第十五回全日本高校総体BFの部・個人戦決勝 プロローグ
最終更新：ID:7X0enTtQAA 2016年11月17日(木) 09:10:21履歴
829 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:02:26
遠くで、大勢の人間が歓声をあげているのが聞こえる。拳を握り、両手を突き上げ、顎がはずれるほどに大きく口を開いて、思い思いの言葉を口に出す。しかし、その歓声の中心に居ながら、自分は無様にリングの中央に横たわっている。人々の視線は皆一様に、俺の傍らに立つ、まだあどけない表情の少女に向けられていた。
くそっ！ 俺は、こんな、年下の女に……。
ありったけの力で、床を殴りつけたい衝動に駆られるが、全身に力が入らない俺にはそれすら叶わない。必死の思いでかすかに瞼を持ち上げ、視界に少女を捉えると、その少女は熱狂する観客の視線を全身に浴びながら、俺を見下ろしていた。俺がやっとの思いで視線を向けたことに気付くと、彼女はスッと口角をもたげ、静謐な笑みを見せた。
くそっ！ くそっ！ くそっ！ ……
「くそっ！…………くっ」
目を覚ますと同時に、勢いよく身体を起こした俺は、全身に走る鈍い疲労感と痛みに顔を歪めた。何か良くない夢を見ていた気がする。
「あ、やっと起きましたね、センパイ。このままずっと寝てるんじゃないかって心配しました」
そして、目の前の人物に思わず驚きの声をあげる。
「なっ、お前、高橋由利？ 何で？ それに、ここは……？」
「覚えてませんか？ センパイ、私とのBF中に失神しちゃったんですよ」
右手で何かを握りながらそれを上下にしこしこ動かすような動作をしながら話す由利に俺は再び顔を歪めた。つい先刻の苦い経験と、とんでもない快感がフラッシュバックし意図せずとも股間がもりあがる。
と、同時に少しずつ記憶が鮮明になる。なるほどここは、試合会場の医務室らしい。遠くでなにやら大勢の人間が騒いでいる声が聞こえる。さしずめ今は団体決勝戦を終えた後の表彰式といったところか。
だがだとしても、なぜ高橋由利がここに？
「そうか……。それで、お前はなぜ今ここにいる？ 勝者が敗者に何の用だ？」
「むっ……。そんな態度でいいんですかね。私は先輩のことが心配で見に来たっていうのに」
「冗談はよせ！」
屈辱だった。仮にこの由利の言葉が本当だったとしたら余計に。俺は対戦相手に心配れるほど、無残に敗北を喫したことになる。
「ふふ……すみません。センパイっていちいち反応がかわいいのでつい」
「……っ。それで、本題は何だ？」
これ以上声を荒らげても自分が惨めになるだけだと悟った俺は、さっさと由利を追い出して一人になりたかった。
「本題……ですか……」
俺の言葉に、由利は一瞬思案顔を見せ顎に手をやる。そんな仕草を見ているとどう考えても、まだあどけない高校一年生である。
しかし、次の瞬間、瞳に妖しい光を宿したかと思うと、つつ、と唇を舐めた。
……っっ。あの目だ。あの目の女に俺は……。
丸椅子から立ち上がった由利に俺の身体が思わずびくリと強張る。
「そんなに警戒しないでください。今はBF中ではないんですから」
そんなことを口走りながら、由利はベッドで、上半身だけを起き上がらせた俺の胸にゆっくりと手を這わせた。
「おいっ、やめ……くっ」
抵抗の言葉を口にした瞬間、人差し指が薄いシャツの上から乳首の突起をくすぐる。
視線を落とすと、射貫くような視線で俺を見上げる由利の顔を直視してしまい、目を反らす。
「ふふ、やっぱりかわいい」
年下の女にかわいいなどと言われる屈辱。俺はすぐにでも、この生意気な少女を鍛えた腕力で引きはがし、床に投げつけてやりたいと思った。しかし、思うように力が入らない俺にはそれが叶わない。ぎりぎりと奥歯を噛みしめながらも由利の指先されるがままになってしまう。
