差別・偏見やヘイトスピーチを助長する「嫌韓」デマ・中傷に対抗・反論するウィキです。

(注意)この記事には、悪質なヘイトスピーチの事例画像が表示されています。閲覧にはご注意下さい。

ツイッターに「磐田昭良」という名(本名か否かは不明。特定個人を貶めるためにあえて使っている可能性もあります)で知られている悪質なアカウントがあります。しばしばカエルの人形らしき画像をアイコンに用いるため、「カエル」、もしくはもっと悪しざまに「クソガエル」とも呼ばれています。主に在日コリアン、また在日コリアンと交流したり差別問題に携わっている人々に嫌がらせのメンションを送りつけてくるのが特徴です。何度アカウント凍結処分をされても、その度にアカウントを復活させ、複数のアカウントを使った嫌がらせを続けています(なお、このユーザーが今まで使用してきたアカウント、及び現在使用しているアカウントの履歴リストがこちらのサイトにまとめられています)。





このユーザーが悪質なのは、そのしつこさもそうですが、しばしば嫌がらせのネタとして拉致問題を持ち出すことです(※注1)





上の画像を見れば分かるように、拉致問題どころか、特に政治的な話をしているわけでもない、単なる親しい知人との雑談にまで割って入ってきます(※注2)

ちなみに在特会も在日コリアンを攻撃する際、しばしば「拉致問題」を持ち出すことは知られています。安田浩一氏の『ネットと愛国』では、在特会のデモ参加者がブルーリボンや横田めぐみさんの写真を、あたかも自らの主張(在日コリアン排斥)を正当化する「錦の御旗」のように用いている様子が描写されています。

こうした事態には、拉致被害者家族の横田滋さんも懸念を表明しています。
「去年の6月だったか、東京でのデモ行進で、私たちの知らない団体が参加していて、『在日朝鮮人は東京湾に放り込め!』なんて怒鳴っていてテレビのニュースでも映されたのです。拉致と直接関係ない在日の人にまでそんな言い方をするのはよくない。
(『めぐみへの遺言』、幻冬舎、2012年)

言うまでもなく、拉致問題は重大な人権侵害であり、一刻も早い解決が望まれます。しかし、それを嫌がらせやヘイトスピーチのネタにすることは、それ自体悪質であり、問題解決・被害者救済に何ら寄与しないのみならず、被害事実を加害に転化させることで被害者を貶めている、いわば「被害の横奪」と呼べるもので、許されるべきことではありません



行政による「被害の横奪」


さて、上記の例を見て「確かにこれはひどい。許せない」という人は多いと思います。では、次のような例はどうでしょうか。

川崎市の阿部孝夫市長が、北朝鮮の核実験への“仰天対抗策”を披露した。何と、市内の朝鮮学校2校に対する2012年度の補助金のうち未執行の計約300万円で、拉致被害者、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さんと、母、早紀江さんの著書などを購入して、現物支給するというのだ。
「抗議の意志を込め、(朝鮮高校の)生徒の各家庭に現物を配分する。生徒にも拉致被害者救出に協力してもらいたい」
阿部市長は19日の定例会見でこう語った。市内に横田夫妻が住んでいることを踏まえたものという。横田さんの著書以外にも、拉致被害者救済関連の資料や本なども購入し、支給するという。
ただ、13年度当初予算案に計上している市内の朝鮮学校への補助金841万円について、阿部市長は「日本人の国益に合わないことが行われているようであればきちんと対応すべきだ」と指摘したうえで、「教育の支援をやめるというのは極端だ」と語った。
朝鮮学校をめぐっては、下村博文文科相が19日の記者会見で、「朝鮮学校は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下にある」として、高校無償化の対象外とすることを明言。神奈川県の黒岩祐治知事も、補助金を13年度当初予算案に計上していない。
関係者によると、阿部市長の判断に対し、朝鮮学校側は「それは困る」と絶句し、横田さんも困惑気味という。
(2014年2月20日付ZAKZAK記事より)

朝鮮学校への補助金を削減し、その代わりに拉致被害者の著書を配布する、という行為は、上記の「磐田昭良」の行為とどう異なるのでしょうか。一個人ではなく行政がこのような嫌がらせをするという方が、その影響力の強さを鑑みてもより悪質であると言えるでしょう。こうした行為が許されるのであれば、たとえば海外の日本人学校で補助金が削減されて、その分で慰安婦問題に関する本を支給する、というようなことが起きても文句は言えない、ということになってしまいます。

なお、阿部氏の後を引き継いで2013年11月に川崎市長に就任した福田紀彦氏はヘイトスピーチ対策を公言しており(参照:川崎市長が市民集会でヘイトスピーチ対策の取り組みを明らかに⇒在特会側は大規模な市長退陣デモで対抗)、また神奈川県議会は2014年12月25日、国に対してヘイトスピーチの法規制を求める意見書を全会一致で可決しました(参照:ヘイトスピーチ禁止法求め 県議会で意見書全会が一致の可決 | カナロコ)。

こうした動きは大いに評価すべきです。しかし、在特会などによる「わかりやすいヘイトスピーチ」のみを問題視する一方で、上記のような行政による差別政策・嫌がらせ(繰り返しますが、それは影響力の大きさという点において、個人によるヘイトスピーチ以上に悪質です)を温存・容認するならば、それは許されざる欺瞞と言わなければなりません。





(※注1)
こういうことを言うと「慰安婦問題を持ち出すことだって日本人に対する嫌がらせ(ヘイトスピーチ)だろう」と反論する人がいるでしょうが、それは全くの筋違いです。慰安婦問題にせよ拉致問題にせよ、重大な人権侵害であることは事実であり、それに言及すること自体は嫌がらせでも人権侵害でもありません。しかし、それを被害者救済・問題解決に全く寄与しない形で、嫌がらせ目的に用いれば、それが拉致問題であろうと慰安婦問題であろうと嫌がらせになります。たとえば以前、アメリカで慰安婦像が設置されたことがきっかけで日系人や在米日本人の子どもか多数いじめの被害に遭っている、という話がありました。この件は小山エミ氏によってデマであったことが確認されていますが(参照:「グレンデール市に慰安婦像が設置されたことによって日本人の子どもがいじめられている」というデマについて)、もしこれか事実であったとしたら、同じく非難されるべきです。言うまでもありませんが、その場合非難されるべきなのは「慰安婦像を設置したこと」ではなく「それをいじめのネタにしたこと」です。

余談ですが、慰安婦問題について「韓国は慰安婦問題について文句を言うならライタイハン問題を何とかしろよ」という人が少なくありませんが、そうした人でライタイハン問題解決を真剣に訴えたり、問題解決・被害者救済に取り組んでいる人はほぼ皆無と言って良いでしょう。こうした、慰安婦問題を相殺しようという目的でライタイハン問題を持ち出すのも、やはり「被害の横奪」と呼べるでしょう。


(※注2)
こうした嫌がらせが具体的にどのような実害をもたらすのかについては以下のまとめを参照のこと。
ヘイトスピーチが奪うもの―そんい・じゅごんさんのツイートから

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