日本の歴史年表 - 1865年-1872年
佛公使ロッシュ、横須賀製鉄所建設資金捻出のため幕府による生糸の海外直捌を老中に提議。
（是月）幕府、米商人ロバートソンに係る紛争を露帝の仲裁に附さんとし依頼書及関係書類を同国外相に送付。 幕府、横須賀製鉄所建設約定書を佛公使ロッシュに交付。 米北軍、リッチモンドを占領。 幕府、4国公使に下関償金の第1回分を来る6月に支払い、第2回分を1年後に支払うべく延期を求め下関開港拒絶を申入る。 リンカーン米大統領暗殺さる。 薩摩藩家老新納刑部等、羽島（領内串木野郷）より英船に搭じ英国に向かう。 米南軍降伏し南北戦争終る。 軍制調査のため、外国奉行柴田剛中等に英佛派遣を命ず。（慶應2年3月帰朝） 英米佛蘭使臣、覚書を作成し下関海峡通航の自由、日本内乱への不干渉を決議。 英代理公使ウィンチェスター、諸侯の自由貿易実行を幕府に勧告。 柴田剛中等一行、横浜出帆佛國渡航の途に就く。 新任英国公使パークス横浜に到着。 普墺間にガシュタイン協定。 佛公使ロッシュ、1867年5月開催のパリ万国博覧会に参加を幕府に勧説。（7月2日幕府承諾） 露艦1艘樺太に来り露人男女100余人上陸駐屯。 幕府、下関事件償金第1回支払完了。 ビスマルク、ナポレオン三世とピアリッツで会見。 幕府、佛外相にパリにて我国軍務を嘱託したるエラールの総領事待遇方を求む。 薩摩藩士新納刑部、五代友厚ブラッセルにて佛人モンブランと貿易商社設立に関する条約調印。 米英佛蘭4国公使、大坂兵庫の先期開市開港、条約勅許、税則改訂を要求のため大坂に赴くことを決議。 佛軍、ローマを撤退。 英米佛蘭4国使臣、艦隊を率い兵庫沖に来る。 英公使パークス等軍艦にて大坂に来航、条約勅許、兵庫先期開港、関税軽減を幕閣に強要し7日以内に回答なくば直ちに入京して直接朝廷に談判すべしと警告。 若年寄立花種恭、英艦を訪い（条約勅許等に関する）回答10日の延期を請求、承認さる。 将軍家茂、辭表を上り併せて条約勅許を奏請。 各国使臣、同文通牒を幕府に致し下関償金三分の二放棄、その代償として条約勅許、兵庫大坂の先期開港開市、税率軽減の要求を再示し予約の期日内に確答なければ自由行動と通告。 朝議紛糾、遂に5日条約勅許。但し兵庫の先期開港は不許可。 幕府、条約勅許を4国使臣に伝え兵庫開港につき折衝開始。 柴田剛中等パリを出発、帰国の途に就く。慶應2年1月26日横浜に帰着。 露国領事ビューツォフ、老中水野に西比利亜在住同国人のために邦人職工の雇用許可を請求。 将軍家茂、佛ナポレオン三世に書簡、公使ロッシュの製鉄機械購入等に尽力せしを謝す。 英佛と清国間に移民協定批准せられず。 普伊攻守同盟成立。 幕府申ねて開港場に於ける自由貿易許可を令す。 クリート島に反トルコ叛乱。 英に金融恐慌。 幕府、学術修業及び貿易のための渡航を許可。 普墺戦争始まる。イタリーも墺に宣戦。 英公使パークス、幕府の財政窮迫を理由に償金の延期を要求し却つて横須賀造船所の建設に巨費を投ずるを抗議。 幕府、英米佛蘭4国との改税約書に署名。（輸出入税とも五分を原則） 伊國使節アルミニヨン品川に来航。 英公使パークス、キング中将とともに鹿児島に入港、尋で藩主父子と会見更に27日宇和島に至り翌日藩主父子と会見。 幕府、外国船の交戦地長防両国近海寄航禁止を要求。 幕府、ベルギーとの修好通商航海条約に署名。 老中板倉、佛公使ロッシュを兵庫に訪い征長作戦につき協議し軍艦等購入の斡旋を依頼。 