kome620で日々行われる卓ゲを整理するためのwikiです

◆更新履歴◆
21/3/3 おそらく今日常的に参照している人がいないのといい加減量が多すぎるので順次加筆改稿版を自分のブログに格納してこちらにはリンクだけ貼っておく方式にしていきます
2/23 編集ノート立項。ゲームを進めよう内行動宣言についての記述を更新。この変更についてはページ最下部「編集ノート」を参照してください
2/3 ルールを確認しよう冒頭に7版クイックスタートについての記述を追加
4/9 ルールブックの具体的な参照ページを各項にちょいちょい追記、より慎重なKPのための事前準備内『狂気のルールの確認』ちょっと追記
3/24 PCが行き詰まって、行動が進まなくなってしまった に参照URLを追加、ちょっと進んだPL初心者ガイド(オンオフ共通編)立項




 komeで初めてTRPGをプレイするけど(もしくはほぼ初めて、プレイングに自信がないなど)、どういうことに気をつければいいの?というあなた向けのちょっとしたガイド。PL向け、GM向け両方あります。下の方にあるレファレンス以降はPLGM双方向けの記事です。
 これだけ読んでおけば大丈夫!むしろ遊ぶ気さえあれば別に読んでなくても大丈夫!いつでも遊びに来てね!
 今のところCoCが多いのでCoCについて書きますが、他のシステムについてもそのうち詳しい人が書き足してくれるでしょう。たぶん。
 なお以下の内容はすべてとある1住人の私見であることをあらかじめおことわりしておきます。だいぶ好き勝手書いてるから頭から信じたらあかんで。むしろ書いてある項目を手掛かりに「自分はこうするのがいいと思うなあ」と考えるのがうまく遊ぶための第一歩、かも。
 量が増えてきたので目次を参考に興味のあるところだけ拾って読んでください。
 ページ表記は6版準拠です。






PL初心者ガイド(オンオフ共通編)


オンラインセッション、オフセッションを問わない心の準備の話。

ルールを確認しよう



 基本ルールブック(以下ルルブ)を持っていない場合は、7版のクイックスタート(簡易版ルールブック)が公式から無料でダウンロードできます。最初はこれを参照しましょう。
 http://r-r.arclight.co.jp/wp-content/uploads/2019/...(PDFダウンロードが始まります、通信量注意)
 2020年現在のCoCは6版と7版環境が混在しているため、場合によってはここに載っているのと違うルールを使う場合もあります。しかしいずれの版を使用する場合でも4〜6ページ及び7ページのプレイの例は参考になるでしょう。またルールも大筋は変わらないため見ておいて損はありません。

 ルルブなしで遊びたい場合は、KPに確認してから参加すること(komeにはルルブなしOKのKPもいます)。クイックスタート既読、ルルブ非所持の場合もKPによって可・不可が分かれるので必ず聞いてください。

 この項目の続きと以下2項目の内容はこちらに移動しました。

KPの裁定を聞こう



ゲームを進めよう



How to ロールプレイ


この項目の内容はこちらに移動しました。

CoCについて、もっと自分で色々知りたい!
 様々な資料があります。とっかかりとなるサイトや情報の多いサイト、一部書籍をレファレンスにまとめました。レファレンスへ移動


ちょっと進んだPL初心者ガイド(オンオフ共通編)


 PL初心者ガイド、読んでみたけどこんなん当たり前の基本中の基本じゃん?もっと具体的に役に立つ探索のやり方とかないの??と思ったあなた、上記の内容に対してそう思えるのは素晴らしいことです。これだけでも最初はけっこう難しかったりするのです。
 ではここからは、本当に初心者の初心者から脱出したい、慌てながらとりあえず技能を振るのではなく、ちょっと頭を使って探索してみたい!と思うあなた向けにいくらかの記事を書いておくことにします。

 まず最初に、ルルブのPL用セクションを読みましょう。え、さっきの項の最初の部分とまったく同じこと言ってるやんって?
 p.28〜114を全てきちんと読んだのであればこのページ自体が無用の長物です。でも、本当にその部分、全部読んで内容覚えてるよと言い切れますか?読めばなぜここまで書くのか理解できると思います。絶対に「こんなこと書いてあったっけ……」って思う部分が出てくるから。とりあえず、p.32-33のたった2ページでいいので読みましょう。探索に必要なことは大抵そこにまとまっています。もし近くセッションが控えているのであればルールと技能セクションの自分の持っている技能関連の部分を読むのもおすすめです。(戦闘まわりのルールだけはKP裁定に頼る部分がかなり大きいのでそこまで真面目に読む必要はないと思います。個人的には)
 CoCは現実に近い感覚でプレイできてしまうがゆえに、実はちゃんとルールがあるのに見過ごされている部分というのがかなり多いです。特に技能の運用などは気を付けてみてもいいのではないかと思います。

ちょっと複雑な探索のコツ


 この項ではシティシナリオ及び白い部屋系『以外』のクローズド全般の探索の話をします。白い部屋から脱出する系は基本的に「くまなく探索する」以外に必要な行動がないので探索の手順で悩むことはあまりなかろうと思います。よってそのタイプの「とりあえず全部調べればクリアできる(難しいとしてもそれは置かれているエネミーが強いとかギミックが難しいとかであって探索の手順自体が難しいわけではない)」シナリオは除外します。
 クローズドであっても「とりあえず全部調べる」以外のことを考えなければならないシナリオはそれなりに多いので、クローズドでも単純な白い部屋系ではなさそうだぞ、と思ったらこの項を思い出してみてください。
一人にならない
「1人はちょっと怖いよね〜」とさんざん言われるのでもう耳にタコができているかもしれませんが、ミステリでもホラーでも一人になるのは死亡フラグ。探索して謎を解くホラーゲームのCoCで死なないわけがありません。最低でも探索者2人でお互い目を離さず探索するのが鉄則です。なおNPCは1人には数えません。かっこつけてタイマンとかしないこと。

行動も考えて選ぶことが大事
 クローズドだと、一見意味のなさそうな些細な物体がクリアのための手掛かりになったりします。そのため調査の目的とか出てきた情報の意味とか何も考えず、目についたものは全てくまなく調べるという癖がつきがちですが、シティで同じことをやると時間がいくらあっても足りません。まず自分たちの求めている情報は何なのかを明確にし、情報があるのはどこか、情報を持っているのは誰か、それを入手するためにどのような方策・技能が必要になるかを考え、行動を選びましょう。

情報は取捨選択が大事
 白い部屋系クローズドシナリオでは、一見事態に何も関係なさそうな些細な手がかりでもとりあえず隅から隅まで調べて集めて組み合わせる、という調査手順になることが多いと思います。
 それ以外のクローズド、シティはこれとは情報の扱いが逆になる場合が多いです。大量に流れ込んでくる情報の中から必要な情報を見極め、これは次の手掛かりにつながる情報、これはすでに分かっていることを補強する情報、これは後々必要になるかもしれない情報、などと情報を分析し、重要なものをより分ける目が必要です。一見怪しげだが事件自体には関係のない、ブラフ情報が混ざっていることもあります。手に入った情報は何を表しているのか、裏付けの必要はあるか、などなどパーティの中で話し合いながら進みましょう。

 シティでも取捨選択するほど情報がなく、シンプルに絞られているシナリオもあります。自分が遊んでいるのがどちらなのかはKPに聞いてみるのがてっとりばやいかもしれません。

NPCの重要性
 社会は人間が動かしています。社会的な障壁であれば、人間をうまく動かすことで取り除けることも多いです。探索者たちだけでなんとかならないかを考えるより、探索者が所属しているコミュニティのコネ、直面している障害について裁量権を持つ権力者、有識者など頼れるものがないかを考えてみましょう。今独力で解決できないことは何をどう頑張っても大抵無理です。またそういった人々に聞き込みや頼みごとをする際には素行の良さ(裏社会の相手に聞くならば悪さ)、社会的な身分、信用が重要になるのは言うまでもありません。
 NPCに強権を使ってもらうのが無理な場合でも、シティはとにかくNPCの重要性が段違いです。情報集めにおいても、NPCの存在は常に意識しておきましょう。


『情報を処理する』って、どうやるの?


