ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫の避難所です

「あ、コウタさん、おかえりなさい」
「ただいまヒバリさん。ミッション完了したよ。得に問題は無し。新人新型二人も無事。まぁ、コンゴウ2体だけだったしね」
「そうですか。大丈夫そうですね。ではそのように報告しておきます。お疲れ様でした」
「ところでさ、今リーダーは…」
「ついさっきソロでディアウスピターの討伐に行かれましたが?」
「そう…ありがと」
「?」

(またか…)

最近全くリーダーに会えていない。
というのもミッションに出撃するタイミングがずれているせいで、自分が帰ってきているときにリーダーが不在していることばかりだったのだ。

(なんだかな〜つれないよな〜。寂しいってか何と言うか)


少し前、第一部隊のメンバーで「不死のアラガミ」の初討伐に行った。
なんだかんだで、リーダーはコウタのせいで病院送りになったわけだが、そのとき申し訳なさなどから、バガラリーを貸したり、リーダーの部屋の掃除をしたり、とにかくいろいろやった。

しかしリーダーは、にこにこしながら「ありがとうございます。でも自分の意志でやったことですし、何より神機の点検を怠っていた私が悪いのですから、気になさらないでいいのですよ」と言った。
それが余計に彼の心を締め付けて、本当にリーダーのために何かしたい、そう言うと、少し考えてから「では病室で寝ていても、やることが皆無で、虚無で、退屈なので、話し相手になってください」と微笑んで言った。

コウタは毎日病室へと足を運び、毎日二人で談笑した。彼女はいつも笑っていた。
それの延長だろうか、彼女が退院した後も、部屋でバガラリーを見たり、二人でミッションに出かけたりすることも多くなった。
彼女の嬉しそうな顔を見るとこちらまで楽しくなっていった。
だがここ1週間は彼女に会っていない。


(あ〜なんだろこの感覚…)
エントランスのソファに深く座ってため息をつく。


〜〜1週間前〜〜

「おはよリーダー」
「おやおや、コウタさんじゃないですか、おはようございます。今朝は早くから目を覚ましているのですね」
「いや、暫く家族に会っていないから休暇とって家に帰ろうと思ってね。暴挙の念ってやつだよ!」
「家族に殴りかかってどうするんですか…。望郷の念のことでしょう」
「どうでもいいじゃんよー」
「…まぁともかく、それは残念でした。これからコウタさんと二人で何かミッションに行こうと思っていたのですが…」
「あー…悪いね。でも2日だけだからさ」
「2日だけなんですか?」
「うん。すぐに帰ってくるからさ。そしたらすぐ行こうよ」
「はい!約束ですよ!また会いましょう!」

〜〜〜〜


「オッス、フェデリコ」
「あ、コウタさん。お疲れ様です。すみませんねコンゴウなんかに付き合ってもらって。アネットと二人ではちょっと心細くて」
「気にすんなよ。コンゴウくらいその辺のアオミドロとかミドリムシとか相手にしてるのと変わんないしね。コンゴウのラリアットを直撃食らってたけど大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、鼻血とか涎をはじめ、脳漿とか髄液とか胆汁とかも出ましたけど。」
「涎もよく分かんないけど、他にもヤバい体液がたくさん出たんだね」
「…なんかコウタさん元気なくないですか?いつものコウタさんだと文末が『!』で終わりそうですが。背骨でも折れましたか?」
「背骨折れてたらこれどころじゃないだろ…。いやぁさぁ、なーんかしっくりしないなーって」
「いつからです?僕で良ければうかがいますが?」
「んーと、あれは、」
ここ1週間の話を始める。


〜〜5日前〜〜

「え?いないの?」

実家からアナグラに帰ってきて、探してもリーダーがいなかったからヒバリさんに尋ねると「今はいません」と答えられたのだ。

「どうしたんですか。ハトが豆食ってポーみたいな顔して?」
(『豆鉄砲食らったみたいな』、だよな…)
「えーっと、リーダーは今どこに?」
「さっき緊急の依頼が入ったので出撃されました。1日あれば帰ってくると思いますよ」

