女主×レン
最終更新:ID:eYxuEjgLpg 2015年06月05日(金) 21:17:08履歴
「…んん…くぅ…う…?あれ…?ここは…?」
朦朧とする意識の中、私は目を覚ました。
ひどく頭が痛い。それに喉も渇いているようだ。口の中が苦い。
「確か、私は…」
ジュースを飲んだ後の記憶がない。そこだけスッポリと抜かれたような感じがする。ただ…
「…変な夢を見ちゃったな…」
代わりに脳に残されたイメージ、そこには仲間である少年に襲いかかる映像が残されていた。
中性的な外見をもつその少年を辱めている人物の視点。これを見ることができるのは紛れもない、私だ。
「…あたしったら、何考えてんだろうな…」
自分にはこんな趣味があったのだろうか、それとも本能なのであろうか。
ただ、どちらも認めたくはないものであった。
それよりも、ここはどこだろうか。周りが暗いため何も見えない。
手の感触から、おそらく自分はベッドの上にいるのだろう。だとしたら、ここはアナグラのどこかの部屋だ。
「だったらここら辺に…」
手探りで壁にあるスイッチを捜す。それにしても、この臭いは何だろうか。
生々しいような、でも惹かれてしまうような臭いが部屋に立ち込めている。
「…あった…っと」
もちろん、私は壁の、電気のスイッチをためらうことなく押した。
そして、目の前の光景に、再び静寂が訪れた。
まず、自分の体がひどいことになっていることを確認した。
寝癖で髪型はもちろん荒れているが、それよりも服の乱れがやばい。
上着はいつ脱いだのかどこかへいってしまい、下着がずれて乳房が丸見えになっている。
下半身にいたっては、唯一身にまとっているものはパンツ一枚。しかもそれは触ってみるとグッショリと湿っているありさまだった。
そして体中に感じられた違和感。のりがはりつき、乾いた後のようにベタベタしている。
周りを見ると、ベッドは悲惨というには甘すぎるような状態に変わっていた。
掛け布団は使用済みタオルのように湿気を帯び、マットレスも一部に穴のような模様をつくっている。
そして
「んん…まぶ…し…」
イメージの少年、レンが自分よりひどい姿で眠っていた。
普通の女子であらば、ここでレンのことを咎め、拒絶することだろう。
しかし、私の中では、今目に入っている映像と、夢の中での映像が重なっていた。
そして理解する。あれは、夢なんかではなかったということを。
「…嘘…あたし…」
私は、レンを_____
「ん…ふわぁ…」
「…あ…レン…」
事実を認めたくない私をよそに、レンは眠りから醒め、起きあがった。
私は、レンの口から自分の結論を壊すような、そんな言葉を期待した。しかし、
「よかった…もとに戻ったんですね…」
レンの口から発せられたその言葉は、そんな甘い考えのほうを破壊した。
「すいません。僕のせいで、こんなことになってしまって…」
違う。
「本当はこんな言葉では償い切れないのですが…」
違うんだ。
「そうだ、何か食べますか?言ってくれれば持ってきまs」
「違うっ!!!」
気がつけば大声を出していた。少しの静寂の後、私は口を開いた。
「何で…何でレンはあたしのことをそんなに気にしてくれるの…?だって、あたしはレンにひどいことをしたんだよ…。怒ってもいいのに…何で…」
言葉が嘔吐のように吐き捨てられる。そのたびに、胸が苦しくなる。
レンの優しさが、逆に私を苦しめる。
「…確かに、少し怒ってはいます」
「…っ!だったら」
「でもそれ以上に、僕はあなたを必要としています」
「…!!」
「僕には、ある計画があります。まぁ、今あなたに伝えることはできませんが、その計画には、どうしてもあなたが必要なんです。だから、助けようとした。それだけですよ」
絶望。今の心境を伝えるのに、これ以上適切なものはないだろう。
レンの言葉には、一字一句に嘘は含まれていないことが直感で理解できた。
レンは、最初から私を利用するつもりだった。そのために私に優しくしてくれ、私を助けていたのだ。
…こんなのは、認めたくない!
