ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫の避難所です

静かに響く、ノックの音。
「…わたしよ。ジーナよ。入るわ」
俺の返答を待たずに、ジーナが俺の部屋に入ってくる。
「おい、誰が入っていいって言った」
不意の訪問客を前に、俺は顔を歪ませ、前髪をいじる。イラついたときに、自然とやって
しまう癖だ。
「任務が無くて暇だから、お話でもしにきたのよ」
だが、俺得意の不機嫌そうな仕草もこいつには通用しない。


散々と俺達を振り回したアーク計画は、失敗に終わっていた。
第一部隊の連中がお節介にも頑張ってくれたおかげで、ノヴァを月に追いやることに成功
したらしい。そして今までどおりの日常が、俺達の手に再び手渡されたというわけだ。だ
がその一件で、大型アラガミの数が減り、俺達神機使いは任務に出向くともなく、アナグ
ラで待機させられる日々が続いている。
俺にとっては、迷惑な話だ。
贅沢に金を使って遊ぶこともできず、かといって、戦場に出て稼ぐ快感を味わうことも出
来ない。
そうして悶々と過ごしていたところに、向かいの部屋の住人が訪ねてきたわけだ。


「お話か。お前の口から出てくる言葉とも思えないな。出て行ってくれ」
「この先、世界が続いていくのなら、取るべき責任のお話を、してもらおうかと思って」
ジーナが下腹部を手のひらでさすりながら、普段見せないような、優しげな笑みを浮かべ
る。
前髪をいじっていた俺の手が止まる。
言わんとしている事が、しばし経って俺にも分かった。だが、俺にとって心の奥底にしま
いこまれていたそれは、直視するするにはきつすぎる記憶。
言葉が見つからない。
静寂の中、背中を嫌な汗が伝うのを感じる。
「…冗談よ。可愛いのね」
「てめえ、ぶっ殺すぞ」
「あらあら、物騒な言葉は使っちゃダメよ」

笑ってやる所なのか。だがこれには笑ってやる余裕は無い。
「それで、そんなタチの悪いジョークを言いに、わざわざ来たのか?」
「あら、今のは硬い雰囲気を和らげるためのわたしの気遣いよ。感謝して」
「…あの時のことは、お互いに忘れるって言ったのは、お前のほうだろ。俺が今さら謝る
と思うのなら、そんなに俺は小心者じゃないぜ」
「ええ。自分で言うとおり、あなたはエゴイストだからね」
「なら、もうあの時のことをほじくり返すのはよせ。俺もお前も、元通り部隊の仲間だ、
そうだろ?」
俺の心の中には、あの日のことが思い起こされていた。
戦友であるこいつと、強引に関係を持った夜のことだ。だが、互いに交わした約束どおり、
誰に話すこともせず、感づかれることもなかったはず。
今も俺達は、中堅神器使いとして、アナグラ内で安定した地位を持っている。

「そう、今日来たのは、謝ってもらうためじゃないわ」
ゆっくりとジーナが、俺のほうに歩み寄ってくる。相変わらず眼帯を付けた顔からは、何
を考えているのか推測できない。
「あなたにもわかるように、説明してあげるわね」
会話をするには近すぎる距離まで近づいてくるジーナ。
俺は咄嗟に、危険を感じた。
もしかして、こいつ俺を殺すつもりで来たんじゃないのか?
武器は何だ。ナイフか、それとも銃器か。あれこれと考えを巡らせ、相手の挙動を注視し
ていた俺だが、次の展開は、まったく予想外のものだった。

「…な、何のつもりだ」
ジーナが、両手できつく俺を抱きしめていた。
ジーナの顔が、目の前にある。ジーナ自身の口から何かが語られるかと思ったのだが、次
の展開も、俺の予想の遥か上を行っていた。
「んっ!んんんっ!」
儚げなジーナの唇が、俺の唇に重ねられ、俺は思わず声をあげてしまう。繋がった部分が
すぐに離されることは無く、じっくりと官能的な空気が辺りに満たされる。
「ぷはっ」
長いキスを終えて、息継ぎをするようにジーナが口を開く。
「求めたいものがあるなら、自らの手で手に入れろ。だっけ?」

「お前、何してるっ?」
「カレル、あなたが欲しいの」
情欲に満ちた視線を投げかけて、体を寄せてくるジーナ。その瞳に満ちる熱は、病的とい
っていいほどの熱さを秘めていた。
「お前っ!おかしいんじゃないのか?目を覚ませ!」
「おかしくなんてないわ。わたし、あなたが大好きよ」
「な、何言ってるんだ。もしかして、強引なセックスを、肉体が忘れられないのか。俺の
体が欲しくて、また来たっていうのか」
「違うわ」
泣きそうなジーナの目が、俺を捉える。

「もっと前から、あなたが好きだったの。どこまでも即物的で、執着する生き方をしてい
るあなたが。表面的には冷淡でありながら、いざと言うときには仲間のことを思って助け
に来てくれる、素直じゃないあなたが好きだった」
「…誰かさんが、ノリノリで危険に首を突っ込むからな」
俺は褒められるのが一番苦手だ。
こういう時は、素直じゃない返答をしてしまう。
「あの夜、あなたは言ったわ。わたしは死にたがってるって。でも、今ならわかる。わた
しは、危険な状況に自ら突っ込んでいくことで、誰かに心配して、守って貰いたかったん
だと。あなたに一番、心配して守って貰いたかったんだと」
「俺に、だと」
「カレルに、一番心配して欲しかった。カレルに、ずっと見ていて欲しかったの」
細い腕が、俺の体を離さない。
ジーナの小さな体に秘められた情熱は、いつも素直になれず冷え切っていた俺の心を、す
っかりと溶かしてしまった。
だからそれに応えるために、俺は負けないくらいの力で、ジーナを抱きしめた。

「…カレル?」
「俺だって」
そこまで言って、思わず泣き出してしまった。
クールキャラで通っている俺が、女の前でグシャグシャに泣きだしてしまった。
鼻をすすりながら、何とか続く言葉を絞り出す。
「俺だって、いつも無茶するお前のことが好きだった。心配しながら、気にかけてた。だ
けどどうして、今になってそんなこと言いやがるんだ。俺は無理やりお前と関係を結んで
しまったし、結局お前の心を動かせなかった俺は、失恋した気持ちでアーク計画に臨んで
いったっていうのによ」
「わたし、あの夜にあなたの心に触れることができたと思ったの」
ジーナが、俺の胸に顔を埋めて言う。
「あの時、あなたの心に咲く花は、混乱の中で枯れて死に掛かっていたわ。見ているのも
痛々しいくらいにね。あの時のカレルは、本当のカレルじゃなかったわ。本当のカレルは、
いくら強がっても、女の子を無理やり襲うようなことは出来ないわ」
「そいつはまた、買い被ってくれるな。俺は欲望のままに襲い掛かったつもりだったんだ
が」
「うふふ。つまりね、わたしの好きなカレルは、まだまだ臆病なお子様ってことよ」
「て、てめえっ!」
「うふふふふふ」
「ぷっ、くくくっ」
つられて、俺も笑ってしまった。

「ねえカレル」
「なんだ、ジーナ」
「もう一度、してみない?今なら、落ち着いた気持ちで心を通じ合わせることができると
思うわ」
「ッ!」
俺の胸に添えられていたジーナの指先が、下腹部を伝い、優しく俺の股間に触れる。
「フッ、いいじゃないか」
ニヤっと笑い、俺はお返しにとジーナの背中に回していた手をずりさげ、ゆっくりとジー
ナの尻に触れる。
「ふふ。決まりね」
「じゃあどうする?あの時の薬なら、まだどっかにあった気がするが」
「…やっぱりカレルは、お子様なんだから」
ちょっとがっかりした風に、ジーナが口をすぼめて言う。
「な、何だよ」
「本当のカレルを…感じさせて欲しいの。えいっ」

俺はベッドに押し倒される。
なんかリードされっぱなしだな。俺。
ジーナが言うように、本当の俺は、まだまだお子様ってことか。
「んっ…」
押し倒され、再び俺の唇が奪われる。
情けないような気分もあったが、頭がカーッと熱くなって快楽で満たされていくのに従っ
て、そんな事はどうでもよくなってくる。
ジーナが舌を侵攻させてくるのに応じて、俺も舌を絡めてやる。
「んっ、れろ…んあっ」
長い間お互いに快楽を求め合い、しだいに息が苦しくなって口を離す。そして俺の唾液を
口からこぼし、艶かしく舌なめずりしながら、ジーナが言う。
「どう?大人はこうして、ねっとりと愛し合うものなのよ?」
「本当にお前は、俺を子供扱いしたがるんだな。…もう勝手にしやがれ」
「じゃあ、勝手にさせてもらおうかしら?」
俺の首で遊んでいたネクタイがジーナに捕まり、あっと言う間に解かれる。

「うお、ちょっと待て。自分で脱ぐ。この服、高いんだぞ」
「じゃあわたしも、自分で脱がせて貰おうかしら。本当はロマンチックに脱がせてもらい
たいんだけど、もう待っていられないでしょ?」
スルスルと自分の首のスカーフを解いていくジーナ。
悔しいが、こいつの言う通りだ。長いキスで高められた興奮は、俺の下腹部へとたどり着
き、熱いたぎりとなってジーンズを押し上げていた。
少しの間、俺達はお互いの体からお別れする。
そして黙って着衣を脱ぎ捨て、やがてベッドの上で見詰め合うのは、裸の男と女。

俺は、チャンスを伺っていた。
主導権を奪い返すチャンスを。
だから俺は、裸になったジーナを押し倒し、有無を言わせずに胸に手を這わせる。
「あんっ!ちょっと、カレル、待って!」
「待たねえよ。俺を散々子供扱いしてくれやがって」
こいつも俺と同じように、今までの行為で興奮が高まっていたのだろうか。いつもは白く
透き通るようだった顔も、体も、微かに赤みを帯びてきている。
「本当、胸小さいよな」
「…意地悪ね」
声に構うことなく、俺は恐る恐る、胸への愛撫を始める。ゆっくりと手を動かし、やがて
空気に触れてピンと経つ頂点へと、指を進ませる。
女の体と言うのは、こんなにも儚げなものなのだろうか。
「ふふっ、やっぱり…カレルも大きいほうが好みだったかしら?」
「気にするな。他のやつらが何と言おうと、この胸が俺だけのもんって事実だけで、俺は
嬉しいね」
頂点を刺激すると、ジーナが切なそうな声をあげる。
「いい殺し文句じゃない。感激しちゃう」
「フッ、思ったことを口にしただけさ。それに…」
俺はジーナの平らな胸に頬を当て、口を噤む。
ドクンドクンと聞こえてくる鼓動。それは愛するジーナが確かに生きている証だ。
「こうしてお互いが生きているのを確認する。それも悪くない」
「ふふ。わたしがいつも話していること、少しは分かってくれたみたいね」
満足そうに微笑むジーナ。

そして、そそり立った俺自身へと、その細い指を這わせる。
「ご褒美に、今度はわたしが気持ちよくさせてあげる」
いくらか指で弄ばれた後、俺のモノが暖かいものに包まれる。
見ると、淫靡な視線を放ったジーナの口に、俺の膨張したモノが銜え込まれていた。
「うっ、あっ!」
最初から激しい責めに、俺は翻弄される。
グチュグチュと前後に動かし、俺のモノは絞り上げられる。
そうして快感が高まってくると、次は舌による責めが待っている。
ジーナの小さな口の中で、先端がザラザラとした感触に舐められている。敏感な部分を責
められ、俺は一気に上り詰めていく。
そうして快感が高まってきたところで、俺はジーナの頬を掴み、こちらに向けさせる。
「…もう、いい。我慢できそうに無い」
その言葉で察してくれたのか、俺のモノから口を離す。

そしてベッドの上で足を広げると、両足の真ん中の裂け目を俺に見せ付ける。
「もうわたしも、興奮してこんなになってるのよ…」
ジーナの言うとおり、目の前のそこは興奮でぬらぬらと濡れていた。そうして透明な粘液
が絶えず溢れ、官能的な光景を俺の前に展開させている。
「こんなに、濡れるもんなんだな」
俺は目の前の光景に、思わず息を呑む。
「そうね。薬に頼らなくたって、人は愛し合うことができるのよ」
そんな風に言われると、今日もまた、快楽のために薬に頼って行為に及ぼうとしていた自
分が恥ずかしくなってくる。
そんな俺の心中を察したのか分からないが、またもジーナの年上ぶりたい心に灯がともっ
てしまったようだ。
「だから、今日はわたしが、リードしてあげる…」
言われるまま、俺はベッドに押し倒される。
歓喜にそそり立つ肉棒に向かって、ジーナの茂みが降ろされていく。

