kagemiya@ふたば - アレイスター・クロウリー(騎)
【元ネタ】史実
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】アレイスター・クロウリー
【性別】女性(本来は男性)
【身長・体重】150cm・42kg
【肌色】白磁 【髪色】プラチナブロンド 【瞳色】薄翡翠
【スリーサイズ】83(E)/56/82
【外見・容姿】より煌びやかな真紅のドレスに身を包んだ赤王
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力:D 耐久:D 敏捷:E 魔力:B+ 幸運:D 宝具:A+
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 魔人化によりランクアップしている。

騎乗:A
 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。
 “夜の淑女”として男性への騎乗にも長ける。

【保有スキル】
魔術:A+
 主に錬金術、カバラ、数秘術、降霊術に長じる。
 天使の創造により、別体系の魔術すら極近似のものにて完全再現が可能。
 ただしあくまでも近代の魔術師である為、質に関しては神代に劣りがち。

高速分割思考:B-
 思考を整理・加速するスキル。
 疑似的な未来視すら行えるが、精度は情報量に大きく左右される。

天使作成:A+
 曖昧な魔力を形にする“力の器”の構築。
 信仰が皆無なままに、形成した名へ力ある意味を持たせることが可能。
 魔術の完成速度と対応力を大幅に引き上げる希少技能である。
 ────ライダーは『天使アイワス』の概念を創造した。


【宝具】
『濫觴聖典(リベル=エル)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:−
 “汝の意志するところをなせ、それが法の全てとならん”。
 ────根源よりのメッセージ。それを記した書の唯一なるオリジナル。
 端的に言えば根源による“招来”であり、世界の外より求められたという証である。
 ライダーの場合、異質な起源覚醒による自己の純化こそが最たる近道とされた。
 よってこの宝具には、その方法が事細かに記述されている。

『外典・獣末母胎(マター・エト・セリオン)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
 “われ、真実の力によりて生きながらに万象に打ち克てり”。
 ────緋水聖娼ババロン。大淫婦を起源とする『大いなる獣』への転身。
 他者へ咬み付き血を啜り、それを媒介に“起源”を抽出する──という力を持つ魔人の姿。
 不要な全要素は排され塵に。対象の本質は、子宮に位置する“偽の聖杯”へと取り込まれる。
 その胎こそが真理への道。而して母胎に還りし者は、高次への昇華が約束されるのだ。

 本来は他者を母胎に変えライダー自身が元始体へと還る手段であるのだが、
 自己のみの救済を良しとせん“彼”は自らをこそ獣と変え、法の教えを布教した。

【Weapon】
『災禍孕む半転身(ト・メガ・テリオン)』
 ライダーが跨る七つ首の魔獣。転身して反転した半身。
 『黙示録の獣』の超劣化複製であり、一般には『大いなる獣』の名で知られる。
 ライダーとの一体化を行うことで、その全ステータスを1ランク上昇させることが可能。
 ──かの聖娼は、跨りし獣と“結合”する手綱を持つのだという。(聖娼=獣の暗喩)

『即席筺体Aiwass』
 力の器。天使とは近代/現代魔術世界において、名の借用による魔力の安定化を意味する。
 ライダーはアイワスなる天使を存在するものと仮定・設定したのち器として利用した。
 無名の天使に即興で大規模な信仰を与えたという異常性にこそ、彼が呼びかけられた
 理由があったのかもしれない。

『起源標本-CCXX』
 セレマ布教の結果。起源そのものと化した人間の残骸蒐集匣。“偽の聖杯”の仮名。
 ライダーによる起源覚醒は非常に極端なものであり、起源以外の全要素を削ぎ落とすのだという。
 故に徒人(ただひと)が対象であれば、それは純粋な“現象”にしか変じ得ないのである。
 つまるところ彼本人のみに適した手段でしかなく、当然ながらその方法では他者の根源到達など成功しなかった。
 しかしライダーはこれこそが正攻法だと信じ、「どうしようもなく救われない者」に対してのみ
 宝具による吸血を実行する。