そうか…緊急なら仕方ないよな。
しかし休暇は使いきってしまったから何かミッションに行かないとアリサに「職務怠慢じゃないですか」とか言われかねない。

「そうなんだ。じゃあ何か軽そうなミッションある?」
ちゃちゃっと終わらせて帰ってこよう。


〜〜3日前〜〜

第2部隊の人たちとシユウを狩りに出かけていた。
しかし討伐間際で逃げ出し、探している時に報告にない様々な中型アラガミが乱入してきて手を焼いていた。
結果、2日もかかってしまったわけだが…。

帰ってくるなりリーダーを探すが見当たらない。
廊下でアリサに出会ったので、訊いてみると
「確か…スサノオ二体の討伐に行ったはずですよ」
「マジか…」
きっと俺のミッションが長引きそうだから、すぐに終わりそうなミッションに行ったのだろう。
(でもスサノオ二体同時って…)

「どうしたんです?頻尿にでもなりましたか?元気ないですね」
「…まだハルンケアのお世話にはならないよ」
「冗談ですよ。リーダーを心配してるんですか」
「いや、まあそれだけじゃないけど…」
「心配いりませんよ!彼女はリンドウさんの神機を直接触っても死ななかったような人ですよ!」

(確かアリサは初めてディアウスピターを倒したとき、平気でリンドウさんの神機を握って腹から引き抜いたって、聞いたような…)

すっきりしないがリーダーがスサノオに2日かかると見て、また何か手頃なミッションに行っておこう。
サボタージュしてたら、アリサに「один(アジン)、два(ドゥヴァ)、три(トゥリー)!!」言われかねない。


〜〜1日前〜〜

またリーダーがいないので、例のごとく同じ質問をする。今日はリンドウさんにだ。
「ああ、確か昨日スサノオから帰ってきて、んで緊急ミッションが出たとかですぐに出撃したぞ。なんでも旧市街地で黒猫と、あと青猫が大量発生してるがどうだの」
「ばんなそかな…」
(1日で終わらせたんか…)
「どうした?玉でも無くしたのか?元気ないな」
「無くなったら発狂して悶絶してるよ」
「じゃあ棒か?去勢したのか」
「ちょっと黙りたまえよ」
「冗談だ。あいつが強いからってそう落ち込むな」
「それだけじゃないけど…。危険そうなミッションなのに、リンドウさんは出撃命令出なかったの?」
「俺ぁ駄目だ。黒猫見ると膝が笑い始めるからな。もし戦うなら要ハルンケアだ。」
「あんたに限ってそりゃないだろ」
「冗談…じゃないかもよ?そういえば新型くんと新型ちゃんがお前のこと探していたが?」

〜〜〜〜


「それでアンタらと出撃して現在にいたるわけで…」
「なるほど。良いですね」
「何がよ?」
「恋って」
「変?俺の後ろ髪のこと?」
「恋です。リーダーのこと好きなんでしょう?」
「!…ああ。確かにそうなのかも、な」
そう言って席を立ち上がる。
「どうしたんですか?」
「お腹痛いから帰るよ。フェデリコも寝冷えには気を付ける」
「?はい…。また武勇伝を聞かせて下さい」
手をひらひらさせてコウタはエレベーターの中に消えた。

「何かまずいこと言いましたかね…。」

このあとフェデリコはアネットにこの事を話すと、「背骨がまずかったんじゃない?」と言われ、部屋で反省するのは別のお話。


(…恋、…恋。…恋!)
(俺ってリーダーのこと、好き、か…?)

顔を真っ赤にして部屋に戻ったコウタはボフリとベッドに飛び込む。

(そういえばあの日からほぼ毎日一緒にいるしな)
(アバターカード見てもリーダーと同行してるのばっかだもんな)
(毎週バガラリーも一緒に見てるし…)

頭の中をリーダーの笑顔がぐるぐると駆け巡り、考えれば考えるほど会いたくなる抱きしめたくなる。
人に言われると意識してしまうものである。

(考えてみたら無茶苦茶かわいいじゃねぇか…)
(決めた!次会ったら告ってみる!)

一人でニヤけながらベッドの上で暴れる。


少しは落ち着いて部屋でバガラリーを見ていたとき、
「…おっと、そうだ」
回復錠を買いたすのを忘れていた。

部屋を出てエレベーターに乗ると、ソーマも乗っていた。「おう」とお互いに一声。
「悪いが先に下行くぞ」とソーマが言うので、ベテラン区画に先に降りることにする。エレベーターが1つしかないのが鬱陶しい。
たくさんの袋を抱えているのでソーマも買い物をしてきたようだ。
「なんだソーマ、モーリュ買いすぎじゃね?何に使うの?」
「…ほっとけ」
(確かモーリュってオラクル細胞を活性化させる薬草だよな…)
モーリュで何をするか、記載すると内容から大きくずれるので、割愛させていただく。
ドアが開くと、リーダーの部屋の明かりが付いていた。

「!…リーダー帰ってきてるの?」
「ああ。ものの5分位前にな」
そう言ってそそくさと部屋に戻るソーマ。

会いたかった、と言う気持ちからだろうか、気がつくとリーダーの部屋の前に突っ立っていた。


(ヤバい!なんかすんげぇ緊張するッ)
(いつも入っていた部屋じゃないか)
(フェデリコめ…変なこと言いやがって)
(自分で告ると決めたけどやっぱ帰ろかな…)
(ホントヤバい。ちびりそう。ハルンケア使えば良かった)

いつもならいきなりドーンで「ひゃっはぁ」って突撃するが、緊張の余りノックをしてしまった。
「――開いています」

声だけでも体が緊張で貫かれたようになる。
ごくりと一息置いてそっとドアを開ける。

リーダーは華奢な体をベッドの上でうつ伏せにして雑誌を読んでいた。
帰ってきてすぐだからだろうか、F式狙撃上下を着ていた。
ノックして入ったから、女性陣の誰かと思ったのだろう、足をぱたぱたさせながらまだ雑誌に目をやっていた。

(落ち着け!俺!)
目を閉じて一呼吸してから、第一声を、
「リーd…――ッ!?」
「――コウタさんッ!!!!」

抱きつこうと思っていたが抱きつかれた。
ふわぁっとリーダーの香りがする。
「うわぁぁぁん心配していたんですよ寂しかったんですよ会いたかったんですよぅぅぅッ」

歓喜の表情を浮かべ、全体重を預けて、頬を押し付けてくる。
勢い余ってコウタはそのまま後ろへ倒れた。
「うぐっ。久しぶり、リーダー!」
「お久しぶりです。すみません、つい狂喜してしまって」
「いいや。悪かったね変にミッション行きまくったりして」
「いえ、私の方こそ。私も休暇使いきってしまっていて」

そのまま体制を起こしてリーダーを抱っこしてソファへと運ぶ。
オラクル細胞を取り込んで強化されたゴッドイーターの肉体では少女一人くらいは軽い。

しかし良かった。体当たりを食らったことで変な緊張は吹き飛んだし、何より、リーダーも自分を心待ちしていてくれた。

「紅茶でも入れましょうか」
「あ、よろしく」
「もう一生涯会えないかと思いました」
「そりゃ大袈裟だよ。軽い任務に行ってれば会えたわけだし」
「まあそうですね。しかしあと3日会えなかったら往生していたかもしれません。コウタさんは英雄です。少女一人の命を救ったのですから」
「そりゃどーも。でも寂しくても人間死なないよな」
「どうでしょう。最近人間かどうか疑わしく思えてきて」


(やっぱ落ち着くな…)
リーダーの姿を見てほっとした。やはり何か足りていなかったのはこれかと。

「コウタさんに会いたいときに限って特務発注されるんです。ひどいですよね戦場に一人で放り出されるんですよ。スサノオ2体とか、ハーレム猫集団とか、もうゴメンです」
「でもスゲーよなー。俺なんかコンゴウ尽くしだったし」
「√ですか。確かに因数分解やら解の公式やらは面倒ですよね」
「どうして根号符が出てくるんだよ…」
「混合したんです」
「紛らわしいなw」

湯気のたつマグカップを二つ持ってきた。

「うへぇ、リーダー砂糖入れすぎ…」
「?スティックシュガー5本しか入れてませんよ?」
「それが入れすぎだろ…二人合わせて10本も使ってんじゃん」
「私のは7本です」
「…」

甘味しかしない紅茶を一口飲んで会話に戻る。

「そういえば私は1週間バガラリーを見ていません。あとでコウタさんの部屋に行っても構わないでしょうか」
「良いよ。リーダーの部屋、見れないもんね」
「ええ。続きが気になるところです。結局マイケルは信夫くんにガリガリに痩せたジュゴンをプレゼントしたかどうかとか」
「マイケルだか、信夫くんだか、えなりくんだか知らないけど、そんな話じゃないだろ…」
「そうでした。確かイサムの歯並びに大きな変化が現れるんでしたね」
「そんな話でもないし…」


談笑はしばらく続いた。内容は、
「ピザって10回言ってみて下さい」
「ピザピザピザ…」
「では、ここは?」
「公衆の面前で何を言わせる気だ!」
「やめて下さい!変なトコ指しているみたいじゃないですか///」
とかいった心底くだらない話ばかりだったが、リーダーは笑い、コウタはその笑顔が見られることが何より嬉しそうだった。

紅茶を飲み干してから二人はコウタの部屋に向っていた。
途中リッカさんが冷やしカレードリンクを「はぁはぁ…私の信じられる物はこれだけ…」と、買いだめしていたが、詳しく記載するともう一つ小説を作らなければならないほど内容が膨らむので、省略させていただくとして。
二人はエレベーターに乗り込む。

「そういえばコウタさん、あまり新兵くんたちをからかってはダメですよ?」
「誰がからかうだろうか、いや、からかわない」
「あなたはどちら様ですか。新兵くん達に嘘ばっかりの武勇伝を聴かせているらしいじゃないですか」
「嘘じゃないよ。ちょっと尾ひれがついただけだよ」
「それがダメですよ…。彼らは私達にとって後輩とはいえ、年上なのですから。儒教的な考えは大切ですよ。アネットさんは気づいてるようですが、フェデリコさんみたいな純粋な方はすぐに信じてしまいそうですし。」
「ん?フェデリコ…?、…!」
「どうしましたか?」
「いや、なんでも…」

忘れていたワードが思い浮かぶ。

(「リーダーのこと好きなんでしょう?」)

また意識し始めてしまった。


(よく考えてみたらこれから好きな女の子が部屋に来るわけだろ…)
(変なこと考えんな!)
(なんだよフェデリコって!逆から読んだらポリフェノールじゃねぇかバカ!)

「大丈夫ですか?顔赤いですよ?」
そう言って首をかしげるようにコウタの顔を覗き込む。

「――ッ!」
慌てて顔を離して視線をそらす。「だ…大丈夫、だ…よ…。多分」
「?」

(ヤバい!ヤバい!ヤヴァい!!)
(こんなに顔かわいかったか!?)
(いや、確かに美人さんだったと思うけど!)
(ヤバい!二階から目薬がクリンヒットするくらいヤバい!)
(てか二階から目薬したら痛そう)
(別にリーダーが部屋に来たくらい何度でもあるじゃねぇか、何を今更…)
気を落ち着けて招き入れる。

「さぁ、あがって」
「お邪魔します。…相変わらずばっちぃ部屋ですね。汚いですね。寝汚いですね。意地汚いですね」
「…寝坊はほっといてよ。あと意地汚くはないし」
「あ、この前のお礼に今度私が掃除してあげますよ」
「掃除…」
何となくエプロンを着て掃除するリーダーを思い浮かべてしまった。

くるりと振り向くと、エプロン姿の優しい微笑顔。
(ぶほわぁッ!ヤバい!鼻血出る!!止まれ俺の妄想力よ!)
(チキショー!ノラミとかカッチョいい名前思いつくとか思ってたが…仇となったか)

「いいよ…自分でするからさ…」
「でも私黙ってましたが、汚いとこにいるとイライラとするのです。ムラムラするのです」
「…む、ムラムラ…?」

(確かに文法上は使い方はあっているんだろうけどッ!)
(抑えがたい感情が沸き起こってくる意ならあっているんだろうけどッ!)
(男ならあっちの意味でとってしまうだロッテ!)
(オアまアッ!こっちがムラムラしてきた)

そしてコウタは視覚からとどめをさされた。
ふと目を下に落とすと、自分の右肘あたりにリーダーの胸があったのだ。F狙撃上衣の開いた胸元から覗く谷間が。あと数センチの距離に。

(――!!)
(アリサとかサクヤさんがいるから目立たなかったけど、リーダーも結構大きかったんだな…)
妙な妄想が膨らんでいく。
(不味い…アレが…)

「う…」
反応し始めてしまった。

「さっきからどうしたんです?何か悪いこと言ったでしょうか…」
「いや…」
(うおおおッ!!そんなに心配そうな申し訳なさそうな顔で見るな!!惚れてまうやろ!)
(いやもう惚れているのか)
ズボンの中のアレが、だんだんと体積を増してゆく。

「顔も赤いですし…熱でもあるんですか?」
「そ、そろそろ帰った方がいいんじゃね?」
「どうぶつの森じゃないので、人の部屋に遊びに行ってすぐに帰るようなマネはしません。」
「あんたのプレイスタイルひどいな!」
「どうしたんです?」
「だ…大丈夫って」
「前屈みになって?」
「いや…ちょ…」
「あ、お腹痛いんですね?良かったらさすって…」
「!!…止め…」
「大丈夫ですk……――!!」

あ。これは気付かれた。
股間の辺りを見て、ハトが豆食ってポーみたいな顔して、絶句している。

「い…」

い?

「いやああん!!不浄ですッ!!不健全です!!不愉快ですッ!ふしだらですぅッ!!アナグラのF4揃っちゃいましたよ!!あなたが人間ならナメクジだって人間ですよぅッ!!うわああん!!」
顔を真っ赤にして軽やかなバックステップをし、部屋のスミスに移動。そこで踞ってしまった。

(さすがにそれは傷つくぞ…)
(まぁ仕方ないか…ドン引きだろうな)
(さよなら愛した人、ここまでだ)
(…ん?)

「ぐすん…」

泣いていた。

怒ったり、恥ずかしがったり、ドン引いたりしているのではない。
肩を震わせ、手で頭を抱えて。

泣いていた。

「…リーダー?」
「!!いやぁッゴメンナサイすみません申し訳ありませんッ!!もう止めて!いじめないで!!いや、嫌、イヤ、IYAッ!!」
普段大人しく温厚なリーダーが完全に取り乱してしまっている。

(どうしたんだろ…)
(そりゃ俺のせいなんだろうけど…)


コウタはリーダーのことを振り返る。

まだ自分もリーダーも入所して間もない頃、今と同じように取り乱したことがあった。タツミさんの何気ない一言がきっかけだ。

「お前ここに来る前、何してたんだ?」

その言葉で少しフリーズしてから、今と同じようにわんわん泣き始めてしまった。
タツミさんも「無理して言わなくていい!」とか言ってたが、泣き止まないので、仕舞いには「いないいないブバァ!」とか「見て、この指の形すんごい!親指と人差し指がランデブー(五七五)」とか言い出す始末。
どうしようも無くなったから、とりあえずツバキさんを召喚して、リーダーは医務室に連れていかれたわけだが。

あとでタツミさんがツバキさんに事情を説明しているのをこっそり聴いたが、ツバキさん曰く、
「…アイツはな、ゴッドイーターになる前、凄く貧しい暮らしをしていたらしい。盗っては逃げの生活だ。それを偶然外部居住区の男共に目撃されたらしくてな。弱味を握られ、あとは…分かるな?そこにトラウマがあるらしい」
だそうだ。


(どうすりゃいいんだよ…)
(こんな状況ツバキさんも呼べないよな…)

リーダーは今も踞って体を震わせている。

「…リーダー」
「!!ゴメンナサイすみません許して下さ…」
「リーダーッ!!!!」

ビクッとして首だけでこちらに振り向く。
まだ怯えた表情をしているし、目からは涙を流している。

(えっと…何か言わないと)
しかし特に思いつく言葉がなく、その一瞬の沈黙にも耐えきれなくなったコウタは勢いでリーダーの唇を奪った。
長い口付けだった。

顔を離した時リーダーはきょとんとしていて、すぐにポッと赤くなった。

(ヤバい!めっちゃ可愛い!!あとめっちゃいい匂いするぅ!!)
(んじゃなくて!!何してんだ俺!)
(こんな衝動的なの、その話の『外部居住区の男共』と変わんないじゃん!)
まだ彼女の体温が残っている唇を噛み締めて、愚かな自分の行為を悔やむ。
(くう…!!これが修羅場ってヤツか!)
(こりゃ嫌われたな…)
(てか人間としてダメなことした)

リーダーは両手をコウタの後頭部辺りに持っていく。
コウタの頬には冷や汗が流れる。
(あ、死んだな…俺)
(ぶち殺されたな…俺)
(短い生涯だったな…俺)
分かっている。許されないことをしたのも。彼女がどんな気持ちなのかも。

分かっている…つもりだった。

彼女は一瞬何か考えるように視線を反らし、視線を戻すと同時に彼に2度目のキスをした。
「――!」

ゆっくりと唇を離し、紅潮して、
「…キス、嬉しかったです。…あなたとずっとこうしたかった」
と言った。

予想外の反応に驚く。
怒ったり、恥ずかしがったり、ドン引いたりしているのではない。
安心しながらも、この状況にはお互いに戸惑う。

「えーっと…その…、ごめん」
「…こちらこそ取り乱してすみません。……ココ、苦しいですか」
「!」

彼女の左手が首元から離れて、この期に及んで元気な剛直をズボンの上からやわやわと撫でる。
「良かったら…お手伝いしましょうか」
「あ…うん」
「///…優しくしてくださいね」


二人はベッドの上に移動していた。
「…おっきいですね」
ごくりと生唾を飲み込む。コウタも緊張と期待で同じようにそうする。
例のトラウマによって、少し震えている両手でコウタのそれに触る。
しばらく見つめながら触れ、決心がついたのか、舌で先端をぺろぺろと舐め始めた。
最初は舌先でつつく程度だったが、だんだんと頬張ったり、睾丸を攻めたりしていった。
妙に長い舌の動きは、どこか色気を感じる。

「くぅ…」
一応男性の相手をしたことがあるからだろう、なかなかのテクニックに、自分でやったことしかないコウタは早くも限界に近づく。

耐えきれなくなり、彼女の胸の方へと手を伸ばし反撃にでる。

(確かリンドウさん、『焦らし』と『フェザータッチ』とか言ってたけど…)

最初は『フェザータッチ』だ。
服の上から撫で回すとくすぐったいのか、艶かしい声をあげ、手と舌の動きが止まる。

愛撫しつつ、服のボタンを外していくと、幼い雰囲気のある顔に似合わない大きめの胸が露出する。


「結構、大きかったんだね」
「…ありがとうございます」
「キレイだよ」
「恥ずかしいです///」

彼女のほっそりした体を後ろに押し倒して、直接胸を揉みしだいていく。
(胸ってこんなに柔らかいんだな…)
指に返ってくる弾力に感動する。

「コウタ…さん、さきっぽも、お願い、します…」
息が少し上がっている。

(胸、キモチいいのかな?)
動かしている指先を若干ずらして、乳首を撫でると、体をぴくぴくさせて感じる。

「はうう…」

ある程度は手を使っていた。
しかし、触れたときの体の反応と彼女の荒くなってきた息、快感から押し出される声、手から伝わってくる柔らかさ、などによって何か衝動的なものが込み上がってくる。

「…ああもう我慢限界!ちゅぱっ、ちゅぱ、ちゅぷぅ」
「んんんんん!!」

抑えきれなくなってしゃぶりつく。
顔をその柔らかな肉塊に埋めると、とてもいい匂いがして、息が詰まりそうなほど興奮してくる。
強く吸い上げて、先端を舌の上で転がす。

「じゅるるるる…」
「はぁ、もう…、んあ、ダメですよぅ…」

彼女も限界に近いようだ。
コウタはしゃぶっていた方を口から解放し、もう片方に吸い付く。
そして先程まで舐めていた、つまり唾液でぬるぬるになって、ビンビンに勃った方を手の平を使って高速で擦る。

