kagemiya@ふたば - 鱗画聖永
 
「宣言する───電脳の世界に象られた仮初の都市。ここに、聖杯戦争の開催を宣言を」



基本情報

【氏名】鱗画聖永
【性別】男性
【年齢】58歳
【出身】日本
【身長・体重】178cm・58kg
【肌色】(アジア人的)普通【髪色】黒【瞳色】褐色
【令呪の位置】???

【属性】混沌・悪
【魔術系統】置換魔術
【魔術属性】地
【魔術回路】質:B 量:B 編成:異常

【所属】リンガ・デジタルラボラトリー
【階位・称号・二つ名】リンガ・デジタルラボラトリーCEO

【契約サーヴァント】???

魔術・特殊技能・特性など

魔力の霊子変換

大源たるマナや人間が体内から生み出すオドを電脳世界を構成する要素の一部である霊子へと変換する魔術。
この世界線からふたつかみっつほど離れている平行世界で隆盛を誇っている魔術理論・疑似霊子と細部で似ているが大本が違うもの。あるいは劣っているもの。あるいは途上のもの。
(こちらは大源が枯渇していないので“魂”そのものを霊子化しなければならないほど追い詰められていない、という点で研究が未完成であるため)
もともと魂の物質化を研究していた鱗画家の魔術の副産物であり、それが普及・高性能化の進んだ量子コンピューターと出会ったことで生まれた。
《クオリア》は密かにこの技術が投入されており、現実にマナが存在するように電脳空間内には霊子が充填されている。
魔術師たちが電脳世界内で(現実と全く同じとはいかないが)魔術を行使しようとするとある程度の再現を行う事が出来るのはそのため。
魔術社会はここ最近になってようやく本来禁忌であった近代科学の粋ともいえる《クオリア》における研究を進めだした段階であり、その事実は魔術師たちにはまだ露見していない。

また《TSUCHIKA》はかつては《クオリア》のプロトタイプといえるエリアを再利用して出来たもの。
あらゆる要素を似せたことで逆説的に『ここは聖杯戦争を行いうる土地である』と定義された類感魔術の基本であり極致である。
《クオリア》はこのプロトタイプを普及用に科学側に寄せてデチューンしたものであり、魔術側に寄せてある上に改修を進められた《TSUCHIKA》はより変換率が高い。
具体的には魂の霊子化を不完全ながらも成し遂げているレベル。いずれ鱗画家の魔術が推し進められていけばいつかは魔術理論・疑似霊子のレベルへと辿り着くと思われる。
ただしアクセスする人間の変換率が上がった分危険も大きい。《TSUCHIKA》で命を失った場合、最悪魂の死が待っている。

魔術刻印の特殊性

如何なる邪法を用いたか、鱗画家の魔術刻印には研鑽された魔術の蓄積以外にある仕掛けが施されている。それ自体が意思を持つというものである。
根源の渦へと到達し人類という霊長へ恒久的平和という救いをもたらすという理想を軸に、代々受け継がれてきた刻印の『時間の実感』を保有者に与える。
刻印の継承者は必ずこの刻印の意思と同調することになり、長い体感時間は本来の人格を押し潰し、鱗画家が目指すテーマへ邁進する装置となる。
自分が700余歳ほどになったという感覚は長く生きすぎたものとして一つの概念じみたものに変わってしまう。
目標へのアプローチの手段を探し続けるが、考え方が変わることはない。考え方の変わらないものは人間ではない。



礼装・装備など

令呪

『聖杯戦争の監督役』というかつて行われた聖杯戦争における役目を襲名しているため、《TSUCHIKA》内では膨大な量の令呪を保有する。
サーヴァントを持たないため監督役である聖永自身にとっては無価値のはずだが、何かの間違いでサーヴァントを得たならばその令呪の数は脅威に値するだろう。

外見・容姿の詳細など

西暦2102年は容姿に関するアンチエイジングの技術が発達して外見と年齢が一致しないことも少なくないが、それを踏まえても実年齢より10歳は若そうな顔つき。
綺麗に剃られた髭、丁寧に整えられた髪。肌や髪、目の色は東洋人らしいが顔のパーツから微かに外国人の香りが無くもない。
皺の少ない表情には若い頃の精悍さの名残が残っている。背は高いが痩せており、目の前に立たれてもさほど威圧感はない。どこか柳の木を連想させる人物。
表情を大きく変えることはほとんど無く、一貫して冷たいというよりはあまり温度を感じさせない無表情である。
《クオリア》におけるアバターも現実世界と全く同じ顔をプリンティングして使用している。
ただし現実世界のメディアや《クオリア》では基本的に面白みのないスーツ姿だが、《TSUCHIKA》、つまり主人公の前に姿を表す時は白衣を着た研究者風の格好をしている。

