ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫の避難所です

「よしッ、コア回収完了です」
「よっしゃ、帰ろうぜ!…あれ、サクヤさん?」
今回のミッションは討伐対象が複数であったため、二手に別れる作戦を取っていた。
アリサ、コウタ、サクヤの3人はグボロ・グボロ堕天種とコンゴウ堕天種を下し素材を回収。
今頃カヲルとソーマもハガンコンゴウとセクメトを倒しているはずだ。
「サクヤさーん!二人と合流して、早く帰ろうよぉ」
コウタが呼び掛けても、サクヤは反応しない。レーダーをじっ、と覗き込んでいる。
「サクヤさん?」
アリサが怪訝そうに近寄る。
「……二人とも」
ようやく顔を上げ、発した真剣な声色にアリサとコウタは緊張する。
「どうか、これから私の言うとおりにして頂戴。とても大事なことなの」
「え、何、サクヤさんどういう事」
「コウタ!…分かりました。どうすれば、いいんです?」
状況を把握出来ず戸惑うコウタを制止し、先を促すアリサ。
サクヤは頷き、口を開く。
「いいこと?私の合図で、あそこの建物の角まで出来るだけ足音を立てずに走るの。
そして、向こうを確認する。確認したら、すぐにまた静かに走ってここまで戻るのよ。OK?」
二人が頷くのを確認し、再びレーダーに眼を落とす。
「出来るだけ静かにね…行くわよ…5…4…3…2…1…」
ゼロ、のタイミングで駆け出す三人。神機使いの身体能力によって、数秒で目的地点に辿り着く。
素早い動きで建物の端にぴったり背をつけ死角を覗き込むサクヤ。コウタ、アリサも首を伸ばす。
その先に見えたものは――

「「!?!?!?」」
「あらぁ♪やっぱり♪♪」

かなり遠くに二人の人影が見えた。
勿論、一緒にミッションに参加したカヲルとソーマだ。
後ろ姿だが、間違いない。が。

二人の顔が重なっているように見えた。
ソーマが右手でカヲルの左手首を掴んで。
ソーマがわざわざ身を屈めて顔を傾けて。

「…フン、手こずらせやがって」
「あちらも終わっている様です。任務完了、ですね」
カヲルが振り返り微笑む。
ソーマは足元の死骸を捕食しコアを回収。カヲルはアナグラへ任務完了の連絡を入れる。
ソーマはちらり、とレーダーを確認した。
一緒にミッションに来た三人も既に敵を殲滅し、こちらに向かっている様だが……まだかなり遠くにいる。
(……合流するまで暫くかかりそうだな)
「……はい、はい。ではヘリの手配を。…はい、お願いします」
連絡を終えたカヲルは携帯端末をポーチにしまおうとしているところだ。
「カヲル」
その後ろ姿に呼びかけ左腕を引く。
そして、振り返った少し低い位置にある顔に口づけた。
既に馴染み深いその感触を一秒だけ楽しみ、唇を離す。
カヲルは暫く硬直していたが、みるみるうちに頬を紅く染めて叫んだ。
「ななな何をするんですかこんなところで!!?」
「……別にいいだろ誰も見てねぇし。あいつらだってまだずっと向こうにいる」
「だ、だからと言って、外でこういう事は!」
「そうか?あぁ、つまり帰ったら部屋で続き、って事だな」
「!!?そッそんな事言ってませんッ!!」
「あ?今日はしないのか?」
「えっ?う、その…………」
カヲルは首まで真っ赤にしている。
そんなやり取りを楽しみながら、ソーマは三人と合流すべく踵を返す。カヲルも少し遅れてついてきた。
と、その時。
ソーマの耳をついたのは、コウタの声。
その内容に、ぎくり、とする。
距離は遠いが、聞き間違いではない、と思う。
嫌な汗が出てきた。
どこでバレた?
恐らく、感づいたのはサクヤ…か?
まさか……まさか、さっきの…見られていないだろうな!?
いや、そのためにレーダーで向こうの位置を確認したのだ。
だから、まさか、そんな筈は……。
「……ソーマ?どうかしましたか?」
まだ赤面したままのカヲルがソーマの顔を覗き込む。
「あ!?い、いや……」
完全に足が止まっていた。
「あっいたいたおーい二人ともー」
声の方を見ると、前方の建物の角からサクヤが姿を現し、二人に手を振っていた。
素知らぬふりをしていれば良いものを、カヲルは分かり易くうろたえ、更に顔を紅潮させている。
しかしソーマも内心は酷く動揺していた。
サクヤは見ていたのだろうか?
だとしたら…俺がレーダーから眼を離している間に……?
そういえばどこかわざとらしい振る舞いに見えないこともなくはないような気が……。
嫌な汗が、止まらない。

