ラブライブ!派生キャラ チュン(・8・)チュンのまとめwikiです。

 その家のチュン(・8・)チュンは金網状のケージで飼われていました。
 「金網」というと囚人を閉じ込めるための檻のようなマイナスのイメージを持たれがちですが、ペットショップ生まれのチュン(・8・)チュンにとってはごく自然なものでした。ケージの中にいれば毎日三食ご飯が食べられるし、飼い主が定期的にケージの中もきれいにしてくれます。チュン(・8・)チュンは特にこれと言った不満もなく暮らしていました。
 
 さて、そんなチュン(・8・)チュンは今日も飼い主と楽しい一日を送っていました。しかしここ数日は夏の暑さが気になります。チュン(・8・)チュンも飼い主も気が付いたら汗だくになってしまいました。
 気温と湿度は夜になっても下がる気配はなく、全国的に寝苦しい夜になりそうでした。さらに運の悪いことに、その家のエアコンはここ数日調子が悪いらしく、あまり涼しい風を送ってはくれませんでした。
 熱さに耐えかねた飼い主は、たまらず窓を開けたまま寝ることにしました。不用心ではありますが、閑静な田舎ということもあり、まあ大丈夫だろうと思うことにしました。

 この暑さにはチュン(・8・)チュンも参ってしまいました。窓が開いてはいるものの、暑いことには変わりません。チュン(・8・)チュンはいつもの寝床で涼しさを求めるようにのたうち回っては、そうすることでより暑くなることに気づいてやめる、ということを繰り返していました。
 チュン(・8・)チュンがようやくウトウトしはじめたころ、ケージの外でガサガサという音がしました。チュン(・8・)チュンはそれが気になりました。飼い主はもう寝ています。
 不思議に思ったチュン(・8・)チュンはケージの蓋を開けると、外に出ました。飼い主には秘密ですが、チュン(・8・)チュンは自力でケージの蓋を開ける術を習得していたのでした。
 チュン(・8・)チュンは音のする方へ歩きました。やはり何かがいます。それは細長い体で、チュン(・8・)チュンよりもはるかに多くの足を持ち、何かを探し求めているようでした。
 次の瞬間、それはチュン(・8・)チュンの存在に気づきました。すると、素早く方向をかえ、チュン(・8・)チュンに向かって走り出しました。
 これはまずい!チュン(・8・)チュンは本能的にそう察しました。一目散にケージへと走ります。
 それはチュン(・8・)チュンよりもはるかに素早く、少しでもスピードを緩めたら追いつかれてしまいそうでした。追いつかれたらどんな目に合うか…それは火を見るより明らかでした。
 チュン(・8・)チュンは今までで一番の速さで走りきると、ケージの蓋に手を掛けました。しかし、焦っているためか上手く開いてくれません。追跡者の足音はすぐそこまで迫っています。
 もうだめだ…!と思ったその時、ケージの蓋が開きました。チュン(・8・)チュンは無我夢中でケージに飛び込むと、急いで蓋を閉めました。もうこれで大丈夫です。安全な我が家に帰ってこれたのです、チュン(・8・)チュンは安心感からか、その場にへたり込んでしまいました。
 しかし、次の瞬間チュン(・8・)チュンは信じられない光景を目の当たりにしました。
 追跡者はケージの網の隙間からケージの中に侵入してきたのです。チュン(・8・)チュンは相手の体が細長いということを忘れていたのです。チュン(・8・)チュンはとにかくそれから逃れようと、ケージの反対側へと走りました。しかし、当然ながらそこに出口はありませんでした。唯一の出入り口は追跡者によって塞がれています。チュン(・8・)チュンは自ら追跡者と自分を狭い空間に閉じ込めてしまったのです。
 退路を断たれたチュン(・8・)チュンは、寝床にしている小屋の中に逃げ込みました。この小屋はチュン(・8・)チュンがペットショップから今の飼い主に買われた時、一緒に買ってもらったものです。チュン(・8・)チュンにとっては安息の象徴であり、どんなことがあってもここで眠ることはチュン(・8・)チュンの心を癒してくれました。
 チュン(・8・)チュンは小屋の中で蹲りました。そして思いました。自分は何も悪いことはしていない。きっとあれは悪い夢で、この暑さで自分はおかしくなってしまっただけなのだ。今顔を上げれば、あれは消えている。きっとそうに違いない!
 チュン(・8・)チュンは意を決して顔を上げました。するとどうでしょう。さっきまで立ちふさがっていた追跡者の姿は見当たりません。
 やっぱり夢だったんだ… チュン(・8・)チュンがそう思った次の瞬間、小屋の中に一気に追跡者が侵入してきました。
 夢ではなかった!そう気づくよりも前に、それはチュン(・8・)チュンの体に噛みつきました。今まで経験したことのないような痛みがチュン(・8・)チュンを襲います。そしてそれはチュン(・8・)チュンの体を大量にある足でつかむと、さらに深く牙を立てました。そしてやがて、それはチュン(・8・)チュンの体をバリバリと音を立てて食べ始めました。
 チュン(・8・)チュンは思いました。なんで自分がこんな目に遭わなければならないのだろうと。
 チュン(・8・)チュンはそれまで、自分が死ぬときは飼い主や子供たちに看取られながら静かに息を引き取るものだと思っていました。しかし現実はどうでしょう。チュン(・8・)チュンはまるで怪物のような不気味な生き物に襲われ、死よりもつらいような激痛に襲われながら、体を貪り食われるのです。
 チュン(・8・)チュンはの意識はそこで途絶えました。

 数分後、トイレに起きた飼い主が見たのは想像を絶する光景でした。今まで見たこともないような大きなムカデがチュン(・8・)チュンのケージの中でチュン(・8・)チュンを貪り食っていたのです。
 飼い主はムカデが大の苦手でした。すぐに殺虫剤を振りかけると、ムカデはたちまち死んでしまいました。
 その後飼い主が困ったのは死体の処理でした。死体とはいえ、ムカデなど絶対に触りたくありません。しかしムカデはチュン(・8・)チュンの体に絡みついており、手を使わずに引き離すことは難しそうでした。
 仕方がないので、飼い主は小屋を取り出すと、チュン(・8・)チュンごとムカデをトイレに落とすと、そのまま流してしまいました。
   
 終わり

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