この項目の内容はこちらに移動しました。

ちょっと洗練されたPL発言


 この項目の内容はこちらに移動しました。

PL初心者ガイド(オンセ編)

どどんとふの使い方を覚えよう


どどんとふ超簡単ガイド
 620komeでは、CoCのセッションにどどんとふというサイトを使っています。HTML5版の鯖の時以外はFlashを有効にしてください。
 難しいことは何もないです。書いてある通りにポチポチするだけでおーるおっけーです。分からなかったらそのへんにいるゴリラに聞いてくれれば教えます。

オンセ特有の問題


 620kome特有の内容以外の部分はこちらに移動しました。

突然の中断
 宅配便が来る。お花摘みもしくは雉撃ちに行きたくなる、その他突発的な用事によって席を離れなければならなくなる事案。ゲームが始まる前にできる用事はある程度済ませておきましょう。しかしながら自分の準備だけではどうしようもない中断もよくあります。席を離れる時は、一言でいいので声をかけてから離れるようにすれば大丈夫です。
 また、突然回線が落ちたり、時間帯によっては通信速度がきわめて低下するためにスムーズなセッションが困難になる場合があります。どどんとふの部屋からはじき出されたらスマホなどでkomeのほうにつながるかチャレンジしてみてください。状況に応じて今後の予定を相談します。
遅刻、寝落ち
 これも頻繁に起こるわけではありませんがたまにあります。出先から帰るのが遅れそう、などであれば620komeで知らせてもらえると他の参加者も先の見込みが立つので助かります。この手のやらかしは誰にでも起こりうることです。寝ていて報告のできない遅刻やいつの間にか寝落ちしてしまったケースなどは素直にごめんなさいしてあらためて予定を相談しましょう。
いつ喋ったらいいのか分からない
打つのが遅くて展開についていけない


GM初心者ガイド(オンオフ共通編)


 この項の内容はこちらへ移動しました。

 →p.145の参考資料クトゥルフ神話の原典作品について

事前準備をしよう

 この項の内容はこちらへ移動しました。

シナリオの読み込み
参加者への告知
 日時、所要時間、シナリオ傾向、推奨技能(あれば)、PC作成にあたってのレギュレーション、使用するスポットルール、ハウスルールなど、必要と思われる情報を告知しましょう。このあたり、事前にどこまで情報を出すかは様々です。日時しか出さないKPもいれば、シナリオの導入部を公開して「これに合うようにPCを作って事件に首を突っ込む動機まで考えてきてください」なんてやるKPもいます。とりあえずは、自分がPCのときに欲しい情報を出しておくといいのではないでしょうか。
キャラシの確認
プレイ環境の整備
 オフセならハンドアウトや資料、マップ、駒など。オンセでも同様に、プレイ前・プレイ中に提示する資料はあらかじめ作ってすぐに出せるようにしておきましょう。オフセの資料はどこに入っているのか分かるように整理しておく、オンセは画像データをあらかじめアップロードしておき、マップ変更やカットインの出し方を確認しておく等々。
 これも個人的なおすすめになりますが、ルルブの「技能の定義」「負傷・治療・戦闘」「戦闘のスポット・ルール」「一時的狂気表」「正気度喪失ガイド(及びp.86の「正気度喪失の例」)」あたりに付箋をつけてすぐ開けるようにしておくと、オフセオンセ共に便利です。特に戦闘は本来のルールやハウスルールが入り乱れて、組み付きの処理、貫通や回避、1戦闘ラウンド中に何ができるのかといった裁定が怪しくなりがちなので、念のため参照しながら進めることがよくあります。

時間の見積もりをしよう


 TRPGは、遊びとしてはかなりの時間を拘束し、途中で抜けたりもしにくい、窮屈なゲームです。(ゲームの中では想像力次第で無限の世界を展開できる自由さがありますが、それはこの際横に置いておきましょう)

 よって、参加する人の大きな心配事のひとつは時間です。どの程度の時間がかかるか、事前に見積もっておきましょう。正確に見積もるにはかなりの経験が必要ですが、ひとつの目安として筆者の用いている基準をここに書いておきます。筆者のキーパリングだと正確性は±1時間といったところです。ほかのKP経験者も、こういった見積もり方法を使っている、という目安があれば、自由に書いてください。
 ↓実のところ、慣れた人同士であればここまでかからないことも多いですが、初対面に近い人同士で卓を囲んだり、RPの多いkome卓の性質上、多めに見積もっておくのが無難だと思います。

オンセはオフセの3倍
正確にはオンセとういよりテキセ(文字チャットのみでセッションする)の場合です。一般的に3倍程度かかると言われています。シナリオにオフセッションでの目安1時間、とあればテキセでは3時間はかかるとみてよいでしょう。さらに、これを目安に以下の基準で時間を足していきます。
人数
所要時間が〜6時間程度のシナリオであれば、シナリオの推奨人数下限から一人増えるごとに+30分〜1時間。テキセに慣れていない人がいれば確実に1時間はとります。また、大型のシナリオになればなるほど、1人あたりの時間が積み増しされると思って十分に余裕をみておきましょう。
ロールの多寡
台詞を言わせたり行動の詳細な描写をするロールは時間を取ります。行動宣言だけなら数文字で済むところをその数倍喋ったりするので、入れれば入れるほど伸びます。テキセでの見積もりが3時間相当のシナリオでロールを推奨するならば+1〜2時間はみたほうがいいでしょう。参加者の慣れにより大きく変動します。ロールがほぼなければまるっと削れます。とうらぶ卓をするのにロール無しというのもあまりないかとは思いますが、とれる時間が少ない場合は一考の価値あり。
判定の無駄打ち
探索可能箇所を探索しても、ゲームの進行に直接関係のないちょっとした情報が出てくるだけ、そもそも何もない、など、判定が無駄に終わるような探索ポイントがあります。こういったポイントは、シナリオ内で時間制限がある場合は無駄打ちで焦燥感をあおる(そして時間制限があるので無駄に時間が伸びない)などの効果がありますが、そうでないシナリオの場合、探索者が丁寧であるほど無節操に時間を食います。単純にサイコロを振る時間だけでなく、そこで得た情報の価値について議論する時間まで必要だからです。無駄打ちポイントは、PLが必要な情報の価値を判断できない序盤にあるほど時間を食います。無駄打ちで雰囲気作りのための情報を出している場合も多いですが、時間を食いすぎると思ったら無くすことも。


自作シナリオの時間の見積もり
大まかには、シナリオ本体の字数で判断します。まずは自分とシナリオの書き方が近い(フレーバーテキストの多い/少ない、判定の基準について細かく書いてある/大雑把にしか書いていない、など)既存シナリオを探しましょう。そのシナリオが1万字で目安時間5〜6時間であれば、自分のシナリオが2万字の場合は最大12時間程度、と推測できます(その目安時間がオフセなのか、オンセでもボイセなのかテキセなのかは確認しましょう。テストプレイで何時間でした、等書いてあればより信頼度が高くて◎)。またテストで回す際には、初めてなのでどのくらい伸びるかは分からないと参加者に説明しておくこと。

参加者に気を配ろう


 ここから下3項目の内容はこちらへ移動しました。

自信をもってキーパリングしよう


悩んだときは「PL,PCにとって利益になるように」動かそう


PCの行動が予想外すぎて対応しきれない


PL、PCとはつねにKPの予想の斜め上を行くものです。PCの行動がシナリオの想定ルートから大幅に外れてしまいそうになることはよくあります。そういったときにどう対処すればいいでしょうか。実は、ルールブックのp.144〜『KPの知識』章は、注意深く読み返してみると非常に役に立つ指針がたくさんあります。この章の内容は、本格的にKPをする前はぴんとこない部分も多いです。よってあまり印象に残っていないかもしれませんが、あなたが何度かKPを経験して問題意識を持った後であれば、この章を読み返すことは大いに役に立つはずです。具体的にどの部分がどの問題に対しての答えになりそうか、その指針も合わせて掲載しました。

最もシンプルな最終手段
 「ごめん、それは想定してないから対応できない//ここではそういう行動はできない」と素直にぶっちゃけること。身もふたもないですが、ありとあらゆる場面で使える最終手段です。あなたが初心者で、予想外の展開に困ってしまった場合は迷わずこの選択肢を取ってかまいません。初心者でなくともとりあえずこれで構いません。
 アドリブでとっさの展開を変えると、前後の整合性がとれずシナリオが破綻してしまう可能性があります。とくに見えないところで動いているNPCの心情や行動はかなり慎重に管理したほうがよいでしょう。展開を変更した状態でも、シナリオ中の過去から未来の展開まで全てにきちんと辻褄を合わせられる見通しがあると思うならば、PLと共に新たな展開を楽しんでみましょう。PLの創意的な提案を却下したくはないが辻褄合わせに自信がないという場合、「先の展開を検討するので少し時間が欲しい」と正直に伝えて休憩を入れるのも一つの手かもしれません。

