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「やれやれ、手酷く壊れてしまったものだな……」
 パークの支配人である私、アルレキーノは、メンテナンスルームでベッドに寝かせたディライアを見ながら独り言ちた。
 ディライアは笑顔……この表情がデフォルトなので、正確には無表情なのだが……を浮かべたまま機能を停止しており、服は所々破れ、さらに皮膚も破れてショートした内部機構を晒している。開かれたままの瞳には意志の光は無く、時折手足が不随意運動のように小さく誤作動まで起こしていた。
 どうしてこうなったのかと言うと、それはアトラクションでの事故が原因だ。脳を肥大化させたサイボーグらしきお客様がお化け屋敷を訪れた時、驚きのあまり目から怪光線を放ってしまい、それがキャストとして稼働していた彼女に直撃したのだ。
 お客様自身は何度も謝りながら修理代を支払ってくれたし、表には待機していた別個体のディライアが出ているのでパークとしては問題は無い。が、大切なパークの仲間が壊れたままというのは、支配人としては無視できない。
「次のショーは……三時間後か。それまでに修理してあげなくては……」
 私はディライアの状態を確認するために、彼女のボディにケーブルを繋いだ。
 その瞬間、
「……ガビュッ!」
 沈黙していたディライアが、奇妙なノイズと共にビクンと腰を跳ねさせた。
「ディライア!?」
 どこかで駆動部がショートしていたのか、それとも送信された信号が誤作動を引き起こしたのか。原因はわからないが、彼女は異常をきたしたまま動き出してしまった。
「ははははい、ワタシは当パークのパークのアシスタン、ト、トトト案内致します!目的地は『入力されていません』ですね!?お手伝い、おおおお手伝いします!」
 ベッドの上でガタガタと震えながら、ディライアは支離滅裂な言葉を出力し続ける。同時に彼女の身体からはパチパチと火花が弾けているような音まで響いており、誰が見ても危険な状態になっていた。
「クッ、一旦停止させなくては……!」 
 強制停止させようと頭部に手を伸ばすが、ディライアは急にバネ仕掛けのような動作で腕を動かし、こちらの腕を掴んで止める。そしてキュインという動作音と共にこちらに顔を向けると、目を見開いたまま虚ろな笑顔を浮かべた。
「支配人サマ?支配人サマ、サまご指示を!お手伝いしますねお客サマ!ワタシはディライアです!」
 そして明らかに異常な状態のまま身体を起こし、こちらに向けて勢いよく飛びかかってきた。その速度と機械ゆえの質量に負けて押し倒され、床に馬乗りになられてしまった。
「ぐわっ、ま、待てディライア!緊急停止だ!」
「ハイ!コマンドを確認しまシタ!緊急てて、てー、てー、てー……」
 咄嗟に停止命令を発すると、ディライアは馬乗りの姿勢のままピタリと静止する。これは重傷だ、早く修理しなくては。私はそう思いながら上体を起こし、ディライアを自分の上から動かすために両手を彼女の腰に添える。
 が、力を込めて持ち上げようとした瞬間、彼女の服の下から一際大きなバチンという破裂音が響き渡った。
「ビュッ!?」
「ぬおっ!?」
 止まっていたディライアは大きく身体を震わせ、再び動き出してしまう。彼女はその震えによって体勢を崩し、そのままこちらの胸に倒れかかってきた。
「ピッ、再起動、再起動再起動さいさいさ、さ、サービスしマス!」
 ディライアは誤作動して妙なプログラムが走っているのか、こちらの身体を抱き締めて拘束し、さらに腰をぎこちなく擦り付け始める。その両腕は異様に力強く、力を込めて抵抗しても振り払えない出力で抱き締められていた。
「き、気持ちイイですか?サービス、プログラムは、特別サービスは、エラー、気持ちイイですか?もっとシテ下さい。あアン、ああ……」
 目の前にある顔は右側は笑顔、左側は恍惚の表情を浮かべており、どうやら性的サービスのプログラムが起動しているらしいことが見て取れる。彼女は乳房を押し付けながらノイズ混じりの嬌声を上げ、股間から液体を滲ませながら異常な動作を続けていた。
「ピュ、快感の、ささサービスです!ワタシも気持ちイイのステータスで、ででで、愛撫を検出しまシタ!もっともっトモっとシテしてシててテ……」
「やめるんだディライア!ぐうっ、どう止めればいいんだ……!」
 柔らかい機体が力強く絡み付き、性的なニュアンスを持ってすりすりとぎこちなく愛撫を続ける。抵抗しても抱き締めている両腕は緩まず、むしろリミッターが外れたかのように徐々に力が強くなってきている。
 これは危険だ、背に腹は代えられないと少々手荒な対処も考え、力任せに彼女の両腕を破壊する覚悟を決める。が、そう決断した瞬間、
「いかガデすか、いかがでスか?イカがで……ガガッ、ビュー……」
 ディライアの動きが徐々に緩やかになっていき、そのまま声も動作も小さくなっていく。最後にバチンとスパーク音が響くと同時に彼女の身体が勢いよくビクンと跳ね、それを最後にようやくディライアは沈黙した。
 なるべく優しく拘束を外し、立ち上がって改めてディライアを見下ろす。着衣は破れ、ボディの各部から白煙を吹き、股間や口からはトロトロと液体が垂れ流されている彼女の姿は、惨状としか言いようのない状態だった。
「はあ、はあ……」
 どこから手を付ければいいのかわからないほどに損傷したディライアを前に、私は思わず天を仰いで深い溜め息を吐いた。

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