表現の自由にまつわる言説の事実関係を検証しています。

要旨

 『教育勅語には天皇のために生きろと書いていない』とする主張は事実に反する。

発言

新藤かな/港区議(無所属)*1

 教育勅語、読んだことある?
 だれも天皇のために生きろなんて書いてないけど、、、あ、文章を正しく理解する能力がないのか。ふむふむ。
(引用注:『「他者のために生きられることが最も充実した人生を生きられるそうです」この『他者』というのは、明治天皇のことですね』*2とする自身へのリプライに反応して)

評価

 事実関係:事実に反する

背景

 2024年2月23日、新藤は竹田恒泰の研究会に参加したことをツイートし、『教育勅語は、明治天皇が発した修身道徳の根本規範であり生き方の規範でもあります』『他者のために生きられることが最も充実した人生を生きられるそうです』とツイートした。*3

評価の根拠

事実関係:事実に反する

 教育勅語は1890年10月31日に明治天皇の名で公布された公文書であり、1948年6月19日に失効した。
 教育勅語には『一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ』という部分があり、これは現代語に訳せば『ひとたび国家の一大事(戦争)になれば、勇気をふるいたて身も心もお国(天皇陛下)のために捧げることで、天にも地にも尽きるはずのない天皇陛下の御運勢が栄えるようにお助けしなければならない』と解釈できる。また、当時の文部省は教育勅語に掲げられた徳目と「皇運扶翼」を切り離してはいけないとしていた*4。また、そもそも教育勅語は天皇が下したものであり、内容と天皇制を切り離して考えることはできない*5
 このことから、『教育勅語には天皇のために生きろと書いていない』とする主張は事実に反すると評価できる。

このページへのコメント

> 教育勅語は天皇が下した
「下した」から著者は理解した上で書いている様に見受けられるが、教育勅語礼賛者も批判者も、共に「勅」が命令、分けても天皇(皇帝)の発する命令を意味している、と言う点を無視しがちな様に思う。

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Posted by  2024年03月03日(日) 14:18:27 返信

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