地球統合軍は、
第一次星間大戦の後、幾つかの新しい種類のより小型の戦闘宇宙シャトル型戦闘船を就役させた。
これらのうちの2つは、
サザンクロス軍と
遠征艦隊軍【UEEF】の為の専用の軌道投入・回収為の戦闘往還艇(シャトル)だった。
共通のデザインが可能であるかのように見える短期間の間に、全く異なる必要条件は結局、2つの別々のクラス(各々小規模の部隊、8台の小型機兵器または歩兵連隊小隊を彼らの戦場へ輸送する可能な)を作成した。
サザンクロス軍は、ペガサス突撃シャトルに、小型で、かつ多数の機器の輸送能力を指示した。
一方
遠征艦隊軍【UEEF】は、より大きく、より有能で重い
プレデター 級揚陸艇を建造した。
それはペガサスより遥かに良い性能であったが、1.5倍以上も重く、また2倍以上も高価だった。
サザンクロス軍は 貨物を惑星から衛星軌道に運ぶ為の装甲・宇宙往還艇(シャトル)以上のものを必要としなかった。
全ての発射が恒久的な基地からのものであって、高価な地球重力圏内でのVTOL能力は必要なかった。(より小さいVTOLシステムが希薄な大気又は真空、かつ低重力の衛星への着陸のために必要とされたけれども)、そして、液体燃料ブースター・パッケージを同様に使うことが出来た。
この結果は、単純で、信頼できて、軽いペガサス・シャトルだった。
これらの航空機のうちのほぼ800艇は、両大戦間の年の間に
サザンクロス軍によって建造された。
そして、その多くは、ゾルの
ランディング・フリゲート揚陸艦や
トゥール・デトレル駆逐艦などのかなり重装甲で重武装の艦船と戦って失われた。
彼らが大気圏に降下したので、ペガサスは
ゼントラーディ人【Zentraedi】の
ジナール【Gnerl】空戦ポッドに対して使われることを目的とした;より大きなサザンクロス軍の船が
ゼントラーディの巨大な戦艦群に対応している間、シャトルは搭載戦闘機の積荷を積んで軌道に乗って回って、それらは、ゼントラーディの「
ジナール空戦ポッド」戦闘機や、「
Frandlar Tiluvo 」級・物資揚陸・再突入ポッドに対抗する支援となった。
この目的の為にペガサスは十分だったが、しかし、よくあることだが、この意図されたデザインはその仮想敵との戦いを見なかった。
その代わりに、シャトルは
ゾル(
プロトカルチャーの末裔の一派の軌道上の母船
アズシャール級(かつて仮想敵と考えられていたゼントラーディより、遥かに執念深い敵)の攻撃をくぐり抜けて必要な貨物を届けなければならなくなった
極くわずかのペガサス・シャトルのみが、その
ピュロスの勝利を辛うじて生き残ったが、
サザンクロス軍の多くの敗北を鎮める働きをした機体は更に少数だった。
※ ピュロスの勝利(Pyrrhic victory)は、「損害が大きく、得るものが少ない勝利」、つまり「割に合わない」という意味の慣用句である。
古代ギリシアのエペイロス王で、戦術の天才と謳われたピュロスの故事に由来する。