いつの間にか由利は俺の下半身に跨りながら、完全に胸に体重を預けている。
小さいながらも、しっかりとした弾力が胸筋から伝わってくる。試合直後に汗を流したのだろう。濡れ羽色の美しい黒髪からはほのかにシャンプーの香りがする。
「薄い布ごしにっていうのがまた、たまらなく気持ちいんですよね」
由利は休まず右手で乳首を撫でながら、左手でゆっくりと俺の内ももを弄り出した。
「くぅぁ……」
試合での鋭い一過性の快感と比較すると、何倍もささやかで、けれども持続的な快感。どうしても力が抜けるような声が出てしまう。
「あ、いい声頂きました。女の子みたいです」
しかし、由利が挑発的な言動を繰り返す度、快感で忘れかけた屈辱を思い出すのだ。まるで、快感に溺れてしまう一歩手前で、俺をわざわざそこから引き揚げてくるような言葉責め。
ID:HEcZ./2g0 返信
830 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:04:06
「ふざけるな！ ……くっ、こんなことをしていることが運営にばれたら」
「ばれたら？」
上目遣いで決して視線を反らさぬまま、由利は内ももを撫でていた左手で俺のペニスを布団の上から押さえつけた。
「がっ……」
「ばれたらどうなるんです？」
そのまま左手にリズムよく体重をかける由利の動きに必死に耐えながら俺は言葉をつなぐ。
「ば、ばれたら、優勝、取り消し程度では、すまな……くぁああああ」
「ご心配ありがとうございます。でも、大丈夫です。プライドの高いセンパイはここでの出来事を口外したりしませんから。……ふふっ、いい声」
今度は掛け布団の下に左手を潜り込ませ、ズボンの上から完全に勃起してしまっている俺のペニスの竿を握りこむ。上下にしこしことリズミカルな往復運動。その間、小指の先で鈴口あたりをくすぐることも忘れない。第二ラウンドで俺をものの数秒で射精の一歩手前まで追い込んだあの手コキだった。
たまらずベッドに倒れ込んだ俺に覆いかぶさりなら、耳元に唇を近づけ由利が言う。
「どう？ 気持ちいいい？」
途端にぞわぞわと快感が全身を駆け巡り、俺の身体が震える。
「ど……どうって……」
「それとも悔しい？」
「……っつ」
その言葉にまたもや俺の中の屈辱感が首をもたげる。
「どれだけ努力して、おちんちん鍛えても、射精(で)るときは一瞬。センパイくらいの強さなら、たくさん我慢の練習もしてきたはずなのに、ちょっと弱点を知られただけで、私みたいな年下の女の子相手に、たった十秒も我慢できない……」
「おまっ……それ以上は」
感情とは裏腹に、身体はもうどうしようもないほど、由利に屈している。だがこれまでの俺の努力を否定されることだけはどうしても許せない。
くそっ！ 今身体が動けば……。
くそっ！ 対戦前にこいつの戦い方さえ分かっていれば……。
くそっ！ 今すぐにでもこいつを屈服させてやるのにっ……。
そして、そんな俺の内面の激情をくみ取ったかのように、由利が言う。
「リベンジ、したくないですか？」
ID:HEcZ./2g0 返信
831 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:06:54
「……え？」
あと少しでも指先が触れれば射精する。そんな絶妙のタイミングで由利は手の動きを止めていた。
そして由利の口から出た予想外の単語に俺は間抜けな声を出す。
リベンジ？
「さっき言ってた本題、ですが…」
本題という言葉に俺は一瞬戸惑ったがすぐに思い出した。由利の真意を俺が問おうとしたところでいきなり彼女が俺に仕掛けてきたのだ。
「センパイは、個人戦の出場はどうされるのかな、と思いまして」
「個人戦……」