シナリオの想定外のバリエーション─過剰な戦力の要求の問題
 p.146《一般原則》、p.152《持ち物に頼る》が指針になるでしょう。PLはPCの持ち物として強力な武器になるものを要求しがちですが、現実でそのような武器を扱う場合と同じく、強い武器は大きなリスクを伴います。特に火気を扱う場合は、取り扱いに失敗した場合の爆発や暴発、そうでなくともPCが発狂した場合味方にその武器を向けてしまうリスクなどを警告しておきましょう。他のPCに影響の及ぶリスクは他PLの同意を得ておいてもらうほうがいい場合があるかもしれません。
 同意を得てリスクを承知したうえでもそれを持ち込むというならば仕方がありません、PCに悪い事態が発生しても気にせずに処理しましょう。

シナリオの想定外のバリエーション─常軌を逸したPC行動
 p.157《プレイヤーにできること》などを合わせて参照のこと。
 あまり普通でない行動をとろうとするPCがいるとき、場合によっては、KPはそれを控えてもらうという選択を取ることがあります。これはなにもKPの個人的な好悪の問題ではありません。もしもデメリットなく殺人が行えることになれば、法で捌けない人間の悪人をいかに止めるかという緊張感が失われてしまいはしませんか?頭を使い、知恵を出して難しい局面を乗り切るという楽しみもなくなるかもしれません。もしピンチに陥ってもPLが強く要求すれば無茶が通る、ということになると、ピンチに陥らないように頑張ろうとする全ての試みが無意味になってしまいます。KPは、あくまでもPLがその楽しみを失ってしまわないようにという意図で裁定を考えましょう

 いきなり強硬な武力行使に訴えてみたり、非人道的な行動に走ってみたり、独断でパーティ全体を危険にさらすようなアクションをとったり、等々、堅実な探索とは真逆の行動が飛び出すことは珍しくありません。いずれもPL、PCなりに解決のために合理的な行動を考えた結果であることが多いので、慌てる前にまず一呼吸おき、PLの意図を聞きましょう。その行動は事態の解決が期待できる一つの手段ではあるかもしれませんが、我々はなぜ現実世界においてそのような行動をとらないのでしょうか?KPはPLと対話する必要があります。p.153《当然の推論》なども参考にKPは自らの裁定を考えましょう。
 イレギュラーな行動は、PCにとっても利益にならない場合があります。PCたち自身のために、デメリットを警告したり、その行動をとっても良いか他のPLと話し合うよう促したり、場合によっては簡潔に行動を却下することもKPの仕事のうちです
 武力行使は、使う場所によっては普通に逮捕されるでしょう。切り札をさらすことで、知性ある敵ならば対策を練ってくるかもしれません。また、NPCに強く警戒されたり、信用技能の値が下がってもおかしくありません。文明社会において気軽に暴力行為を行うのはたとえそれが職業的行為であっても危険な存在であると認識する人のほうが多いです。
 非人道的な行動については後述します。独断で全体に影響を与えそうな行動をとる場合は、その行動が他のPCにも影響するかもしれないことを告げ、他のPLとコンセンサスをとれているか全員に確認するべきです。


 RPが走って躊躇せず反社会的行動に出る、非人道的な行動に走るPCがいる場合の対応も、いくつかの指針があります。とりあえずp.85では『恐怖、未知のもの、人道の無視』と『人道の無視』が探索者の立ち向かうべき、狂気の存在の側にまとめられていることに留意しましょう。
 p.153《信頼と公平さ》(『たとえ探索者が犯罪性精神異常者になってしまったような場合でも、よほど特殊な場合を除き、彼を助長させたり仲間を裏切るようなことにさせたりしないようにするべきである』)や、p.89を元に、『探索者たちが卑劣だったり、野蛮だったり、残忍だった場合には、報酬は与えられない』ことを警告すべき場面があるかもしれません。

 PCが職業的軍人もしくは医者などであるため死体にひるまない、殺人に躊躇がないといった職業的特性を根拠にデメリットなく特殊な行動をとれると主張される場合があります。システム上の扱いの変化(正気度減少値の軽減など)は、そのような追加ルールのあるサプリメントを採用していない限り、ルール的な根拠はありません。「仕事中にいつもと同じ状況で死体に遭遇するのであれば正気度の減少は起こらないが、シナリオ中の特殊な状況下で死体に遭遇する場合はこれにあたらない」などの理由で却下するKPが多いです。
 ルールブックにある『慣れ』のルール(p.88)を根拠に正気度喪失の軽減を要求する場合もありますが、このルールにのっとるならば、例えば死体を見慣れているPCは、シナリオ開始の時点で死体を見ることによって失う可能性のある正気度を最大値分喪失していることになるでしょう(死体を見て失うであろう正気度を最大値分失ったためそれ以上失うことはない、というのが『慣れ』のルールの扱いであるからです。PLにもルールブックを参照してもらいましょう)。また、『慣れ』のルールは恒常的に/短時間のうちに頻繁に同じ脅威に接することでそれに慣れることを表す処理なので、ある程度時間があくと効果がなくなってしまうという扱いもありえます。このあたりはシナリオとの兼ね合いもしくはKPの好みで選んでください。

 職業的に人を殺す可能性のあるデルタ・グリーンの隊員などであっても(詳しくはサプリメントを参照)、人を殺す際にはSANチェックが発生します。最低限の「自分や他人を守るために殺す」場合でも0/1D4、殺される理由のない人物を冷酷に殺すことができるならば1/1D10程度です。
 そもそも、自他に対する傷害は普通の正気の人間が行うものではないからこそ、狂気の内容になりうるのです(短期の一時的狂気表を参照)。一般的な人類社会の法律で行うべからずと定められていることに対し倫理的な躊躇を覚えないのであれば、それはまさしく人間的な堕落、クトゥルフ神話的な冒涜に満たされた精神状態に近づいている=正気度が減っているということに留意すべきです。
 正気度は理性を表す数値ではありません。正気度を失った結果理性が失われる場合ももちろんありますが、正気度がない生き物にもINTはあります。正気度が0のまま理性的に邪悪な行動をとるNPCが公式シナリオに何人いるか数えてください。邪悪な行動をとる狂信者たちも、自分たちは目的のために正当な手段をとっているのだと考えています。しかし一般的な人類社会の倫理からは外れているために、呪文を唱えれば正気度は減るし(p.88『ほとんどの呪文は邪悪な意図をもってかけられる』)、人を殺しても正気度は減るしで正気度が磨滅していくのです。悪人を罰するためという理由を与えられたところで、一般的な人間がちゅうちょなく別の人間を殺せるでしょうか?人類社会で考えられている一般的な物理法則、人道、美徳から外れた行動、思考は正気度の減少につながりうるのです。

シナリオの想定外のバリエーション─うっかり死ぬPC
 p.146《一般原則》(『死には何らかの意味があるべきである』の段落)、p.156《生か死か》が指針になるでしょう。
 CoCはPCがきわめて脆弱であるため、シナリオの枝葉の部分、チンピラとの喧嘩などでいちいち真面目に戦闘させているとうっかり耐久力が0を割ってしまうことがよくあります。相手が犬1匹でも普通に死にます。確率の壁を乗り越えて応急手当てに成功しても回復するのは1D3がやっとです。特に戦闘が発生する場合、探索者の死を無為なものとして終わらせないためにはKPの慎重な采配が不可欠です。生かさず殺さずのバランス調整が難しいと思うならばいっそのこと枝葉の危険には踏み込ませない、途中で助けの手が割り込む、ホラー映画によくある気絶回避などいくつか手を用意しておきましょう。そうすれば土壇場で華々しく散る場合の死に際も引き立ちます。

ゲームを進行する小技


探索箇所の特定
 PCがなんでもかんでも細かく調べようとするので探索が進まない?
 そんな時は、あらかじめ「この部屋で調べられる場所はこことここです」「現時点であなたがたの目につくのはこの3つです」など、調べて情報の出てくる箇所を最初に挙げましょう。もしくは、必要な情報がすべて出たら「ここで調べられる情報はもうありません」と宣言すること。

 PCは、KP以外から情報を得ることができません。あなたが適切に描写しなければそこに明かりがあるかどうかすら分からないのです。当然、部屋の中を適切に調べ終わったかどうかなど分かるはずもなく、常に情報の取り逃しを気にしています。上手いと思う人の情報の出し方を真似したり、色々試してみましょう。実卓のログやリプレイを利用して、元のシナリオをどのように料理しているか研究するのがおすすめです。

