ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫の避難所です

ブリーフィングを終え、ミッション開始時刻まで自由時間となりました。
開始まで1時間。部屋で時間を潰そうかとも思いましたが、うっかりすると遅刻してしまいそうです。
リーダーが遅刻はまずかろうということで、エントランスでぼーっとしておく事にしました。
愚者の空母にオウガテイルが山のようにいるのでそれを一掃してくれと言うミッション。
その名を「ダンシング オウガ」
誰が上手いこと言えと言ったのかと考えながら、ターミナルを操作します。
所持品や武器を確認してターミナルを出ると、ソファに先客が居ました。
おやと思って見ていると、彼は大きくあくびをしました。
「寝不足ですか?」
と声をかけると「ああ」とあくび交じりの返事が返ってきました。
向かいのソファに腰を下ろして言います。
「お部屋で仮眠でもとったほうがいいんじゃないですか、ソーマ」
「寝過ごしたらまずいだろうが」
「案外真面目なんですね」
「……お前ちょっと頭こっちに寄せろ」
言われた通りにすると頭をこつりと叩かれました。少し痛い。
正直に言っただけなのに……。
「んー、時間前に起こしに行きましょうか?」
「いや、いい」
そう言ってソーマは目を閉じました。
「こ、ここで寝るんですか!?」
「どうせほとんど出払ってるだろ」
そういう問題じゃない気がします。
再度、部屋で寝たほうが良いのではないかと言おうと思いましたが、彼はすでに寝息を立てています。
「……まあいいか」
何となく、ソーマの隣に移動してみました。
僅かに感じる体温がなぜか嬉しい。
じーっと見ても起きる気配は一向にありません。
誰も居ないエントランスの上部。
静かな中でぼーっとしていたら、ふわとあくびが出てきました。眠気が伝染したのでしょうか。
でも私まで寝るわけにもいきません、よ…ね……。
…………。

ミッション開始10分前にエントランスへと行ってみれば、面白く無い風景に出くわしました。
リーダーとソーマが揃ってうたたねしているのです。
無垢で可憐なリーダーの寝顔をじっくりと見ることができるのは、私、アリサとしては満足です。
フェンリル支給の制服を着ていてもなお、華奢に見えるリーダーはまるで人形のようでとても可愛らしいのですが……
どうしてソーマに寄りかかって寝ているんですか!
密着! 寝ているうちに不可抗力でなったのでしょうか? それでも気に食わない!
それとも、リーダーは人肌が恋しかったのでしょうか――もう、言ってくれればいつでも抱きしめたのに。
自分の想像にうふふと思わず笑みが漏れます。しかしこの状況はどうにかしなければ。
まずはリーダーの隣に座ります。そしてその肩と頭に手を伸ばし、慎重にこちらへと引き寄せます。
銃で狙いをつけるときもこれほど集中しません。
間違っても起こしてしまわないようにそっと引き寄せ、慎重に慎重に下していきます。
「…………」
ああ、何と言う事でしょう。リーダーの頭が、今、私の腿の上にあります。
心の中でガッツポーズ。よく頑張った私!
本当は仰向けにして寝顔をじっくりと眺めたいところですが、そこまでするとさすがにリーダーも起きてしまうでしょう。
すぅすぅと無心に寝息を立てるリーダーはまるで子供のようです。
いつものしっかりとした隊長っぷりが嘘のよう。
ああ本当に可愛い。
じっと見ていると「ん……」とリーダーが声を漏らしました。
僅かに眉を寄せて「んん……」と呻くと、ぼんやりと目を開き、ぼんやりと瞬きをしました。
「おはようございます、リーダー」
私が声をかけると、リーダーはぎょっとしたように跳ね起きました。
顔を真っ赤にして口を手で押さえ「ご、ごめんなさい」と私に謝罪するリーダー。
「頭、重くありませんでしたか……?」
「いいえ全然!」
リーダーなら全身乗っても大丈夫です!
「そう、良かった……」
そう言ってリーダーは微笑。きゅん。

