登場する「武器・道具」「法術」「用語」をまとめました。
特別な能力を持った武器や術なので『黒神話:悟空』にも数多く登場するのではないかと期待しています。
各項目ごとにあいうえお順です。
数字は『中国古典文学大系 西遊記』の「第何回目に登場するか」を表しています。
(文献にふり仮名のなかったものが一部あります。検索しやすいように、管理者の勘でふり仮名をふったものについては ? をつけてあります。)
特別な能力を持った武器や術なので『黒神話:悟空』にも数多く登場するのではないかと期待しています。
各項目ごとにあいうえお順です。
数字は『中国古典文学大系 西遊記』の「第何回目に登場するか」を表しています。
(文献にふり仮名のなかったものが一部あります。検索しやすいように、管理者の勘でふり仮名をふったものについては ? をつけてあります。)
どんな病気でも治せる丸薬(悟空談)。大黄 一両、巴豆 一両、鍋底の灰、竜馬の尿を練って悟空が作った。朱紫国王に飲ませると、腹の中に溜まっていたちまきが排泄され、たちどころに病は治った。
釈迦如来が観世音菩薩に授けた緊・禁・金の3つの箍(たが)、つまり金属製の輪。緊箍児は悟空の頭に、禁箍児は黒大王(熊羆)の頭に、金箍児は紅孩児(善財童子)の頭と手足に、それぞれ嵌っている。三蔵や観世音菩薩が呪文を唱えると締まり、悟空たちを制することができる。
一粒投げ下ろすと大量の砂を降らせる神通力を持った砂。釈迦如来によって十八羅漢に一粒ずつ与えられ、独角兕大王に対して使用された。独角兕大王の足を砂に埋めることに成功したが、結局金剛琢に吸い込まれて奪われてしまう。
自在に操れる捕り縄。蓮華洞の五つの宝のうちの一つ。金角・銀角の母に預けてあった。締める時には緊縄呪(きんじょうじゅ)を、緩める時には鬆縄呪(そうじょうじゅ)を唱える必要がある。悟空が妖婆から奪い取り、銀角戦で使おうとするが、呪文を知らなかったために逆に捕らえられてしまう。太上老君の腰縄であったが、金角・銀角が持ち出した。
たくさんの敵を吸い込める、白木綿の袋。人種袋とも。黄眉大王の宝。空めがけて放り投げると、一定範囲の相手をすべて飲み込んでしまう。悟空、五方掲諦、二十八宿を一度にまとめて吸い込んだことがあるので、かなりの大きさがありそうだ。もとは弥勒菩薩の宝で、黄眉大王が盗んだ。
相手の武器や炎・水・砂を取り込むことができる輪。錕剛(あかがね)を打ち鍛えて造られた、太上老君の宝の一つ。天界を荒らしていた悟空を捕らえる際、太上老君が天界から投げ落として悟空の頭に命中させたもの。また独角兕大王が地上に降りる際に太上老君から盗み出し、自身の得物としていた。
呼びかけに返事をした者を吸い込む赤い瓢箪(ひょうたん)。蓮華洞の五つの宝のうちの一つ。吸い込んだあと栓をして「急急如律令奉勅」のお札を貼ると、瓢箪に閉じ込められた者が徐々に溶けていく。また呼びかけた名前が本名だろうと偽名だろうと関係なく、相手が返事をしさえすれば吸い込むことができる。悟空は一度は銀角に吸い込まれるもののブヨに化けて脱出し、逆に銀角を吸い込んで勝利する。天地開闢のはじめ、崑崙山(こんろんざん)のふもとに生えていた仙人かずらに実を結び、それを太上老君がもいで帰って、宝の赤瓢箪にした。太上老君が金丹を入れておく瓢箪であったが、金角・銀角が持ち出した。
化身の本当の姿を暴く鏡。偽の烏鶏国王を追いつめた際、文殊菩薩がやって来て照魔鏡で偽王を照らすと、文殊菩薩の乗り物である青毛の獅子に変わった。また牛魔王との決戦の際、原身である巨大白牛の姿から変化しようとする牛魔王を、托塔李天王が照魔鏡で照らしたため、牛魔王は変身できず敗れた。
死人の口に含ませておくと腐らないまま安置しておくことができる珠。死人を蘇らせることはできないようだ。殺された光蕋(こうずい。玄奘の父)を安置するために竜王が用いた。また殺された烏鶏国王を安置するため井竜王が用いた。
