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作者:せきつ生花
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「まあ、なんて素敵なのでしょう!まさかこんな日が来るなんて!」

 天使と悪魔、その両方の翼を持った少女が踊るような足取りで通路を進む。

「ケケケ、えらいご機嫌なこったな。まあ気持ちはわからんでもないけど」

 その後ろを行くのは忍者を思わせる装束を纏った鳥。更にその後ろをケンタウロスのような騎士と蝶のような翼を持つ竜が続く。

「ウフフ、外の世界には何が待ってるのかしら?ああ、誰を惑わせましょう……!」

「お嬢ちゃんノリノリやけど大丈夫なんか?ワイはアンタそっくりやった洗脳のヤツが鳴かず飛ばずやったのバッチリ見てるで?」

「あら?あんな低俗な洗脳とは一緒にしないでください。私はあくまでその方の本心を晒してあげただけのこと」

「んまあ洗脳のヤツとは色々勝手はちゃうさかいなぁ……アンタと同じ特例がくだったんですよね?」

 鳥忍者は竜に話を振る。他の面子とは違い、その竜の両手には手枷のようなものがつけられていた。

「ええ……まあ……」

「噂によれば同僚が次々パワーアップしてるらしいやないですか!もしかしたらアンタもパワーアップさせてもらえるかもしれませんで!あっ!そうそう!実はアンタの同僚の中にワイらの仲間に入れて欲しそうな顔ずっとしとったヤツがおったんですけどね、この前めでたくパワーアップさせてもらったらしいですわ!それの影響で仲間もぎょうさん来たらしくてね、ソイツらに会うんが楽しみやなぁ〜って!そういやアンタも新しい仲間来るらしいですね?」

「ええ……まあ……」

「2つの名前持っとるんでしょ?最近のはえらいハイカラですね?アンタも真っ当に活躍できそうでよかったやないですか!ワイもね……お、看守さん看守さん!ちょうどエエとこにおったわ!ハリのヤツによろしゅう伝言頼んどきますわ!」

 長い長い通路を通り、ついにゲートにたどり着く4人(?)。向かいには石像のようなものがカートで運ばれていた。

「なんやなんや?あんさん禁止になったんかい!?一体外はどうなっとんねや……」

 鳥獣の先達が自分と入れ替わる形で投獄されることに目を丸くする鳥忍者。そうこうしているうちに4人(?)の釈放の手続きが完了した。

「ウフフ!いよいよだわ!」

「ワイが外でどれだけ通じるかは未知数やけど頑張りましょか!……ところで今季の新入りはあの結界像さんだけなんか?」

「いいえ、もう一人いますわね……」

 少女が指さす先にはもう一人の新入りの姿があった。

「おやまあ!これまたベッピンさんやないか!大丈夫かいな?」

 鳥忍者が新入りに話しかけようと近寄るが、側にいた看守がそれを阻む。

「なんやお堅いな……んまあワイらには関係ない話やな」

「ウフフ……誰を惑わせましょう……」

「……」「……」

 少女と鳥忍者が牢獄の外へと足を進める中、竜と騎士はその新入りの後ろ姿を少し不安げな目で眺めるのだった。

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「うぅ……まさか私がここに入れられることになるなんて……」

「ほら、早く入れ!」

「はい……」

 看守達に背を押され、サモンゲートを通過するキトカロス。そこは一歩踏み入れれば外の世界との接触を断たれる牢獄であった。

「この牢獄にはたくさんの怖い方達がいると聞きます……私どうなっちゃうんですかぁ……」

next:ep1.押収

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