【解説】
僅か一代にて大成した偉大なる魔術師。
……にして、「詩人でボクサーで登山家でK2も無酸素踏破した」という奇特極まる経歴を持つ人物。
世界を渡り歩き様々な神秘・魔術体系に触れ、しかしその常軌を逸した行動の数々から
当時のマスコミの格好の餌食となり、数多の悪評を受けた。

クロウリーの逸話でも最も有名であろう『法の書』は彼が創設したという魔術結社『銀の星/A∴A∴』の
聖典であり、「宗教における神という拘束より解き放たれ、自らの真の意志を明確にせよ」という
「“奴隷的な怠惰”の打破」を説いている。


【補足】
このクロウリーの設定は「真の意志=起源」という解釈から成り立っている。
「元始へ還る」というテーマから根源にも話を絡め、結果「法の書は根源よりのメッセージ」というやたら壮大な設定が生えた。
とはいえそれを十全に成すことはなく、むしろ布教によって自らの根源到達を放棄しているので無意味極まりないのだが。
……或いは“布教”という考え方こそが、抑止の妨害による産物だったのかもしれない。

サーヴァントとしては万能じみた魔術と蒐集した概念(起源)を武器として扱えるという程度。
設定こそ多いが法の書はお飾りだし獣もちょっとした騎乗物に過ぎない。
起源化は問答無用でガワを剥ぐえげつなさを持つが、この近接ステで上級サーヴァント相手にそんな隙を突くなど不可能に近いだろう。
総評としては「高位の万能型キャスター」。技術として見るなら天使作成だけは神域のそれなので、
伝授さえ出来れば化けるかもしれない。
もっとも、この俗世にまみれたクソ魔術師が真っ当に教鞭を取るか否かという時点で難易度は非常に高いのだが。

第二宝具は要するに「他者起源化能力を持つ赤王ボディへの変身」といったもの。
「美女に変身し弟子を誘惑した」という逸話より後天TS属性が生えた。ざっくり言えば「目つきの悪い赤王」。
赤王→大淫婦(赤王オルタ?)→それの模倣の聖娼→ネロ顔。オルタ系列の模倣なので色素がやや薄い。
なおこの宝具は常時発動……というか最早完全に定着している為、これの解除は誰にも(彼自身にすら)できない。
“獣を駆る者(ライダー)”として召喚されたことが原因と思われる。万に一つも無いような何かの間違いで解除された場合、
クラスにすら影響が生じるだろう。


【人物】
働くということを全く知らず、更に欲望は常に満たされているべきと考える俗物。
金は貢がれるだけのもの。愛人は「毎朝届けられる牛乳」の如く、そこに在って当然なもの。
「オレ様は偉大な魔術師だぞ? あくせく汗を流すくらいなら死を選ぶっての!」と素面で言うくらいには尊大極まる俗物。

そしてその上で、人類救済を目的に生きた聖者。
曰く、「大望を成してこその大賢者。そしてオレには、それに見合うだけの使命が与えられた! と来りゃあ応えるのが筋だよなァ」。
……正確には、度を過ぎた協会嫌悪による“神の教えの否定”からくる(クロウリーにとっての)正義的行為なのだがそこはそれ、
どちらにせよその為だけに生涯を費やしたのだから結果的には聖者と言ってもあまり間違いはないだろうたぶん。

────『最終手段が破綻している』ということを除けば、だが。
……自己中心的が過ぎる部分に目を瞑れば、クロウリーはさして害のあるサーヴァントではない。むしろ、曲がりなりにも
“誰かを救う”ことを正しき行いと考え・そして実行している辺り、大局的に見れば善人とすら言えるだろう。
しかし唯一、原始変換母胎の機能を取り違えたことが、致命的に間違っていた。