 この情報の出し方は探索が簡単になりすぎると思うかもしれませんが、上手いこと必要な個所を探索してもらえないのはKPの責任でもあります。探索の上手な誘導はプロの先生でも苦労するところです。初心者が進んで難易度を上げても得をすることはないでしょう。

行動宣言、行動終了宣言
 これは主にPC向け(もっと言うとテキセ向け)の小技ですが、KPも活用できます。
 「今から部屋の描写をします」「描写は以上です」「〜とNPCは言いました」「〜と〜ができます。どちらにしますか?」

 特にKPは行動終了宣言をよく使うことになるでしょう。あなたが何か喋ったあと、そこで発言が終わったと判断できなければ、PCは何も動けません。特に新たな展開があって状況を描写し終わった後などは、「以上です」「このようなことができます」「どうしますか?」など、PCにボールを投げる発言で〆ることでPCもすぐに反応することができます。
 NPC発言も、丁々発止のやりとりが続いている間はいいですが、お互い次の発言を待って睨みあうような状態になるならば、「〜と言いました」「以上です」などでこちらのターンは終わりました、とはっきり示すことが重要です。

進行度に合わせて時間を分割する・1
 いつも予定より遅くなってしまう、テンポが悪い、思ったように展開が進まない。よくあると思います。
 タイムキーピングは難しいですが、意識すればかなりましになります。一番の基本は、あらかじめシナリオを分割し、ここまでで30分、ここまでで1時間、と時間を細かく決めておくこと。どのシーンにどれだけ時間がかかるかも最初は読めないかもしれませんが、何回かKPをやれば分かってきます。プレイ中はこまめに時計を見る癖をつけましょう。熱中すると1時間2時間はあっという間に過ぎてしまうものですが、KPは常に全体の時間配分を意識できるようになると便利です。

 そして、時間が押していると思ったら、PCに素直に伝えて巻きを入れること。ロールプレイが長くなったりすると、KPだけが時間を意識していてもどうしようもありません。PCにも時間を意識してもらうことで、かなり時間通りの進行がしやすくなります。

 なお、シナリオ上のテキスト量が同じでも、前半と後半とではかかる時間が全然違います。終盤が近づくにつれ、まず集めた情報について話し合う時間(つまりシナリオ上には記載のない余分な時間)が必要になり、クライマックスは展開も処理も多く、それに合わせてRPも盛り上がる場合が多いからです。
 そのあたりを考慮してまず後半の予定時間を多めに取り、さらに前半の時点で巻けるところはガンガン巻いていくのがコツです。もちろん、シナリオを見て後半にそこまでボリュームが無いと思われる場合は前後半を均等にとっても良いでしょう。しかし、中盤を過ぎればPLPC間の話し合いというシナリオにはない時間が必ず発生すること、その他思わぬところで泥沼にはまって時間を食うという状況は極めて頻繁に発生するので、巻くならなるべく前半の時点から、という点は変わりません。

進行度に合わせて時間を分割する・2
 時間を分割する際、シーンの性質によって時間を多めに見積もっておいたほうが良い箇所があります。(経験上、PCが〜2人ならここで書いてあるほどには時間をとりません。3人を越えると一気に時間を食うようになる気が……)

《導入》
 意外と時間を取ります。シナリオの冒頭、「探索者たちは以下のような事情で何々をすることになった」を消費するのに30分くらいかかったりします(テキセの場合)。理由は、その冒頭部分だけで
・探索者たちがお互いにどういう関係性かを話し合って設定したり
・その関係性を掴むためにRPしてみたり
・もともと知り合いの場合は日常風景の茶番が挟まったり
・知り合いでない場合は自己紹介だったりお互いに警戒したりのRPがかなりの時間を食う
・事件の発端に踏み込む経緯を考えさらにそれをRPし
・いざ事件に踏み込んだら踏み込んだでその異常性に対するリアクションをRPし
 と、考えたり話し合ったりRPしたりする内容が意外と多いからです。導入の日常を表現し事件に踏み込む動機を説明してもらうRPを1人5分でさくさく切り上げたとしても、3人いれば15分、4人で20分です。
 特に冒頭のRPはやっておいたほうがキャラクターを掴みやすい、シナリオに入り込みやすい、日常とその後の落差を表現できるなどのメリットがありますし、ここは巻くよりあらかじめ時間を取るつもりで余裕をみておきましょう。

《戦闘》
 これも、シナリオの分量に比べて大幅に時間を取りがちです。1、2ターンのみの限定的な遭遇戦などであれば心配ありませんが、SANチェック失敗1D6級のモンスターが2,3体も出てくれば、これらを完全に撃退するまでに1時間はかかるとみてよいでしょう。単にサイコロを振るだけでなく、敵味方の被害を評価し次の行動を話し合ったりするので意外と喋る分量が増えます。「探索者が頑張れば倒せる程度の妥当な戦力の敵との戦闘は1時間程度」と考えておきましょう。

巻きの入れ方
 巻きを入れるのは、なにも時間が押している時だけではありません。あまり重要でないシーンは巻いてさっさと次に行くことで、PCが余計な情報にひっかかるのを防いだり、重要なシーンの演出に力を入れられるといった副次的なメリットもあります。

《とにかく場面を進める》
 PCの行動選択が必要な場面以外は極力触れずにどんどん流します。
 「調べて出た情報は以上です。図書館は5時で閉館なので、残りは明日来て調べる必要があります。何もすることがなければ帰って晩ごはんを食べて就寝となりますが、どうしますか?では。皆さんは夕飯に○○を食べて(後略)」ではなく、「調べて出た情報は以上、これで今日の探索は終わりです。次の日の朝になりました。図書館もしくは神社に行くことができます」です。
 とにかく、PCが反応して茶番が生えたり余分な行動ができる余地をなくします。判定でダイスを振ったら次の判定ポイントに直接飛ぶくらいの意識でいいです。

《RPを切る》
 「」で会話するPCの演技をなるべく減らします。ぶっちゃけてPC側に協力してもらうか、「ロールどうぞ」を言わず行動宣言だけをどんどん要求していくことでテンポを上げます。
 NPC対PCの会話も、必要な情報を全て出したらNPC側から素早く切り上げることで泥沼を防ぎます。

《情報を整理する》
 PL同士の相談にかかる時間を圧縮する方法です。PLは、今後の方針を相談するのに記憶をたどりメモを見直しログを読み直し、情報に重みをつけ、さらにお互いの意向を確認するという煩雑な手順を踏まなくてはなりません。一度プレイ中に出ている情報であれば、KPが整理してもいいでしょう。
 「今はこれこれの事件が起こったところで、調べたところこういった情報が出てきたね。気になる人物はAとBでそれぞれこのような発言があったね。これらをふまえて次の3つの選択肢があると思うんだけど、どうしますか?」といった感じです。
 これは時間を短縮すると同時に、KPの情報の出し方が悪くて情報と認識されていないものを再提示するのにも使えます。PLの情報の勘違い、解釈違いをさりげなく修正するのにも有効です。(PLが情報を勘違いするという状況はかなり頻繁に起こるので、この目的でKPから整理した情報を出す場合も多いです)
 ただ、クライマックス近くにこれをやりすぎるとPL側の「自力で考えて選択して頑張った!」という満足感を損なうことがあるので、序盤〜中盤に情報が整理できなくてグダっている場面を流すために使うのがおすすめです。

《調べなくても分かる情報は先に全部出す》
 そのままです。特にダイスを振らなくても分かる情報は最初に全部出しましょう
 「では、次の部屋に着きました」「何がありますか?」「机と椅子とベッドがあります」「壁の色は?」「真っ赤ですね」じゃないです。
 「次の部屋です。机と椅子とベッドがあり、机の上に一輪の青い薔薇が刺さった花瓶があり、壁も天井も真っ赤です。これ以上の情報は場所を指定して目星を振ってください」と最初に全部書いてください。
 PCはKPが必要な情報を出さない限り周囲の情報が何も分からないので、際限なく情報を要求せざるを得ません。判定しなくても分かる情報は、「聞けば答える」ではなく「聞かれなくても全部出」してください。

なんでもかんでもダイスを振らない
 PCから「目星を振ります」「聞き耳できますか?」と言われると、つい振ってもらって「特に気になるものはありませんでした」「何も聞こえませんでした」とやってしまう、もしくは別に判定しなくても出る情報だったのをダイス判定の結果として出すことにする。ダイス判定箇所があまりにも少ない場合は一考の余地がありますが、要求があったらとりあえずダイスを振らせるというのはあまりいいことがありません。理由は大きく二つあります。