「そんなの、絶対っっ…!?」
それを見て、レンはまだ本当の気持ちを伝えていないことがわかった。レン自身も、それに気づいていない。
だから、そのことを教えてあげる。
「…レン…」
「何でしょうか?」
「…泣いてるよ?」
淡々冷たい言葉を発していたレン。そのオレンジ色の瞳からは、涙が流れている。
きっとそれは、レンの本当の気持ちがあふれ出たものなんだと思った。
「…何?これ…。やだな…おかしいな…」
レンは手で涙をぬぐう。だけどそれはいつまでも流れ続ける。
…私もだ。本当の気持ちを伝えるのが怖い。だから、
「レン…」
レンの手をぎゅっと握りしめる。伝わってくる『好き』という感情。
だから、私もありったけの『好き』を送り込む。
「………」
「…ね?伝わったよ」
驚いた顔をするレンに対して、笑顔を返す。今度は私が守るために。でも、
「…あなたも、泣いてるじゃないですか…」
「…えぇ!?」
気がつけば私も涙を流していた。さっきまでの自分が急に恥ずかしく思える。
「……」
「……」
お互いが見つめあい、そして
「……ぷっ」
「…ふふっあははは!」
お互いに笑いあう。最高の泣き笑いで。
「それよりも、今の状況どうするのよ…」
笑いが収まったところで、現状を見つめなおす。誰がどう見ても、この光景は美しいものではない。
「そうですね…一旦シャワーでも浴びてすっきりしましょうか」
ベタベタの体で答えたレンを見て、わたしはあることを言ってみる。
「…だったらさ、一緒に…入らない?」
硬直するレン。さすがにヤバかったかと思ったが、レンは
「…ええ、喜んで」
そう言ってくれた。
朦朧とする意識の中、私は目を覚ました。
ひどく頭が痛い。それに喉も渇いているようだ。口の中が苦い。
「確か、私は…」
ジュースを飲んだ後の記憶がない。そこだけスッポリと抜かれたような感じがする。ただ…
「…変な夢を見ちゃったな…」
代わりに脳に残されたイメージ、そこには仲間である少年に襲いかかる映像が残されていた。
中性的な外見をもつその少年を辱めている人物の視点。これを見ることができるのは紛れもない、私だ。
「…あたしったら、何考えてんだろうな…」
自分にはこんな趣味があったのだろうか、それとも本能なのであろうか。
ただ、どちらも認めたくはないものであった。
それよりも、ここはどこだろうか。周りが暗いため何も見えない。
手の感触から、おそらく自分はベッドの上にいるのだろう。だとしたら、ここはアナグラのどこかの部屋だ。
「だったらここら辺に…」
手探りで壁にあるスイッチを捜す。それにしても、この臭いは何だろうか。
生々しいような、でも惹かれてしまうような臭いが部屋に立ち込めている。
「…あった…っと」
もちろん、私は壁の、電気のスイッチをためらうことなく押した。
そして、目の前の光景に、再び静寂が訪れた。
まず、自分の体がひどいことになっていることを確認した。
寝癖で髪型はもちろん荒れているが、それよりも服の乱れがやばい。
上着はいつ脱いだのかどこかへいってしまい、下着がずれて乳房が丸見えになっている。
下半身にいたっては、唯一身にまとっているものはパンツ一枚。しかもそれは触ってみるとグッショリと湿っているありさまだった。
そして体中に感じられた違和感。のりがはりつき、乾いた後のようにベタベタしている。
周りを見ると、ベッドは悲惨というには甘すぎるような状態に変わっていた。
掛け布団は使用済みタオルのように湿気を帯び、マットレスも一部に穴のような模様をつくっている。
そして
「んん…まぶ…し…」
イメージの少年、レンが自分よりひどい姿で眠っていた。
普通の女子であらば、ここでレンのことを咎め、拒絶することだろう。
しかし、私の中では、今目に入っている映像と、夢の中での映像が重なっていた。
そして理解する。あれは、夢なんかではなかったということを。
「…嘘…あたし…」
私は、レンを_____
「ん…ふわぁ…」
「…あ…レン…」
事実を認めたくない私をよそに、レンは眠りから醒め、起きあがった。
私は、レンの口から自分の結論を壊すような、そんな言葉を期待した。しかし、
「よかった…もとに戻ったんですね…」
レンの口から発せられたその言葉は、そんな甘い考えのほうを破壊した。
「すいません。僕のせいで、こんなことになってしまって…」
違う。
「本当はこんな言葉では償い切れないのですが…」
違うんだ。
「そうだ、何か食べますか?言ってくれれば持ってきまs」
「違うっ!!!」
気がつけば大声を出していた。少しの静寂の後、私は口を開いた。
「何で…何でレンはあたしのことをそんなに気にしてくれるの…?だって、あたしはレンにひどいことをしたんだよ…。怒ってもいいのに…何で…」
言葉が嘔吐のように吐き捨てられる。そのたびに、胸が苦しくなる。
レンの優しさが、逆に私を苦しめる。
「…確かに、少し怒ってはいます」
「…っ!だったら」
「でもそれ以上に、僕はあなたを必要としています」
「…!!」
「僕には、ある計画があります。まぁ、今あなたに伝えることはできませんが、その計画には、どうしてもあなたが必要なんです。だから、助けようとした。それだけですよ」
絶望。今の心境を伝えるのに、これ以上適切なものはないだろう。
レンの言葉には、一字一句に嘘は含まれていないことが直感で理解できた。
レンは、最初から私を利用するつもりだった。そのために私に優しくしてくれ、私を助けていたのだ。
…こんなのは、認めたくない!
「そんなの、絶対っっ…!?」
それを見て、レンはまだ本当の気持ちを伝えていないことがわかった。レン自身も、それに気づいていない。
だから、そのことを教えてあげる。
「…レン…」
「何でしょうか?」
「…泣いてるよ?」
淡々冷たい言葉を発していたレン。そのオレンジ色の瞳からは、涙が流れている。
きっとそれは、レンの本当の気持ちがあふれ出たものなんだと思った。
「…何?これ…。やだな…おかしいな…」
レンは手で涙をぬぐう。だけどそれはいつまでも流れ続ける。
…私もだ。本当の気持ちを伝えるのが怖い。だから、
「レン…」
レンの手をぎゅっと握りしめる。伝わってくる『好き』という感情。
だから、私もありったけの『好き』を送り込む。
「………」
「…ね?伝わったよ」
驚いた顔をするレンに対して、笑顔を返す。今度は私が守るために。でも、
「…あなたも、泣いてるじゃないですか…」
「…えぇ!?」
気がつけば私も涙を流していた。さっきまでの自分が急に恥ずかしく思える。
「……」
「……」
お互いが見つめあい、そして
「……ぷっ」
「…ふふっあははは!」
お互いに笑いあう。最高の泣き笑いで。
「それよりも、今の状況どうするのよ…」
笑いが収まったところで、現状を見つめなおす。誰がどう見ても、この光景は美しいものではない。
「そうですね…一旦シャワーでも浴びてすっきりしましょうか」
ベタベタの体で答えたレンを見て、わたしはあることを言ってみる。
「…だったらさ、一緒に…入らない?」
硬直するレン。さすがにヤバかったかと思ったが、レンは
「…ええ、喜んで」
そう言ってくれた。
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