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ドラゴンメイド、それは主に仕える竜人の使用人。

家事全般をこなす万能な種族である

しかし、竜人の姿は仮の姿に過ぎず、時には強大なドラゴンにすら匹敵する力を秘めている。

だが、そんな力も主人と化した者の前では無力に等しい。





「ふあぁ……んっ……」

「どうしたんですか?ナサリーさん…?」

とある休日の昼下がり。

わたしはたしかピクニックに行って、ナサリーとバルラと一緒にお茶を飲んでいた。はずだった。

ヒッと声出すわたしの周りには、まがまがしいドラゴンのむれ。

そして、わたしのからだには無数の鎖とコードの束。

サンドイッチをほお張ろうとしていた手はもう動かない。

「ごめんなさい……ごめんなさい…」

わたしは今この場にいないナサリーとバルラに言う。

でもどうしてだろう? 何かを忘れてる気がする……。

恐ろしく引きつったうなり声に、やさしい言葉をのせて話しかけてくるガイコツのドラゴンさん。

その言葉を拒もうとひっしになって頭を動かすけど、恐怖でからだが動かなかった。

「ひっ!」

わたしのおなかをなで回すつめたい爪先に悲鳴をあげる。

「やめて!やめてっ!エッジさ…ま?」

わけが分からなかった。名前もしらないドラゴンさんがいきなり襲いかかってきたと思ったら、今度は優しい顔してあたまをなで回してくるんだもの。

おそいかかってきた…?このドラゴンさん…はわたしの…あれ?

「あっ…あァッ…」

声もでないわたしに対して今度はエッジさんが耳元でクチュクチュと音を立てながらささやく。

…”カワイイナ”

「あ゛ぅっ!?」

ビクンっと跳ね上がる体。

なんだろう……すごくきもちいいよぉ……。

まるで自分が自分でなくなるような感覚におちいる。

「ふぇえ……いやだよぉ……こんなのってないですよぉ……」

涙ぐむラドリー。

だけど、彼女の意思に反して体は快感を求めていく。

「だめなのにぃ……んっ……気持ちよくなっちゃダメなのにぃ……ひゃうん!」

胸を揉みしだかれるたびに言葉が、きおくが、ブワッとやって来る。抵抗しようとしても、もう体が言うことを聞いてくれない。

…抵抗?なに…言ってるの?わたしは…もともとこのお方の…

「ああぁ……こんなはずじゃなかったのにぃ……」

「んっ……あ゛ぁっ……そこっ……そこはぁ……」

ラドリーの弱点を見つけたキールさんが執拗に責め立てる。

「くすぐったいです……もっと優しく……あっ!……お願いします……やめてください……」

くすぐり攻撃に悶えるラドリー。

「ああぁっ!やめてくだしゃいっ!ごしゅじんさまっ!これ以上されたらおかしくなるぅう!!」

 ビクビクと体を震わせて、彼女は纏っていた三体のドラゴンに助けを求める。しかし、その思いが届くことはない。

ラドリーの記憶が犯されている間、三体のドラゴンは合体し、一体の巨大な龍へと姿を変えていた。

「はぁ……はぁ……ごしゅじんさまぁ……」

ラドリーの瞳は既に光を失っていた。

そこにいたのはただのメス犬だった。







ナサリー達が駆けつけた時には、もう既に手遅れだった。

目の前には服を脱がされ、鎖につながれ、虚ろな目で睨みつけるラドリーの姿があった。

「いやあああああああああ!!!!」

今まで慕ってきた存在に対し、まるで脅威そのものに対峙したように絶叫するラドリー。

同時に彼女を取り囲んでいた無数のドラゴン達がナサリーを睨みつける。

どんな時にでも優しく無邪気に笑いかけてくれるラドリーが好きだったからこそ、今の彼女の姿を、もう見たくはなかった。

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