の頬や首筋に口づけをしながら、相手の隠部にそっと手を這わせた。
彼女は体を強ばらせたものの、淫手は彼女の喜ぶ部分を的確に撫で、愛でていく。

「姉弟だとか、血が繋がっているとか、……そんなの関係ないっ!
 僕はあの頃からずっと……律子姉ちゃんだけが好きなんだっ!
 他の人を好きになるなんて出来ない! 愛しているんだ!」

涼は涙を流しながら自らの想いを律子に伝えた。
弟が自分と同じように悩み苦しんでいた事を知って、彼女の心は大きく揺らいだ。

「止めて、これ以上は……」
「律子姉ちゃん、またあの頃のように仲良くしよう……」

涼は律子のスーツに手をかけて脱がしていく。
律子は再び抵抗を試みたが、無駄だった。

「駄目っ……これ以上そんな事したら、大声で叫ぶわよっ!」
「……。……いいよ。律子姉ちゃんがそうしたければ、そうして……」

そう言い放った涼の目は酷く冷たかった。
覚悟を決めた男の目が彼女を壁に縛りつけた。

「僕と律子姉ちゃんの『関係』を皆に教えたいなら、叫びたいだけ叫んだらいい……」

律子はこの時、彼が業界を敵に回してまで自分の夢を貫き通した事を思い出した。
そうだ、彼は流されやすい所もあるが、芯を決して曲げない頑固な一面もある。

「僕だって、律子姉ちゃんを脅したくはないよ。
 律子姉ちゃんにも、僕を……愛してもらいたいから……」

気がついたら律子はブラジャーとショーツのみにされていた。
それすらも、彼の手ですぐにはがされて、床へと離れていった。
彼女の瑞々しい乙女の肢体は、決して両手で隠しきれるものではなかった。

「……いっ、一回だけ……一回だけだからね……っ!
 それ以上は、……諦めて……」

律子は涼の深い情愛に負けて、一度という条件で数年振りに彼に体を預けた。

「ちゅっ……あむ……ちゅぷっ……れろ……」
「んうっ……」
涼は昔と比べて遥かに大きく実った彼女の豊乳を
口唇で丹念に舐め上げて、堪能していく。
何度も吸っていくうち、乳凸はその身に唾液を纏って硬く強張らせる。
「律子姉ちゃん、すごく綺麗になったね……」
彼の優しい一言が、その都度彼女の心をとろけさせた。

「ああん……っ! あはぁ……っ!」

壁にもたれかかった律子の股部に、涼は顔をうずめて口淫した。
襞の一枚一枚を口唇で甘く食み、蜜穴を舌で妖しくほじくり返していく。
ほんの少し弄っただけで、彼の顎に液が滴る程彼女の恥部は濡れていった。

「ああっ……! 涼ぉ……!」

律子は快楽に震え、悶える。
昔とほぼ同じ事をされているだけなのに、背徳感も恥悦も全く違っていた。
律子は奇しくも、巡り巡って、あの時読んでいた漫画のヒロインと同じ事をされているのだ。
たっぷりと恥唇を潤わせた涼は、実姉を床に組み敷いて、向けられた女の美尻を愛でる。
豊かな肉付きの尻の中央には、セピア色の肛穴と縦に伸びた桜色の肉溝が晒されていた。
指でその肉溝をくちゅくちゅと軽く弄うと
律子は艶めかしい吐息を漏らして尻を左右に捻らせた。
抜いた彼の指は、しっとりと蜜汁が絡みついている。

「いくよ、律子姉ちゃん……」
涼は律子の尻肉を掴んで背後からその姉穴に肉茎を挿し入れた。

「……あはぁっっ!」

一気に根元まで挿入され、律子は快美に震える。
久々に受け入れる実弟の肉槌――
それは昔より遥かに見事な大きさで、抗い難い甘美さに溢れていた。

「好きだっ、律子姉ちゃん……誰よりも、お姉ちゃんの事がっ……!」

涼は想いのたけを口から発して、姉の雌を刺激し、攻め立てる。
律子は両指を内側に曲げて、随喜の涙を流しながら肉悦の虜になっていた。
その一突き一突きが彼女の心身を甘く痺れさせ、溢れんばかりの悦欲へと導いていく。
体が、心が、弟である彼を唯一無二の伴侶として意識とは逆に受け入れていった。

