kagemiya@ふたば - グリム姉妹

基本情報

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】ヤーコプ・ルートヴィヒ/ヴィルヘルミナ・カール/ルートヴィッヒ・エミール・グリム
【異名・別名・表記揺れ】グリム姉妹
【性別】女?
【身長・体重】140、130・35、30kg
【肌色】白人 【髪色】金髪 【瞳色】赤
【スリーサイズ】
【外見・容姿】メルヘンチックな服を着た幼女たち
【地域】ドイツ
【年代】18〜19世紀
【属性】中立・善
【天地人属性】人
【その他属性】人型・物語
【ステータス】筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:B 幸運:E 宝具:EX

【クラス別スキル】

陣地作成:C

作家として、書斎を作成することが出来る。

道具作成:B

魔力を帯びた道具を作成する。
宝具の応用による作成が可能であるほか、
ヴィルヘルミナはルーン魔術を研究しているため真っ当な作成も可能。

【保有スキル】

編纂:A+

物語を改変・蒐集する能力。
兄のヤーコプが物語を蒐集し、
弟のヴィルヘルムが物語を改変する。
英霊の物語を改変することで能力を変化させることが可能。
神話や民話など物語で語られるサーヴァントに対して効果が大きく、
史実など物語性の小さいサーヴァントには効きにくい。

コンビネーション:C

特定の人間と共闘する際に、どれだけ戦闘力が向上するかを示すスキル。
作家であるキャスターの場合協力して物語を編集する際の効率・出来の良さに恩恵がある。

無辜の怪物(改訂済):EX

人の意思や姿とは関係なく、
風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を表すスキル。
グリム姉妹の場合は“読者の呪い”である。
彼らの肉体は彼らの蒐集した物語に浸食されている――のだが。
彼ら――正確にはヴィルヘルムはそれを利用した。
自らを侵食する物語性を改造し、自らの霊基を改造した。

ルーン魔術:D

特殊な文字を刻むことによって発動する、魔術体系。
キャスターの場合、北欧のそれではなくゲルマンのもの。
ヴィルヘルミナは兄との共同研究と並行して、ルーン文字の研究も行っていた。

【宝具】

よい子の為の物語集キンター・ウント・ハウスメルヒェン

ランク:C 種別:対物語宝具 レンジ:1 最大捕捉:―
グリム童話集。グリム兄弟が編纂した物語を纏めた本。
『編纂』スキルで蒐集・改変した物語が自動的に保存される。
この宝具に保存された宝具を限定的に行使することが出来、
また、この宝具に保存された英霊を性能を大きく落として召喚することが出来る。

この宝具に保存された物語は何度でも改訂が可能であり、
改訂を繰り返して新版の『よい子の為の物語集』を出版する度に、保存された物語は『グリム童話』として認識されていくようになり、
召喚される宝具・英霊の性能・精度が高くなっていき、『グリム兄弟自身の宝具』となっていく。

いつまでも幸せに暮らしましたとさメルヒェンチック・ハッピーエンド

ランク:EX 種別:対物語宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
原典において凄惨な内容だったり、悲劇的な結末を迎えたグリム童話を、ハッピーエンドの形に改訂した逸話の具現。
『よい子の為の物語集』に保存した対象に『ハッピーエンド』スキルが自動的に付与される。
改訂が進み、『グリム童話』としての性質が強まるにつれてハッピーエンドのランクも高くなる。

