日本の歴史年表

普告　慶應四年一月二十五日
日本国中にて

御門陛下と大君の間に戦闘の起れる趣公法ありしに因り米国臣民等偏頗なき中立を固守する法を設けん事を欲し其臣等に普告するは
軍艦或は兵糧運送船を売却し或は賃貸し兵器弾薬を売り兵卒兵士軍務に関る書状または兵士を運輸する等都て戦争に関する事を右對敵双方の孰れへにても
務むるを此戦闘に乗し志すの所業は万国公法に基き右中立の法を破るものとし仇敵の所為とすへし。
右双方の内一方に奉職するものは軍律に服従すへし又中立を破る所の船並其他運送を助くるものは取押へ入宦すへし且右の法は中立の人に属する荷物迄押及ほすへし。
右中立を破るものは人船共米国政府の保護を失ひ米国と日本間の条約にて許されある正理を失ふへし。

在日本米国のミニストルレジテント
　　　　　　　　　ファンフアルケンボルク
千八百六十八年第二月十八日於兵庫