「んと、ソーマはまだ寝てるんですねー」
横を向いて苦笑交じりにリーダーは言います。そしてこちらに向き直ると、
「まるで猫さんみたいですね。猫さん、よく寝ますから」
と言ってにっこりと笑いました。
それをさっきまで寝ていた貴女が言いますか。猫にさんをつけるリーダー可愛いです。
「そろそろ起こさなきゃいけませんね、と」
と言うとリーダーはソーマの肩に手をおいて「ソーマ、ソーマ」と呼びながら軽くゆすります。
「……全然起きませんね……」
「もう自分から起きるまで待ちません?」
「いや、そう言うわけにも……ちょっとごめんなさい」
んしょ、とリーダーはソファに片膝を乗せると、ソーマの耳元――と言ってもフードがありますが――に口を寄せて、
「ソーマ、起きてください」
と囁きました。びくりと体を震わせてソーマは目を開けると、リーダーの顔を凝視します。
ちょっと顔近くないですかそこ代わってくださいソーマ。
「おはようございます」
「お前なぁ……もう少しマシな起こし方があるだろ」
「い、嫌でしたか……?」
「嫌とかそういう問題じゃねぇ!」
そんな会話を聞きつつ思いました。
私もソーマみたく寝ていれば、先ほどのような起こし方をしてもらえるのだろうかと。
……想像しただけでも悶絶できます。ああ起こされてみたい……!
「ど、どうしたんですか? アリサ、顔真っ赤ですよ?」
熱でもあるのではと心配するリーダーをよそに、ソーマは呆れたように言います。
「どうせまた妙な事でも考えてたんだろ」
「みょ、妙な事とはなんですか!」
失礼な! リーダーのことを妙な事とは失礼な!
「? 妙なことってなんですか?」
「お前は知らなくていい」
えー、と不満の声を上げるリーダー。
「なんでだろう、今ものすごく子供扱いされたような気が……アリサもそう思いません?」
「……隊長、何だかんだいって子供っぽいですからねー……」
ミッション中は頼りになるリーダーですが、それ以外のときは子供っぽいです。
こう、何と言うか、雰囲気が。

「アリサまでそんな事を……ってあれ? よく考えたらアリサのほうが年下……
私、そんなに子供っぽいですか?」
そう言ってリーダーはこちらを向いて首を傾げます。ああ可愛い。
そんなに悩んでいるなら大人にして差し上げたい。
そんなことを考えていたら我知らず赤面していたらしく、リーダーが
「本当に熱は無いんですか?」
と訊いてきます。そしてまたソーマが先ほどと同じように
「どうせまた妙な事考えたんだろ」
と言いました。先ほどと同じように言い返す私と、先ほどと同じように訊くリーダー。
無限ループって怖いですね。
「そろそろ時間ですよね。コウタが来ていないのは……」
とりあえずループを断ち切っておこうと口を挟んだとたん、昇降機の扉が開きました。
「セーフ? セーフだよね!?」
こくりと頷くリーダー。はああとコウタは大きく溜め息をついて、
「良かったぁ……またツバキさんに怒られるとこだったよ……」
「私がどうかしたか?」
「い、いいえ! 何でもありません!」
いつの間にかツバキさんがコウタの背後に居ました。
「全員揃っているな。では最終確認を行う」
淡々と説明し終えると、「気をつけて行ってこい」とツバキさんは私たちを見送ってくれました。

主にアリサとコウタが話し、時折一人音楽を聴くソーマが巻き込まれ、
ぼーっと外を眺める私はたまに会話に加わります。
そんな協調性があるのか無いのかよく分らないヘリコプターの中。
窓から見下ろすと、空母の甲板にたむろするオウガテイルが見えました。
あ、ヴァジュラテイルまでいる。私は思わず溜め息をついて、
「わらわらいますね……乱戦、あんまり得意じゃないんですけど……」
と、呟きます。それを聞いていたらしいアリサが
「大丈夫ですよリーダー。リーダーが倒れたら、私が直ぐに助けに行きますから!」
と、とても嬉しい事を言ってくれました。いつもながら優しい人です。最初の頃よりも彼女はとても丸くなりました。
「ふふ、ありがとうございます。アリサが倒れたときも直ぐに助けに行きますからね……あ、着いたみたいです」
ヘリから降り立ち、私たちは神機を構えます。
すぅと息を吸い込み、吐き出して、できるだけ張りの有る声で、皆を鼓舞するように言います。
「――では、ミッションを開始します!」

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