どんな強風にも吹き飛ばされなくなる仙丹。霊吉菩薩の持ち物で、もとは釈迦如来から授けられたもの。羅刹女の芭蕉扇に対抗するため、霊吉菩薩から悟空に与えられた。羅刹女から偽の芭蕉扇を渡される時と、猪八戒に化けた牛魔王に芭蕉扇を取り返された時に活躍。
力を持った刀。托塔李天王の持ち物。紅孩児との決戦の際、托塔李天王から借り受けた三十六本の天罡刀を、観世音菩薩が呪文を唱え、三十六枚の花弁をひろげた蓮台と化した。悟空の挑発に乗った紅孩児が蓮台に座ったところで、また観世音菩薩が呪文を唱えると、もとの天罡刀に戻り紅孩児の脚を貫いた。「罡」とは北斗七星の柄のことだそう。
持ち主の意のままに大きさ太さを変える鉄の棒。両端にふたつの金の箍(たが)が嵌っている。重さは一万三千五百斤(約8トン)。もとは神珍鉄(しんちんてつ)と呼ばれる鉄の柱で、江海の深さを測るために使われたもの。東海竜王の水晶宮の蔵に保管されていたが、悟空が東海竜王から脅し取った。いつもは縫い針ほどの大きさに縮めて悟空の耳の中にしまってある。
相手をはさみこんで中に拘束する、シンバルのような楽器。なお鐃鈸というのは一般名詞で、この魔法の楽器の固有の名ではない。東アジア原産の楽器で、現在でも曹洞宗など一部宗派で法会の際に使われているそうだ。
あおぐと強風を吹かせる扇。羅刹女の得物。もとの大きさは一丈二尺(約3.6m)もあるが、呪文を唱えると口の中に隠せるほど小さくすることができる。羅刹女にあおがれた悟空は一晩中空を飛び続け、霊吉菩薩のいる小須弥山まで飛ばされた。また牛魔王との決戦ののち、悟空がひとたびあおいで火焔山の火を消し、ふたたびあおいで風を吹かせ、みたびあおいで雨を降らせた。そのあと羅刹女が四十九回あおぐと、火焔山の火は完全に消え去った。また、太上老君が独角兕大王を捕らえる際に用いたが、羅刹女の芭蕉扇と同一のものかは不明。
呼びかけに返事をした者を吸い込む瓶。蓮華洞の五つの宝のうちの一つ。吸い込んだあと栓をして「急急如律令奉勅」のお札を貼ると、瓢箪に閉じ込められた者が徐々に溶けていく。能力は紫金紅葫芦と同じ。金角との決戦の際に悟空が使用し、あっさりと金角を吸い込み勝利する。太上老君の水入れであったが、金角・銀角が持ち出した。
自身を巨大化し三面六臂の異形に変化させる術。紅孩児にさらわれた玄奘を捜索するが一向に見つからず、業を煮やした悟空が使用。あたりの山々に如意金箍棒を叩きつけ、土地神を呼び出した。「七十二般の変化の術」の一部と捉えることもできるかもしれない。
目の前の山を自身の後方に移動させることで距離を縮める術。子供に化けて玄奘をおびきよせるという紅孩児の罠に感づいた悟空が使用。悟空自身と紅孩児と山をまとめて後方に移動させ、玄奘たちを先に行かせることで、紅孩児を一度はやりすごした。
山を呼び寄せる術。道士に化けた銀角が悟空を押しつぶすために使用した。悟空は須弥山を左肩に、峨眉山を右肩に受け止めたまでは平気だったが、さらに泰山を頭に落とされて潰されてしまった。(泰山を頭に落とす術を「泰山圧頂の法」とする文献もある。)
五十台の机を積み重ねて禅台とし、その上で座禅を組む。机にはよじ登ってはならず、雲に乗って頂上へと到達しなければならない。車遅国にて虎力大仙と法力比べをする際に行われた。玄奘は雲に乗れないため、悟空が雲に化けて頂上まで運んだ。鹿力大仙が南京虫に化けて玄奘の邪魔をするが、ウンカに化けた悟空がそれを阻止。反対にムカデに化けた悟空が虎力大仙の鼻を噛み、虎力大仙は落下して敗北した。法術の名前ではなく競技の名前かもしれない。
櫃(ひつ)などの入れ物の中身を見破る透視の術。車遅国にて虎力・鹿力・羊力大仙と法力比べをする際に行われた。最初に大仙が櫃の中身を言い当てるが、ブヨに化けた悟空が鍵穴から忍び込んで中身を変更し、それを玄奘が言い当てるというイカサマを実行。三回戦とも玄奘の勝利となった。