人物像


イメージカラー:茜色
特技:ネットワーク関連全般
好きなもの:特になし
苦手なもの:特になし
願い:人類の恒久的平和

【一人称】私、(私的なことを語るときだけ)僕 【二人称】君、あなた 【三人称】彼ら

台詞例


来歴

鱗画家の元を辿ると16世紀ごろのイギリスが発端となる。
元は西洋人だったのがある時期から開国した日本へと移り住み、日本人へと帰化していったようだ。つまり家系としては600年ほどの歴史を持つ。
扱う魔術はオーソドックスで、魂魄の解析による魂の物質化、即ち第三魔法の希求がテーマであった。
その特殊な魔術刻印も相まって根源到達への情熱を失わないまま、22世紀まで至る。

次期当主の座にはあったものの、魔術刻印を受け継ぐ以前の聖永にとっての専心は魔術ではなく家業(あるいは魔術のための副業)であった電子工学及びそのデバイスを利用した仮想世界の構築にあった。
聖永は情熱に燃える開発者であり、少子化が進んで先行きが真っ暗だった当時の日本の中で明るい未来を提供したいという理想に邁進する青年だった。
事実として彼は天才であった。現在隆盛を極めている《クオリア》の根幹部分は聖永によって大部分が設計されている。
彼自身にあまり魔術に対して興味が薄く、しかしその方面にも才能があったからだろう。魔術社会ではタブーとされていた近代科学との融合も密かに果たされ、そして《クオリア》は世に出た。
やがて電子工学部門から仮想世界に集中することになったリンガ・エレクトロニクスはリンガ・デジタルラボラトリーに名を変え、聖永はCEOとして日々アクセス数が増え続ける《クオリア》の管理に追われる日々を過ごす。
賛否両論の大論争を巻き起こした日本政府の強引な人口増産計画も相まって、久々に停滞から目覚めた日本の中で聖永は戦っていた。

転機は先代が危篤に陥り、魔術刻印を受け継いだことから始まる。
鱗画家の思想を押し付けてくる魔術刻印によって聖永の人格は歪みつつも、表向きはなんら変わることはなかった。
彼にとっては人々に幸福を与える事業が人類に平和を与える宿願に変わっただけ。
ひとつの目的に向かって静謐かつ狂信的に突き進むという点では彼に変わることなど何もなかったのだ。
彼は考えた───根源の渦に頼るよりももっと確実な方法がある。そのために半生を捧げたものを利用しよう。人類の歩みが続いていくのが幸福ならば、それは最初に設定した人々の幸福を目指す理念にも矛盾はすまい。

かくして《クオリア》を用いた聖杯戦争は聖永の主導により粛々と進められていった。
《クオリア》のプロトタイプとしてかつて用意されていた電脳空間を徹底的に改修し、かつて聖杯戦争が行われたという地のほぼ完璧な似姿にして聖杯戦争を行いうるエリアとその再現の用意を整えた。
そしてサーヴァントという凄まじい霊子を持つ贄を《初期クオリア》そのものに捧げることで意図的に暴走を引き起こし、《クオリア》めがけて解き放つことで現状のインターネットインフラをことごとく破壊。
世界から通信網という神器を奪い去り、その後も人工衛星上にあるサーバーから人類の通信網を復旧させようとする試みを断つ。
これによって地球上に人間に局所的に限定された戦争しか起こせない程度の生存圏のみ与え、以て半恒久的な和平を実現しようとした。
かつて土夏市で行われた最後の聖杯戦争に存在した『8人目のサーヴァント』という枠を用い、『聖杯戦争の監督役』という令呪の大量保有によって聖杯戦争に参加する全てのマスターとサーヴァントを一掃して。

───誤算はふたつ。
ひとつはその8人目のマスター権を事態を察知した“魔女”によって事前に盗み取られたこと。
そしてそのマスター権が流れついた先で、とある青少年によって行使されてしまったこと。

ちなみに鱗画家のかつての家名、リューンガ家はかつての土夏における聖杯戦争において“聖杯の作成”を担当したアンドリュズ家の分家である。

性格

西暦2102年時点での聖永に個人としての元からあった人格はほとんど残っておらず、おおよそは魔術刻印によって支配され尽くしている。
人類の恒久的平和という題目へ計画的に突き進む装置と化しており、何かを好む、何かを嫌うという人間の精神を形作る上において重要なものが抜け落ちている。
それでいてある程度以前の人格を取り繕う理性は残っているので手に負えない。
聖永は自身が目指す目的のためならば涼しい顔で誰にでも肩入れし、誰だとしても裏切るだろう。