米国辨理公使ファン・ファルケンブルグ着任。 普墺間にプラーグ和約成立。 幕府、伊使節アルミニヨンと日伊修好通商条約に署名。 第一インター第一回大会ジュネーブに開催。 幕府、匍國特派使節ド・アマラルと日匍両国間改税約書同意の証調印。 幕府、函館奉行小出秀寛等に樺太島境界問題議定のため露国派遣を命ず。（10月12日出発、慶應3年5月8日帰朝） 伊墺和約成立。 幕府、日白通商及航海条約付属約書調印。 伊清通商条約締結。 幕府、浅野氏祐を佛國に、合原義直を英国に夫々駐在方訓令。 幕府、松本壽太夫、小野廣胖に軍艦購入の為米国に出張を命ず。（慶應3年1月23日横浜出帆） 佛軍朝鮮江華城攻撃。 幕府、英米佛蘭使臣と横浜居留地改造及び競馬場墓地等約書調印。 英国公使館通訳官サトウ鹿児島を訪問。12月1日宇和島を訪問す。 幕府、丁抹との修好通商航海条約に署名。（慶應3年9月4日批准交換） 西郷吉之助兵庫にて英公使館通訳官サトウと会見。 広東にて発行の中外新聞に八戸順叔の征韓説掲載さる。 英国支那艦隊司令官キング中将、長州三田尻に来港翌29日藩主父子と交驩。 パリ博覧会参列のため徳川昭武横濱を解纜し渡佛の途に就く。 勘定吟味役小野廣胖、軍艦武器購入のため渡米。 材木改税取極書取極。 上旬、幕府招請の佛國軍事教官シャノアン一行到着。 英領北アメリカ法案成立。（自治領カナダ連邦）
佛軍、メキシコより撤退完了。 将軍慶喜、大坂城中に佛公使ロッシュと会見、国政改革に関し意見を聴取。 将軍慶喜、佛公使に朝鮮佛国間和議斡旋を申入れ。 露兵数百人、樺太久春内に渡来。 遣露使節小出秀寛等露都にて日露間樺太島仮規則（雑居条約）に署名。
米国の対露アラスカ購入条約成立。 普國代理公使フォン・ブラント横浜に帰着。 薩摩藩琉球国王の標識を以て佛國パリ万国博覧会に出品、是日駐佛幕府全権向山一履其撤去を薩摩藩士岩下次右衛門及び同藩顧問モンブランに要求。 幕府瑞西國と改税約書同意の証調印。
将軍慶喜、重ねて兵庫開港の勅許を奏請。 将軍慶喜、英佛蘭三国使臣の公式接見を行う。4月1日米国公使を引見。 老中、各国公使と兵庫大坂の外国人居留地規則案を議定。 外国總奉行設置。 伊國公使デ・ラ・ツール着任。（明治元年11月22日信任状捧呈） 佛、コーチンシナ西部三省を安南より奪取。 兵庫開港勅許。 北獨逸連邦成立。 長崎奉行、耶蘇教徒68人を逮捕、明朝教徒500余人釈放を請い屯集、佛匍両領事も抗議。 英第二選挙法改正案下院通過。 マクシミリアン大公処刑さる。 長崎にて英艦イカルス号乗組水兵2名殺される。 普國公使館員ヘンリ・スネル沼田藩士に襲われ拳銃を以て防御、邦人を傷つく。 将軍慶喜、佛公使ロッシュを大阪城に引見、更に午後佛艦を訪問。 薩摩藩士西郷隆盛、大坂にて英公使館通訳官サトウに会見、サトウ佛公使の幕府援助に意あるを告げ我政體の革新を勧告。（翌27日サトウ、西郷を訪う） 在佛外国奉行向山一履、佛に於ける600万両借款の不成立を報告。 伊ガリバルディ、ローマ進入を企画、失敗。 函館港規則書議定。 将軍慶喜、大政返還を申出、翌日朝廷之を受諾。 外国人江戸に居留する取極議定。 朝廷、将軍に外交事務その他緊急事務の取扱は当分従前通りたるべき旨沙汰す。
