ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫の避難所です

「…ふう」

神機を立てかけ、瓦礫に腰掛けてタバコを吸う。
かつて自分とその仲間を指導してくれた男を真似て吸い始めたが、かかる金額を考えると若干後悔している。
ゴッドイーターになって、早くも数年が経った。

「よくもまあ、喰われなかったもんだよなぁ…」

ここまで生き延びることができたのは、幸運だったとしか言い様がないだろう。
襲い来るアラガミを叩き潰し、仲間の屍を乗り越え、這いずるようにして生きてきた数年間。
楽しかったことよりも苦しかったことの方が圧倒的に多いが、不幸だったとは思わない。
今はもういない、かつての第一部隊の仲間たちとの、辛かったけれど大切な思い出。
彼らが一人いなくなるたびに、心から暖かさが消えていくような気がした。

常にフードをかぶっていた、冷酷そうに見えてただ不器用なだけの青年は散った。かつて彼の仲間だった男の妹を庇って。
生真面目で、誰よりも素直だった少女は散った。アラガミの襲撃ポイントに取り残された少女を単身救出に向かい、その目的の達成と引き換えに。
彼と同時期に神機使いとなり、彼らを束ねていた青年は散った。極東支部を壊滅させかねないアラガミの大群にただ一人で立ち向い、その全てを殲滅して。

彼は心を閉ざしかけた。もう失う痛みを味わうのはこりごりだった。
だがその最後の一人が息絶える寸前に遺した言葉が、自分の心に再び火を灯した。

━━━━言ったはずだ。生きることから逃げるな、と。

そして彼は逃げず、今ここにいる。
友の遺志を継いで。

「リーダー、そろそろ任務開始の時刻ですよ」

彼が率いる現第一部隊のメンバーが彼に告げる。

「分かっている」

短く返し、彼は神機を手に取る。
慣れ親しんだ重さが、何よりも頼もしく思えた。

「さあ、さっさと終わらせて、帰ってバガラリーを見るぞ」

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