『結末』を改竄する宝具。ハッピーエンドスキルが付与された(もしくはもともと保有している)対象に対して、
二種類の『結末の改竄』を行える。

一つ目は英霊の物語に対する結末の改竄。すなわち、生前──もしくは神話、物語上の活躍に対する結末の改竄である。
たとえば「勇猛に戦ったが、最後は毒を盛られて死んだ騎士」という英雄がいたとする。
サーヴァントの死因はそのまま弱点に直結するため、その英雄が竜を殺せようと神に勝とうと、
毒にだけは弱くなってしまう。毒さえあれば無名の殺人鬼にさえ殺されてしまうだろう。
しかし、この宝具はそんな結末を、たとえば「騎士は毒を盛られ、眠るように死んだと思われたが、
最愛の女の口づけを受けると、奇跡が起きたのか、騎士は大きくせき込み、目を覚ました」といったように改変してしまう。
そうなると、「毒で死んだ」逸話は「毒を受けるも、愛の奇跡で蘇った」逸話へと変化し、
毒が弱点という呪いは毒に対しては無敵という祝福に反転すらする。
「挟んでおいたよ。君は毒を飲んだが、死ななかった」
と彼らが言うかは定かではないが、ともかく弱点がスキルや宝具に反転するほどの改変を行える。この応用が編纂スキルによる英霊改造である。
ただし、この改変が有効なのは聖杯戦争中に召喚されている間のみ。別の聖杯戦争に再召喚されればリセットされる。

二つ目は聖杯戦争という物語に対する結末の改竄。すなわち、召喚されたその英雄の聖杯戦争での活躍を、物語とみなし結末を改竄する。
聖杯戦争で死亡する、愛する者を殺してしまう、など──いわゆる「バッドエンド」と認識される結末に陥った際、
その結末を改変し、ハッピーエンドに変更することができる。
ただし、伏線を張り、物語の展開上無理のない改変しか行えない。
たとえば怪物に食べられて死んだ、という結末を改変するなら、まずは猟師などを用意し、怪物を原型を保ったまま討伐させ、
怪物の腹を解剖させ、「まだ消化されず生き残っていた」というようにしなければならない。

加えて、この宝具は一度の召喚について一人だけ、人間に対してもハッピーエンドスキルの付与を可能とする。
多くの場合、その対象はマスターとなる。マスターの聖杯戦争での歩みを物語と認識し、収集することができる。
そして、一度だけ、その人間の物語の結末を改変することができる。たとえ死のうと、たった一度だけの奇跡が約束される。
ただし、より強い奇跡を起こすためには、より長くその人間の物語の観察をする必要があるし、
やはり物語上無理のある展開は起こせない。ご都合主義は起こせようとも、展開ですらない荒唐無稽な奇跡は起こらない。

よい子の為の物語集・再版キンター・ウント・ハウスメルヒェン

ランク:EX 種別:対物語宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
上記二つの宝具の応用、あるいは隠された真の機能。
グリム童話集が、彼らの生前改訂され続け、第7版まで出版されたことに由来する宝具。
グリム姉妹が召喚されてから現在までの状況を、ひとつの物語と認識し、それを最初から書き直すことができる。
すなわち、時間を戻すことができる。究極の、とまでは行かずとも、強力なリセット宝具である。
戻せるのはグリム童話集が再版されたのと同じ、六回まで。六回目の再版を行い、第7版になるとリセットは行えなくなる。
当然、この宝具で時間を巻き戻せば、「一度だけ人間に対して結末の改変を行える」上記宝具の回数制限もリセットされる。
しかし、上記宝具で収集・改変した物語はそのまま残る。


【Weapon】

武器名ふりがな


【解説】

ヤーコプ・ルートヴィヒ・カール・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム。
三大童話作家の一組、『グリム童話』の編纂者。
病弱な弟ヴィルヘルムと、政治的に活躍した兄ヤーコプとで、お互いを補い合って活躍した。
言語学、民俗学、比較神話学、文献学など様々な研究に携わったが、中でも彼らの名を有名にしたのは
「ドイツ語辞典」と「グリム童話」――正式タイトルを「子供たちと家庭の童話」である。
ドイツ語辞典はルターからゲーテに至るまでの著作から集めてきた近代高地ドイツ語の語彙のすべてを網羅しようとするものであり、
そのあまりの膨大さから彼らの死後100年後に完成したほどである。
「子供たちと家庭の童話」は、彼らが収集したドイツ周辺の民話を纏めたものであり、
それまでのメルヒェン集が脚色を多くして長い作品にしていたのに対し、グリム童話は比較的口承の形を保っていた。
(それでも加筆修正はした)しかし子供向けでない、飾り気がないなどの批判を受け、以降の版ではそれらの点において改善を試みられている。
風景描写や心理描写、会話文を増やし、過度にグロテスク、性的な描写を削除し、いくつかの民話は童話集から削除した。
このような過程を経て、「グリム童話」は口承文芸の収集から兄弟の創作童話に近づいて行った。
初期においては兄ヤーコプが主に民話の収集を、弟ヴィルヘルムが改変を担当していた。
そして、彼ら二人の知名度が高すぎて陰に隠れてはいたものの、そのグリム童話初版に挿絵を描いたのが三男のルートヴィッヒ・エミール・グリムである。

さて、彼らは言うまでもなく史実においては男性であり、実際に男性だった。
にも拘わらず女性の姿で現界するのはなぜか。
それは次男ヴィルヘルムの物語改変能力によるものである。童話作家である彼らは、
アンデルセンと同じく読者の呪いによる無辜の怪物を受けている。現実を、物語へのイメージで歪めてしまうこのスキルの影響を受ける彼らは、
史実であると同時に物語であるに等しく、故に編纂スキルによる改訂が容易に可能となっている。
これにより、霊基を女性の姿に変えているのだ。
理由は彼らが有名人であり、サーヴァントとしては非常に弱いからである。
元の姿では真名が知られる可能性が高い上、編集者である彼らの戦闘力などたかが知れている。
故に、女性の姿となって真名を誤魔化しているのだ。三人の幼女をグリム兄弟であると見抜ける者はそう多くあるまい。
そのアドバンテージを利用し、敵サーヴァントの情報を集め、物語の編集を進めるのが彼らの基本戦術である。

【人物・性格】

長男ヤーコプは真面目であり、収集した物語を改訂することには乗り気でなかったため、
元の男性としての性質を強く残しており、『女性の姿をした男』であり、言葉がぎこちなくなったりする。

対してヴィルヘルムはノリノリである。女性名のヴィルヘルミナを名乗る程度にはノリノリであり、
女の子として振舞う。気分は童話の世界のお姫様である。ノリノリすぎる。所謂サ美肉というやつだ。
(サーヴァント美少女受肉。先駆者はダ・ヴィンチちゃん)
ちなみに性的な描写は執拗なまでに削除しようとする清楚キャラであり、えっちなネタは大嫌い。
どんなポルノも子供向けの絵本に書き換えてしまうぞ。

ルートヴィッヒは自身の知名度の低さから、個別に現界するには向かないと考え、
兄二人の霊基を強化するため彼らに融合している。つまり、グリムのステータスは補強されている状態でこれということである。
ただし存在しないのは肉体のみであり、状況次第では兄らと人格を交代し表で行動することもある。
ヤーコプと交代した場合はルートヴィヒと名乗り、男性の性質を強く残す。
ヴィルヘルムと交代した場合、身体の影響で女性性が強くなってしまい、ルトヴィカと名乗るようになる。


ちなみにヤーコプが男装し、『ヘンゼルとグレーテル』と真名を偽装することがある。
男が女体化して男装というわけのわからないものになるが……。

イメージカラー:黒
特技:物語の収集、改訂、版画
好きなもの:研究/ハッピーエンド/肖像画
嫌いなもの:物語を無用に改竄すること/バッドエンド/
天敵:大抵の相手
願い:聖杯戦争という物語を収集するため。ヴィルヘルムはハッピーエンドにすることを目的とする。

【一人称】俺、僕、私/わたし/僕、私 【二人称】呼び捨て 【三人称】呼び捨て

【因縁キャラ】

グリムス・メルヘン:編纂した童話の集合体。『原典』の性質を色濃く残す彼女をハッピーエンドに書き換えたいと、ヴィルヘルムは思っている。
そっちの方が有名なので仕方がないが、シンデレラ要素がペロー版なのがちょっとママ悲しいかなーと思ったりしている。(ヴィルヘルム)
せめてパパだろう、とヤーコプが指摘する。

