グリムス・メルヘン:編纂した童話の集合体。『原典』の性質を色濃く残す彼女をハッピーエンドに書き換えたいと、ヴィルヘルムは思っている。
そっちの方が有名なので仕方がないが、シンデレラ要素がペロー版なのがちょっとママ悲しいかなーと思ったりしている。(ヴィルヘルム)
せめてパパだろう、とヤーコプが指摘する。
赤頭巾:編纂した物語のひとつ。ハッピーエンドを迎えられそうでとても嬉しい。出会ったら我が子のように可愛がるかもしれない。
シンデレラ・ストーリー:編纂した物語のひとつ。
自身と同じく他人をハッピーエンドへと導く存在であり、気に入っている。
とはいえ、マスターの理想を叶えるそれが万人にとってのハッピーエンドだとは限らないのだが。
泥新宿のアサシン:編纂した物語のひとつ――と、別の概念が融合している存在。
ルートヴィヒの在り方は彼女らの幻霊合体と似通っており、これを参考にしている可能性がある。
「夢の中」をこそ至高と考える彼女が、現実に幸せを見出せるようになることを願っている。
長靴を履いた猫:実は初版で「靴履き猫」の題名で収集しているが、第2版で削除された物語。内容的に差異がないほどペロー版のそれと似ていたため、削除され差し替えられた。
一度は収集した物語であるため、気にかけている。ハッピーエンドを愛する気持ちから、気は合うと思われる。
殺生院キアラ:ヴィルヘルムの天敵。書き換えなければならない! 検閲!検閲です!
アンデルセン:生前から交流がある相手。ヴィルヘルムは彼のファンでもある。
リチャード・フランシス・バートン:ヴィルヘルムとは十中八九水と油、相容れない相手。
物語の改竄に乗り気でないヤーコプともあまりそりが合わないかもしれない。
白雪姫(讐):編纂した物語のひとつ。その元ネタとされる女性の一人。
「いえいえまさか。僕たちがこの話をマリーおばさんから聞いた頃には、既に白雪姫は『こう』でしたから……言いがかりですよ。
それに白雪姫が本当に実在の人物を元にした話なのかは、怪しいものがありますよね。後世の人間が勝手にこじつけたってパターンは少なくないでしょう。
もっとも、そういう
無辜の怪物を背負っていくのは、僕たちに課せられた使命でもありますが」
「とはいえ、あながち的を外した指摘ではありません。たとえ白雪姫があなたそのままのキャラクターで伝わってきたとしても……私はやっぱり、
あなたが言うところの『いまいちおつむの優れない少女』にしたでしょうから。……いえいえ、嫌がらせとか上流階級への嫉妬とか、女性への偏見とかそういうわけではなく。
白雪姫は、愚かだからこそ幸せになれたんですよ。みすみす三度も騙されるような弱さがあったからこそ、小人たちを味方につけ、王子様の愛を独占できたんです」
ちなみに彼らとしては誰かを元ネタにしたという意識は全くないらしい。(作者ではなく編纂者なので当たり前だが)強いて言うなら元ネタはマリーおばさんから聞いた話。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・宗教・事件その他諸々などとは一切関係ありません。どこか似てたとしてもたまたま偶然です。他人の空似です。
ヴィルヘルム「そもそも白雪姫の元ネタは実在の人物だとかヨーロッパで私たちやペローよりも前に民話集作ったバジーレの『奴隷娘』だとか、そもそもそれが地中海地方に伝わってた物語だとか、諸説あるからわたしたちとしては『白雪姫は白雪姫だよ』としか言えないんだよね。共通点があったとしてもやっぱり『白雪姫』とは違ってくるし。全部の童話に言えることだけどね」
なでしこの姫:TSしたなでしこの王子。TS仲間?
ヤーコプ「実を言うとキツい……。でもこちらの姿の方が生存率が上がりそうだからな……」
ヴィルヘルム「結構楽しいよー? 生前じゃあ絶対できなかったからね!」
リヨン・ルージュ:自分たちより先に童話や民話を収集した人物。先駆者。
ただでさえ同じ作品の収録が多いのに、女性化するという発想まで同じなのには驚きを禁じ得ない。
「ユーチューバー化かあ……。その発想は……まぁ、なくはなかったけど、やろうとまでは決意しなかったなあ」
物語をそのまま残すことを良しとするヤーコプとも、ハッピーエンドこそを目的とするヴィルヘルムとも異なる思想。
まあ、作家系サーヴァントに完全に同じ思想の奴なんて一人もいないのだが。(作家じゃないけど)