kagemiya@ふたば - 秦河勝
どーも、主君ドノ。セッシャ、アサシンでゴザルでニンニン。……うーむ。忍者の喋り方とはこのような形でよいのだろうか……?

[フリー素材]

基本情報

【元ネタ】史実、『風姿花伝』、『明宿集』
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】秦河勝
【異名・別名・表記揺れ】秦造河勝、秦川勝
【性別】不明
【身長・体重】165cm・59kg(どちらも可変)
【肌色】黄 【髪色】黒 【瞳色】黒(すべて可変)
【スリーサイズ】
【外見・容姿】老若男女のどれとも判じ難い中性的な肢体。狩衣ベースの黒装束に翁面をかぶっている。
【地域】日本
【年代】飛鳥時代(6〜7世紀)
【属性】秩序・善
【天地人属性】人
【その他属性】人型、忍者
【ステータス】筋力:D 耐久:D 敏捷:A+ 魔力:B 幸運:B 宝具:A+

【クラス別スキル】

気配遮断:A+

サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を絶てば探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】

専科百般:B

類まれなる多芸の才能。
武術、戦術、学術、話術、建築術、土木工事などの多様な専業スキルについて、Dランク以上の習熟度を発揮する。

神性:C+

神霊適性を持つかどうか。
アサシンは、ミシャグジの一つでもあり、数多の神々に垂迹する宿神あるいは翁と呼ばれる芸能神の化身であるとされる。
また、死後は大避大神として祀られており、障礙神にして護法神である謎多き摩多羅神とも同一視されている。

忍術:A+++

忍者が操る諜報や暗殺、変装術などの技術。
アサシンのそれは、正確には日本で一般的に知られる忍術そのものではなく、
その原型となった技術群である。
専科百般スキルで使用可能となるスキルの一つであるが、アサシンとして召喚された場合、
専科百般とは別個のスキルとして独立し、大幅に高いランクでの使用が可能となる。

形態模写:A+

対象となる人物や生物などを観察し、その動きや声音を模倣する技術。
猿楽は歌舞を中心とする芸能であるとされるが、人間から鬼、神々に至るまで様々な役柄を物真似て演じこなすこともまた不可欠である。
アサシンはクラスにしてCランク以下に相当する体技であれば、使い手本人と遜色なく模倣することができる。
また、忍術(変装術)スキルと組み合わせることで、対象が人間であろうと人外であろうと完璧なまでに化けおおせてみせることも可能となる。

【宝具】

宿神翁舞式三番しゅくしんおきなまいしきさんばん

ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:0〜50 最大捕捉:200人
キャスターとしての宝具『神儀申楽六十六番』の簡略化版。
五穀豊穣、天下泰平、招福延年を祈願した、猿楽能が娯楽芸能に変ずる前の儀式呪術舞踊であり、神々に歌舞を奉納することで自らの陣営に様々な加護を与える。
しかして、その真髄は、天地開闢以前からの原初の存在にして世界の内外の介在者ともされる大いなる『翁』を歌舞を以って真似ることで翁との合一を果たし、
後戸の彼方にある翁の領域、全てが蔵められた虚空へと一時的に接続し、ありえざる霊異を顕すことである。

【Weapon】

『能面』

聖徳太子から賜ったとも、アサシン自ら作成したとも言われる六十六枚の能面。
後の時代に付喪神と化し妖怪面霊気となったが、アサシンが所持するものは化生する以前のただの能面である。
アサシンはまるで舞うが如く流麗に戦うが、付ける面によってまったく異なった戦闘スタイルを披露する。
別のクラスで召喚された場合は、宝具『面霊気』として所持しているかもしれない。

六輪一露ろくりんいちろ

六種の戦輪と一振りの利剣。
後代に金春禅竹が記した『六輪一露之記』などの原型となったものであり、手裏剣や忍者刀の起源であるのかもしれない。
自身の武器で何か忍者らしいものはないかと、アサシンがうんうん唸りながら考えた結果持って来たもの。

『うつぼ舟』

窓のない舟。一説にはUFOの一種ともされる。
宝具『大荒大明神』を発動するために必要となる乗騎である。
一応は乗り物としても使えるが、その本質は繭に近いものであり、乗り込んだ者の霊魂と肉体をドロドロに融かして再構成し、人を神へと羽化させる煉神器。
ライダーとして召喚された場合以外は所持していない。

【解説】

聖徳太子の側近として様々な分野で活躍した、太秦を拠点とする渡来人系の豪族。
財政面で聖徳太子をサポートし、広隆寺をはじめとする数多くの寺院を建立し、新羅からの使節を迎える外交官としての職務もこなし、
武人としては、丁未の乱にて聖徳太子を守護し物部守屋の首級を挙げた他、大生部多を教祖とし富と永遠を謳って人心を惑わした虫神『常世神』教団を打倒し民からの尊敬を集めている。
後世にては、世阿弥ら能楽師からは猿楽能の開祖と崇められ、その中でも金春禅竹は、自著においてアサシンは始皇帝の転生体にしてインドにおけるブラフマンなどと同様の根源存在『翁(宿神)』の化身であると記している。
さらに、近現代においては、日ユ同祖論によってユダヤ人や景教徒(キリスト教ネセサリウス派)とされる他、聖徳太子が擁した原初の忍者『志能便』の一人だとも言われている。
伝説におけるその最期は、聖徳太子死後の蘇我入鹿の迫害から逃れるべくうつぼ舟(窓のない舟)に乗って西に船出するも坂越浦(兵庫県)に漂着し、人ならざる姿を顕し人々に取り憑き祟りをなし大荒大明神として祀られたとある。(実際は普通に移住して、晩年を坂越の開拓に尽くしたともされる)

聖徳太子が抱えた最古の忍者『志能便』であるとされるため、忍者の始祖としてアサシンの適性を持つが、志能便であるとされた人物は同時代に複数存在しており、正確には始祖たちの一人といった位置づけである。
このサーヴァントはアサシン以外にも、セイバー、ライダー、キャスター、ゲートキーパーの適性を持つが、その中でも本来の実力を最も発揮できるのは能楽の開祖としてのスペックを大きく引き出せるキャスターである。

余談ながら、猿楽と忍者の縁は深く、方々を旅する猿楽師は情報収集に適していることから、忍者が諜報の際に多く行った七種の変装「七方出しちほうで」の一つに猿楽師が挙げられており、変装の精度を高めるために猿楽師に弟子入りした忍者たちもいたと言われている。
また、猿楽能を芸能として大成させた観阿弥・世阿弥親子は、古くから忍者で名高い伊賀服部家の出身を自称しており、彼らもまた忍者であったと主張する者も存在する。
その他にも、伊賀衆と織田家の間で繰り広げられた第二次天正伊賀の乱を和睦に導いたのは、大倉五郎次なる猿楽太夫であったとされている。

【人物・性格】

黒装束に白い翁面で素顔を隠したニンジャ。遠目にはハサンと見間違えるかもしれない。
装束で肌が隠れており、外見や立ち居振る舞いからは男とも女とも若者とも老人ともはっきりと判断がつかない。
声音ではどうかと言うと、張りのある声だが能面による微妙なくぐもりによって、これまた判然としない。
顔の面は、その時々の行動や感情に応じて翁面以外にも様々な能面に付け替えられるが、けっして素顔を晒すことはない。
乗り物酔いには非常に弱く、窓のない乗り物に乗るとたちどころにグロッキーになってしまう。

生前の主の人使いの荒さに対応してきたため、よほどの難題でもなければマスターからの命令はなんでも苦もなくこなしてのける。
ただし、誰に命じられたわけでもなく自らの意志で人心を惑わす常世神信仰を討伐したことから、正義感は強めであることが窺い知れ、マスターがあまりに非道なようであれば、背後からさっくり殺られてしまうことともなりかねない。

忍者の始祖としてアサシンのクラスで召喚されたからには、「始祖がこの体たらくでは、忍者もたかが知れたもの」と他の忍者たちが低く見られないよう、しっかりと忍者らしい立ち居振る舞いをしなければならないと心がけている。
しかし、世間一般でイメージされるところの忍者像はアサシンにとっては遠い未来に成立したため、忍者というものがよくわからない。
さらに、宝具も忍者らしいものではなく申楽者としてのものの流用であることも悩みの種。
そのため、少しでも忍者らしさに磨きをかけようと、聖杯からの知識に飽き足らず書物や創作物などで日々忍者について学び続けている。
結果、ものの見事に、忍者かぶれの外国人のような珍妙な勘違いニンジャに成り果ててしまった。

イメージカラー:薄墨
特技:申楽、寺社建立
好きなもの:温泉旅行、茗荷
嫌いなもの:蘇我入鹿
天敵:窓のない乗り物
願い:忍者らしい宝具を手に入れる

【一人称】私 【二人称】そなた 【三人称】あやつ、こやつ、そやつ

【因縁キャラ】

聖徳太子
生前の主君。
有能ではあったがとにかく人使いが荒く、その治世の長きに渡り、アサシンに文武を問わず様々な仕事を押し付けた。
中でも、腕によりをかけて建立した寺に剣山刀樹を生やされた時は泣きそうになったし、
父である用明天皇の快癒祈願と仏教布教のためにと派遣された東国で篤い病を得て、治療のために必要だからと半身不随の身で1/1スケール聖徳太子像を背負わされて温泉まで向かった時の苦しみは片時も忘れたことがない。
しかし、このような面倒な主君、自分がいなくてはとても立ち行かなくなってしまうだろうと考え、生涯に渡って仕え続けてきた。

小野妹子
アサシンと同じく、人使いの荒い主君に苦労していただろう生前の同僚。
酒でも飲み交わしながら主君の愚痴でも語り合おうと思ってたら、すっかり変わり果てててびっくり。
生前の原型全く留めてないけれど、一体何があったのよ……。
主君のこともお兄ちゃん扱いしてつきまといかねないから、絶対引き合わせないようにしようと決心するアサシンであった。

大生部多
生前の敵。
邪教を振りまき聖徳の御世を脅かす彼を、かつてのアサシンはたしかに討ち果たしたはずであった。
殺し損ねの失態が、実際に不老不死まで得て千年以上の永きに渡って大手を振って闊歩している状況は、アサシンにとってすこぶる気分が悪い。
積極的に悪事を行っているならば責任を持って今度こそ確実に殺そうとするが、その様子が見られないでならば命を取ろうとまでは思わない。
トンチキニンジャに成り果てているアサシンをまっとうな忍者として認定勘違いしてくれる数少ない人物だと思われる。

キム・ユシン
秦氏の出自については実に諸説紛々としているが、百済や新羅といった朝鮮半島から渡航してきたという説が複数ある。
キム・ユシンとほぼ同時代を生きたアサシンもまた、彼と同様に朝鮮忍者と呼べる存在なのかもしれない。
アサシンは特に国籍へのこだわりを持たないため、仮に出自となる国が同じだったとしてもキム・ユシンとはあまり気が合わないものと思われる。

■■■■?
日ユ同祖論によればアサシンはユダヤ人にして景教徒であったため、かの大いなる主についても知り得ており、信者であった可能性もある。
さらに、信憑性はすこぶる低いが、聖徳太子が厩の前で出生したなどの伝説はアサシンら秦氏がイエス・キリストのエピソードを盛り込んだものだという説もある。
また、金春禅竹が唱えた、時に慈悲深く時に猛々しく荒ぶる不増不減にして常住不滅の唯一神であり、その真の名を伏せられたる翁とは、あるいはこの名状し得ぬ無限の創り主と同一のものであったのかもしれない。

泥新宿のアサシン(4)
アサシンが求める忍者らしさを誰よりも持っている忍者。
もし、遭遇した場合、アサシンは彼を先生と呼び、すぐさま弟子入りしようとすることだろう。

服部半蔵【正成】
遠い子孫。
遥か未来にても、秦の血統が滅びることなく続いていることを嬉しく思っている。
何度問いただしても忍者であることを否定されるが、己の正体を伏せることもまた、できる忍者の嗜みなのだろうとアサシンは解釈している。

蘆屋道満
子孫らしい。
彼女の本名は秦道満であり、アサシンの子孫であるとする説がある。
もし、実際に出会った場合、幼い孫娘を前にした老爺のごとく思いきり可愛がる。

八百比丘尼
子孫?
彼女が芦屋道満の娘であるならば、道満と同様にアサシンの子孫であるかもしれない。
道満は否定するけれど、この五月蝿さは間違いなくあやつの娘だわー……。
仮に、彼女が英霊召喚を行った場合、触媒などがなくとも血筋による縁召喚でこのアサシンが召喚される可能性がある。

雲隠キリカ
教えてくれ! 一体いつの時代までの忍者なら「ござる」を使っても馬鹿扱いされないのだ!?

【コメント】

関係者が出て来るゲームや漫画で名前だけは見たことがある者も結構いるんじゃないかと思う人。
ご先祖様だからと言え、金春禅竹はいくらなんでもちょっと盛りすぎじゃないかと思う。

さて、アサシンは「忍者」の始祖であるが、同時に物部守屋や常世神と言った仏敵───言い換えれば「魔」に「対」し、これを「退」ける戦士でもあった。
魔に対する忍び、対、魔、忍。つまり、元始、忍者は対魔忍であったと言えよう!
という理論をスタート地点に対魔忍として作り始めたが、だんだんと対魔忍要素が削れていき、最終的には性別:不明にその名残を留める程度となった。

余談ながら、伊賀忍者について記した江戸時代の書物『伊乱記』では、服部氏の祖は秦氏にあるとされ、徐福と共に日本を訪れた御色多由也なる女性が忍術をもたらしたとある。
徐福の真の目的は蓬莱より不老不死の仙薬を持ち帰ることではなく、始皇帝を蓬莱の地に転生させることであり、
始皇帝の生まれ変わりを自称し、招福延年の舞を修め、不老長寿を謳い永遠郷の名を冠した神を誅し、主君の死後は西に渡海するも途上で難破し人ではない何かに成れ果て、神として祀られた。
そんな秦河勝の生涯を、二度目の人生を通して永遠を求め続けた始皇帝の旅路であると捉えてみるのも面白いかもしれない。

派生系
秦河勝〔サンタ〕

FGO風セリフ集