「く、はぁ、ん…、…んんっ!!」

胸だけで達してしまったようだ。

「はぁ…はぁ…、コ、コウタさぁん」
舌をぺろんと出してコウタの顔に近づきキスをする。今度はさっきのような軽いものでなくディープキスを。
(俺もそろそろヤバいな…)

キスをしながら手を彼女の局部にやると、「はぁぅん!!」と大きな声を上げるので驚く。

「ごめんなさい…や、優しくしてください…」
過去の恐怖を思い出したのだろう。再び震え、泣き始めてしまった。

「怖い?」
「…ちょっと怖いです」
「止めようか…?」
「…いえ、止めたくは、ないんです。止めないでください…コウタさんなら、構いません」
「俺も止めたくないよ。優しくするから」
「…痛くしないでください」
「…初めてだから、できる限りは」

恐らくリーダーの恐怖する痛みは、凌辱されたことを考慮すると、破痛と濡れていないのにブチ込まれた痛みだろう。

(よく感じるまで前戯すれば大丈夫なのかな…?)

というわけで、服を脱がすが、もうすでにぐちょぐちょになっていた。
一度イっていることもあるだろう、濡れすぎて下着だけでなく、履いていたF狙撃下衣やベッドのシーツまでびしょびしょである。

(まぁ俺初めてだし、一応…)
手でやってみることにする。

「ひぁ…んっ」
相当濡れていただけあって、指2本はすんなりと飲み込んだ。
ぎちぎちときつく絞まるのを感じる。
指を掻き出すように動かすと、大量の愛液が溢れだす。

「スゴい量だね…。ど?気持ちいい?」
「ふわぁ…コウタさん、もっと、お願いしますぅ…」

指の動きを徐々に上げ、もう片方の手で今度は強めに胸を揉んでいく。

(これがクリトリスってヤツか…)
ふと目を下にやると、ひくひくとしている小さな突起が視界に入る。
それを指で膣内をかき回している方の手の親指で触れる。

「ひゃんッ」
「痛かったらいってね」

すでにドロドロなので、痛むはずはないのだが、敏感なトコらしいので念のため言っておく。

人差し指と中指を出し入れするときに、親指が陰核と擦れるようにして手を激しく動かす。

「ふ、あぁ、ぁあ、あ、また…イき、ま……え?」

手をピタリと止めてみた。
『焦らし』てみたのだ。

「や、止めちゃヤですよぅ…」
(あ、ホントに気持ち良かったみたいだ)

リーダーがあまりにも気持ち良さそうだったので、初めての自分に気を使っているのではと思った。

だが手を止めると、泣きじゃくりそうな顔で「やめないで…」と更なる快感を求める声を発するのを見て、安心する。

コウタにはその顔が可愛くて可愛くて、思わずだらしなく開いた口にしゃぶりつく。

「…リーダーッ!!」
「ちょ、コウタさん…?…んふぅ」

停止していた動きを再開させる。
上の口は舌で、下の口は指で犯す。舌を絡め、指を絡め、舌で擦り、指で擦る。それにこたえるように、少女も舌を絡め、膣を絞める。

「ああん、も…ダメです…――くぅ…!」

彼女の上の方は動きが弱まり、下の方はきつく締まり、達したのを確認した。

しかし、彼は手の動きを止めようとしない。
今尚、イったばかりの敏感な秘部に指を出し入れさせ、陰核を擦り続ける。

「ッッ!?ダメッ!!いやッ!!壊れるぅッ!!」

襲いかかってくる快楽から、腰をくねくねとして逃げようと試みる。
だがもう一方の腕で抱き抱えるようにがっちり固定され、失敗に終わる。
「ああああああああ!!なん、か、クるぅッ!!」
腰をビクビクさせながら、激しく潮を噴いた。
しかしコウタはまだ手を停止する気配は見られない。


(…もう俺が限界だ)
10分程擦り続けて、ようやく彼は手の動きを止めた。
彼女はイっているのに擦り続けられ、どこからどこまでが絶頂か分からなくなっていて、終始潮吹きしていた。

