ラブライブ!派生キャラ チュン(・8・)チュンのまとめwikiです。

とある山奥の谷間に、チュンチュン達の楽園がありました。
元は人間達の集落だったのですが、数年前に彼らが一斉にいなくなってしまって以降、野生のチュンチュン達が住み着いたものです。
非力なチュンチュン達にとって、雨風や他の野生動物から身を守れる人間の住居は、おんぼろの廃屋であっても非常にありがたい存在です。
安全な住処を得たチュンチュン達は、徐々に数を増やしていきました。
花の蜜や樹液を舐め、渓流の清水で喉を潤し、朝晩に揃って喜びの歌を合唱する、質素ながらも平和な生活。
都会種とは異なり、穂乃果ちゃんの下着のぬくもりは勿論、チーズケーキもマカロンも知らないチュンチュン達ですが、誰にも気づかれることなく、誰にも迷惑をかけることなく、気ままに幸せな日々を送っていました。

そんなチュンチュン達の平穏な楽園に、ある日、人間と重機がやってきました。
彼らはチュンチュン達には目もくれず、廃屋を一つずつ、徹底的に破壊していきます。
ウィーン ガガガッ ガガガッ バリバリバリ……

「ヤメユチュン!!チュンチュンハウユコワサヤイデ!!」

「ピィィ!!ピィィ!!」
「ピヨチュン!?ハヤクニゲユチュン!!ツブレユチュン!!」

「タマチュン……マモレナカッタチュン……チュンチュンノタカヤモノズ……」

数日のうちに全ての廃屋が破壊され、チュンチュン達は住処を失いました。
人間慣れしていなかったことが幸いし、ほとんどのチュンチュン達がすぐに避難したため、犠牲はほとんどありませんでした。
静寂が戻った元楽園は、廃材があちこちに乱雑に積み上げられ、とうてい元の暮らしに戻ることはできません。
しかしチュンチュン達には歌があります。
「ラビュラビュ〜〜」
「プワーオ!プワーオ!」
「ピーヨ!ピーヨ!」
皆での合唱を通して絆を再確認し、不便な中、助け合って生活していました。

住居倒壊から数週間後、今度は突然、頭上から轟音と落石が降り注ぐようになりました。
ガガガッ、ガリガリガリという大きな音とともに、直径30センチから1メートルほどの石が谷肌を転がって、元楽園へと降り注ぎます。

「ビィィ!!」
「イダイヂン……ウゴケヤイヂン……ダスゲユ……ヂン……」
「ヒナチュン!!ヒナチュン!!スグイワドカスチュン!!」
「ママ・・・ヂン…」
「ヒナチュン……メヲアケユチュン……」

「カクレユチュン!!」
「ママチン!コワイチン!!」
「マーピヨ!!マーピヨ!!」
「ダイジョウブチュン……ママチュンガマモルチュン……」
「ピヨッ……ピヨッ……」

落石に押しつぶされてしまったチュンチュン達の絶鳴、家の残骸の陰での雛鳥達のすすり泣きばかりが聞こえます。
轟音と落石は数ヶ月間続き、その間に約半数のチュンチュン達が命を落としました。

再び静寂が戻った頃には、元楽園はむしろ地獄に近い有様でした。
落石で絶命したチュンチュン達の死体があちこちに横たわり、生き残ったチュンチュン達も乾き、飢えていました。
落石のせいで草花や樹木が傷つき、これまでの主食だった蜜や樹液を舐められなくなったチュンチュン達は、うまく消化できないにも関わらず、泥まみれの雑草や樹皮をむしり取り、口にしていました。
渓流も土砂で濁りきっていましたが、他の水飲み場も見つからないので、泥水をすするしかありませんでした。

「オナカスイタチン……」
「ピィ……」
「コレシカナイチュン ガマンスユチュン」

「ポンチュンイタチュン!!クユシイチュン!!」
「ビィッ!!ビィッ!!ビッ!…………」
「ヂュウウウウゥゥゥ!!………」

不衛生な環境のために、病気に罹り命を落とすチュンチュンもいました。
死んたチュンチュン達の腐肉に口をつける者もいました。
歌っている余裕はもはやありません。皆、自分が生きるために必死でした

今を生きることに必死なチュンチュン達が、渓流の下流側から水際が押し寄せてきていることに気づいた頃には、既に元楽園の半分が水没していました。
チュンチュン達は栄養失調で重い体を引き摺り、渓流の上流側へ懸命に避難しますが、水際はどんどん迫ってきます。
険しい斜面をひとつ越えるたびに、数羽のチュンチュン達が脱落し、水に呑まれていきました。
道中で命を落としたチュンチュンの大半が、体の小さな雛鳥でした。そもそも斜面を登ることができなかったのです。
「マー!マー!」
「ママヂーン!!ママヂーン!!ツメタイヂン!!コワイヂーン!!」
「ピヨチュン…ヒナチュン…ゴメンヂュン…ッ…ッ…」
「マ・・・マ・・・」
「マ-…ブフッ、ケホッケホッ・・・マ゙ー・・・マ゙ー・・・」
「・・・!!オイテケナイチュンッ!!」
ドボンッ
一度は雛を見捨てる覚悟をした親鳥もいましたが、雛達の断末魔を聞くやいなや、ほとんどが心中していきました。

水の来ない丘陵部にたどり着けたのは、結局1羽だけでした。
丘の端から元楽園を見下ろすと、綺麗な湖が出来上がっていました。
湖の端、渓流の下流側にあたる場所には、巨大な灰色の壁が見えます。
「チュンチュンノラクエン……チュンチュンノタカヤモノズ……ミンナシズンダチュン……」
身も心もボロボロになって物思いに沈んでいた最後のチュンチュンに、土木作業員のスコップが無慈悲に振り下ろされました。
バカンッ ドカッ
「ヂュゥゥン!」
弱りきったチュンチュンは一撃で脳天を割られ絶命し、土木作業員に足蹴にされ谷底へと落ちていきました。
「ごみ掃除完了〜。いいぞ〜。」
まもなくしてアスファルトが敷き詰められ、丘は駐車場になりました。

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