老中兼外国総裁小笠原長行より各国公使に大政奉還に関する文書送致。 オーストリア・ハンガリー帝国成立。 渡佛中の薩摩藩家老新納刑部等、佛人モンブランを伴い新購入の軍艦春日丸にて鹿児島に帰着。 幕府、新潟開港及び江戸開市を明年3月9日に延期の旨内外に布告。 横浜外国人居留地取締規則制定。 幕府、露国との新約定書に署名。（改税約書）
幕府、江戸鉄砲洲を外人居留地とす。 英公使パークス、諸藩士の大坂退去を老中に申入れ。 兵庫開港、大坂開市。 王政復古宣言せらる。 政権返上後、徳川慶喜英米佛蘭普伊6か国使臣を大坂城に引見、各国との交際は尚その責に任ずべきを告ぐ。 幕府老中小笠原長行、米国公使館員ポルトメンに江戸横浜間鉄道敷設利権を許与。 老中酒井忠淳等、各国公使に軍艦兵器を薩藩に不売方請求。 普國代理公使ブラント、幕府以外に軍艦兵器の売渡を禁ずる旨幕府に回答。 英ディスレリ、首相就任。 外国事務総裁、外国事務取調掛を設く。
外国事務総裁、嘉彰親王。 神戸にて備前藩兵外人と衝突。（神戸事件） 勅使東久世通禧、各国（佛英蘭伊米普）公使と兵庫に会し王政復古を報ずる国書（1月10日付）を交付す。（新政府官員外人と正式に応接せし嚆矢）
外国交際の儀は宇内公法に拠る旨を布告。 三職分科制により外国事務総督及び外国事務掛を置く。
外国事務総督　晃親王。 佛公使ロッシュ、江戸城に徳川慶喜を訪い再挙を勧告、慶喜之を拒絶。 明治政府、幕府締結の条約遵守確認を各国に通告。 政府、慶喜征討に付各国に局外中立を要請。 英米佛伊蘭普6国局外中立を布告す。 官制改革により外国事務科を外国事務局と改む。
外国事務局督　晃親王。 松平慶永等6藩より各国公使参朝の議を建白。
ロシア、ポーランドを併合。 幕府、横浜横須賀両製鉄所を抵当として洋銀50万ドルを佛國ソシエテ、ゼネラルの代表者ピケリー等に借る。 政府、幕府任命のエラールを罷め佛人モンブランを在パリ日本総領事に任命の旨通知。 東久世外国事務総督、大坂西本願寺に各国公使と会し近日召見あるべき旨を伝達。 土佐藩兵、佛艦ヂュプレイより上陸せる佛兵と争闘し佛士官及び水兵10余名を殺害。（堺事件） 政府、各国公使参朝を布告し同時に外国との和親に関し諭告。 佛公使堺事件に関し要求５ヶ条を提出、2月22日応諾。 堺事件関係高知藩士20名、妙國寺にて処刑さる、11名にて佛公使割腹中止を求む。 佛公使ロッシュ、蘭代理公使ポルスブルック参内謁見。
英公使パークス、凶徒に遭い朝見果たさず。 英公使パークス参内謁見。（3月4日佛英蘭公使退京他の公使の謁見は11月22日） 天皇、三職へ蝦夷開拓を諮詢。 「切支丹邪宗門」禁制及び外国人に対する暴行禁止を布告。 対馬藩主宗義達を朝鮮通交事務取扱と為す。 幕府購入の軍艦ストーンウォール号横浜に入港、米公使中立を理由に之を抑留。（明治2年2月3日政府に引渡） 長崎裁判所、在留外国人雇傭の清国人の邦人に対する犯法は国律を以て処断に決す。
ベルリンで全獨逸関税会議開催。 邦人男女42名、米人ヴァン・リードの世話にて獨商社に雇はれグアム島に移住。 佛公使ウートレー横浜に着任。 神奈川裁判所、旧神奈川奉行所の外交事務を収む。
在長崎各国領事、耶蘇教徒弾圧を抗議す。 米人ヴァン・リード、我許可を待たず邦人労働者141名を雇い英船にて之を布哇に送る。 大阪東本願寺にて英公使パークス謁見、信任状提出。（明治新政府承認の始め） 米普両国公使より「切支丹邪宗門」禁制を抗議。 「切支丹邪宗門」を「切支丹」に改め依然として之が信仰を禁止。 宗義達、朝鮮との通交刷新を建議す。 佐賀藩と英国グロバー商会間に高島炭坑採掘契約成る。 浦上耶蘇教徒凡そ4000人を34藩に御預の旨達す。 官制改革により外国事務局を外国官と改称。