ずるりと指を引き抜くと、凄まじい量の泡立つ白っぽい愛液が流れ出し、指と糸を引いていた。

リーダーは肩で息をし、目は虚ろで、口からは自分のものかコウタのものか分からない唾液が垂れている。
指を抜いている今も、時折腰をビクッとさせて尿道からぴゅうっと噴水する。

だがその表情からは、まだどこか物足りなさと期待感が感じ取れる。

彼女はゆっくりと手を動かし、ガチガチに勃つ彼の肉棒に触れる。
「…お願いです…我慢出来ないんです…こんなに気持ちいいの…もっと太くて長いものじゃなきゃ、ダメなんです」
「…俺も、もうさすがに我慢出来ないよ…」

コウタのそれは過去最高の長さ・太さ・固さで、先走り汁が水滴となり垂れるまでになっていた。

「じゃあ、…挿れるよ」
「コウタさんっ」

彼女は自分の恥部に人差し指と中指を突っ込み、広げて見せた。どろりと液体が溢れ、中はひくひくとしている。
それから普段のような、穏やかで、優しい、微笑みをして、

「その……好きです、コウタさん」

「――!!」

その瞬間、今までで我慢していた彼の理性は吹き飛んだ。

抱きつくようにして、一気に奥まで挿れた。
相当な大きさになっていたが、散々濡れていたため、彼女はすんなりと根元まで受け入れた。
愛液で満たされていたそれは、侵入してきた体積の分だけ、行き場を失った液体を吐き出す。
温かさと締め付けで蕩けそうになる。

「ひゃあ…あ、ありがとぉございますぅ」
「リーダー!リーダー…!」

激しく腰をあらゆる方向に動かす。
引き抜くきにはうねうねと肉壁が絡み付き、奥を突くときにはぎちぎちに締め上げる。

「ふわぁぁもっと奥でぇぇぇ」
「ふっ、ふっ、こう?」
「〜〜〜!」

彼女はがっちり腕と足をコウタの体の後ろに回して抱擁し、再び潮を吹く。
どうやらまたイってしまったらしい。

達したことで、膣が急激に絞まり、彼に射精を促す。
ずっと我慢してきた、コウタもそろそろ限界が近い。
「…もうそろ出すよ!」
「はいぃ、…コウタさぁん、キスぅ…」

吸い込まれるように唇を重ね、ぐちゅぐちゅと濃厚なキスをする。
お互い興奮しすぎて唾液がぼたぼた垂れても気にしていない。
腰のペースを上げていくと、少しずつ剛直が膨らみだし、更に少女は高い快楽を得る。
「…出す、よ」
「んふぅ!コウタさん!」
「…リーダー!」
二人で強く抱きしめ合った。
ぎゅう、と奥まで突くと同時におびただしい量の白濁を勢いよく注入した。
何度か波打つとそれに合わせて、容量を超えた分だけ接合部から噴く。


「は…、は…」

彼女は抱きついたままの体制で力を抜いて、だらりとコウタにぶら下がるようにしていた。
長い射精を終え、ずるりと引き抜くと、栓を失って、どうやって膣内に入っていたのか不思議なほどの量の濃汁が溢れ出す。

腰を離そうとしたとき、
「ま…まだです」
とリーダーの声がし、彼の腰に回していた両足に力が入る。

「まだ…です。私は、何度、も、イったのに、コウタさん、は、一度だ、けです」

絶頂の余韻か、息が上がっていて、目はうるうるとしているが、その目は確かにコウタをとらえている。
両手で、まだ硬度を保っている肉棒を握り、自身の股にあてがう。顔からは若干の笑みが感じられる。

「だから…、も、もう一度しましょう…。…ね?」


〜〜〜〜〜〜

「コウタさん、」
「何?」
「さっきも言いましたが、私…コウタさんのこと好きです」
「…ありがと///」
「そうじゃなくて…」
「?」
「…まだコウタさんから聞いてないです。男性から言われたいものなのですよ」
「…根本的に言おうと思ってたことなんだけどね」
「ふふっ…根本的に言おうと思ってたこと、なんだけど?」
「…いざ言おうと思うとはずかしいな…」
「…いざ言おうと思うと恥ずかしいですよね」
「…///」
「…」
「…リーダー」
「…はい///」
「俺は、
ずっと前から、


リーダーのことが、」

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