政治経済法律〜一般教養までをまとめます

  • 有効性の概念
 有効性の概念の定義のしかたは論者によって必ずしも一定していない。しかし、有効性は、所期の目標に対してどれだけの実績を上げたかという達成度によってある活動を評価する観念であるとするのが一般的である。行政活動に適用すると、どの程度行政サービスが向上したのかを測定する観念であり、比較的計測の容易な概念である。しかし、行政活動を有効性の観点からのみ評価するのは一面的すぎる。その理由は
  1. 行政サービスの要求水準が際限なく拡大する可能性があること
  2. 目標達成の困難さを考慮に入れないこと
  3. 実績がどれだけの努力の結果であるかを問題にしていないこと
  4. 同じ努力によってより大きな成果を上げる余地があったかどうかを問題にしていないこと
が上げられる。これらの限界を補うには、投入と産出の比率で行政活動を評価する能率性の考え方が必要となるのである。
  • 能率性の評価
 能率性の評価は、有効性の評価よりも困難である。第一に、能率性の評価には2つ以上の方法の比較が必要である。ところが、第二に、実際には比較対象が置かれている環境条件がまったく同じということはありえないから、測定された能率の差がどの程度まで活動方法の差異に由来しているかを識別同定しなければならないが、この識別同定は容易ではない。第三に、ある行動の能率性の評価を行うには複数の要因*1を考慮しなければならないが、どの要因がどの程度重要であるのかを総合的に評価するのは極めて困難である。
 以上の点から、能率性の評価を現実に行ったとしても、それは完全なものにはなりえない。しかし、サイモンの述べるように、完全な能率の測定は不可能でも、相対的な能率の測定は可能である。そして管理の目的にとっては、相対的な能率で十分である。

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