赤頭巾:編纂した物語のひとつ。ハッピーエンドを迎えられそうでとても嬉しい。出会ったら我が子のように可愛がるかもしれない。

シンデレラ・ストーリー:編纂した物語のひとつ。
自身と同じく他人をハッピーエンドへと導く存在であり、気に入っている。
とはいえ、マスターの理想を叶えるそれが万人にとってのハッピーエンドだとは限らないのだが。

泥新宿のアサシン:編纂した物語のひとつ――と、別の概念が融合している存在。
ルートヴィヒの在り方は彼女らの幻霊合体と似通っており、これを参考にしている可能性がある。
「夢の中」をこそ至高と考える彼女が、現実に幸せを見出せるようになることを願っている。

長靴を履いた猫:実は初版で「靴履き猫」の題名で収集しているが、第2版で削除された物語。内容的に差異がないほどペロー版のそれと似ていたため、削除され差し替えられた。
一度は収集した物語であるため、気にかけている。ハッピーエンドを愛する気持ちから、気は合うと思われる。

殺生院キアラ:ヴィルヘルムの天敵。書き換えなければならない! 検閲!検閲です!

アンデルセン:生前から交流がある相手。ヴィルヘルムは彼のファンでもある。

リチャード・フランシス・バートン:ヴィルヘルムとは十中八九水と油、相容れない相手。
物語の改竄に乗り気でないヤーコプともあまりそりが合わないかもしれない。

白雪姫(讐):編纂した物語のひとつ。その元ネタとされる女性の一人。
「いえいえまさか。僕たちがこの話をマリーおばさんから聞いた頃には、既に白雪姫は『こう』でしたから……言いがかりですよ。
それに白雪姫が本当に実在の人物を元にした話なのかは、怪しいものがありますよね。後世の人間が勝手にこじつけたってパターンは少なくないでしょう。
もっとも、そういう無辜の怪物ふうひょうひがいを背負っていくのは、僕たちに課せられた使命でもありますが」
「とはいえ、あながち的を外した指摘ではありません。たとえ白雪姫があなたそのままのキャラクターで伝わってきたとしても……私はやっぱり、
あなたが言うところの『いまいちおつむの優れない少女』にしたでしょうから。……いえいえ、嫌がらせとか上流階級への嫉妬とか、女性への偏見とかそういうわけではなく。
白雪姫は、愚かだからこそ幸せになれたんですよ。みすみす三度も騙されるような弱さがあったからこそ、小人たちを味方につけ、王子様の愛を独占できたんです」
ちなみに彼らとしては誰かを元ネタにしたという意識は全くないらしい。(作者ではなく編纂者なので当たり前だが)強いて言うなら元ネタはマリーおばさんから聞いた話。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・宗教・事件その他諸々などとは一切関係ありません。どこか似てたとしてもたまたま偶然です。他人の空似です。

ヴィルヘルム「そもそも白雪姫の元ネタは実在の人物だとかヨーロッパで私たちやペローよりも前に民話集作ったバジーレの『奴隷娘』だとか、そもそもそれが地中海地方に伝わってた物語だとか、諸説あるからわたしたちとしては『白雪姫は白雪姫だよ』としか言えないんだよね。共通点があったとしてもやっぱり『白雪姫』とは違ってくるし。全部の童話に言えることだけどね」

なでしこの姫:TSしたなでしこの王子。TS仲間?
ヤーコプ「実を言うとキツい……。でもこちらの姿の方が生存率が上がりそうだからな……」
ヴィルヘルム「結構楽しいよー? 生前じゃあ絶対できなかったからね!」

リヨン・ルージュ:自分たちより先に童話や民話を収集した人物。先駆者。
ただでさえ同じ作品の収録が多いのに、女性化するという発想まで同じなのには驚きを禁じ得ない。
「ユーチューバー化かあ……。その発想は……まぁ、なくはなかったけど、やろうとまでは決意しなかったなあ」
物語をそのまま残すことを良しとするヤーコプとも、ハッピーエンドこそを目的とするヴィルヘルムとも異なる思想。
まあ、作家系サーヴァントに完全に同じ思想の奴なんて一人もいないのだが。(作家じゃないけど)

【コメント】