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 人気アイドルユニット【トリックスター】今日のライブも終えて楽屋にぞろぞろと彼女達が入ってくる

「あー……疲れた」

「ライブって楽しいけど疲れるよねー」

「でも本日のチケットも完売したみたいだからこれは次のお給料は期待できそうだね」

 思い思いの感想を述べながら私服に着替えるトリックスターのアイドル達。その中でキャンディナは妙にそわそわしていて落ち着かない様子だった

「〜♪」

 キャンディナのスマホが鳴る。キャンディナは急いでスマホを取ると画面に釘付けになる

『ライブお疲れ様!今日も最高だったよ!』

『そうでしょそうでしょ?オタクくんもちゃんと現地してくれてえらいぞ〜!』

『なるべく現地参戦したいからね!歌は生で聴いてこそだよね!』

『オタクくんわかってるじゃん!また後で会える日の連絡するね!ライブの感想聞かせてよね!』

『わかったよ!またね、キャンディナちゃん』

『うん、またね!』

 「えへへ……オタクくんったら」

にやけ顔で嬉しそうに青年とメッセージをやりとりするキャンディナ。それをナルキッスが茶化す

「……最近、キャンディナやけにメッセージやりとりしてる相手いるじゃん。男?」

「な、ち、違うし!」

「別に男なのはいいんだけど、また童貞騙して食ってんの?」

「もうそれはしないって決めたの!」

 キャンディナは顔を赤くして否定する

「へえ、あの『男なんて遊び相手で金づるなんだよねちょろいもんだよ』とか言ってたキャンディナがねえ……やっぱりホンキの彼氏でも出来ちゃった?」

「べべべべべ、別にオタクくんは彼氏とかじゃないし!!!!」

「ふーん、なら今度連れてきてよ。キャンディナが遊んだってことはカネ持ってるんでしょ?あたしにもおこづかいくれるようにしちゃお「ワタシのオタクくんに手を出そうとしないで!」」

 キャンディナは食い気味にナルキッスの言葉を遮るとすぐに我に帰って否定する

「な、いや、ちが、わない……けど……」

「ふーん……『ワタシのオタクくん』ねえ」

 ナルキッスはにやにやとした表情だ

「からかってごめんって。まあ、キャンディナがそのオタクくんってのに本気なら取ったり邪魔したりするつもりは無いよ。むしろ応援するよ、みんなもそうでしょ?」

 他のユニットメンバーもうんうんと頷く

「みんな……ありがと……」

「それはそれとして!」

 ナルキッスがキャンディナの肩をがしっと掴む。話を聞いていた他のメンバーもキャンディナが逃げられないように取り囲む

「キャンディナが夢中になってる『オタクくん』について聞かせて貰おうカナ?」

「えー……」

「みんな聞きたがってるよ、ほらあれよ。誰なのかわからないと他のメンバーが知らずに誘惑しちゃったら困るでしょ?写真とかないの?」

 それっぽい理由をつけて聞き出そうとするナルキッス。キャンディナも観念したのかしぶしぶとスマホの画像を見せる。青年に頼んで取った……失礼、キャンディナの中では

「オタクくんに頼み込まれてしかたなーく取ってあげたプライベートショット」

 なのだった。ツーショット写真をメンバーに見せる

「この男?」

「なんかフツメンって感じ」

「THEオタク」

「これに一目惚れとかは無いなあ」

 みんな好き勝手な感想を言う。キャンディナはスマホを取り返すと胸元に隠した

「ふーんだ!オタクくんの良さはみんなにはわかんないだろうね!」

「それじゃあどういうところが良いところなの?教えてよ」

「へ?え、えっとね……ワタシを一番に推しててくれて」

「ふむふむ」

「冴えないように見えるけど可愛いところもあって、でも時々かっこよくて……ワタシは結構好きな顔なんだけど……」

「うんうん」

「後、おちんぽがデカイ」

「うんうん……うん?」

 皆、微笑ましく聞いていたが最後で一斉に首をかしげた

「なんなの、最後の理由は」

「だって事実だもん……今までのどんな男よりおちんぽがデカくて気持ちいいんだもん……」

「そっかそっか……ねえ、そんなにデカくて気持ちいいなら一回試させ「ふざけんな!オタクくんのおちんぽはワタシ専用のおちんぽなんだから!」」

 またしても食い気味で割り込んでくるキャンディナ

「うん、わかった。キャンディナがその男にホンキもホンキなのはよーくわかったよ。まあ頑張りなよ」

 みんなでキャンディナにがんばれと声をかけてなんとも言えない空気になった楽屋を誤魔化していく

 「よーし!みんなそろそろ打ち上げ行くかー!」

 「おー!」

 何事もなかったかのようにいつもの打ち上げに行くのであった



 打ち上げ中、スマホをいじるキャンディナ。青年とメッセージのやりとりをしていた

『オタクくん!』

『どうしたのキャンディナちゃん』

『この日なら会えそうだけど大丈夫?』

『うん、大丈夫だよ』

『よーし!またたくさんえっちしようね!』

『うん、楽しみにしてる』

『あと、無いとは思うんだけど一応、うちのメンバーとか他の女が誘惑してきても絶対断ること!オタクくんはワタシ専用のおちんぽなんだから!』

『……?言われなくても僕はキャンディナちゃん単推しの一筋だよ?』

 そのメッセージを見て思わず悶えるキャンディナ

「おーい、キャンディナ。大丈夫?」

「べ、別に?なんでもないし?打ち上げ中にスマホいじってちゃ悪いの?」

「いや、悪いとは言ってないけどさ」

 キャンディナはメッセージのやりとりに戻る

 『オタクくんさあ……そういうところだよ!ばか!』

 『怒ったよ!のキャンディナのスタンプ』

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『えっ?なに?なんかごめんなさい!』

『ごめんね?のキャンディナのスタンプ』

 「もう!まったくもう!オタクくんたらっ!」

 キャンディナは口調は怒っていたが上機嫌そうだった

 「なんなの、この人……」

 それをナルキッスは変なものを見るような目で見つめるのであった

 つづく

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