外国官知事　伊達宗城 政府、各国公使に局外中立廃止を求む。（11月4日更に要求、12月3日及び12月15日岩倉輔相直接各国公使と交渉す） 各国使臣、我兵士の横浜に入るを禁ぜんことを請求。 外国官の権限を定む。 東久世神奈川裁判所総督、江戸運上所にて幕府より11ヶ条約書を領受す。 政府、各国公使に外国人の新潟行禁止を求む。 耶蘇教徒の重なる者100余人を山口、福山、津和野3藩に分預を命ず。
各国使節神奈川裁判所に牒して横浜地内に外国兵を以てする番所の設置を要求。（27日之を許す） 米清バーリンゲーム条約成立。 大阪兵庫外国人居留地約定書成る。 蘭人スネル、私に武器の庄内藩への売渡を契約。 スペインに革命。 大阪開市場を改めて開港場となす。 マカオよりペルー一行中国人苦力42名を乗せし米国船籍カヤルテ号函館に入港、政府同船は航海に堪え得ざるものとして出航を禁ず。 幕府、佛國ソシエテ・ゼネラルよりの50万ドル借款を政府横浜港の関税を担保に英国東洋銀行に借りて（年利1割5分）返還す。 徳川亀之助、外交に関与せざる旨各国公使に通告。 普代理公使プラント、北獨逸連邦代理公使に任命せられたる旨通告。 榎本武揚、船艦8隻を率いて品川湾を脱出、佛士官ブリュネ等5名参加。 神戸居留地覚書交換。 政府、各国公使に榎本武揚の脱走を報じ援助せざらんことを請求。 神戸にて米商船水夫、邦人に暴行す。 米大統領にグラント当選。 政府、瑞典諾威國全権ポルスブルックと修好通商航海条約を調印。（新政府条約締結の始、明治2年5月1日実施） 西班牙と通商条約調印。（明治2年5月1日実施） グラッドストーン内閣成立。 幕府の遣欧特使徳川昭武（民部大輔）帰朝。 榎本武揚函館入港（11月4日）の英佛艦に新政府との紛議調停依頼の公文を交付。 米最初の大陸横断鉄道完成。 クレタ島問題に関しパリで会議。 新潟夷港開港及び東京鉄砲洲互市を開く。 伊公使ラ・ツール、佛公使ウートレー、蘭代理公使ポルスブルック東京城に参内国書捧呈。 英公使パークス、米公使ファルケンボルグ、獨代理公使ブラント参内東幸を賀す。 ジョンソン・クラレンド協定成立。 対馬藩家老樋口哲四郎等、新政府成立通告のため朝鮮に向け出発。（朝鮮受理せず） 東久世外国官副知事、条約改正の意向を各国公使に通告。（明治2年12月10日商議延期を通告） 米英佛蘭獨伊6国公使、局外中立廃止を布告。 日本獨逸北部連邦修好通商航海条約調印。（即日実施、9月11日批准交換）
銅輸出解禁に関し各国公使に照会。 幕府より江戸横浜間鉄道利権を付与せられたる米国人ボルトメン、鉄道敷設命令下付方新政府に願出。 条約改正の審議を外国官に命ず。 榎本武揚、私に蝦夷島総裁と称し蝦夷地七重村開墾条約を普人ゲルトネルと締結、七重村及び其近傍の荒地300万坪を99年間貸与す。（6月16日政府改めて貸与、明治3年12月10日開墾費6万2500ドルを与えて与収） ルクセンブルク鉄道問題で佛白紛争。