「律子姉ちゃんっ! このまま……膣内に出すね!」
「あんっ……! あはぁっ! だ、駄目ぇ……っ!」

律子の叫びは肉と肉が激しくぶつかり合う音でかき消された。
涼は姉の豊乳を腕に抱き締めながら猛挿し続け、その勢いのまま快頂へと昇る。

「やあぁ……っっ! 駄目よっ……! 膣内は赤ちゃんがっ……!」

禁忌の旋律を奏でながら轟射された弟の濃厚な近親汁は
律子の膣奥に次々と注がれ、襞の間にも染み込んでいった。

「や、やあぁっ! 弟のおちんちんでイっちゃう……っっ!
 涼の赤ちゃん、孕んじゃうぅっっ!」

溢れんばかりの痴悦の波が、恐怖を丸ごと飲み込んで歓喜との境目を溶かしていく。
彼女の体は深い律動と共に、弟の種を悦んで内奥の部屋へと運んでいく。
その時、彼女は忘我の中で初めて魂の充足していく様を体感した。

   #  #  #

そして現在、律子はかねて交際していたプロデューサーと結ばれている。
彼と共に新規事務所を立ち上げて二ヶ月目に、彼の方から求婚されたのだ。
相手の人柄は穏やかで彼女も好意を持っている。
またプロデュース業をしている彼女にとって、彼は尊敬する先輩でもあるのだ。
彼は両親からも温かい心で迎えられた。
結婚の意志を伝えると、両親は屈託のない笑みを浮かべて娘夫婦を祝福した。
少なくとも、これだけ見るとどこにでもある幸せな新婚夫婦であった。

「あの真面目な律子が、できちゃった婚をしたなんて美希信じられないの!」
星井美希は、事務所で天海春香や三浦あずさを相手に話していた。
ここの所765プロで飛び交っている話題は、もっぱら律子の結婚と懐妊のものばかりである。
朝からまたその話をして楽しんでいる美希の背後から
小気味良い音を立ててハリセンが振り落とされた。
「いたたたた……」
美希が頭を撫でながら後ろを振り返ると、案の定律子が立っていた。
「美希……『さん』はどうしたの?」
「わ、忘れていたの、律子……さん」
そこへ茶菓子を持ってきたあずさがフォローに入る。
「だけど意外なのは確かね。律子さんはお堅い所があるから
 そういうのって苦手なんじゃないかって、私もちょっと思っていたわ」
「それだけ愛が深かったって事じゃないですか!
 赤ちゃんが出来る順番なんて些細な事ですよ」
担当プロデューサーにほのかな想いを寄せる春香は
律子とその夫である新社長に将来の自分を重ねていた。
「あっ、そうだ律子さん。涼ちゃんから伝言が入っているよ」
一口茶菓子を口に入れた後で、春香は律子に連絡した。
「りょ……涼から?」
「うん。仕事が忙しくて来れないから、とにかく祝電だけでも、って」
電報を受け取って律子の顔にはやや翳りが差したが、他の三人は気づかなかった。
プロデューサーも同期のアイドルたちも、二人の子供の誕生を心待ちにしていた。
ただ律子だけ、周りの笑顔に胸が締め付けられている思いでその場にいた。
彼女の下腹部には確かに新しい生命が息吹き、育まれていた。
胎児は担当医の診断によると、健やかに成長しているという。
……自身に流れている、呪われた血の色を知らずに。