それはおそらく一週間後に控えた全日本高校総体BFの部、個人決勝トーナメントのことだろう。こちらでも俺を含め二人の亀泳高校の生徒が県予選を勝ち抜き、決勝トーナメントへの出場権を得ている。大敗北を喫しすっかり余裕がなくなっていたが、確かに考えなければならない案件だ。しかし……
「こんな状態で、間に合うと思っているのか？」
そう、身体の状態がこの有様では、一週間後に回復しているかどうかが分からない。万一回復したとしても、長い間ベッドで寝ていたブランクを抱えたまま試合に臨むことになりそうだ。
「私に負けっぱなしでいいんですか？」
「それはっ……」
「それに……」
由利はストップしていた左手の動きを突然再開させた。
「くぅあ、おいっ……や、め、あ、あぁぁぁぁあああああ、イっ、いく……」
耐えられるわけがなかった。射精寸前の、しかも油断した状態のペニスへ、俺が最も苦手とするタイプの手コキ。俺の意図に反して、精液が次々と精巣から送り出されていくのを感じる。
「だめです。これじゃあ、ただのご褒美になっちゃう」
しかし唐突に、飛び出そうとした精液はペニスの根元で、由利の人差し指と親指に押さえつけられる。得も言えぬ不快感に俺は叫び声をあげてしまう。
「がっ、あぁああああああ！」
ようやく収まった射精感。同時に下腹部にかすかに残る違和感。浅い呼吸を繰り返す俺に、由利は告げる。
「この先を個人戦決勝でやりましょう。きっととんでもなく気持ちいいはずですよ」
「ど、どういう、」
呆気にとられる俺に、由利が告げる。
「決勝まで勝ち上がってください。そして、そこで私と最高のセックスをしましょう。そのためのヒントを今日は持ってきました」
「ヒント？ なんだそれは？」
どうやら、ようやくここからが本題ということらしい。
「ふふっ、聞いて驚かないでくださいよ」
「焦らすな」
「はいはい。相変わらずせっかちですね。それはずばり、大塚先輩の弱点、です」
「なっ……」
大塚寧々。彼女は現在、公式戦において87連勝を記録している高校BF会の頂点とも言える鶴舞高校の生徒だ。俺たちの亀頭を血で濡らすような努力は全て彼女に勝つために成されてきたと言ってもいい。
俺と由利はトーナメント表の山の反対側にいる。そして大塚寧々は俺と同じ山に含まれていた。つまり、大塚は俺が由利と個人決勝で顔を合わせるとするならば、越えなければならない最も高いハードルだ。
「一回しか言わないのでちゃんと聞いてくださいよ。大塚先輩は……」
「まて、俺はまだ個人戦に間に合わせるなんて一言も……」
「じゃあ、聞くだけでもいいですよ……。もっともセンパイがどうしたいかなんて、分かり切ってますが」
「くっ……」
つい、と俺の首に中指を這わせくいと顎を持ち上げられる。本来そこは人間の生物の急所である。無抵抗に触られることは相手に屈服していることを意味する。分かっていながら身体に力が入らない。
「いいですか？ 大塚先輩は満を持して、相手のペニスを自分のマンコにくわえこむとき、一瞬スキができます。そこをついて一撃で仕留めてください」
あまりにも簡潔な、しかし具体的なアドバイスに俺は呆気にとられた。
「お、大塚は鶴舞の選手だろう？ これがお前たちの罠の可能性は……」
「黙っていればおそらく試合を棄権する選手を焚きつけて試合に出させ、わざわざ罠にはめる必要がありますか？」
「それは……」
言葉に詰まった俺の頬を由利の右手がつつむ。
「ふふっ、素直なセンパイ。そういうヒト私好きですよ」
「…………なぜ、俺に有利になるようなことを言う？」
ID:HEcZ./2g0 返信
832 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:08:23
俺の質問に由利は珍しくしばしの逡巡を見せた。しかし、やがて口を開く。
「……つまらないんですよ」
「え？」