上海会審衙門章程成る。 議定岩倉具視、外国軍隊の駐屯及び治外法権に関し条約改訂を建議。 米人ポルトメンとの東京横浜間鉄道建設契約（慶應3年12月23日付）の廃棄を通告。 日本、朝鮮に反駁書提出。 佛公使館通訳官デュ・ブスケ横浜にて襲撃さる。 大坂開港規則を定む。（明治32年7月17日失効） 米人所有ペイホー号を青森にて官軍抑留す。（後米に返却し9月27日沈没、米賠償金を求む） 英伊佛米獨との生糸竝に茶�畧婆鷭馗完�。（実施に至らず） 政府、茶生糸�畧婆鷭颪亮損椡箚�を代償に下関償金の残額支払を三年延期方4国に要請。（明治3年2月6日4国承諾） 榎本等降伏し函館平定。 獨アイゼナッハで社会民主労働党成立。 露兵樺太凾泊を占領、我抗議に拘らず兵営陣地を構築。 外国官知事　澤宜嘉。 外交は独立自主を建前とすべきの朝旨を知藩事に諭し緩急国威を辱むることなきを期せしむ。 外務卿澤宜嘉、外国官を廃し外務省を設置。 三条右大臣、各国公使と悪二分金引換協定を為す。
英公使政府の会計を人民に了知せしめられ度旨申出。（各国公使も） 英国皇子エヂンバラ公横浜に来朝。（7月28日謁見、8月11日横浜発） ニューヨークに恐慌。 英公使パークス、樺太放棄を勧告。 外務大丞丸山作楽等、樺太に出張。（9月22日樺太着、明治3年4月22日帰京） 蝦夷を改め北海道と称す。 日本、朝鮮外交を宗氏から外務省に移管する。 監督正上野景範、労働者召還の為布哇國へ差遣。（9月28日横浜出発、11月25日ホノルル着、明治3年月25日帰朝） 政府、宗家に朝鮮への使節派遣取止方を指令。 日墺洪修好通商航海条約調印。（英公使の介在によりさらに特権を付与す。即日実施明治4年12月3日批准交換）
佛人モンブランを在パリ公務辨理職に任命。(明治2年10月28日罷免） スエズ運河開通。 米辨理公使デ・ロング信任状捧呈。 石炭輸出の件に付英米獨佛公使に照会。 鉄道建設資金100万ポンドの外債を英人レーと契約。（利率一割二分、担保全関税収入及び将来の鉄道収入） 米公使デ・ロング重ねて鉄道に関するポルトメン契約の履行を申出ず我無効を主張。
是月、朝鮮政府、王政復古を報ずる宗義達の書契を論難して返還す。 外務省出仕佐田白茅等を朝鮮に派遣。（12月7日横浜発、明治3年2月22日釜山に着し大政維新通知書に関し交渉するも朝鮮側受理せず） 各国に対し条約改正は条約所定の期日（明治5年7月1日）を待ち商議すべき旨通告。 ビスマルク、対華政策宣言。 各国公使三条右大臣等と会見、浦上村耶蘇教徒の各藩移送に関し抗議。 樺太凾泊にて丸山外務大丞等、露陸軍中佐デブレラドウィッチ等と日露関係調整の談判を為すも容易に決せず。 澤外務卿、米公使に米人ポルトメンとの江戸神奈川間鉄道敷設約定の破棄を通告、1月12日米公使抗議。 樺太凾泊にて露兵の埠頭工事を阻止せんとし川島外務権大録等6名、露兵に捕らわれる。（翌23日釈放される） 布哇出稼の邦人40名横浜に帰還す。 デ・ロング米公使に樺太国境問題に関し米国の斡旋を依頼す。（11月4日取止む） 政府、各国使臣に府藩県外債禁止を通告。 東京に外国人居留する規則附録を決定す。（明治32年7月17日失効） 佛、憲法修正案人民投票にて可決。 駐日獨代理公使ブラント、軍艦ヘルタに乗じ釜山に入港、日本人の同乗せるを朝鮮政府抗議。 丁抹特派使節ジュリアン・シック来朝。 天津に佛領事等虐殺事件。 鉄道建設資金借款に関する英人レイとの委任契約を解除し之をオリエンタルバンクに委託するに決す。 米国新関税法制定。 佛レオポルド、スペイン王位継承候補承諾。 普佛戦争始まる。 外務大丞柳原前光を通商商議の為清国に差遣。（8月9日長崎発、9月4日天津着） 天津騒擾に付、清国と他国と開戦の際は局外中立を執守すべき旨外務省に下命。 獨代理公使フォン・ブラント、普佛開戦を伝え日本の局外中立を要請。（7月28日佛公使も） 普佛交戦に付局外中立を布告。（8月29日改正公布） 新潟外国人墓地約定書調印。 セダン陥落。 販売鴉片烟律及び鴉片取扱規則を定め、之を各港在住の清国人に告示。