「さ、二人とも、戻るわよッ♪」
決定的瞬間を目撃して固まる二人をサクヤが引きずる様にして元の位置に戻る。
茫然自失のコウタとアリサに対してサクヤは一人盛り上がっていた。
「やぁっぱりね♪ソーマったら私達がまだ遠くにいると思ってカヲルにキスしたのよ♪
 隙あらばいちゃいちゃしたいのよねぇ付き合い始めって♪
 ソーマも普通の男の子って事ね♪ちょっと安心しちゃった♪」
「ッて、えええええ!!?あの二人付き合ってんの!!?」
「コウタ声が大きいっ」
しぃ〜〜っ、とサクヤに諌められ、慌てて口を押さえるコウタ。
顔を真っ赤にしたアリサが尋ねる。
「サクヤさんは知ってたんですか?」
「ん?知ってたというか、見てたら何となく分かるじゃない?二人の雰囲気で。
 気付かなかった?」
顔を見合わせるコウタとアリサ。
「おそらく12日前からね」
「そ、そんな細かく分かるんですか!?」
「12日前……そういやその頃ソーマに絡まれたな…シオとの噂はデマだとかなんとか…あれほんとだったのか…」
サクヤは笑って言う。
「まぁ、そういう事なのよ。あまり二人をからかったりしないでね?さ、帰りましょ♪」
そしてさっき覗き見した角まで走り、「あっいたいたおーい二人ともー」と何事も無かったかの様に声をかける。
慌ててサクヤを追いかけると、ちょうどカヲルとソーマも戻ってきたところだった。

カヲルの顔は赤かった。
「お、お疲れ様ですッ!皆さん、無事で何よりです!さーアナグラへ帰りましょお!」
所々声がひっくり返っている。
((……分かりやす過ぎる……))
コウタとアリサは、見ているこっちが恥ずかしい、というシチュエーションを身をもって知りながら、
先頭に立ってやけに速足でヘリの到着場所へ向かうカヲルの後を追った。

少し離れて、サクヤとソーマも続く。
ちら、とソーマを窺うサクヤ。
ソーマは落ち着きなく視線をさ迷わせている。明らかに挙動不振だ。
小声で話しかける。
「もしかしてバレちゃった?」
「!!!!!」
びくっ、とソーマの足が止まった。
「あちゃあ。上手くやったと思ったのに……耳良いんだからほんとー」
「や、や、やっぱり見てたのか…!?」
顔が引き攣るソーマに微笑む。
「ゴメンね☆」
額に手を当て俯き羞恥に震えるソーマの様子を見て、サクヤは苦笑した。
「ゴメンって。…でも、良かったわね?三ヶ月半に渡る思いが成就して」
「!!!?」
ばっ、と神速で顔を上げたソーマは驚愕の表情を浮かべている。
「な……なッ……!?」
「見てりゃ分かるわよ」
サクヤは先程と同様の台詞を吐く。
「因みにほかの皆も薄々感づいているみたいよ?気付いてなかったのは、あそこのお子様二人くらいかしら」
ソーマは軽い眩暈を感じた。
「まぁカヲルの方が分かり易かったけどね。二ヶ月も気付かない貴方の鈍さも相当のものだけど」
(す…全て把握している…だと…!?)
洞察力か女の勘か――とにかくソーマは羞恥も忘れて戦いた。
サクヤは笑って手を伸ばし、ソーマの頭を撫でる。
「ま、充実してそうで何よりだわ。こんな世界だもの、恋でもしてなきゃやってらんないわよね。
 カヲルの事、大切にしてあげるのよー?」
「………………おぅ」
眼を逸らし照れ臭そうに小声でそう応えたソーマにサクヤは眼を丸くした。
(あらま。素直になっちゃって。恋の力は偉大ねー♪)

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