表向きの人格はとても穏やかでどこか達観しているかのよう。
勘の良い人間であればそんな温和さの中に潜む虚ろさを微かに嗅ぎ取る者もいる。
実際に彼と喋っていると自分のことさえどこか他人事のような印象を受けるだろう。

ただしたった一度きり、本来の人格に従って行動する。神の気まぐれは零れ落ちた。最後の鍵はあなたの手の中に。

行動規範・行動方針

『聖杯戦争の監督役』という土夏にあった枠を利用し、その通り監督役として《TSUCHIKA》に常駐する。
行動を始めるまでは各マスターに対して中立を謳い、あくまで自分が始めたものではなく《TSUCHIKA》と聖杯戦争は何故か自然発生したものである、自分も役割を宛行われた側だと語る。
あり得ざる8人目のマスターである主人公が簡単に敗退しないよう中立を損なわない程度に助言しながら一方でマスター権を奪い返す攻勢プログラムを構築している。
終盤、マスター権を奪い返して予定通り聖杯戦争を終わらせようとするも、同時期に何とか復活した“魔女”の助言により主人公側は再度マスター権の奪取に成功。
ここまでと察した聖永はその時点で集まっている霊子と多くの令呪を持つ自分自身を捧げ、《初期クオリア》の暴走を開始させて不完全ながら計画を作動させた。
微かに残っていた聖永自身の理性により、主人公にその打破のためのマスターピースを渡して。

参戦理由

この聖杯戦争を画策した側。
聖杯戦争の再現による膨大な霊子で2102年の通信ネットワークを全て粉砕すること。

サーヴァントへの態度

本性を顕にしていない段階ではあくまで紳士的。
マスター権を取り戻した後も態度は変わらないが、あくまで令呪で縛り付けた道具であり最終的には《初期クオリア》に捧げるものであるという姿勢を隠さなくなる。

役どころ・コンセプトなど

ラスボス。というよりは黒幕かしら。

因縁キャラ

水無月サクヤ
聖杯戦争に現れたあり得ざる8人目であり、同時に自身がなるはずだった8人目の例外枠を奪い取った少年。
聖杯戦争を通じて聖永は彼が容易に脱落しないよう陰ながら助言し、その裏で彼のサーヴァントであるセイバーを奪い取る準備を進めていた。

自身の関知していないところで発生した自身のクローンであり、聖永が唯一個人的に執着する相手。
といってもほとんどシステムと化している聖永にとって「自身の刻印を移植し次の代へ速やかに移行しうる素体」という機械的な認識。それが9割以上。
残り1割にも満たないほんの僅かの感傷は結局最後まで語られることはなく、しかし楡ルートにおける最期のみその意思をサクヤは感じ取るのだった。

セイバー
聖永が得るはずだったサーヴァント。より正確に言えば、聖剣のような大火力の宝具が扱えるサーヴァントの中からたまたま選ばれた1騎。
本来の計画では聖杯戦争開始と同時に8人目の例外枠を用いてこのサーヴァントを召喚、無数の令呪による強引な大火力の連発でまたたく間に聖杯戦争を集結させる予定だった。
兵器として以外の運営を聖永は望んでおらず、奪取した際には令呪で強制的に命令へ従わせている。

ブリュンヒルト・マントイフェル
『マレフィキウム』
聖永が直接あるいは間接的に働きかけたマスターたち。実のところなんの感情も抱いていない。
計画のために必要だったから接触しただけ。たちが悪いのは、全員に対して嘘はひとつもついていないこと。
誠実そうに振る舞ったのも説明義務を果たしたというだけであり、全ては最終的な計画のために利用したに過ぎなかった。

漆黒の魔女
8人目のマスターとしての例外枠を得るためのマスタープログラムを聖杯戦争直前に奪い取っていった魔女。あるいは人でなしに成り果てたもの。
この聖杯戦争が始まる1年以上も前から魔女は聖永の計画を嗅ぎつけて内偵を行っており、聖永もこれを察知して警戒していた。
そういう水面下での闘争が存在したのだがそれは語られることのない物語である。

とある木板
聖永がこの聖杯戦争を成立させるに至った重要なピース。「何故あの聖杯戦争に特定のジャンルのサーヴァントが複数騎いたのか」という問いへのアンサーとなる。

コメント

勝手に因縁とか生やして構いません。中心人物だしシナリオの根っこに近づきやすくなるでしょ。