   #  #  #

「あはぁ……っ! 涼、そ……そこはっ……!」

一度だけ体を許したあの日から数ヶ月、律子と涼の禁忌の関係はまだ続いていた。
彼らは互いに離れれば惹かれ合い、体を重ねれば決して離れられなかった。
涼は姉の懇願を聞き入れて、彼女とプロデューサーの結婚だけは認めた。
表向き従姉弟という間柄ではあるが、血を分けた姉弟である以上結婚は出来ない。
それは涼も良く分かっていた。だから彼は「形式だけの」結婚を許したのだ。

「律子姉ちゃんは僕の奥さんだから……
 僕以外の男の人と子供を作っちゃ、だめだよ?」

プロデューサーとの結婚が決まった時、既に律子は涼の子供を身籠っていた。
夫は自分の子供と信じて疑わない。
まさか真面目で世間に通っている若妻が、実弟と肉体関係を持っていて
その子供まで孕んでいるとは夢にも思っていなかった。
祝電という形の伝言を受けて
今夜も律子は、その一糸纏わぬ身重の身体を弟に預ける。
ベッドで寝息を立てている夫の傍で……。

「ああんっ……これ以上はっ、……止めてぇ……。
 あの人が……、あの人が起きちゃう……!」

淫猥な柔乳を散々手で弄られ、恥穴を肉根で攻められながら、律子は弟の腕の中で悶える。
だがそこにある拒絶の意志はあまりにも弱々しかった。

「大丈夫だよ。睡眠薬が効いているからこのぐらいで起きないよ」

涼の優しげな声が律子の耳に響いた。
今や売れっ子男性アイドルである彼は、律子との時間を中々取れないでいる。
そのため、最近は夫の寝静まった夜中に訪問してくるのだ。
結婚を許したとはいえ、彼は姉夫婦が一緒に暮らしている事に対して不満を抱いていた。
そのため、しばしば寝室、それも旦那の隣で律子と交わる事により
彼女が自分のものであるという意思表示を行う。
あらかじめ律子が飲ませておいた睡眠薬で寝ているとはいえ
夫の眼前で行う不倫行為は、普段の生活では到底味わえない
倒錯的な性的興奮を二人に覚えさせた。

「……いっそ義兄さんを起こして、見せつけちゃおうか?
 僕たちがとっても仲良くやっているとこ」

涼は時折冗談とも本気とも取れる言葉を姉に投げかける。

「だ、駄目よ……、そんな……!」

律子はその意図を読み取る事が出来ずにただ必死で思い止まらせようと焦った。
涼はそんな彼女の反応を楽しみながら、わざと激しく抜挿を続けた。
蜜液のかき混ぜられるいやらしい音が、夫婦の寝室に響いて満ちていく。

「やあぁっ! は、激しくしないでぇ……!」
律子は耳朶まで真っ赤にして、この羞恥に耐えている。

「ふーん……律子姉ちゃんのここは、そう言ってないようだけど?」
涼は腰を巧みに左右にひねって、膣襞に長い肉身を強くこすりつけた。

「あぁ……んっ!」
彼女は自身の身体が悦び狂っているのを抑える事が出来なかった。

「じゃあ三回目の、出すよ……。律子姉ちゃんのエッチな身体に
 僕の温かいミルク……沢山飲ませてあげるね」

「ああっ……! 貴方、ごめんなさい……! 私、私……っ!」

眼前の夫に涙を流しながら謝り、律子は悦天へとその魂を昇らせた。
その身の深奥に実弟の遺伝子を受け止めて、彼女はせめて卑声を漏らすまいと口唇を手で押さえる。
しかしそれは内奥で龍のように暴れまわる喜悦の淫熱を籠もらせて、彼女の身体を深く痺れさせていく。
その圧倒的快楽に屈した彼女の顔は、すっかりとろけきっていた。

「どう? 大好きだよね。僕の精子……」

彼女は弟のキスを受けて、自分はもう彼の支配下にいる事が分かった。
遺伝子に刻まれたレベルかもしれない。

「まだまだ出るから、いっぱい流し込んであげるね……お姉ちゃん」

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