5000系は、京岐鉄道の一般型電車。
4000、4500系投入後も残る830系、1000系、1050系、1100系、1300系、1500系、1700系、2000系、2200系、の高度経済成長期までに製造された19m2ドア、3ドアの鋼製車、抵抗制御車の置き換えのため、*1 2020年10月までに115編成408両が製造された。


5000系電車

概要


基本情報
運用者京岐鉄道
製造所東急車輛製造
川崎重工業車両カンパニー*2
JR東日本新津車両製作所*3
総合車両製作所横浜事業所
製造年2004年-2021年
運行開始2004年11月1日

主要諸元
軌間1,067mm
電気方式直流1,500V(架空電車線方式)
最高運転速度110km/h
設計最高速度120km/h
起動加速度3.0km/h/s
減速度(常用)3.5km/h/s
減速度(非常)4.5/km/h/s
全長20,000mm
全幅2,800mm
全高3,980mm
制御方式IGBT素子VVVFインバータ制御、SiC-MOSFET素子VVVFインバータ制御*4
制動装置回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(全電気)
駆動方式TD平行カルダン駆動方式

導入の経緯

1990年代以降の関西大手私鉄では、バブル崩壊、阪神淡路大震災などの災害が相次いだことが一因となり新製車両の投入が停滞した。

これは京岐鉄道も例外ではなく、1990年〜1995年の間で244両が投入されたのに対し、1996年〜2001年に投入された車両はわずか68両のみとなった。

このとき、京岐以外の他社では高度経済成長期の時点で基本的な車両規格、アコモデーションを確立させていたため早期に車両置き換えを開始する必要がなく、おおむね大規模な新車投入は2010年代に行われることとなるが、一方の京岐では、新京阪、名阪急行から続く19m3ドア車両からJR在来線や首都圏の大手私鉄と同様の20m4ドア車両へ移行している最中であったこと、また、当時多数が残存していた高度経済成長以前の車両は、伝統的*5に一部を除くと*6全ての車両が転換式クロスシートがメインにすえられており、既に過密となっていた大阪近郊での輸送には難があったため、車両規格やアコモデーションが確立したとは言い難い状態であった。また、老朽化した転換式クロスシート車両を運行し続けることや*7長さの異なる列車の混在することは安全面、運用面、サービス面での問題となることから、余裕のない財政状況にもかかわらず旧式車の処理は早急に解決すべき課題となっていた。

そこで、京岐鉄道では新型車両の方針として「全体的なコストの削減」「バリアフリーの推進」の2本を主軸に据え、旧式車置き換えに限らず、「単なる行楽客だけでなく利用者、沿線をも含めた総合的なサービス向上」を目標とした標準型車両として、JR東日本で投入されていたE231系電車の設備をほぼそのまま採用した5000系電車の投入を開始した。

車体


5000系5013

3000系電車*8より続くオールステンレス車両である。
5000系電車は先述の通り、ほぼE231系電車を基本としているが、車体は裾絞りの無い2,770mmとされ、客用ドアの間隔は「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に準じた3,520mmとされた。また、ドア間隔は先頭車、中間車ともにおおむね同様と*9なっているため、先頭車両の全長がやや長くなっている。

乗務員室

4000、4500系に引き続き、視界を広く取るため貫通扉が運転台から見て右端に配されている。

主幹制御器には左手操作型のワンハンドルマスコンが採用された。京岐線でのワンハンドルマスコンの採用、および運行は本系列が初となり、以後導入される形式のスタンダードとして採用されることとなった。また、運転台にはアナログ計器式の速度計、圧力計、各種表示灯類のほか、本系列で初めて導入された列車情報管理システム「KG-TIMS」の表示機が設置されている。

乗務員同士の合図には、京岐線内で従来車と同様連打式のベル*10を、近畿高速線、京阪奈高速線内では電子ブザーを使い分けている*11。が、順次電子ブザーのみに変更されている

車内



5000系の車内。上から5001-1、5013-1、5333-1


-車内設備
E231系に準じたオールロングシート車両*12である。クロスシートの排除による局地的な混雑や車内流動の改善は3000、4000系の時点である程度達成されていたが、本系列では袖仕切りの大型化、握り棒の増設により従来車と比較するとさらなる安全面での配慮がなされている。

座席は1次車〜2次車までは京岐でははじめてE231系と同様の片持ち式のバケットシートを採用し、定員着席の促進と安定した着席の促進が図られた。また、2007年製造の3次車からはE531系電車と同様の座席幅が広げられたものが採用されたと同時にSバネが入れられ、座り心地の改良が図られた。

握り棒は新たに7人掛け座席部に2本設置された。当初3人掛け座席部に握り棒は設置されていなかったが、2007年製造の3次車からは3人掛け座席部にも設置され、後年には1,2次車にも設置された。*13

つり革は京岐ではじめて三角形のものが採用され、以後製造される新製車両のみならず、従来車にも更新と同時に丸形より交換される京岐鉄道のスタンダードとなった。また、つり革はデビュー当初すべて白のものであったが、2007年製造の3次車以降優先席部のみ黄色となり、後年1,2次車も同様のものとなった。

客用ドアは無塗装となり、3次車の投入以降1,2次車も含めた客用ドア付近の床面およびドア先端部が黄色とされた。ドアエンジンは1次車〜12次車まででスクリュー軸駆動式、13次車〜15次車でリニアモーター駆動式、16次車以降ではラック・ピニオン方式が採用された。また、E231系電車と同様の3点式のドアチャイムが1次車より搭載されている。

客用窓はグリーン色の熱線吸収、UVカットガラスが採用され、ロールカーテンは省略された*14


-案内設備

5000系3次車以降標準搭載されている行先表示器(フルカラーLED)

5000系は京岐鉄道の標準車両として様々な新機軸が盛り込まれることとなり、そのひとつとして行先表示器に三色LEDの採用が検討されたものの、サービス面で問題が生じる可能性があるとして3次車まで従来車と同様の方向幕が採用された。

一方で3次車以降はフルカラーLEDが採用され、のちに方向幕を採用した車両も全てフルカラーLEDに改造された。


また、車内の案内表示では1〜7次車にはLED式の案内表示装置が、8次車以降は液晶ディスプレイ式の案内表示装置が客用ドア上部に千鳥配置されている。

また、車内案内?の質を均等とすることを目的に、3次車以降は車内自動放送装置が搭載され、3次車登場とおなじく2007年から開始された。車内自動放送は以後5000系1,2次車や新製車両のみならず、4000、4500系以前の車両*15にも波及していくこととなる。

放送は日本語と英語の2ヶ国語で行われ、始発駅や主要駅発車後の種別および行き先の放送、次駅案内が2ヶ国語、優先席や携帯電話の案内等が日本語のみで行われる。

また、2018年からは駅ナンバリング放送が開始した。

編成

2022年4月現在、すべての線区に合計115編成408両が在籍する。うち大阪線区は44編成190両、名古屋線区は27編成64両、河内線区は44編成154両である。


(太字:茨田線 K:地下鉄堺筋線乗り入れ対応 KK:京阪奈高速鉄道乗り入れ対応 Q:関西本線乗り入れ対応 x:ブザー式電鈴 赤色太字斜体の数字は次車)

運用


現在、大阪線では全ての種別に充当されているほか、名古屋線、本線のワンマン区間にも投入されている。

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