フランス、共和国を宣言。 清国人我童兒を騙買するに付令して厳に之を売与するを禁ず。 澤外務卿、丁抹使節ジュリアン・シックと同国電信会社をして海底電線を敷設せしむることを協定す。 伊國、法王領を併合、12月ローマを首都とす。 米前国務長官セワード参内。 外務権少丞吉岡弘毅等を朝鮮に差遣。（10月12日長崎発、11月3日釜山着、外務卿の書翰を通ぜんとして拒絶さる。） 清国王大臣、日清両国は改めて条約締結の要なき旨外務卿へ書簡。（21日柳原特使天津にて接受） 日本、再び朝鮮に国交回復を求める。（宗氏を通さず直接出した最初の国書） 澤外務卿、英佛公使と会し両国の横浜駐屯軍隊の撤退を要求、爾後之に付度々接衝。 外務省、大中少辨務使を置く。外務大丞鮫島尚信を少辨務使となし、英佛獨派遣佛國に駐在せしむ。 森有禮を少辨務使となし米国に駐箚。
大蔵少輔伊藤博文を米国に差遣。 函館外国人墳墓地証書を議定す。（明治32年7月17日失効） パリ砲撃開始。 黒田開拓次官を欧州へ差遣。（明治4年6月7日帰朝） 神田にて大学南校英人教師傷けらる。 黒海問題に関しロンドン会議。 普王ウィルヘルム一世、獨皇帝就任。 英人傷害事件に関し列国公使、卒族の帯刀制限を申出。 普人ゲルトネルに6万2千余ドルを交付して七重村付近の地所を回収。 普佛仮平和条約成立。 陸軍少将・桐野利秋、ロシア南侵への備えのため北海道を視察。 パリコミューンの革命、5月28日鎮圧さる。 獨、帝国憲法発布。 函館港内経界竝目標規則を定む。（明治32年7月17日失効） 外務省、朝鮮派遣中の吉岡権少丞に米国の朝鮮派艦に関し米とは友親の誼缺く能わずと傍観方を訓令。 我グアム島出稼人中4名、英国船にて帰国、3月15日外務省残留出稼人召還を上申。 ロシア、伊犁クルジヤを占領。 獨代理公使プラント参内、プロシア国王獨逸皇帝の称号を加えたる旨の国書を捧呈す。 米英間にワシントン条約成立。 ビスマルク、獨宰相となる。 長崎に集合せる米アジア艦隊、駐清ロウ公使引率にて朝鮮向出発。 釜山草梁倭館にて吉岡外務権少丞初めて訓導安東�修伐颪后� 英公使パークス帰国につき謁見。 ロウ公使引率の米艦隊陸戦隊朝鮮広城堡を攻撃占領。 大蔵卿伊達宗城を欽差全権大臣と為し清国に差遣、修好条約の締結に当たらしむ。（5月7日出発、6月7日天津着、9月19日帰朝） 横浜山手公園の地券を定む。（明治32年7月17日失効） 日清攻守同盟締結の風説は無根なる旨外務省声明。 参議副島種臣を露国ポシェット湾に差遣樺太境界を協議せしむ。（5月24日出発函館にて露国領事と交渉し談判延期7月22日帰京）
各国公使に条約改訂の意向を通告。 澤外務卿、英佛公使に横浜駐屯兵引揚を要求、11月5日英公使拒絶。 佛仮憲法成立、ティエール大統領となる。 大日本布哇國条約書調印。（7月4日批准、実施）相互に最恵国待遇を認む。 外務卿、岩倉具視。 丁抹電信会社、長崎浦潮間・長崎上海間の海底電線完成の旨通告。 大日本国大清国修好条規竝通商章程各海関税則調印（明治6年4月30日批准交換を了す）、第二条問題化す。
宗重正（旧対馬藩主）を外務大丞に任じ、8月5日朝鮮へ出張を命ず。
