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Weird Tales
ウィアード・テールズ
weird - 異様な,風変わりな、奇妙な、超自然的な,不可思議な、(米俗)すばらしい

1923年?に創刊されたアメリカのパルプ誌。怪奇小説、ファンタジー小説、SF小説の専門誌。

歴史

エドウィン・ベアードの時代(創刊号〜1924年4月号)

ウィアード・テールズを創刊したのはジェイコブ・C・ヘネバーガー?
1923年3月、『ディテクティヴ・テールズ』誌の出版に伴い、姉妹誌として刊行された。

初代編集長エドウィン・ベアード?は執筆陣として、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトクラーク・アシュトン・スミス、シーベリイ・クインなどの作家を擁していた。彼らは後に同誌最高の作家との評価を得た逸材たちであった。

しかし伝統的なゴースト・ストーリーが中心であったこと、ごく短い作品が多くストーリーの発展性に乏しかったことなどが原因で部数が伸び悩み、40,000ドル(60,000ドルの説もある)の負債を抱えることとなり、第13号の発刊の後、ベアードは解雇された。

ファンズワース・ライトの時代(1924年5月号〜1940年4月号)

2代目編集長ファンズワース・ライト?は、同誌の看板編集長となった。

ライトは、ベアードよりも多くの作家、多くの選択肢を持っていたにもかかわらず、ラヴクラフト、スミス、クインの作品を掲載し続けた。但し、ラヴクラフトの代表作である「狂気の山脈にて(At the Mountains of Madness)、「インスマスを覆う影?(Shadow Over Innsmouth)」、「クトゥルフの呼び声?(The Call of Cthulhu)」は買取を拒否され、スミスの描くヒロイック・ファンタジー「ハイパーボリアもの」の多くもまた同様に買取を拒否されている(このこともあってラヴクラフトのライトに対する評価はさほど高くなく、商業主義者と断じていたこともある)。

彼は新たな作家として、ハリー・フーディニ?ロバート・ブロックロバート・E・ハワード?、クラーク・アシュトン・スミス、フランク・ベルナップ・ロング?オーガスト・ダーレス、エドモンド・ハミルトンなどを起用した。

また彼は脚本家テネシー・ウィリアムズの作品を最初に出版したことでも知られる。

1933年?から同誌の表紙画家として、ファッション・デザイナーでイラストレーターであったマーガレット・ブランデージを起用。彼女はセミヌードもしくは裸体の(ように見える)刺激的なポーズのうら若き美女(と怪物や悪漢たち)をモチーフにして、多くのすばらしいイメージを作り出した。彼女の作品はあまりに扇情的過ぎるとして論争の的になったが、同誌はバカ売れした。

更にライトはファンタジーアート史上重要な2人のアーティスト、ヴァージル・フィンレイとハネス・ボクを世に出したことでも知られる。

1936年6月にロバート・E・ハワードが自殺し、翌1937年3月にはラブクラフトが病没。

1940年?6月に持病のパーキンソン病によってライトが死去、『ウィアード・テールズ』の第二期は終焉を迎える。

ドロシー・マックルレイスの時代(1940年5月号〜終刊号)

1940年4月から三代目編集長ドロシー・マックルレイス?の下で、より新しい作家たち(レイ・ブラッドベリ?、M・W・ウェルマン、フリッツ・ライバー?ヘンリー・カットナー?、C・L・ムーア、シオドア・スタージョン、ジョセフ・ペイン・ブレナン、ジャック・スノー、マーガレット・セント・クレアなど)の参入が始まった。またオーガスト・ダーレスら、いわゆるラヴクラフト・サークルの作品も度々掲載された。

大部分のパルプ誌と同様に、ウィアード・テールズは、第二次世界大戦中の紙不足に苦しめられた。戦後になるとまた、他のコミック誌(アメコミ)、ラジオドラマ、テレビ、安価なペーパーバックの小説との競争に苦しむこととなり、その結果、1954年9月の第279号をもって廃刊となった。

復活

  • ウィアード・テールズは、続く10年間に幾度か短命な再生を遂げている(サム・モスコウィッツ編集、レオ・マルグリース(Leo Margulies)発行による1970年代初期の4号を含む)。
  • 1981年から1983年にかけて、ロバート・ワインバーグとヴィクター・ドリックス(Victor Dricks)は、マルグリースの死後、「ウィアード・テールズ」の名前を購入し、リン・カーター?編集による4冊のペーパーバック版アンソロジー?を刊行した。
  • 1988年に、出版・編集者としてジョージ・H・シザース(George H. Scithers)、ジョン・グレゴリー・ベタンコート(John Gregory Betancourt)、ダレル・シュバイツァー(Darrell Schweitzer)を迎え、290号から復活、再スタートを果たした。復活したウィアード・テールズは、商業的成功を収めた。また現代の著名作家(タニス・リー、ブライアン・ラムレイ?、トーマス・リゴッティ)など)の作品を掲載・発表した。
  • 2000年の前後数年においては、DNAパブリケーション・チェーン(DNA Publications chain)の一部となった
  • 2005年には、かつての副編集者ベタンコートの所有するワイルドサイド・プレスに売却され、隔月刊誌となった。
  • 2007年初頭、ワイルドサイド・プレスは、新たなクリエイティブ・ディレクター兼フィクション・エディターとしてステファン・シーガル(Stephen Segal)、ノンフィクション・エディターとしてアン・ヴァンダーミーア(Ann VanderMeer)を迎えるというウィアード・テールズの改造を発表。シザースとシュバイツァーは貢献者(contributor)、ベタンコートは出版者(publisher)として残留された。新体制で刊行される2007年4-5月号は、75年におよぶ同誌の歴史の中でも、まったく新規なデザインのものとされる予定である。

本誌に関連する主な作家

ハワード・フィリップス・ラブクラフト
ロバート・E・ハワード?
クラーク・アシュトン・スミス
ロバート・ブロック
オーガスト・ダーレス
タニス・リー
ブライアン・ラムレイ?
フランク・ベルナップ・ロング
ヘンリー・カットナー?
フリッツ・ライバー
M・W・ウェルマン
エドモンド・ハミルトン
レイ・ブラッドベリ?
C・L・ムーア
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