 一つ目は、単純に、余分な時間がかかります。ダイスを振って情報を出して、さらにその情報についてPCが反応するやりとりで、その箇所に想定されている数倍の時間を使います。めぼしい成果もないとなるとKPにもPCにもあまりいいことはないでしょう。タイムキーピングに四苦八苦する初心者であればなおさらです。

 二つ目は、PLが情報の重要性を誤認します。たとえば、目星は「隠されているものを探し出す」ための技能です(もしこれを読んでそうだっけ?と思った場合は、ルルブの技能の定義を一度全部読み直しましょう)。普通に見て分かる情報として描写される予定だったものを目星情報として出すとどうなるでしょうか?また、PCが目星の技能の定義をそこまではっきり認識していない場合でも、「ダイスを振らせたからには何かあるのだろう」と深読みして後々まで引っ張り、情報の整理を混乱させる場合があります。ダイスの判定は、それをする必要のある時を選んで行いましょう。ダイスを振るのは非常に楽しく、セッションを盛り上げてくれますが、なんでもかんでもダイスを振らないと情報が出ないのは考えものです。p.58の「自動的なアクション」「異常な状況」も合わせて参照のこと。

 必要のない場面で判定を要求されても「目星はいらないよ。○○が見えます」「何も聞こえないし振る必要もありません」「調べなくともあなたは○○であることを知っています」で十分です。(調べなくとも分かる情報は、聞かれる前にすべてPCに開示されている状況が理想ではあります)

 ちなみに、こんな項目を書いた後でなんですが、逆にダイスを振らせまくるというキーパリングをするKPもいます。しかし↑にあるデメリットが発生しないように運用されていたので中級者向けということでここでの解説は省きます。上手いKPを見つけたら観察してみてください。

PCが行き詰まって、行動が進まなくなってしまった
 いくつかの原因が考えられます。よくあるのは、1.シナリオの構造上の問題 2.PLの情報整理の問題 3.KPの誘導の問題 の三つです。さらに、これらのうち二つ、もしくは三つ全てが複合的に発生する場合があります。

 《シナリオの構造上の問題》
 どこかで情報を取り逃がしてしまったために、先につながる手掛かりが何もなくなって足が止まるパターンです。これは事前にシナリオをチェックした時点で気づいてフォローを足しておけるといいのですが、いざその場面に立ち会うまで気づかない場合もよくあります。対処法は、1.諦めてそのまま事態が進んだことにして処理をする 2.幸運ダイスなどの救済措置 3.過去のダイスで実は必要な情報が出ていたことにする(そしてその情報をPLに伝える)などがあるでしょう。
 シナリオの終盤であれば、1.でもいいかもしれません。PCがある程度探索やイベントを楽しんだ(?)後であるならば、ダイス目が腐ったなら腐ったでそれも運命、と思えるでしょう。しかし、雰囲気的にそんな感じでもないなと思ったらあまりおすすめはしません。ぶっちゃけ、救済してほしい?このままエンドでもいい?と聞いてしまうのも手です。

 《PLの情報整理の問題》
 必要な情報は出ているにもかかわらず、a.PLが情報を情報と認識していないパターン b.PLが情報の解釈を誤っているパターン があります。a.の場合はアイデアなり何なりで思い出してもらうか、いっそのことKPが「今出てる情報としてはこれとこれとこれがあって○○さんはこのアイテムを持ってたね」というふうに必要な情報を全て拾ってまとめてしまうのも手です。ギミックとして、「出た情報を処理して適切な対処が取れるかどうか」で命運が決まる場合はその部分のゲーム性を損なうのでやらないほうがいいかもしれませんが、詰まることが想定されていない部分で些細な情報の取り落としによって詰まってしまっている場合はKPが出て悪いことはないはずです。必要な情報を必要であると伝えられていないKPの問題もあるからです。
 b.情報の解釈を誤っているパターンでも、「その情報を正しく処理できるかどうか(ブラフなどに引っ掛からず正しい方針をとれるか)」が主眼になっているギミックの場合は、手出ししないほうがよいでしょう。しかし、a.の場合と同じく、特にシナリオ上ひっかかりが想定されていない部分で引っかかってしまっている場合は、KPからさりげなくそのことを指摘するほうが、枝葉の部分に時間を取られずに済みます。

 《KPの誘導の問題》
 よくあるのは、PLも初心者で、そもそも探索の定石として何をすればいいのかよく分かっていない場合(これはPL側の問題でもありますが、運営側であるKPがフォローを入れたほうが良い案件のためここに含めます)。及び、KPの状況描写が足りず、何ができるのかPCがよく分かっていないパターンです。
 相手が初心者の場合は、《探索箇所の特定》と似たような感じで、「あなたはこれとこれとこういった行動をとることができるでしょう。どれか選んでください」と選択肢を示すのが良いでしょう。初心者はそもそもそういった選択肢が頭の中に準備されていないことが多いので、いきなり「自由に行動できます」と言われても戸惑ってしまいます。
 KPの状況描写が足りない場合。これは、たとえば新しい部屋に入った時に「ではあなたはドアを開けて中に入れました」としか言わなかったために、PLはそこで何ができるのか見当のつけようがないといった状況です。ルルブ(p.28-29「TRPGとは」)にもある通り、KPはまずPLにその場の状況を描写する必要があります。ぱっと見ればわかる状況は全て出し、PLがそこから必要な行動を推測できるようにしましょう。
 加えて、PLの情報整理の部分でも少し触れましたが、KPの情報の出し方が悪く、情報が情報として認識されていない場合があります(描写はしたが、他のフレーバー的な描写と混ざってしまった、もしくは他の衝撃的な情報と近いタイミングで出したために重要性を認識してもらえなかった、など)。シナリオ進行上必要な情報は、「あからさますぎるかな?」と思うくらいぶっちゃける勢いで出していきましょう。

→簡潔にまとまっていて非常にわかりやすい他サイト記事も発見したので追記 http://trpg.hatenablog.com/entry/2017/12/28/183133


その他初心者GM向けのTIPS


一本道、クローズドは扱いやすい
事前にシナリオを見るときのこつ
→この項目の内容はこちらに移動しました。
必要なダイスが失敗してしまった場合のリカバリー
 ダイス目は腐る時には腐るものですし、腐ってしまったものはしょうがない、そのまま潔くロストしてくれ!という局面もよくあります。しかし、序盤〜中盤のわりとどうでもいい場面で、ここ以外では手に入らない情報の判定を全員が失敗してしまった、どうしようもない。という場合。
 できれば事前にシナリオをチェックして他に入手ポイントを足しておくのが理想ですが、事前に見た時は気づかず、いざ卓が始まって全員が失敗した瞬間にこれあかんやん……と気づいてしまうこともあります。そういった場合のリカバリー方法です。

 《救済アイデアや代替技能としての幸運》
 よくあるやつですね。あ、失敗しちゃいましたか。幸運振ってください。図書館全員失敗しました。じゃあアイデア振ってください。司書さんに聞けば資料を見つけてもらえるかもしれないと思いました。いいと思います。ルルブにも書いてある方法です。大いに活用しましょう。ここ一番の回避ロールでファンブルするのは盛り上がりますが、まだ何も事件の全貌が分かっていない状態で手詰まりになってもグダるだけです。

 《成功情報を出すが、同時にペナルティも与える》
 もしかすると↑よりは少しスマートな方法かもしれません。「では、あなたは図書館で新聞記事の切り抜きを見つけることができました。しかし、当初1時間で見つける予定だったところ3時間かかってしまいました」という裁定です。これは他の技能でも応用できます。「あなたは機械修理で銃のジャミングを解消することに成功しましたが、焦って銃口を大きく傷つけてしまいました。銃の命中率に−30%の補正」「ではあなたがたは車を飛ばして時間までに劇場に着くことができましたが、荒っぽい運転のため自動車はエンストしてしまいました。修理に出すまで再び使うことはできません」など。ただし、判定によっては使えない場合があるのと、うまい処理を思いつけるかどうかがKPのリアルINT頼りだったりします。

 <追記>7版ではダイス失敗時、どのように処理すべきかの指針がルールブックに記載されています。基本的にはこの項と同様の内容ですが、より親切に書かれているので読んでみてください。


GM初心者ガイド(オンセ編)

事前準備をしよう(オンセ編)


どどんとふの機能を把握しよう


最低限おさえておきたい機能
ダイス(ダイスボットの設定)
ルームから部屋の設定を変える



使えると便利な機能
マップ画像、背景画像、フロアタイル
カットイン、BGM
チャットパレットによるNPCの切り替え
イニシアチブ表の活用(INTの活用やリソース管理)


GM初心者ガイド(その他)



クトゥルフ神話の原典作品について


 p.145に「ラヴクラフトの作品」という項目があります。もちろん「クトゥルフの呼び声」はルールブックの冒頭にありますが、他のラヴクラフト作品も、有名なものを中心に10編(2018.07.30現在、厳密には9編)が青空文庫で公開中です。
https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1699.ht...

