2014年冬、都内某所にて。
ﾄﾞﾝｯ
窓に何か相当質量のあるものがぶつかる音がしたのでカーテンを開けてベランダを覗いてみると、不格好な鳥が転がっている。
さっきの音はこいつが窓にぶつかったせいだろう、怪鳥は身体をひくつかせながら白目をむいて横たわっている。
今日は日曜日で、もう夜も遅い。気の毒だが怪鳥に構っている暇はない。
カーテンを閉めテレビの前に座る。
ﾂﾞﾝﾂﾞﾝﾂﾞﾝ
今度は窓を硬いもので叩く音が聞こえる。再度カーテンを開けると、さっきの怪鳥が窓ガラスをつついている。
俺は忙しいのだ。邪魔されるわけにはいかない。
ベランダに出て怪鳥を追い払おうとするが、一向に飛び立つ様子はなく、甲高くﾁｭﾝﾁｭﾝ啼くばかり。
部屋に戻り塵取りを持ってきて怪鳥を乗せ、家の勝手口から放り捨てた。
やれやれ、とんだ災難だ。テレビの前に座り直し、ヘッドホンを装着する。
ﾁｭﾝﾁｭﾝ!ﾜﾝﾔﾌﾕﾔｯﾁｭﾝｶｴｽﾁｭﾝ!ﾈﾑﾚﾅｲﾁｭﾝ!ｻﾑﾁｭﾝ!
ｵﾅｶｼｭｲﾀ!ﾁｰﾕｹｰｷ!ﾊﾉｹﾁｪﾝ!ﾁｭﾝﾁｭﾝ!
勝手口のほうから耳障りな雑音が聞こえる。冗談じゃない。
バケツいっぱいに水を汲み、勝手口を出て、音源に向けて思い切り撒く。
ﾋﾟｭｳｲｲという一際甲高い鳴き声と、ﾄﾞﾎﾞﾝという威勢の良い水音を最後に、町に静寂が戻る。
怪鳥はドブに落ちたようだ。
部屋に戻ると、薄汚い布切れが落ちている。さっき怪鳥を運んだ時に塵取りからこぼれ落ちたのだろうか。
指先でつまんでゴミ箱に放り込み、入念に手を洗ってから、テレビの前に正座し、ヘッドホンを装着、白いペンライトを握る。
今日は日曜日。TOKYO MXで「ラブライブ！」の再放送がある。
しかも今回は１期９話「ワンダーゾーン」、俺の一押しメンバー南ことりちゃんのメイン回なのだ。
作詞に行き詰まった末に助けを呼ぶシーンでの「ﾊﾉｹﾁｪーﾝ」を拝聴しなくてはファン失格だ。
そういえばさっきの怪鳥の鳴き声、ことりちゃんに少しだけ似てたような……
ﾄﾞﾝｯ
窓に何か相当質量のあるものがぶつかる音がしたのでカーテンを開けてベランダを覗いてみると、不格好な鳥が転がっている。
さっきの音はこいつが窓にぶつかったせいだろう、怪鳥は身体をひくつかせながら白目をむいて横たわっている。
今日は日曜日で、もう夜も遅い。気の毒だが怪鳥に構っている暇はない。
カーテンを閉めテレビの前に座る。
ﾂﾞﾝﾂﾞﾝﾂﾞﾝ
今度は窓を硬いもので叩く音が聞こえる。再度カーテンを開けると、さっきの怪鳥が窓ガラスをつついている。
俺は忙しいのだ。邪魔されるわけにはいかない。
ベランダに出て怪鳥を追い払おうとするが、一向に飛び立つ様子はなく、甲高くﾁｭﾝﾁｭﾝ啼くばかり。
部屋に戻り塵取りを持ってきて怪鳥を乗せ、家の勝手口から放り捨てた。
やれやれ、とんだ災難だ。テレビの前に座り直し、ヘッドホンを装着する。
ﾁｭﾝﾁｭﾝ!ﾜﾝﾔﾌﾕﾔｯﾁｭﾝｶｴｽﾁｭﾝ!ﾈﾑﾚﾅｲﾁｭﾝ!ｻﾑﾁｭﾝ!
