政治経済法律〜一般教養までをまとめます

  • ロビイスト
 もとより、行政国家の段階になっても立法部がその機能を停止するわけではないから、圧力団体の活動は必ずしも行政部に対してだけ向けられることはない。特にアメリカのように三権分立が原則とされている場合には、立法部への働きかけも圧力活動の重要な部分をなす。いわゆるロビイングが活発に行われ、ロビイストと呼ばれる圧力団体の代理人が、必要な立法の実現を促すために、個々の議員に対して多様な術策を用いることになる。しかし、圧力活動の比重はアメリカにおいても行政部に対する働きかけに傾きつつあることは否定できない。
  • 圧力団体の役割
 一般に圧力団体に対する世論の評価は、必ずしも好意的ではない。圧力という言葉自体すでに非難の意味を含んでいることは確かである*1。もちろん、こうした非難が不当なものだということはできない。強力に組織された利益が、他の群小諸利益の要求を排除して排他的に政策を左右する場合には、圧力団体の弊害は無視しえないものだからである。しかし今日では、圧力団体は政治におけるフィードバックを可能にする最も有効なチャネルの一つである。政党が、その全国的組織化にもかかわらず、あるいはそれゆえに、フィードバックのチャネルとして必ずしも効率の高い装置でないとすれば、他のチャネルを開発することが要求されざるをえない。圧力団体はこうした要求に応えうるものの一つである。この意味では、強力に組織された圧力団体の弊害に対処する方策は、破壊することよりも他の諸利害を組織化し、それらに政治的に有効な発言の機会を与えることにあるというべきである。

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