→CoCの元ネタになった作品、作家はラヴクラフト以外にも大量に存在します。興味のある人は「モンスター/アーティファクト/魔導書の名前 初出/原典」などで調べて読んでみてください。

より慎重なKPのための事前準備



 セッションが始まるまで、まだ時間があるけどどうしよう?何か少し余分にやっておけることはないだろうか?
 という、心配性で時間も余っているKPのためのさらなる準備項です。なぜ「時間が余っている」などとわざわざ特記するのかというと、本当に暇であるのでもない限り、自分がうまくキーパリングできるかどうかを心配するより、とにかく気楽にKPをやって実戦で学んだほうが手慣れるのも早いと考えるからです。正直、↑のGM初心者ガイドに書いた内容についても同じことが言えます。とりあえずやってみて、問題を感じた時に初めて参考にするくらいでちょうどいいです。
 が、どうしても不安で開始前に緊張がつのってしまうという人もいます。緊張したときは、今できる作業、とくにセッションに向けた下準備をするのが効果的です。気が紛れるだけでなく、準備のおかげでよりセッションが盤石になるという安心につながるからです。以下は順不同で、好きなものを選んでやるとよいでしょう。どれも、慣れれば自然に身に着いてきます。基本的に、ルール回りはどうしても覚える量が多くてあやふやになっている人が大多数なので、ルールの再確認は自信と落ち着きを取り戻すのにおすすめです。キャラシート(持ち物、技能)の確認はアドリブに自信がないKPにとって不確定要素を減らす役に立ちます(持ち込みアイテムやオリジナル技能はいきなり持ち出されて処理に困るKPも多いので)。

狂気のルールの確認
 CoCは基本的な世界観が現実に沿っているため、多くの場面では「KPが常識的に考えて裁定する」だけで足ります。しかし、狂気の扱いについては「常識的に考え」るだけでは分かりません。ルルブでも独立した項目が設けられている通り、専用の特別なルールがあります。よって、これについては改めて確認しておくとよいかもしれません。一時的狂気の処理は頻繁に行われますが、不定の狂気の処理を正しく答えられますか?ちなみに、一時的狂気の処理ですら勘違いされている場面は多いです。KPとPL相談の上で任意で決めるか、一時的狂気表のどちらかを使って無作為に決定と書かれているのを覚えているでしょうか。不定の狂気についても同様で、KPがどちらの表を使うか指定しなくてはなりません。発症のタイミングや時間についてもよく読みましょう。一度狂気の発症が決定したら、KPはその狂気の内容を決めるため積極的にPCに介入する必要があります。
丸暗記する必要は全くありません。サマリーなどの資料を手元に用意しておくなり、別タブで開いておくなりしておけばいいのです。重要なのは、分からないものをすぐに参照できるようにしておくことです。
 
シーンに応じた発狂の扱い
 シナリオ中にはいくつかのSANチェックポイントがあります。それぞれのポイントについて、「もしここでPCが一時的/不定の狂気を発症した場合、どのような処理にするか?」を先に考えておきます。
 もしもきつい戦闘シーンの直前で発狂した場合、十面ダイスを振らせるのはまずいかもしれません。味方を攻撃しだしたりその場を離脱されたところで他の敵に殺されてしまったりという状況もそれはそれで楽しいかもしれませんが、ただでさえ処理の忙しい戦闘時に追加でそのような処理をする余裕があるか、自分のキャパシティと相談する必要があります。余裕があるなら好きに内容を決めてもらって、なければKPからの指定で1D6ターンの行動不能ということにして、等いくつかパターンを考えておくのもよいでしょう。不定の狂気の場合、ルルブにもある通り、ロールの内容が適当でないと思えば処理をシナリオ終了後まで保留にしておくなどもできます。
 あとは、この虫型クリーチャーを見て不定の狂気になったら虫恐怖症をもらうことにしよう、など、場面に応じた狂気の後遺症を考えてみるのも楽しかったり。
クリティカル・ファンブルの扱い
 合わせてp.58のD100ロールの項,及びp.149, 151を参照のこと。
 「え、こんなところでクリティカル/ファンブル出されてもなあ……」と困るKPを一度は見たことがあるでしょう。ルルブを読めば分かりますが、01~05がクリティカル、96~00がファンブルというのは、本来戦闘時のみのルールです。00にしても、「絶対に失敗」するというだけです。ハウスルールとして戦闘時の決定的成功及びファンブルを通常時の技能ロールにも適用するのが一般的になっていますが、KPが別に必要ないと思えば、いちいち劇的なクリファンの結果を考える手間は必要ありません。もちろん、クリファンにあたる数値の幅を大きくとることで極端な結果になるダイスロールが多くなり、単純に面白い、という事情はあります。また、PLになじみのあるルールを使うほうが遊びやすいでしょう。ここでクリティカルした場合は、ファンブルの場合は、という対応を多少考えておくのもいいかもしれません。
 CFSの扱いは6版/7版でルールが変更されているので、7版については別途ルールブックを参照してください。
発生しうる戦闘とそれに用いるスポット・ルールの確認
 「組み付き」の処理を正確に答えられますか?今ぱっと思い浮かばないならば技能の定義のページにふせんを貼っておきましょう。残り耐久力がいくら以下になると気絶しますか?火器の連射ルールは?回避の扱いはどうしますか?いざその場面になってから「ルルブのどこに書いてあったっけ……」と探すと時間がかかります。戦闘関係のルールはとくに複雑なので、「この状況になったらこのページを見る」「このルールの解釈は人によって分かれるみたいだからハウスルールとしてこう設定しておこう」など事前に決めておくとよいでしょう。暗記する必要はありません。すぐに該当のページを開けるようにしておけば十分です。
持ち物に対するデータの設定

 この項と次の項の内容はこちらへ移動しました。
芸術、製作などのオリジナル技能の適用範囲

シナリオを書こう!


 こんなギミックを思いついた。面白い神格を見つけたから出してみたい。この間のシナリオがこんな結末に終わったから同じPCでその後の展開を遊びたい。さあ、いよいよ自作シナリオを書くときですね。
 自作シナリオは、全て自分で考えるため情報が把握しやすく、とっさの改変やアドリブも容易です。つまり、回しやすいのです。さらにそのシナリオをネット上で公開してくれれば、他のプレイヤーも遊ぶためのリソースが増えて一石二鳥です。いくつかのポイントを抑えればそう難しくはありません。さっそくチャレンジしてみましょう。
 まずはp.147「シナリオの構成」、p.148「プロットの例」を参照のこと。あと2015サプリにはシナリオグラムがあるとか?
 →また、「クトゥルフ シナリオ 書き方」などで検索すれば多くの講座が出てきます。いくつか読んでみて合う方法論を見つけてください。以下に書くものは作り方のほんの一例に過ぎません。
 参考までに、レファレンスにもいくつかシナリオ作成についての記事リンクを置いておきます→シナリオ作成についての記事

→長くなってきたので、独立ページにしました。シナリオを書こう!(CoC編)



レファレンス(PL,GM共通の参考資料)



 PL向け→他サイト、書籍(クトゥルフ神話自体について知りたい人は全ての項が参考になると思います)
 KP向け→全部
 クトゥルフ神話TRPGは近年ネット文化を介して大きく広がっています。そのため、ネット上に色々と参考になる情報を上げる人も多いのですが、そのぶん情報の質が玉石混淆の極みです(いまさら言うことでもないかもしれませんが)。
 よって、ここでは日本の公式周辺の人々(当然、正しい情報に精通しています)や、定評のある老舗サイトを紹介し、諸々のサイトも紹介するという流れにします。とりあえず自分が普段見てる範囲だけで色々抜けがあると思うのでこういうサイトもあるで〜っていう方、別項立てて追記してもらえると嬉しい。

 なお公式周りの人々のTwitterは商業の宣伝も多いので、CoCについての発言をまとめて読みたい場合は、アカウント名でTogetterを検索するのがいいです(後述)。

Call of Cthulhu公式
 ルルブから各種サプリまで、本国公式。英語が読めるならサプリ類はここからPDFで買うのが早いです。
 CHAOSIUM
 https://www.chaosium.com/call-of-cthulhu-rpg/