ｵﾅｶｼｭｲﾀ!ﾁｰﾕｹｰｷ!ﾊﾉｹﾁｪﾝ!ﾁｭﾝﾁｭﾝ!
勝手口のほうから耳障りな雑音が聞こえる。冗談じゃない。
バケツいっぱいに水を汲み、勝手口を出て、音源に向けて思い切り撒く。
ﾋﾟｭｳｲｲという一際甲高い鳴き声と、ﾄﾞﾎﾞﾝという威勢の良い水音を最後に、町に静寂が戻る。
怪鳥はドブに落ちたようだ。
部屋に戻ると、薄汚い布切れが落ちている。さっき怪鳥を運んだ時に塵取りからこぼれ落ちたのだろうか。
指先でつまんでゴミ箱に放り込み、入念に手を洗ってから、テレビの前に正座し、ヘッドホンを装着、白いペンライトを握る。
今日は日曜日。TOKYO MXで「ラブライブ！」の再放送がある。
しかも今回は１期９話「ワンダーゾーン」、俺の一押しメンバー南ことりちゃんのメイン回なのだ。
作詞に行き詰まった末に助けを呼ぶシーンでの「ﾊﾉｹﾁｪーﾝ」を拝聴しなくてはファン失格だ。
そういえばさっきの怪鳥の鳴き声、ことりちゃんに少しだけ似てたような……
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オチを変えてみた
勝手口のほうから耳障りな雑音が聞こえる。冗談じゃない。
バケツいっぱいに水を汲み、勝手口を出て、音源に向けて思い切り撒く。
ﾋﾟｭｳｲｲという一際甲高い鳴き声と、ﾄﾞﾎﾞﾝという威勢の良い水音を最後に、町に静寂が戻る。
怪鳥はドブに落ちたようだ。
部屋に戻ると、ドンドンドンドン!!と物凄い勢いでドアを叩く音が聞こえてきた。"誰だよ？俺は忙しいんだぞ"と苛立ちを覚えながらドアへ向かう鍵を開けた瞬間ドアが思いっ切り開いた。
男「おい!!冷たいじゃねぇか!!周りを確認せずいきなり水まくじゃねぇよ!!」
女「アナタがいきなり水を撒くからうちの子にかかったじゃないの!?どう責任をとるの!?」
少女「ママ。冷たいよ〜。」
俺君は頭が真っ白になった。水を撒く際に回りの確認を怠っていたのだ。
俺君「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
どけ座し謝る。俺君
男「ごめんなさい。で済んだら警察いらねぇよな!?」
男は、俺君の胸倉をつかんだ。
俺君「許してください!!もうすぐTOKYO MXでラブライブ！の再放送が始まるんです!!」
男「ラブライブ？あぁ、ファンの問題行動が絶えないアレか？ニュースでよく見るな。」
女「周りを確認せずいきなり水を撒く非常識なアナタにはピッタリね!!」
俺君「ラ、ラブライブを悪く言うな!!いや・・・・言わないでください・・・・」
女「詩音(女性の子の名前)。あっちへ行ってなさい。こんな奴の前に居たら脳みそ腐るわよ。」
男「詫びいれさせねぇとな!!こっち来いや!!」
俺君「嫌だぁぁぁぁぁ!!たすけてぇぇぇぇ〜。」
俺君「も、もう殴らないで・・・・」
男「この辺で許してやるよ。感謝しな。じゃあな。」
俺君「ひ、酷い目にあった。何もかもあの怪鳥のせいだ。」
とぼやいている俺君の前に黒塗りの車が何台も停まり中から見るからにヤクザ風の男がぞろぞろと出てきた。男達はナイフ、鉄パイプ、バット等を持っていた。
組長「テメェか!?うちの娘にいきなり水ぶっかけた野郎は!!落とし前とってもらうぜ!!やっちまえ!!」
組員「ウスッ!!」
俺君「あああああああああああああああ!!」