「ほぼ」身内用。ここをじっくり見て興味出たら探して入ってみてくれてもいいです。編集などご自由に。不備や質問は米でもいいですが管理人のこと知ってたら直接だと対応が早い&内緒でもおk

勝ち


「克つ、は勝つとも書く。つまり相克のサイクルは、月の支配下にあるんじゃないんですか?」
「勝のにくづきは舟が由来しているものよ。勝の大事な部分は、力が含まれていること。それはある力は別の力に克つという、相互の象徴である験」
「うーん、良いアプローチだと思ったのですが」
「全然ダメ。五行思想は強力なものなのだから、現実を観察して理論と照合する演繹をし、そこから五行思想に基づくアブダクションを発見すれば良い。」
「私と貴方様の相互はどうなのでしょう? 私は悪魔で、サタンの手先。サタンは明星で、明星は金星だから金のはずですよね」
「まぁ、相違ない」
「貴方様は……ううん、なんでしょう。お嬢様に深い繋がりがあるなら、赤で火かしら。火と金で、貴方様の勝ちですね。わあん、負けちゃったわ」
「はいはい、勝手に言ってなさい」
「あ、うまい!ふふ、それじゃあ失礼いたしますね」

「……妖怪や魔女の名前はその者を体現する。私のファーストネームから、私は木。金克木、勝つのは貴方よ」

可知


「ねぇ、これ、何の実験?」
「あなたの、その幻視の眼の閾を測ります」
「い、閾って……」
「ん?貴方の専攻でしょ?」
「ちょっとズレてるってば。相対性心理学じゃなくて、相対性精神学」
「あ、そうか……。まぁまぁ、それはそれ。さぁ、この秘封倶楽部の秘宝、『深秘的楽曲集』よ!」
「なにそれ……魔術紛いのもの? 幻想というより、オカルトって感じなんだけど。表紙に映ってる人は誰なの?」
「上海アリス幻樂団と、黄昏フロンティアって謎のサークルが製作したCDよ。表紙に映ってるのは秘封倶楽部の初代会長さん、だとおもう」
「上海アリス幻樂団って、あの弾幕プログラミングで動く人形劇を製作した? 秘封倶楽部はそのサークルと繋がっていたの?」
「他には何も残されてないからなんとも……。まぁまぁ、これもこれ。みてみて、珍しいでしょ、骨董屋で手に入れたCDプレイヤー。電源をいれるわよ。音を可視化させるサイマティクス装置を繋いで、えっと、曲ごとの丁度可知差異を入力する表がこれで……」

 不可知論。
 幻想は証明することができない、幻想が在るか無いか判断はできないという理論。
 私たち人間は、現象からでしか物事を判断できない。
 幻想の証明には、肯定も、否定もない。
 そこには反論も、反駁もない。
 でも、それは立証じゃない。
 だから私は可知論を掲げる。
 貴方のことが『知ることができ』たら良いと、想いながら。

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