「つまらないんです。このまま個人戦の決勝トーナメントが始まれば、おそらく私と大塚先輩が難なく勝ち上がって決勝はレズマッチになるでしょう……。中学でのBFは本当にもの足りませんでした。高校でせっかく少しは楽しい試合ができると思っていたのに、蓋をあけてみればこれです。決勝の相手が分かり切っていて、それも女な上に、私より、弱い……」
「ばかな……それは……」
やってみないと分からないと言おうとして辞めた。由利の瞳は自分の勝利と、そして、大塚寧々の強さを全く疑っていない。
「ですが、センパイには僅かながら大塚先輩と戦って勝てる可能性を感じました。だったら、決勝戦は男のヒトと戦って、精液が枯れるまで絞りつくしてあげた方が面白いんしゃないかって思うんです」
「…………」
今日実際に由利と戦った俺には由利のその言葉が決してただのはったりでないと分かる。俺が無策で臨めば起こりうる一つの可能性だ。だから簡単には反論できない。
だが、だからと言って……。
やってやろうじゃないか。これは由利からの挑発だ。この状態からコンディションを整え、個人戦に出場し、大塚を下して由利にリベンジマッチを挑む。そして由利をも下す。
だがその過程で、由利から得た情報を使って、大塚に勝ったところで俺は本当に由利に勝ったと言えるか？
否、それでは結局由利の掌の上。ではどうするか。答えは簡単だ。俺がこれまで鍛え上げて来た技で、ペニスで、大塚も由利も屈服させる。そこに由利からの情報は必要ない。
俺は力の入らない拳を無理やり握りしめた。
ID:HEcZ./2g0 返信
833 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:09:29
「さあ、お話はこれでおしまいです。個人戦期待していますよ」
由利が俺の上から身体を退ける。その温もりが身体から離れていくことに俺は、ほっとしているのか、寂しさを感じているのか自分でも分からなかった。
そして、最後に俺の身体の下半身の上を跨いだ彼女の右足が、軽く、本当に少しだけ、俺の膨らんだままのペニスに触れた。
瞬間に俺は自分のぺ二スが暴発寸前だったことを思い出す。
「あ、すみません、触れちゃいました」
なんでもないことのように笑う由利を見ながら俺は必死で下腹部に力を込めた。あろうことか、射精寸前のどうしようもない気持ちよさが込み上げている。本当に、こんなことで、射精(だ)すわけにはいかない。今決意を固めたばかりだ。根元で止められていた精子を必死に抑え込もうとさらに力をこめる。
しかし顔に出して由利に気取られるわけにもいかない。あれは彼女にとっては攻撃でもなんでもない、ただの事故……。
「では、本当に期待していますから。……あ、それと」
また唐突に由利が唇を俺の耳元に寄せる。
「忘れちゃいけませんよ。どんなに我慢しても射精(で)るときは一瞬。私のアドバイスなしに大塚センパイに勝とうだなんて思わないでくださいね」
どぷっ。耳から侵入する由利の吐息に一気に脱力し、同時にぞわぞわとした快感が背中を走る。射精(で)るときは一瞬というまるで予言ともとれる台詞。極限まで高められたままお預けを食らっていたペニスはここぞとばかりにドクドクと精液を吐き出す。
嘘だろ……。触れずにイかされた。しかも、年下のこんなあどけない……。
今日この屈辱を味わうのは何度目か……。
目の前には再び高校一年生相応な、のんびりとした笑顔に戻った由利がいる。
「そろそろ、行きますね。あと、それ。早く処理しないともうすぐ医療班の人が様子をみに来ちゃいますよ」
その言葉に俺ははっと我に返った。駆け足で医務室を後にする由利の背中をきっと睨む。
しかし彼女もう俺のことを見ていない。
どうしようもない射精後の脱力感と、行き場を失った屈辱感に溺れながら、俺は個人戦出場と、由利へのリベンジを密かに、しかし厳かに改めて決意した。
