最終更新:ID:kNoAVKhcdw 2024年06月05日(水) 19:54:50履歴
とあるネットの海の片隅。
さらにその辺境に、みんつくと呼ばれる1つのサイトがあった。
みんつくと言ってもその名前は略称で、その正式名称を「みんなで作る世界 Wiki*」という。
世界という名のそのWikiは、
今消え去ろうとしていた。
どうして?
どうしてこんなことに?
自分が何をした?
副官である自分になぜ批判の目が向く?
考えれば考えるほど、頭の中に自分を正当化しようとする脳が生み出した疑問の念が渦巻く。
それもそうだ。
全てはあの1人の荒らしが引き起こしたことなのだから。
そんな事態になってまで批判的な意見を受け止め、冷静でいられる管理陣など存在しないだろう。
そんなことを考えていながら、自身のカラダの外側に響く人々の声に耳を傾ける。
いや、傾けるというよりも、聞き流すという表現の方が正しいかもしれない。
なんせ自分の周りには大量の人だかりができていたのだ。
こんな有象無象が発した意見など聞くに値しないだろうし、聞いたところで自分の精神に異常をきたす結果で終わっていただろう。
しかし、嫌な虫はそれでも視界に入ってこようとするものである。
黙れ。
と素直に言いたいというどす黒い思いがカラダの芯からこみ上がってくるのが感じられた。
そんなことを言ってしまったら副官という自分の権威が失墜することは目に見えているし、自分の良心としてもそんなことを言うことは避けたかった。
そのようなどす黒い意思と自分と良心が綯い交ぜになり、着々と自分の思考がまとまらなくなっていく。
だめだ。
このままでは自身のカラダが持たない。
ゆっくりと意識を前に向かせ、目の前の群衆へと視線を向ける。
そして、そのまま────
直後、目の前に立っていた物体が後方へと倒れた。
何が起こったのだと、周囲に目を配る。
先程まで群衆を形成していたその人々は、目の前に倒れている物体を中心として自分の周りから散開している。
皆、目を見開き、その瞳孔をこちらに向けるような者や、倒れた物体を直視し、静止している者まで居る。
そんな群衆だった物を目の前に、自分はただ
ふふ。
笑ってみせた。
よく見ると目下に倒れていた物体は、青い毛を頭に生やしていた。
それだけではない。
倍率の高そうなメガネ。
かつてはその過剰な宣伝をしていたことを思い出せるそれは
雑魚さんそのものだった。
そのことを理解した途端、自身の口角が斜め上に上がっていくのが分かった。
笑った。
さらに笑った。
もっと笑った。
周囲からは歓声や感動のような声が聞こえ、自分の行動が素晴らしいものだということを実感することができた。
それで生まれた犠牲の数を数える者は、もうこの世に居ない。
さらにその辺境に、みんつくと呼ばれる1つのサイトがあった。
みんつくと言ってもその名前は略称で、その正式名称を「みんなで作る世界 Wiki*」という。
世界という名のそのWikiは、
今消え去ろうとしていた。
どうして?
どうしてこんなことに?
自分が何をした?
副官である自分になぜ批判の目が向く?
考えれば考えるほど、頭の中に自分を正当化しようとする脳が生み出した疑問の念が渦巻く。
それもそうだ。
全てはあの1人の荒らしが引き起こしたことなのだから。
そんな事態になってまで批判的な意見を受け止め、冷静でいられる管理陣など存在しないだろう。
そんなことを考えていながら、自身のカラダの外側に響く人々の声に耳を傾ける。
いや、傾けるというよりも、聞き流すという表現の方が正しいかもしれない。
なんせ自分の周りには大量の人だかりができていたのだ。
こんな有象無象が発した意見など聞くに値しないだろうし、聞いたところで自分の精神に異常をきたす結果で終わっていただろう。
しかし、嫌な虫はそれでも視界に入ってこようとするものである。
黙れ。
と素直に言いたいというどす黒い思いがカラダの芯からこみ上がってくるのが感じられた。
そんなことを言ってしまったら副官という自分の権威が失墜することは目に見えているし、自分の良心としてもそんなことを言うことは避けたかった。
そのようなどす黒い意思と自分と良心が綯い交ぜになり、着々と自分の思考がまとまらなくなっていく。
だめだ。
このままでは自身のカラダが持たない。
ゆっくりと意識を前に向かせ、目の前の群衆へと視線を向ける。
そして、そのまま────
直後、目の前に立っていた物体が後方へと倒れた。
何が起こったのだと、周囲に目を配る。
先程まで群衆を形成していたその人々は、目の前に倒れている物体を中心として自分の周りから散開している。
皆、目を見開き、その瞳孔をこちらに向けるような者や、倒れた物体を直視し、静止している者まで居る。
そんな群衆だった物を目の前に、自分はただ
ふふ。
笑ってみせた。
よく見ると目下に倒れていた物体は、青い毛を頭に生やしていた。
それだけではない。
倍率の高そうなメガネ。
かつてはその過剰な宣伝をしていたことを思い出せるそれは
雑魚さんそのものだった。
そのことを理解した途端、自身の口角が斜め上に上がっていくのが分かった。
笑った。
さらに笑った。
もっと笑った。
周囲からは歓声や感動のような声が聞こえ、自分の行動が素晴らしいものだということを実感することができた。
それで生まれた犠牲の数を数える者は、もうこの世に居ない。
THE END
このページへのコメント
グラスを傷つけずに置いていくとは、なんと思いやりがあることか。しかし、そのようなコアを破壊しなければ、再生して後であなたを殺しに戻ってくる。
メガネ*
:trolle: