kagemiya@ふたば - ザッハーク

基本情報

【元ネタ】王書(シャー・ナーメ)
【CLASS】ライダー
【マスター】 --
【真名】ザッハーク
【異名・別名・表記揺れ】アジュダハー アジ・ダハーカ ベーアル・アスプ
【性別】男
【身長・体重】235cm・168kg
【肌色】褐色 【髪色】茶 【瞳色】臙脂色
【外見・容姿】肩から二匹の蛇をはやした、眼光鋭い野心家
【地域】ペルシャ・アラブ
【年代】ピーシュダード朝末期
【属性】混沌・悪
【天地人属性】人
【その他属性】人型・蛇
【ステータス】筋力:C+ 耐久:EX 敏捷:B- 魔力:B 幸運:C 宝具:A

【クラス別スキル】

対魔力:A+

A+以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、魔術ではザッハークに傷をつけられない。
千の魔術を扱えるだけでなく、手づからその術を教え込んだ愛姫シャハルナーズの呪殺にも対抗しえたその魔術の才は宿命の仇たるフェリドゥーンが天使スラオシャの力を借りてなおザッハークを殺しきるに至らなかった。

騎乗:A

乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。Aランクなら竜種以外の幻想種までなら乗りこなすことが出来る。
子供の頃より名高いアラビア馬を多く保有してきたザッハークにとって、人間よりもむしろ馬の方が付き合いが巧みといえるかもしれない。

【保有スキル】

魔術:A

悪魔イブリースとして接触したアジ・ダハーカ由来の強力な魔術。千もの魔術を備えた両蛇から発せられるそれは、神代ですら暴君としてふるまうに足るほどであった。

山の心臓:-

ダマーヴァンド山に縛り付けられ、封じ込められてもなお流れ続けた彼の血液が大地を侵食し、しみ込んだ土地の属性を魔へと変じる。
魔の属性が濃くなればなるほどザッハークの耐久は常に上昇し続ける。

カニバリズム:D

食人嗜好。人間を捕食したときの効率が上がる。
脳食いもあくまで悪魔に唆されたが故でザッハーク本人の嗜好ではない上に、食らう蛇たちも別に羊の脳でも気にしないようで、極めて低ランクである。

暴君:B

誰からも愛されることなく、誰も愛することのない魔道に捻じ曲がった王の在り方。
一ランク下がったカリスマと同程度の効果を持ち、人から憎まれることによりさらに効力を増す。

【宝具】

蛇王万勢ペイヴァル・アスプ

ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:1000人
ライダーの別名と、悪魔と妖精の混成軍によりインドまでの長征を実現させた逸話を基にした宝具。
魔に侵された土地から出づる一万の邪悪な騎馬隊が目標をどこまでも喰らい尽くし、奪い尽くす。
通常の霊器として召喚されたザッハークが振るいうる最大火力の宝具。

【Weapon】

蛇魔双姫ジャハルナーズ・アルワナーズ

先王ジャムシードの姉妹とも娘とも呼ばれる二人の愛姫の名前を付けられた邪悪な蛇。背中に骨のようなものがついている。
アジ・ダハーカとの共謀の証であり、ザッハークが暴君たる所以。
ザッハーグが魔術を行使する器官でもあり、名の由来たる二人と違って離れることも裏切ることもない相談相手でもある。

【解説】

古代ペルシャの神話的な王朝ビーシュダード朝末期、ジャムシードの時代に頭角を現した暴君。砂漠の良き王マルダースのもとに生まれたザッハークは、悪魔イブリースに唆され父へのクーデターを謀りこれを謀殺。
祖国の王となった彼をクワルナフを失ったイランの王ジャムシードのもとから離れた軍勢が王として請い、そののちの1000年の間、イランの王として権勢を振るった。
しかしザッハークは悪魔イブリース(アジ・ダハーカ)の呪いにより生え出た蛇を取り除くためとして二人の人間の脳みそを毎日徴収するなどの暴君らしき振る舞いにより徐々に民衆からの憎しみを募らせていった。
そんな折、ザッハークは夢で牛頭の矛を持ったフェリドゥーンによりデマーヴァンド山に縛り付けられる自分の姿を見、正夢となる前にフェリドゥーンを見つけこれを対処しようとした。
数々の行き違いの末、天使スルーシュ(スラオシャ)とジャムシードの二人の姉妹の助力の元、主の留守の間に彼の宮殿を奪ったフェリドゥーンを謀殺せんとしたザッハークはフェリドゥーンと一騎打ちとなり、彼の矛の前にあえなく敗北。
ダマーヴァンド山まで引きずられ、縛り上げられた彼は現代に至るまで生きているとされており、山から流れる温かい水は彼の小便だという話である。

【人物・性格】

砂漠から来た希代の暴君──というには夢にまで見たフェリドゥーンのことを素で客人としてもてなそうとしていたりどうにも世間ずれしたところのないどこかタチの悪い天然入ったとぼけたところのある偉丈夫。
子孫であるメヘラーブを見るに血気にはやるところもあるようではあり、基本的にどんな作戦でも自らが率先して動く現場主義タイプの暴君である。
それはザッハークが人間というものに対して心底では興味関心を持っていないが故である──とも言えるかもしれない。
無論、そうでなくては人類悪の共犯者が務まることはなかったであろう。

イメージカラー:砂漠の砂のような暗い橙
特技:動物の餌やり
好きなもの:馬・蛇
嫌いなもの:人間・悪魔
天敵:1ターンクリティカルでめっちゃボコってくるやつら
願い:特になし(人が他の生き物なしでは生きられない世界という願いは生前に大体果たした)

【一人称】暴君(わたし) 【二人称】君/お前 【三人称】あいつ

【因縁キャラ】

アジ・ダハーカ
共犯者にして同一存在の裏表。確かに人類悪であり人類愛であったアジ・ダハーカとの最大の違いはザッハークが人間を愛していなかったことか。
裏を返せばザッハークが人間を愛する時こそが即ち──
「人間の脳味噌全然効果ないじゃん悪魔超嘘吐きじゃん。マジそういうの迷惑。暴君(わたし)もうほんとショック。」

フェリドゥーン
ザッハーク自身の滅びの予言を自ら実現させてしまった、宿命の仇敵。あるいはすれ違い続けた運命の待ち人。
『簒奪者』としての自らを思えば王権を奪われるのはむしろ期待するところではあったが、『破壊者』としての彼に宮殿をはじめとした全てを壊されたのは納得いっていないようだ。
「お互い天使だか悪魔だかにたぶらかされた者同士として言っちゃうけど、暴君君にはガッカリです。自分の正義もいいけど、それで息子三人も死なせちゃうような王様に彼の世界任せるつもり在りませんでしたよ、暴君。」

ジャムシード
ザッハークが自ら殺害した、嘗てのイランの善王。全てを見ることのできる杯《ジャーメ・ジャム》を持ち民草をあらゆる苦しみから守護する人による人のための統治を行ったものの、最期はその人たる民に背かれ中国まで逃れることになった。
ザッハーク自身が鋸でその永遠とも覚えた生命を断つことになったものの、彼の持つクシャエーダとしてのシャイニーなカリスマには圧倒されており、極度の人間嫌いのザッハークが唯一『好きでも嫌いでもない』と認めるほどである。
「うぇーいお義兄ちゃん見てるー?暴君(わたし)は冥界(そっち)に行けません、今ダマーヴァンドにいるから。」

ロスタム
自らの血統に連なるイランの英雄。侵略者であり簒奪者である自分とは全く異なる救国の英雄としての姿は非常に大きな衝撃であった。
「そうです暴君(わたし)がグランドおじいちゃんです。超応援してるー!うぇーい!」

【コメント】

善も悪も、霊長たる人が決め人が従うルールであり、人以外の獣(いきもの)には無関係と言ってもいい枷でしかない。
ザッハークは人が人のための善である世界を目指すピーシュダード朝四代の治世にむりやり獣の理をくくり付けることで、彼ら原始の王らの目指した人の人らしさのみを肯定する世界を揺るがすことに成功した。
人としての最善ではなく生き物としての最適を目指し、結果的に人間に酷く嫌われた暴君。
その本性は或いは悪ではなかったのかもしれないが、人にとって善王ではなかったのは誰も肯うところであろう。
しかし彼は気にしない。どうせ初めから人には興味ないし。
悪魔と共犯の道を選んでまで望んだ獣の理を発揮するとき、それこそが天使が彼を霊峰に封じてでも現代に至るまで活かし続ける最大の理由。

『──やれやれ。悲しいことですが、ワタシという鬼札を切らねばならぬ時が来てしまいましたか。ワタシを切れば、当然『蛇』が出ます。覚悟は宜しいですね。』