公務員試験のための教養

　経済学ないし経済原論で最も勉強する必要があることは、過去の結果の記述ではない。市場経済の中で価格、国民所得、雇用量、物価水準などの重要な変数がどのように動くのかという経済のメカニズムを理解することである。テーマ１からテーマ５では経済の結果をどのようにとらえるのかということに力点を置いてきたが、人々は市場経済においてどのような行動をとるのかという、第一章から第三章への入門の説明をすることにしよう。
　人々がどのような行動をとり、価格や生産量がどのような変化をする傾向があるのかといったことは、目で見ることはできない。経済学が解き明かしてきたのは経済のメカニズムであり、経済のメカニズムとはこのおうに目に見えない変化の特徴である。それゆえここに経済学を学ぶ場合の難しさがあるのである。けれども、家計や企業は強制されて行動するのではなく自由な選択を行っている。そして、そのような行動が経済のシステムを成り立たせているのである。経済政策を行う場合にも、経済のメカニズムの理解のうえに立って行う必要があるのである。

1. 取引の発生
2. 市場経済における企業の行動
3. 市場経済における消費者の行動
4. 市場均衡