クトゥルフ神話TRPG日本公式
 お気づきかもしれませんが、実は日本版のCoCには公式サイトがありません。エンターブレインさあ……
 よってTwitterを貼っておきます。
 【公式】クトゥルフ神話TRPG
 https://twitter.com/cthulhumasters

公式周りの人々


 おそらく、ルルブやサプリで名前を見たことのある人が多いでしょう。日本版の執筆や翻訳に関わっている人が主です。あとは有名な関連書籍を書いてる人など。

坂本雅之
https://twitter.com/Toshi_Quaderno
朱鷺田祐介
https://twitter.com/TokitaSuzakuG
坂東真紅郎
https://twitter.com/sinkurou
立花圭一
https://twitter.com/k1Tachibana
Yukihiro Terada
https://twitter.com/rws_kanrinin
http://rws.webcrow.jp/index.htm
内山靖二郎(サイトにはシナリオが多数掲載されています)
https://twitter.com/yasujiro
http://coc.a.la9.jp/YASUtrpg.htm
森瀬繚
https://twitter.com/Molice
http://chronocraft.jp/
友野詳
https://twitter.com/gmtomono

サイト(たぶん有名なやつ)


 上で既出のものも含めてよく参照されているであろうサイトを紹介(執筆者個人の観測範囲の偏りにより、世間的な認識とは大きなずれがあるかもしれない。ないかもしれない)。

Yog-Sothoth.com
http://www.yog-sothoth.com/wiki/index.php/Main_Pag...
 本国のwiki。英語。日本語で情報が見つからない場合は探してみるといいかも。シナリオもあるよ。

赤虫療養所
http://rws.webcrow.jp/index.htm
 シナリオ、日本版ルルブのエラッタ、各種サプリ準拠のキャラシのpdf、オフセで使える探索者作成ツールなどなど。

化夢宇留仁の異常な愛情:クトゥルフの呼び声コーナー
http://kemkem1.com/cthlhu/coc.htm
 シナリオ集やクトゥルフ神話自体に関する種々のデータが豊富。

ひきだしの中身
http://coc.a.la9.jp/YASUtrpg.htm
 シナリオ多数。動画で見たことのあるシナリオも多いかも。「腕に刻まれた死」など日本版CoCのサプリ付属シナリオを多数書いている内山先生のサイト。

湖の隣人の小屋
http://www5d.biglobe.ne.jp/~lake-god/
 CoCでこれなんだろうと思って検索するとよくこのサイトが出てくる。R&Rに載っていたCoC記事のデータや未訳サプリの情報など。

ユゴスシンパ通信
http://yuggothsympa.web.fc2.com/trpg.html
 系統別呪文の一覧がめっちゃ便利。


他サイト


 編集自由なサイトや、最近の新しいサイト。特に編集自由なサイトは情報が玉石混淆のものであると肝に命じたうえで見るならば、情報量も多く非常に有用です。個人サイトや場合によっては公式でも同じことが言えますが、編集自由のところは特にね。

全般(総合、分類が難しい、雑記系)

Togetter(TRPGカテゴリ)
https://togetter.com/category/subculture/167
 CoC関連のまとめはTRPGもしくはその一段上のゲームカテゴリに多いです。「クトゥルフ神話TRPG」「CoC」などで検索するのもいいですが、個人的にはその方法だとノイズが多いので、
・↑で紹介した公式周りの人のアカウント名で検索してまとめられている記事を見る
参考になりそうなまとめ記事を見つけたらその記事のまとめ人の他記事をたどる
あたりの方法で探すのが効率がいいかも。KPは「TRPG マスタリング」あたりの検索ワードもいいかもしれません。
 クトゥルフ神話そのものについて知りたいなら、「クトゥルフ神話」だけでもいいかも。アカウントでいうなら森瀬先生のツイートをまとめた記事がおすすめです。

クトゥルフ神話TRPGやろうず
http://seesaawiki.jp/trpgyarouzu/
 ニコニコにある同名コミュニティのWiki。利用したことのある人も多いのでは。プレイヒントやデータが参考になります。

【クトゥルフ神話TRPG】技能の英語名
https://suumcuique.exblog.jp/25530272/
 日本語版のルールは翻訳の関係で技能の定義がいまひとつよく分からない(というか原文のニュアンスが伝わっていない)ものがあるが、そのへんを英語版と照らし合わせて解説してある。他にもこのサイトのCoC関連のタグの記事は色々参考になるかも。

氷川 TRPG 研究室
http://trpg-labo.com/labo
 どどんとふに出てるあれ。CoCのサイトではないですがシナリオ作成について参考になる記事多し。


シナリオ作成についての記事(編集中)

クトゥルフのシナリオ作成は「ここ」を押さえればいい
http://ctulthutrpg.blog.jp/archives/49853149.html

クトゥルフ神話TRPGシナリオ作成講座
http://www.nicovideo.jp/watch/sm32909102
オーソドックスな(あるタイプの)シナリオを作業的にがーっと作っていくメソッドの紹介。

クトゥルフ神話TRPGのシナリオについて
http://field-city.xsrv.jp/nomura/daylog/0139
初心者向けの一本道シナリオの書き方(各論)といった感じ。所要時間の見積もりやギミックの具体的な扱い方が参考になります。

時間経過式イベントによるクローズドシナリオ設計【クローズド構築ノート1】
http://trpg.hatenablog.com/entry/2016/02/10/122003
1〜4まで記事があり、それぞれ違うタイプのクローズドの書き方についてシンプルに分析・解説されています。なんとなく使いたいネタはできたけどシナリオ全体の構造をどうしよう……と悩むあなたにおすすめの記事群。
このサイトはシナリオについての詳しい考察やハウツー記事が大量にあるので、興味がある人は掘ってみることをおすすめします。

パズルをモデルにしたシナリオ構築法
http://trpg.hatenablog.com/entry/2018/04/22/165856
自分の作った謎が脳内当てになっていないか?を検証したいとき、ここを参考にするといいと思います。

書籍(編集中)


 本っていいよね。校閲入ってるしちゃんと知識あって慣れてる人が書いてるのが多いし。ネット上の玉石混淆にうまく対応する自信がないなら書籍は特に有用なはずです。
るるいえびぎなーず
 日本公式のシナリオを多く手掛けている内山先生の書籍。クトゥルフ神話TRPGの入門書としては鉄板の一冊。初心者のひっかかりがちな悩み、探索のノウハウからルールの分かりやすいまとめ(ルルブはどこに何があるか分かり辛いので意外と重宝)、シナリオの書き方まで網羅されています。PLGMどちらをやるにしてもまず最初にお勧めされることの多い1冊。
R&Rの過去記事
エンサイクロペディア・クトゥルフ
粋なゲーマー養成講座
https://www.mangaz.com/book/detail/121161
 サプリ『比叡山炎上』も執筆されている朱鷺田先生のTRPG講座本。ネット上で無料で読める。TRPG全体について語っているため別システムの名前が出る場面も多いが、TRPGを遊ぶ上で大事なことについてコンパクトに読める一冊。特にGMをやり出して色々考えるようになった人におすすめ。
 出版が1995年(雑誌連載コラムをまとめたものなので執筆時期はそれ以前?)のため時事ネタというかノリがちょっときついところもある(特に最初の記事2本。この2本は読み辛ければコラム最後のまとめページだけ読めばいいと思う)。が、それでもTRPGを遊ぶ上で出てくる問題とか気を付けることっていつの時代も全く変わらないんだなあというのが逆によく分かる一冊かも。
 小説読んだだけだからあの世代の認識として合ってるか分からんけどディードリットは最近一番はやりのフィクション作品の一番人気キャラに読み替えたらいいと思う。それか任意のTRPG作品の人気公式NPC

シナリオがいっぱいあるところ(GM向け)


クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki シナリオ置き場
http://seesaawiki.jp/trpgyarouzu/d/%A5%B7%A5%CA%A5...
 言わずと知れたやろうずのシナリオ置き場。

CoCシナリオの小説・SS一覧 [pixiv]
https://www.pixiv.net/novel/tags.php?tag=CoC%E3%82...
 pixivのシナリオタグ。

ひきだしの中身
http://coc.a.la9.jp/YASUtrpg.htm
 上の項目で既出ですがもう一度。シナリオ多数。動画で見たことのあるシナリオも多いかも。

scenarch
http://scenarch.com/
 TRPGのシナリオ投稿&検索サイト。タグ付けがpixivより細かいので検索しやすい。komeなら短時間タグなどが有用なのでは。




プレイスタイルに関する話題(時間のある人向け)


※編集中
 クトゥルフ神話TRPGは、遊び方の柔軟性が非常に高いという特徴があります。これはKP、PL双方にとって大きな自由度というメリットをもたらしますが、同時にプレイ(キーパリング)スタイルの幅が広すぎることによって、KP、PL(もちろんPL同士でも)間の齟齬を引き起こしがちです。このスタイルは、どれが正解ということはありません。ただ、時折これが原因で衝突が起こるのも事実です。ここでは、そのような何が正しいということが決められないためによく議論のやり玉に上がる話題を扱ってみようと思います。
 そのような正解のない問題での衝突、もやもやを防ぐために、まずはCoCにおけるスタイルの幅の広さを知っておきましょう。そのうえで、一緒に遊ぶ人がどのようなスタイルを持っているのか観察し、今回の面子ではどのように遊ぶと全員が楽しく遊べるだろうか?と考えてみるのがいいのではないでしょうか。
 全員が楽しく遊べるようにしよう、という気持ちさえあれば無理に難しく考えることはありませんが、よく起こりがちな問題については、知らないよりも知っておいたほうが楽しく遊ぶための助けになるはずです。


ピュリストか?パルプか?クラシックか?ハリウッドか?