ID:HEcZ./2g0 返信
団体決勝へ｜目次へ｜
遠くで、大勢の人間が歓声をあげているのが聞こえる。拳を握り、両手を突き上げ、顎がはずれるほどに大きく口を開いて、思い思いの言葉を口に出す。しかし、その歓声の中心に居ながら、自分は無様にリングの中央に横たわっている。人々の視線は皆一様に、俺の傍らに立つ、まだあどけない表情の少女に向けられていた。
くそっ！ 俺は、こんな、年下の女に……。
ありったけの力で、床を殴りつけたい衝動に駆られるが、全身に力が入らない俺にはそれすら叶わない。必死の思いでかすかに瞼を持ち上げ、視界に少女を捉えると、その少女は熱狂する観客の視線を全身に浴びながら、俺を見下ろしていた。俺がやっとの思いで視線を向けたことに気付くと、彼女はスッと口角をもたげ、静謐な笑みを見せた。
くそっ！ くそっ！ くそっ！ ……
「くそっ！…………くっ」
目を覚ますと同時に、勢いよく身体を起こした俺は、全身に走る鈍い疲労感と痛みに顔を歪めた。何か良くない夢を見ていた気がする。
「あ、やっと起きましたね、センパイ。このままずっと寝てるんじゃないかって心配しました」
そして、目の前の人物に思わず驚きの声をあげる。
「なっ、お前、高橋由利？ 何で？ それに、ここは……？」
「覚えてませんか？ センパイ、私とのBF中に失神しちゃったんですよ」
右手で何かを握りながらそれを上下にしこしこ動かすような動作をしながら話す由利に俺は再び顔を歪めた。つい先刻の苦い経験と、とんでもない快感がフラッシュバックし意図せずとも股間がもりあがる。
と、同時に少しずつ記憶が鮮明になる。なるほどここは、試合会場の医務室らしい。遠くでなにやら大勢の人間が騒いでいる声が聞こえる。さしずめ今は団体決勝戦を終えた後の表彰式といったところか。
だがだとしても、なぜ高橋由利がここに？
「そうか……。それで、お前はなぜ今ここにいる？ 勝者が敗者に何の用だ？」
「むっ……。そんな態度でいいんですかね。私は先輩のことが心配で見に来たっていうのに」
「冗談はよせ！」
屈辱だった。仮にこの由利の言葉が本当だったとしたら余計に。俺は対戦相手に心配れるほど、無残に敗北を喫したことになる。
「ふふ……すみません。センパイっていちいち反応がかわいいのでつい」
「……っ。それで、本題は何だ？」
これ以上声を荒らげても自分が惨めになるだけだと悟った俺は、さっさと由利を追い出して一人になりたかった。
「本題……ですか……」
俺の言葉に、由利は一瞬思案顔を見せ顎に手をやる。そんな仕草を見ているとどう考えても、まだあどけない高校一年生である。
しかし、次の瞬間、瞳に妖しい光を宿したかと思うと、つつ、と唇を舐めた。
……っっ。あの目だ。あの目の女に俺は……。
丸椅子から立ち上がった由利に俺の身体が思わずびくリと強張る。
「そんなに警戒しないでください。今はBF中ではないんですから」
そんなことを口走りながら、由利はベッドで、上半身だけを起き上がらせた俺の胸にゆっくりと手を這わせた。
「おいっ、やめ……くっ」
抵抗の言葉を口にした瞬間、人差し指が薄いシャツの上から乳首の突起をくすぐる。
視線を落とすと、射貫くような視線で俺を見上げる由利の顔を直視してしまい、目を反らす。
「ふふ、やっぱりかわいい」
年下の女にかわいいなどと言われる屈辱。俺はすぐにでも、この生意気な少女を鍛えた腕力で引きはがし、床に投げつけてやりたいと思った。しかし、思うように力が入らない俺にはそれが叶わない。ぎりぎりと奥歯を噛みしめながらも由利の指先されるがままになってしまう。
いつの間にか由利は俺の下半身に跨りながら、完全に胸に体重を預けている。
小さいながらも、しっかりとした弾力が胸筋から伝わってくる。試合直後に汗を流したのだろう。濡れ羽色の美しい黒髪からはほのかにシャンプーの香りがする。
