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作者:名無し



 天界の一つ、ドレミ界では定期的に演奏会が開催される。

 ドレミ界に座す天使たちが仲間や各々の妖精と共に「コード」と呼ばれる大魔法を奏でて下界を浄化しているのは知られた話だが、それがいつの頃からか定期演奏会という形で公開されるようになったのだ。

 それがまた他の天界に座す天使たちから大好評で、演奏会のチケットは現在では販売開始後瞬く間に完売するまでに至っていた。

 ソドレミコード・グレーシアと交際している彼もまた多くの天使たち同様にその激戦に毎回身を投じている一人だ。

 かつてそれに挑む姿を見ていたグレーシアから席を融通してもらえるように頼もうかと言われたが、彼は恋人からの提案に首を横に振って言ったのだという。

 ファンにとっては激戦をきちんと潜り抜けて勝ち取ることに大いなる意味があるんだ、と。



 そういうわけで今回も演奏会を堪能できた彼は余韻に浸っていた。

 帰宅して以来ずっと、披露された新たなコードを聴いた感動や優美に指揮していたグレーシアの麗しさを一人思い出すように噛みしめていたのだが、唐突に玄関のドアが開く音が響いた。

 我に返った青年が慌てて確認しに行けば、案の定グレーシアである。

 しかし、彼女は演奏会で着ていた紫を基調とした衣装姿のままだった。
 髪飾りさえ演奏会で彼が客席から見ていた通りなので、まるで演奏会を終えて舞台袖に退場した直後であるかのように錯覚してしまいそうだ。

 グレーシアは困惑する彼にヒールを脱いで抱きつくと、その唇に顔を寄せた。

「……はむっ、ちゅ……ちゅぷぅ♥ じゅぷ、れろっ……ちゅぱぁ、ちゅぷ……れろぉっっ♥♥」

 そして青年の口内に舌を差し入れて一通り蹂躙した後、グレーシアは彼からゆっくりと顔を離す。
 その口の周りは唾液でベトベトに汚れていたが、恍惚とした表情を浮かべながら舌なめずりをするかのように舐めとった。

「……ただいま」

 彼女は思い出したかのように告げるが、青年は妖艶な微笑に見惚れて二の句を継げずにいた。

 そんな恋人を見て何を思ったのか、グレーシアは彼の胸板におっぱいを圧しつけるように身体を寄せる。

 久しぶりに感じた柔らかさに彼がドキッとしながら我に返ると、彼女は待っていたと言わんばかりにグイっと身体に力を込めた。

「……えいっ」

 青年は何とか恋人を抱きとめるが、気づけば玄関先で彼女に押し倒される形になっていた。
 彼の下腹部に跨ったグレーシアは頬を上気させながら透き通るような笑みを浮かべる。

「最近ずっと演奏会のことばかり考えてたから、すっごくムラムラして仕方ない。だから……、ね、キミのおち×ちんをちょうだい?」

 グレーシアは青年のズボンに手を伸ばし、ベルトをカチャカチャと弄り始める。

 彼女は没頭し始めるとほかのことが極端に見えなくなる性質で、特に演奏会前などは食事や睡眠をおざなりにしがちだった。
 天使と言えどもそれらを軽視してはパフォーマンスに支障が生じるわけで、一緒に練習する仲間たちがよく目を光らせてくれていた。

 だが性欲まではさすがに仲間たちも管轄外なわけで――しかも、彼女は疲れが性欲に直結するタイプなものだから――、演奏会後に彼がグレーシアに襲われるのは半ば恒例行事になりつつあった。

 ついにベルトを外すとズボンと一緒にパンツを下ろし、青年の勃起した肉棒を露わにさせる。

 グレーシアはその雄々しさに満足そうに頷くと、衣装のスカートの中に両手を滑り込ませてタイツごとショーツを膝の辺りまで下げた。
 彼女の秘裂の様子こそスカートの闇に覆い隠されて彼からは窺い知れなかったが、むわぁっとした蒸れた雌の匂いが漂うように広がる。

 グレーシアは腰を浮かせている位置を定めるように動かし、それを定めると重力に任せて腰を一気に落とした。

「……っっ、あぁっ♥ ああんっ……っっ、んんっ♥♥」

 グレーシアは貫かれた衝撃を受け止めるように華奢な身体を仰け反らせる。
 青年もまた久しぶりに感じる恋人の蜜壺の熱さと激しい締めつけに思わず声を漏らした。

「はぁ……、はぁ♥ っっ……んっ、キミのおち×ちんが私の膣内でおっきくなってるのが分かるよ。あぁ……んんっ♥ こうやって、一番奥を……擦られるの……好きぃ♥」

 ふぅぅと熱を帯びた息を長く吐くと、グレーシアは身体をゆらゆらと揺らすようにゆっくり動かし始める。
 そして青年の下腹部を手で押さえながら、不規則な動きを織り交ぜてその速度を徐々に速めていく。

 全身に痺れるような刺激が走り抜けるのを感じ、青年の口から情けない呻き声が自然と漏れた。

 彼がグレーシアの名前を求めるように連呼するのを聞きながら、彼女はうっとりとした表情を浮かべる。

「あぁ……っっ、んっ♥ 好きぃ……、私もキミのことが大好きなのぉ……っ♥ っあ、んっ、ああ……だめっ、だめ……イく、もうイきそうだから……っあ♥♥ だから、一緒にぃ……っっ、あんっ♥♥」

 グレーシアが伸ばした手を青年が指を絡めるように握り返すと、彼女は上気した顔を嬉しそうに緩めた。

 まるで彼女が指揮しているかのように混じり合った水音とぶつかり合う破裂音が響き、零れる吐息が重なり合う。

 グレーシアの腰の動きが限界まで速まるのと同じくして、青年の膨張した興奮が破裂して弾ける。

「……っっう!!♥♥ ああっ、あ、あああ〜〜〜っっっ!!!♥♥♥」

 彼女の膣内で膨らんだ肉棒が暴発したかのように白濁液を激しい勢いで注ぎ込む。

 グレーシアは汗の流れる真っ白な喉を見せつけんばかり全身を仰け反らせ、それを受け止めた。

 青年はぐったりと脱力したように倒れ込んだグレーシアは抱きしめ、緩やかにウェーブした髪を撫でる。

「……まだ、全然足りない。だから、続きはベッドでしよ。ね?」

 グレーシアは静かに呟きながら、潤んで蕩けた瞳を彼に向ける。
 恋人からのそんな提案を断れるはずもなく、青年は一も二もなく首を縦に振った。

 その夜、彼らの寝室からはグレーシアの嬌声が明け方まで聞こえたのだという。


後日談:優美な彼女と過ごす朝

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