 シナリオを読んだとき、そこにクラシック/ハリウッド(スタイル)と記載されているのを見たことがありませんか?
 それぞれの特徴をわかりやすく誇張して表現するならば、クラシックは「恐ろしい神話生物から逃げ回り、恐怖におびえ正気度を削られながらも探索を進め、知恵や機転による搦め手でどうにか敵を撃退するシリアス優勢スタイル」、ハリウッドは「マシンガン連射で神格だろうと吹っ飛ばす、マーシャルキックで神話生物とも正面からの喧嘩上等ヒャッハースタイル」と言えるかもしれません。むろん、多くのシナリオはこの二つの要素を併せ持った中間的な存在です。敵をゼロ距離連射で吹っ飛ばすような激しい戦闘が必須だが探索者は無力な存在で雰囲気も暗いという両方の要素を併せ持ったヘヴィなシナリオやその逆のものも見たことがあるはずです。

 これは主に日本(さらに言うなら動画とかのもっと狭い界隈発祥になるのかな……)で使われている分類で、アメリカに行くとPuristとPulpというほぼ同様の分類が存在します。
Category:CoC:Scenarios by style
This category is intended to help Keepers select scenarios that fit the style of game they prefer to run. It roughly categorises games that take a large departure from traditional, Purist Call of Cthulhu scenarios (for example, Pulp scenarios in regards to the Purist-Pulp axis).
https://www.yog-sothoth.com/wiki/index.php/Categor...

 ↑Yog-Sototh.com(本国のCoCwiki)より引用。最後にPurist-Pulp axisという言葉があるのが分かるでしょうか。さらに、サプリにもそのものずばり「Pulp Cthulhu」というものが存在します(興味のある人はケイオシアム公式でPDFが購入可能)。

 もちろん、両方をバランスよく好む人も多いのですが、そういった人でもヒャッハーしたい気分の時にクラシックをやりたいKPの卓に入った(PLと同卓してしまった)、またはその逆が起こったとなると、お互いにもやもやを抱えてしまう可能性があります。
 これは実は経験のある人には分かりやすい問題なのですが、あまり実感したことのない人のためにちょっとした例を挙げておきましょう。
 あなたが今回はクラシックなシナリオで遊びたいKPであったとします。

 「よし、不気味な雰囲気の異世界を、謎の影に追い回されながら頑張って生還してもらうシナリオを準備したぞ!お化け屋敷で怖がるみたいにホラーを楽しんでもらえるといいな!」
 「銃持ってきました!マーシャルキックでそのモンスター殴れますか?」
 「いや、そのモンスター直に戦闘したら死ぬから!誰でも脳筋で殴ったら危ないから!異世界だから武器とかも持ち込めないよ!」
 「発狂したけどより狂暴になって怖がらず敵に突っ込んでいっちゃう感じがいいです!」
 「やめよう!KP裁定で発狂の内容はその場からの逃走にします!」

 「以前のシナリオで頑張って調達した武器使いたかったし思ったような活躍ができなかったなあ」
 「なんでもかんでも突っ込んでいかれたら止めるのも大変だしとにかく戦闘テンションで全然ホラーな雰囲気を楽しんでもらえなかった気がする」

 ……と、このようなことが起こるわけです。(KPとPL、クラシックとハリウッドが逆でも全く同じようなことになります)。
 これは、どちらが悪かったという例ではありません。大事なことなので二回言います。どちらが悪かったという例ではありません
 もしKPが、敵はガンガン殴って片っ端から吹っ飛ばしてもらう方向でいこう!と思ったならば、そのことを事前に伝えて、シナリオに合わせたPCを準備してきてもらうとこのような不一致が減るかもしれません。PLとして参加するならば、事前にどういった方向性のPCで参加したほうがいいのかKPに聞いてみる、ネタバレなどの関係で事前に聞けなかった場合は始まってから自分の提案に対するKPの反応をよく見てそれに合わせる、といった姿勢が役に立つでしょう。PCの方向性を見てKPが途中で方針を変えたりする場合もあります。ホラーな雰囲気を怖がることで楽しむ、恐怖にひるまず敵に立ち向かう、CoCではどちらも大切なことです。

 これはすぱっとした解決方法が示せない問題なのでもやもやが残るかもしれませんが、ルールではっきり定められていない部分は、遊んでいるメンバー同士で慎重にお互いのノリを探っていくしかありません。皆で遊ぶゲームですから、どんな風に遊びたいか、どんな風に遊んだ時が楽しかったか、希望や感想をお互いに話し合い、シナリオにより、メンバーにより、自分以外のプレイヤー(及びKP)にも気を配りながら遊ぶ、ということだけ忘れなければ大丈夫です。


目星がなければメモの裏の手がかりは見つからないのか?



編集ノート

20200223更新分、行動宣言の仕方について
 更新以前は『技能判定をする場合は、「どういった目的で」「どの技能を振るのか」宣言』するというやり方を併記していました。
しかし、これは本来ルールブックに記載された遊び方ではありません。6版7版いずれにしても、ゲームの流れは「KPが状況を描写し、PLがやりたいことを述べ、KPはその結果を述べ、場合によってはどの技能が必要かを判断してダイスロールを要求する」というように書かれています。要はPLは「あれがないか調べたい」「こういう方法でここに行きたい」と述べればよいのであって、「目星がしたい」だとか「門番に言いくるめしたい」とか言う必要はないのです。使う技能が違う場合もあるし、そもそも別にダイスロール自体いらなかったりします。判断するのはKPです。プレイの例を参照してみれば「技能を使います」と宣言している例はひとつもないことが分かると思います。
 が、6版の書き方ではどうもそれが多くのPLに伝わっていなかったらしく、PLが技能を宣言するのは普通でしたし、なんならKPのほうから「技能宣言してくださいね」ということすらありました(私もPLのときはKPによって使い分けてたし、KPのときも場合によっては時短のために使ったりしていました)。そのため、この初心者ガイドの項目にも「技能宣言+目的」「具体的な行動+目的」の2通りのやり方を併記していました。「技能宣言するなよ」とは書いてなかったし。いずれしっかりルルブ読んでルールが分かってくれば順次技能宣言タイプはなくなるかなーと思って。なくならんかったけど。
 で、この点が公式に伝わったのかどうかは推測の域を出ませんが、とにかく7版ではKP向けの項目(10章)に「PLが技能振りますって言ったら具体的な行動としてはどうするのか聞くんだよ!」という記述が追加されました。よって公式のルールとしても「技能ではなく具体的な行動の宣言を」という方針が明確になったので、「技能宣言+目的」の記述は削除しました(合わせてKPに対する相談の項目の記述も一部調整しました)。英語版の7版は何年も前に出てるのになんで今改訂するんだよと言われると私が具体的なルールの変更部分しか読んでなかったからです。ごめんなさい。まさかプレイ方法についての記述までこんな良アプデがいっぱいあると思ってなかった。
技能だけを宣言するやり方はかなりコマンド的、電源ゲーム的であって、様々な行動に対してGMから柔軟なレスポンスを返せるのが醍醐味のTRPGとしてはわりともったいないことをしてると思いますので、これを機に具体的な行動で宣言する方法に慣れてみてください。逆に柔軟な対応に慣れていない初心者KPのうちは正しいルールについて説明したうえで技能で宣言することをPLにお願いすることもひとつの策だと思います。あとひたすら殴り合うだけの単純な戦闘の時とかやりとりを減らして時短したい場合は別に技能だけでもいいと思う。

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