「薄い布ごしにっていうのがまた、たまらなく気持ちいんですよね」
由利は休まず右手で乳首を撫でながら、左手でゆっくりと俺の内ももを弄り出した。
「くぅぁ……」
試合での鋭い一過性の快感と比較すると、何倍もささやかで、けれども持続的な快感。どうしても力が抜けるような声が出てしまう。
「あ、いい声頂きました。女の子みたいです」
しかし、由利が挑発的な言動を繰り返す度、快感で忘れかけた屈辱を思い出すのだ。まるで、快感に溺れてしまう一歩手前で、俺をわざわざそこから引き揚げてくるような言葉責め。
ID:HEcZ./2g0 返信
830 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:04:06
「ふざけるな！ ……くっ、こんなことをしていることが運営にばれたら」
「ばれたら？」
上目遣いで決して視線を反らさぬまま、由利は内ももを撫でていた左手で俺のペニスを布団の上から押さえつけた。
「がっ……」
「ばれたらどうなるんです？」
そのまま左手にリズムよく体重をかける由利の動きに必死に耐えながら俺は言葉をつなぐ。
「ば、ばれたら、優勝、取り消し程度では、すまな……くぁああああ」
「ご心配ありがとうございます。でも、大丈夫です。プライドの高いセンパイはここでの出来事を口外したりしませんから。……ふふっ、いい声」
今度は掛け布団の下に左手を潜り込ませ、ズボンの上から完全に勃起してしまっている俺のペニスの竿を握りこむ。上下にしこしことリズミカルな往復運動。その間、小指の先で鈴口あたりをくすぐることも忘れない。第二ラウンドで俺をものの数秒で射精の一歩手前まで追い込んだあの手コキだった。
たまらずベッドに倒れ込んだ俺に覆いかぶさりなら、耳元に唇を近づけ由利が言う。
「どう？ 気持ちいいい？」
途端にぞわぞわと快感が全身を駆け巡り、俺の身体が震える。
「ど……どうって……」
「それとも悔しい？」
「……っつ」
その言葉にまたもや俺の中の屈辱感が首をもたげる。
「どれだけ努力して、おちんちん鍛えても、射精(で)るときは一瞬。センパイくらいの強さなら、たくさん我慢の練習もしてきたはずなのに、ちょっと弱点を知られただけで、私みたいな年下の女の子相手に、たった十秒も我慢できない……」
「おまっ……それ以上は」
感情とは裏腹に、身体はもうどうしようもないほど、由利に屈している。だがこれまでの俺の努力を否定されることだけはどうしても許せない。
くそっ！ 今身体が動けば……。
くそっ！ 対戦前にこいつの戦い方さえ分かっていれば……。
くそっ！ 今すぐにでもこいつを屈服させてやるのにっ……。
そして、そんな俺の内面の激情をくみ取ったかのように、由利が言う。
「リベンジ、したくないですか？」
ID:HEcZ./2g0 返信
831 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:06:54
「……え？」
あと少しでも指先が触れれば射精する。そんな絶妙のタイミングで由利は手の動きを止めていた。
そして由利の口から出た予想外の単語に俺は間抜けな声を出す。
リベンジ？
「さっき言ってた本題、ですが…」
本題という言葉に俺は一瞬戸惑ったがすぐに思い出した。由利の真意を俺が問おうとしたところでいきなり彼女が俺に仕掛けてきたのだ。
「センパイは、個人戦の出場はどうされるのかな、と思いまして」
「個人戦……」
それはおそらく一週間後に控えた全日本高校総体BFの部、個人決勝トーナメントのことだろう。こちらでも俺を含め二人の亀泳高校の生徒が県予選を勝ち抜き、決勝トーナメントへの出場権を得ている。大敗北を喫しすっかり余裕がなくなっていたが、確かに考えなければならない案件だ。しかし……