確かにこれで己が外殻を剥げば、彼は根源へと至れただろう。
しかし自身以外に使用しても無意味だということに、彼はついぞ気付けなかったのだ。

それは狂信とも悪意とも違う、ただただ単純な“見落とし”。
その食い違いは、極めてシンプルに────間が、悪かった。

 ◆

もしこの“ミス”が真実だと明かされれば彼は動揺し、現実を認めたくないかの如く子供のように癇癪を起こすだろう。
間違いを見つけられなかった魔術師としての羞恥に襲われ、プライドは砕け散り、そして何より、歪みきっていようと
“誰かを救っていた”ハズの行為が“ただの殺し”であったと突き付けられるのだから。
ただし根源へ連なる現象の一端である以上、クロウリーのそれを上回る精度での解析は困難極まる。
根源が身近だったという神代の魔術師なら或いは。
なおギャグパートでの指摘なら噴火させずに済むが、それはそれでいっぱい落ち込む。

一人称は「オレ」もしくは「オレ様」。口調は荒い男性のもの。
本性を見せては失望されかねないということは学習しているので、初対面の人物相手には
“淫蕩な美女”といった雰囲気の態度で接することがある。ホモ寄りのバイなので実質ノーマルと言えなくもないと思う。

魔術結社とは言うがやってることは教会への敵対────つまり同じく“宗教的な集い”による反抗である為、
勧誘の言葉にはやや胡散臭い響きがある。騙して無理やり加入させることも珍しくない。
また教会だけでなく協会も嫌っている。曰く「神秘の秘匿ゥ? 知るかよオレ様の崇高な使命の邪魔立てすんじゃねぇッ!(中指を立てながら)」。


【因縁キャラ】
・聖人系サーヴァント
「ぺっ、ぺっ、ぺーっ! ンの堅ッ苦しい連中を近寄らせんなっつっただろ!? 塩撒いとけ塩!」
「ったく、なーにが神の教えだ。命ある者の欲望──生きる為の本能を否定して正しいも何もネェだろ。なあ?」
※真っ当に物申したい部分もあるにはあるが半ば自分本位な詭弁

並行世界の自分
「ちっちぇえな。今のオレのチンコよりもずーっとちっちぇえ」
「そんなんだから余裕が無ェんだ。もっとオレ様を見習えよ」
※なお、真実を直面した場合はこちらもこちらで……

ジェームズ・フレイザー
「ケッ、つまんねえ理由だなぁ。そんなイイ体に変えたんなら有効活用しろっての」
「……っつーわけでぇオレ様直々にぃ体験学習させてや──ぐへえ!?」

クロイソス
「……ほお。こいつァ良い具合のカモげふんカッコイイお兄さんだね☆」
「ねえねえ、私ぃ、アナタとイイことしたいなぁーって♡ ……ダメぇ?」

ガイウス・スエトニウス・パウリヌス
「……すげぇ複雑そうなツラで睨まれてんだが、オレなんかしたかな」


【コメント】
ガワが赤王だから丹下だろ? 元男だろ? 魔術師だろ?
こうなるよね。

基本的には正統派キャスター枠だったりBUZAMA枠だったり。
一応ヒロインや相棒も出来ないことはないが間違った理想にひたむきに走り続けているところを突き落とすのが一番可愛いと思う。
格下もいいところなド素人魔術師マスターに縋ったりするととても良いと思う。
うすら笑いを顔に貼り付けたままぽろぽろ泣くところも見たい。
そんなこんなで発狂したまま討伐されるのもアリだけど、味方陣営なら最終的に立ち直る方が好きです。

『狂気に陥った聖者』というキャラ造形にしなかったのは俗っぽさを失わせないため。
教会嫌悪が全ての発端だし、正義的行為(主観)の理由も、「どうせだから」程度のぼんやりとした人並みの善意によるもの。
狂う覚悟を決められる程の達観はしていない。人の視点のまま“天使”の領域に至ったことがクロウリーという人物の魅力であると考えた。
だから増長する。絶望もする。嬉しそうに微笑むし、情けなく喚き散らしもする。
魔術師として大成していながら、その感性はひどく人間らしいのだ。

その上で根源を求めたのは、皆をそこに至らすことが出来るという確信があったから。
(無論、自身の才能の誇示という理由も大いに含まれているが)
自分一人で“あちら側”に行くのでないのなら、うつし世を捨てる選択にはなりえない。
そのはずだったのだ。