英雄としての認識、信仰そのものである“
キング・アーサー”の概念が、少女の中にあった希望を元として形を得たもの。
その姿はまさに理想の王子様然とした物である。
鮮やかな金髪、優しげな碧眼、清廉潔白なる白い肌。
疑うを知らず、憎むを知らず、怒るを知らず。
ただただ少女の為に命を掛ける、純真無垢なる救世主。
希望の少年王、雷光のアーサー・ペンドラゴン――それが彼に与えられた役割、そして願いである。
一応“アーサー王伝説のアーサー王”である為、保有する記憶はそれに準じたもの。
しかし少女の中の“アーサー王伝説”は知識や記憶に多大な偏重・摩耗が見られ、希望王にもその影響が現れている。
円卓の騎士はあくまで彼に仕えた無数の騎士達の一人に過ぎず、導きの魔術師マーリンが示したアドバイスはアーサー王自身が閃いた物となり、妻グネヴィアはその存在を僅かに示されるだけ、そもそも登場すらしない人物のほうが多く、カムランの戦いに至ってはその発端すら起こりもせずにブリテンは“いつまでも末永く栄えました”と締めくくられる――。
幸せで捻りのない勧善懲悪、温かくて愚直な救いの物語。
それが希望王の元となった“アーサー王伝説”であり、絶望の中の少女が縋った“アーサー王伝説”なのだ。
個人としての性格は明るく、優しく、真っ直ぐに正義のため戦う、童話のヒーロー的なもの。
彼の信じる正義とは“希望”を守ることであり、また、虐げられる弱者を救うこと。
小さな肉体に、不屈の精神と無限の勇気を宿し、戦い続ける高潔の騎士である。
時おり“騎士王”らしい思慮深さを見せる――が、流石に常にヒーロー然とはしていられない。
傷つきもするし、疲れもするし、時々は思いっきり遊びたい。
数少ない安息の一時に彼が見せる顔は、少年らしい茶目っ気とわがままに満ちたものである。
しかし、少女に対しては常時少年らしからぬ庇護欲を持ち、共依存に近い関係にある。
これは形成されるにあたって参照されたイメージの中に、少女の失った両親への思いが無意識下で混入した為である。
少女はアーサーに己が“救世主”と、唯一残された“家族”という役割を託したのだ。
イメージカラー:蒼、金
特技:希望
好きなもの:少女、平和、美味しいご飯
嫌いなもの:悪、弱者を虐げるもの、マスターを害するもの
天敵:絶望
願い:マスターの希望を叶えること