「こんな状態で、間に合うと思っているのか？」
そう、身体の状態がこの有様では、一週間後に回復しているかどうかが分からない。万一回復したとしても、長い間ベッドで寝ていたブランクを抱えたまま試合に臨むことになりそうだ。
「私に負けっぱなしでいいんですか？」
「それはっ……」
「それに……」
由利はストップしていた左手の動きを突然再開させた。
「くぅあ、おいっ……や、め、あ、あぁぁぁぁあああああ、イっ、いく……」
耐えられるわけがなかった。射精寸前の、しかも油断した状態のペニスへ、俺が最も苦手とするタイプの手コキ。俺の意図に反して、精液が次々と精巣から送り出されていくのを感じる。
「だめです。これじゃあ、ただのご褒美になっちゃう」
しかし唐突に、飛び出そうとした精液はペニスの根元で、由利の人差し指と親指に押さえつけられる。得も言えぬ不快感に俺は叫び声をあげてしまう。
「がっ、あぁああああああ！」
ようやく収まった射精感。同時に下腹部にかすかに残る違和感。浅い呼吸を繰り返す俺に、由利は告げる。
「この先を個人戦決勝でやりましょう。きっととんでもなく気持ちいいはずですよ」
「ど、どういう、」
呆気にとられる俺に、由利が告げる。
「決勝まで勝ち上がってください。そして、そこで私と最高のセックスをしましょう。そのためのヒントを今日は持ってきました」
「ヒント？ なんだそれは？」
どうやら、ようやくここからが本題ということらしい。
「ふふっ、聞いて驚かないでくださいよ」
「焦らすな」
「はいはい。相変わらずせっかちですね。それはずばり、大塚先輩の弱点、です」
「なっ……」
大塚寧々。彼女は現在、公式戦において87連勝を記録している高校BF会の頂点とも言える鶴舞高校の生徒だ。俺たちの亀頭を血で濡らすような努力は全て彼女に勝つために成されてきたと言ってもいい。
俺と由利はトーナメント表の山の反対側にいる。そして大塚寧々は俺と同じ山に含まれていた。つまり、大塚は俺が由利と個人決勝で顔を合わせるとするならば、越えなければならない最も高いハードルだ。
「一回しか言わないのでちゃんと聞いてくださいよ。大塚先輩は……」
「まて、俺はまだ個人戦に間に合わせるなんて一言も……」
「じゃあ、聞くだけでもいいですよ……。もっともセンパイがどうしたいかなんて、分かり切ってますが」
「くっ……」
つい、と俺の首に中指を這わせくいと顎を持ち上げられる。本来そこは人間の生物の急所である。無抵抗に触られることは相手に屈服していることを意味する。分かっていながら身体に力が入らない。
「いいですか？ 大塚先輩は満を持して、相手のペニスを自分のマンコにくわえこむとき、一瞬スキができます。そこをついて一撃で仕留めてください」
あまりにも簡潔な、しかし具体的なアドバイスに俺は呆気にとられた。
「お、大塚は鶴舞の選手だろう？ これがお前たちの罠の可能性は……」
「黙っていればおそらく試合を棄権する選手を焚きつけて試合に出させ、わざわざ罠にはめる必要がありますか？」
「それは……」
言葉に詰まった俺の頬を由利の右手がつつむ。
「ふふっ、素直なセンパイ。そういうヒト私好きですよ」
「…………なぜ、俺に有利になるようなことを言う？」
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832 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:08:23
俺の質問に由利は珍しくしばしの逡巡を見せた。しかし、やがて口を開く。
「……つまらないんですよ」
「え？」
「つまらないんです。このまま個人戦の決勝トーナメントが始まれば、おそらく私と大塚先輩が難なく勝ち上がって決勝はレズマッチになるでしょう……。中学でのBFは本当にもの足りませんでした。高校でせっかく少しは楽しい試合ができると思っていたのに、蓋をあけてみればこれです。決勝の相手が分かり切っていて、それも女な上に、私より、弱い……」