東京にて佛脱走水夫、我漁夫を殺害。（9月21日犯人処罰） 日布修好通商条約締結。 右大臣岩倉具視を特命全権大使、参議木戸考允、大蔵卿大久保利通、工部大輔伊藤博文、外務少輔山口尚芳を同副使となし欧米に差遣。（11月12日横浜発、明治6年9月13日帰朝復命） 政府、各国公使に明治5年5月26日を期日とする安政条約の改正商議を岩倉大使等帰朝まで延期方通告。 外務卿、副島種臣。 琉球人台湾蕃地に漂到54名殺害さる。 豊明節会に関し各国公使竝に御雇外国人に饗饌。 スペインにドン・カルロスの乱。 英、南阿黄金海岸を獲得。 英臨時代理公使島原耶蘇教徒虐待を抗議。 米海軍・ジョージ・ゴードン・ミード少将、サモア諸島ツツイラ島パゴ・パゴ港を米海軍根拠地とすることを企てる。
米陸軍長官、ホノルル港を軍事目的での調査を指示。
日本、宗氏と朝鮮の関係を断絶させ交渉は政府によって行うとする。
陸軍中佐・北村重頼、陸軍少佐・別府晋介、朝鮮を巡視。
池上四郎と武市正幹を兵要地誌、政治経済、風俗の視察の為満洲へ派遣。 鹿児島県より奈良原幸五郎、伊地知貞馨を琉球に派遣。（1月15日琉球着、1月25日攝政三司官に内地の変革を告げ島治の改革を促す） 樺太釜泊にて露人、邦人3名を殺害す。 条約改修交渉の為外務大丞柳原前光を少辨務使を兼ねしめ清国へ差遣。（3月29日天津着） 岩倉大使等米大統領グラントに謁見す。 米国務長官フィッシュ、岩倉大使に日清同盟問題に関し質問。 諸藩御預の耶蘇教徒中悔悟の者赦免を布告。 大久保・伊藤両副使全権委任状要求のため華府出発。（3月24日帰朝、5月27日横浜発、6月17日華府着） 兵庫神戸外国居留地内墓地約定地券書を定む。（明治32年7月17日失効） 獨政府、法王と抗争。 露代理公使ビューツォフ、横浜到着を通告。（5月15日参内）副島外務卿と樺太談判開始。 朝鮮襲撃を企てし丸山作楽等禁獄に処さる。 外務大輔寺島宗則を大辨務使と為し英国に駐箚。 政府、岩倉大使等に条約改正交渉の全権委任状を交付。 大蔵大輔井上馨、琉球の版籍併合を建議。 ペルー國風帆船マリア・ルース号、清人苦力230名を載せ横浜に寄港す。 岩倉大使対米条約改正交渉の中止をフィシュ国務長官に通告。 米、英両代理公使、マリア・ルース号乗船苦力の虐待に対し糺明方を副島外務卿に申出。 副島外務卿、大江神奈川県参事にマリア・ルース号取調を命ず。 ハーグで第一インター第五回大会。（最後の大会） ベルリンで獨墺露の三帝会見。 政府、外人護衛の別手組を廃す。 外務大丞花房義質等を朝鮮に差遣。（9月16日草梁倭館を接収） マリア・ルース号乗船の清国苦力229人を清使節へ引渡。 琉球正使尚健参朝、尚泰を琉球藩王となし華族に列す。 米公使、琉球合併に際し米国琉球間の条約に関し照会。10月5日副島外務卿、維持尊行の意向を回答。 政府、琉球藩と各国との交際事務は今後外務省の管理たるべき旨沙汰。
外務出伊地知貞馨を琉球在勤となす。 露国親王アレキシス来朝。（17日朝見、10月28日横浜発） 大中少辨務使等を廃止し、特命全権公使、辨理公使、代理公使、書記官を新置。（寺島（英）を特命全権公使、鮫島（佛）を辨理公使、森（米）を代理公使となす） 岩倉大使、英外相グランヴィルと条約改正に関し会談。（10月27日、11月6日更に会談） 岩倉大使、英国女王に謁見す。 太陰暦を廃し太陽暦採用を各国公使に通告。（12月3日を6年1月1日とす） 岩倉大使等佛國大統領に謁見す。