ケリュネイアとは黄金の角と青銅の蹄を持ち、女神アルテミスの戦車を引く5頭の巨大な雌鹿。
リュカイオン山中で草を食っている所をアルテミス自ら捕まえたものである。
その内の一頭はアルテミスでも追えず、弓ですら狙えない程脚が早かった為、
ヘラクレスへ与える試練に利用され、生け捕りを命じられたヘラクレスは試練の完遂に一年を費やしている。
このケリュネイアの鹿はギリシャ、トラキア、イストリア等を転々と逃亡していたが、最終的にヒュペルボレイオスに存在する泉で水を飲んでいた隙にヒュドラの毒を塗った矢で脚を射抜かれ、動けなくなった所を捕獲された。
当時ギリシャには雌でも角を持つ鹿は存在していなかった。
専門家の間ではケリュネイアの起源は北方から伝わったトナカイについての伝聞なのではないかとの説が有力である。
実際、トナカイは雄と雌の両方が角を持っている。
その正体は機神アルテミスの予備部品である。
ギガントマキアにおいて破損した5つの予備部品の内、最も損傷が軽微だった1つに後生の伝承で後付けされた「鹿」「ヒュペルボレイオス」を縁として
外宇宙の邪神は嘗てハイパーボリアで崇拝されていたヘラジカの女神を組み込んだ。
それがこのケリュネイア、言うなればアルテミスの分霊を素材にしたフォーリナーである。