「ばかな……それは……」
やってみないと分からないと言おうとして辞めた。由利の瞳は自分の勝利と、そして、大塚寧々の強さを全く疑っていない。
「ですが、センパイには僅かながら大塚先輩と戦って勝てる可能性を感じました。だったら、決勝戦は男のヒトと戦って、精液が枯れるまで絞りつくしてあげた方が面白いんしゃないかって思うんです」
「…………」
今日実際に由利と戦った俺には由利のその言葉が決してただのはったりでないと分かる。俺が無策で臨めば起こりうる一つの可能性だ。だから簡単には反論できない。
だが、だからと言って……。
やってやろうじゃないか。これは由利からの挑発だ。この状態からコンディションを整え、個人戦に出場し、大塚を下して由利にリベンジマッチを挑む。そして由利をも下す。
だがその過程で、由利から得た情報を使って、大塚に勝ったところで俺は本当に由利に勝ったと言えるか？
否、それでは結局由利の掌の上。ではどうするか。答えは簡単だ。俺がこれまで鍛え上げて来た技で、ペニスで、大塚も由利も屈服させる。そこに由利からの情報は必要ない。
俺は力の入らない拳を無理やり握りしめた。
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833 : 名無しさん@バトルファッカー 2016/10/26(水) 15:09:29
「さあ、お話はこれでおしまいです。個人戦期待していますよ」
由利が俺の上から身体を退ける。その温もりが身体から離れていくことに俺は、ほっとしているのか、寂しさを感じているのか自分でも分からなかった。
そして、最後に俺の身体の下半身の上を跨いだ彼女の右足が、軽く、本当に少しだけ、俺の膨らんだままのペニスに触れた。
瞬間に俺は自分のぺ二スが暴発寸前だったことを思い出す。
「あ、すみません、触れちゃいました」
なんでもないことのように笑う由利を見ながら俺は必死で下腹部に力を込めた。あろうことか、射精寸前のどうしようもない気持ちよさが込み上げている。本当に、こんなことで、射精(だ)すわけにはいかない。今決意を固めたばかりだ。根元で止められていた精子を必死に抑え込もうとさらに力をこめる。
しかし顔に出して由利に気取られるわけにもいかない。あれは彼女にとっては攻撃でもなんでもない、ただの事故……。
「では、本当に期待していますから。……あ、それと」
また唐突に由利が唇を俺の耳元に寄せる。
「忘れちゃいけませんよ。どんなに我慢しても射精(で)るときは一瞬。私のアドバイスなしに大塚センパイに勝とうだなんて思わないでくださいね」
どぷっ。耳から侵入する由利の吐息に一気に脱力し、同時にぞわぞわとした快感が背中を走る。射精(で)るときは一瞬というまるで予言ともとれる台詞。極限まで高められたままお預けを食らっていたペニスはここぞとばかりにドクドクと精液を吐き出す。
嘘だろ……。触れずにイかされた。しかも、年下のこんなあどけない……。
今日この屈辱を味わうのは何度目か……。
目の前には再び高校一年生相応な、のんびりとした笑顔に戻った由利がいる。
「そろそろ、行きますね。あと、それ。早く処理しないともうすぐ医療班の人が様子をみに来ちゃいますよ」
その言葉に俺ははっと我に返った。駆け足で医務室を後にする由利の背中をきっと睨む。
しかし彼女もう俺のことを見ていない。
どうしようもない射精後の脱力感と、行き場を失った屈辱感に溺れながら、俺は個人戦出場と、由利へのリベンジを密かに、しかし厳かに改めて決意した。
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