「うおっ」
「ああん!カレル!」
お互い高まっていただけあって、すんなりと奥まで繋がることが出来た。
少し苦しそうな顔をするジーナだが、やがてその顔は喜びに塗り替えられる。
「やっと、本当に、あなたと結ばれることが出来たのね」
「本当に…か。すまんな」
俺は、罪悪感に苛まれる。こんなに俺のことを思ってくれている女性が近くにいたという
のに、この行為は初めてではない。その事実が、俺の心をえぐる。
「いいのよ。あれはノーカウント」
そんな俺に、ジーナは澄ました目で助け舟を出す。
「その代わり、何もかも忘れてしまうくらいに、これから愛してくれればそれでいいの」
「…どこまで出来るかわからんがな。やってみるさ」
俺はそう言って、奥まで繋がっていた肉棒を入り口まで戻すと、腰を突き上げてもう一度
最奥を突く。
敏感な部分同士が擦れ、快感を紡ぎだす。
「カレル…嬉しいわ」
「待たせてすまなかったな。俺も愛してるぜ。ジーナ」
薬に頼ったセックスでは得られない、ささやかな快感。それでも愛情というスパイスを得
たそれは、俺達の心を、どこまでも近づける。
俺達は心まで一つになり、交わり続けた。

一段ずつ階段を登っていくように、俺達はゆっくりと上り詰めていく。
そしてお互いの絶頂が近づいていた。
再び俺は腰を突き出す。
ジーナが俺の上で腰を振り、俺の突きを受け止める。
「ジーナ、そろそろっ!」
「カレル、カレルカレルカレルーっ!」
ジーナが俺の名前を呼ぶ。
魔法の言葉を受けて、俺の興奮はさらに一段高く飛ばされる。
「ジーナ、愛してる。もう誰にも渡さない。絶対にだ」
「カレル、わたしもよ」
感激の涙を浮かべるジーナの姿を見た瞬間、愛が、はじけた。

「くっ、ジーナっ!」
俺はジーナの中に大量の精液を放出する。
ジーナもまた、同時に達したようだ。
びくんびくんと体を震わせ、背を弓なりに逸らせて俺の愛を受け止めてくれるジーナ。
絶頂の余韻が過ぎても、俺はジーナを離したくなかった。
するりと背に手を回し、ジーナの体温を感じる。
それに気づいたのか、ジーナもまた俺の体にかぶさり、脱力する。
「もう少し、この幸せの中でふたり、泳いでいたいわね」
その言葉通り、俺達はお互い触れ合ったまま、まどろみの中に落ちていった。






コーヒーの香りで、俺は目を覚ます。
「あら、目が覚めたかしら」
見ると、裸のジーナがトレイを持って立っていた。
「こういうの、ロマンチックだと思わない?」
トレイに乗った二つのカップ。それらをゆっくりとベッドの横に置いていく。
「勝手に使っちゃったけど、いいわよね」
「ああ、問題ない」

俺はカップに口をつけながら、ジーナに声をかける。
「ジーナさあ、おまえ、アーク計画が失敗するって分かっていたのか」
結果として世界は今まで通りに続き、俺達は結ばれた。だけど、あのままノヴァが破裂し
ていたら、ジーナはこの地球もろとも消えてなくなっていたはずだ。
「確信はなかったわ。だけど…」
「だけど?」
「第一部隊のコたちが、焦りながら、それでも希望を捨てないって顔をして奔走している
のを近くで見てて、わたしは感じたの。希望の強さは、世界すらも変えるかもしれない…
なんてね。わたしが言う台詞じゃないかしら?」
「ああ、とても似合わないな。いつも危険を顧みないで無茶してるヤツの台詞じゃない」
「フフ、でも大丈夫。どんなに危険なときでも、わたしに生き延びて欲しいと願ってくれ
る人が、もう一人いるなら、二人ぶんの希望で、なんとかなるんじゃないかしら」
済ました顔で、こいつはとんでもない事を言う。
「お前…」
「あなたがわたしのことを見て、心配してくれているなら、危険なことはしないわ」
「…もし、よそ見してたら?」
「また、危険なマネ、しちゃうかもしれないわ」
「おいおいおい」
反省のそぶりも見せない言葉に、俺は肩をすくませるしかない。
そんな俺の顔にジーナの顔が近づけられ、口で口を塞がれる。
「鈍いのね。恋人として、いつまでもわたしだけを見ててね。他の子を見てたら許さない
わよ。カレル」
一夜を共にして、こいつの心と触れ合った気になっていたが、やっぱりこいつの思考は予
想できない。
「お前、ちょっと目が怖いぞ」
俺の言葉通り、ジーナの目は仕事中のそれと同じくらいの冷淡さで俺を捉えていた。

「あら、ごめんなさい。でも、わたしはいつだってスナイパー。狙った獲物は、逃さない
のよ。ふふっ」
ジーナが目を細めて、悪戯っ子のように微笑む。
こいつの言うとおりだった。俺は知らないうちに、極東支部最強のスナイパーに目を付け
られ、心をすべて撃ち抜かれてしまったというわけだ。



END

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