暗転 |  | もう、最後のときが来たみたい……。ねぇ、お願いがあるの……。あの子に「ごめんね」って、伝えて……。 |
 | そんな……!しっかりしてください、ちとせさん……!ちとせさーん……! |
通り | | 1時間前 |
 | …………。 |
 | クラリスさん…… すっごくふらふらしてるけど、そんな状態で大丈夫? |
 | ご心配には及びませんわ……。体調はむしろ万全ですから……。それよりも、さぁ、向かいましょう……! |
店内 |  | 失礼いたします!店長様……私にくださいませ! |
 | スーパーミラクルデラックス定食! |
店長 | あいよ!しかし……いいのかい?お嬢ちゃんたちが食べるようなものじゃないぜ? |
 | 心配には及びませんわ。スーパーミラクルデラックス定食というモンスターを 打ち倒すことを目的として、この地にやってきたのですから。 |
 | そういうこと。それにしても、スーパーミラクルデラックス定食って…… 子どもが考えたような名前だよね。 |
店長 | 正解!名前を悩んでいた時に、俺の子どもがつけてくれたんだよ。 |
 | まっすぐなお子さんなんだね♪ |
店長 | さーて、そろそろできるぜ……。はいよ、お待たせ!スーパーミラクルデラックス定食だ! |
 | これは……山? |
 | 山盛りですね。ご飯も、おかずも。 |
| ふたりで食べるにしても、すっごい量……。あははー……。 |
 | はい。すごい量ですわね。うふふっ……♪では、ちとせさん……。 |
  | いただきます。 |
| 10分後 |
 | もう、最期のときが来たみたい……。ねぇ、お願いがあるの……。あの子に「ごめんね」って、伝えて……。 |
 | そんな……!しっかりしてください、ちとせさん……!ちとせさーん……! |
 | モンスターにやられちゃったから、おうちで晩ご飯を食べられないなんて…… 私の口からは言えないの……。 |
 | そういった大事なことは、ご自身で言ってください。私も伝えたくありません。あと、すごく残っています。ご飯もおかずも。 |
 | あぁっ…… 持病の『あと一口食べたら晩ご飯が食べられない病』が……。 |
店長 | ま、女の子ふたりなら、そんなものだよ。頑張った頑張った。ちょっと待ってな。今、水を出して……。 |
 | ……いいえ……いいえ、まだです。私はまだ、負けてはいませんっ……! |
 | わぁー。クラリスさん、すごい勢いでモンスターに囓りつくー♪ |
 | ちとせさんの無念は、必ずや私が晴らしてみせますから……!どうか、天から見守っていてくださいませ……! |
 | うん!私、ピンピンしてるけど。あはっ。 |
暗転 | | そして、クラリスは食べ続けていき…… |
店内 |  | すごいすごーい。完食しちゃった。モンスター退治、大成功!クラリスさん、かわいいー♪ |
 | 私、やりました……! |
店長 | お疲れさん、お嬢ちゃん。 |
 | 店長様。ごちそうさまでした。とてもスーパーでミラクルでデラックスな素晴らしい味と量でしたわ。 |
店長 | ははっ、そう言ってくれるのは嬉しいねぇ。次来る時は、ハイパーギャラクシーウルトラ定食に挑戦してくれ。 |
 | 望むところですわ。ね、ちとせさん? |
 | 持病の『揚げ物を一口食べたら満足しちゃう病』が克服できたらね♪ |
 | ちとせさんも挑戦したいそうです。 |
 | あはっ。……ちょっと伝わらなかったかな? |
 | 是非挑戦させてほしいと言っています。ねっ、ちとせさん? |
 | モンスターを前にしたクラリスさんの圧がすごい……。だれかー、助けてーーー。 |
空 | ナレーション | 『フードファイタークラリス&ちとせ! 次はあなたの街へ参上!……するかもしれないぞ!』。 |
スタッフ | はい、OKでーす。 |
店内 | | 収録終了後 |
| 選択肢[お疲れさま] |
 | お疲れさま。コント仕立てのバライティー収録っていうのも、やってみると面白いものだね。あははっ。 |
 | ふふっ、そうですわね。……では、行きましょうか、ちとせさん。 |
 | 行くって、どこへ? |
 | 撮影では、食べている途中のものを、完食したものと交換されていましたよね?私たちが食べた途中のものを、そのままにしてはおけませんわ。 |
 | ああいうのって、よく知らないけど……残りもすべて私たちが食べるものなの? |
 | まぁまぁ、そうおっしゃらずに。撮影を終えたはらぺこスタッフさんたちが美味しくいただく、というのは業界の定番ではあります。でも。 |
 | 小食なのは知っていますけど、まだ、食べられますよね。ね、ちとせさん?美味しいスーパーミラクルデラックスですものね? |
 | 第2ラウンド、行きますわよ。私たちは、カメラが回っていなくとも、倒すべきモンスターがいるのです。 |
 | 優しく言っているけど、圧が本物だね。……わかった。食べるよ、クラリスさん。私に代わって……魔法使いさんがね。 |
| 選択肢[え?] |
 | さっき、おなかの音でオーケストラを奏でていたから もしかしたら、食べたかったのかなと思って♪ |
 | ふふっ、では、行きましょうか、プロデューサー様。ちとせさんの部分は、9割5分手つかずです。あの美味しい定食を余すところなく味わえます。 |
P | あれ?……どうしてこうなった? |
 | プロデューサーなんだもの、私ができないことを引き受けてくれるでしょ?それに…… |
 | いっぱい食べる人って、かわいいもの。ね♪ |
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