如意金箍棒で地面に円を描き、その中にいるものを妖魔や猛獣から守護する術。独角兕大王が作った幻影の楼閣に惑わされる玄奘たちを制止するために、悟空が使用。この輪から出るなと言われていた玄奘たちだが、悟空を待ちくたびれた末に出てしまい、法円が効力を発揮することはなかった。
宙返りして雲に乗り、十万八千里をひとっ飛びできる術。須菩提老師が悟空に授けた術で、宙返りする悟空の癖に合わせたオリジナルのもの。八戒や観世音菩薩らが雲に乗る描写があるが、あれは觔斗雲ではない。
自らの口と眼、さらに五台の車輛から、消えない炎を吹き出す術。火焔山で三百年修業を積み、紅孩児が編み出した。片手に火尖槍を持ち、もう片方の手を握って自身の鼻を二、三度叩き呪文を唱えると発動する。紅孩児との一度目の戦いでは、紅孩児が三昧真火であたり一面を火の海と化し、悟空は手も足も出ず逃げ帰った。二度目の戦いでは、四竜王と水軍が大雨を降らせる作戦に出たが、三昧真火が特別な火であるために消すことができず悟空が敗北。三度目の戦いでは、観世音菩薩の蓮華台の罠に成すすべなく紅孩児が降伏したため、三昧真火の出番はなかった。つまり術自体は一度も破られたことがないほど強力無比なものである。「釈迦が入滅したとき、その宝棺はいかなる火でも焼けず、釈迦自身から発した火によって、初めて荼毘に付された」という謂れがあり、この火を「三昧火」と呼ぶそうだ。
詳細不明。「御覧なさい、白骨夫人が持ってきたお斎の正体はうじ虫と蛙だ」と主張する悟空に対して、八戒が「これは悟空が障眼法を使って、あなた(三蔵)の目をごまかしているのです。」と言う場面がある。
自身の毛を抜き取り、口に入れて嚙み砕き吹き出すことで、それらを自在に変化させる術。悟空の得意技であり、混世魔王戦、金角大王戦など多くの戦いで使用された。自身の分身や子猿に変化させることが多い。他に、眠り虫(第5回)、などに変化させたことがある。
風をつまむことができる術。その風のにおいを嗅ぐことで、風のもとの状況を把握することができる。悟空のそばに吹いた生臭い風をつまんでみると、八戒が紅孩児に捕まったことがわかった。
泰山を呼び寄せ相手の頭に落とす術。道士に化けた銀角が悟空を押しつぶすために使用した。悟空は須弥山を左肩に、峨眉山を右肩に受け止めたまでは平気だったが、さらに泰山を頭に落とされて潰されてしまった。
相手の身動きを封じる術。かなしばりの術とも。蟠桃園にて仙女たちを止めるためや、偽の烏鶏国王がけしかけてきた役人たちを制するために悟空が使用。また西梁女国から逃亡する際に女たちに対して使用する予定だったが、女怪の邪魔が入ったので使用しなかった。
自身を巨大化させる術。身の丈は一万丈(約3万メートル)にもなる。水晶宮から如意金箍棒を脅し取った後、花果山水簾洞の猿たちに自慢するために悟空が使用。これを見た花果山中の妖怪たちはみな恐れをなし、悟空の軍門に下った。
自身の身体を別の生き物に自由自在に変化させる術。七十二般の変化の法とも。他に、雀・鵜・魚・水蛇・花鴇・祠(第6回)、藪蚊(第21回)、蟹(第60回)、コウモリ(第65回)、鷂 ・蚋 ・道士(第70回)、鷹 (第72回)、穿山甲 (第73回)、ウンカ(第76,78回)、蝿 (第82回)などに化けたことがある。
八戒も変化の法を会得しているが、こちらは三十六般の変化の法であり、化けられる種類が異なる(もしくは少ない)ようである。鯰 (第72回)に化けた。
二郎真君も変化の法を会得しており、鷹・大海鶴・魚鷹・丹頂鶴(第6回)に化けた。
八戒も変化の法を会得しているが、こちらは三十六般の変化の法であり、化けられる種類が異なる(もしくは少ない)ようである。
二郎真君も変化の法を会得しており、鷹・大海鶴・魚鷹・丹頂鶴(第6回)に化けた。
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