生涯学習概念登場の経過 
谷 和明
生涯学習理念は、1960年代にUNESCOを中心とした成人教育の現代的発展をめぐる国際的議論を通じて「生涯教育」として提起され、70年代には新しい教育政策の理念として国際的に受容された。80年代になると議論の重点が「教育」から「学習」に移動し、90年代には「生涯教育」に代わって「生涯学習」という表現が用いられるようになる。そして21世紀の最初の10年間で「生涯学習」概念が政策の基本概念であることが確認されるに至る。その過程をCONFINTEAとの関係に留意しつつ、UNESCO諸会議の報告書等に基づいて簡単に整理してみる。
1960年代 「生涯教育」概念の提起と普及
教育制度全体の不可欠の部分としての成人教育の役割強調
1970年代 「生涯教育」政策の受容と展開
生涯教育の観点からの成人教育振興＝成人教育の制度化
1980年代 「生涯教育」から「生涯学習」への重心移動
公的成人教育への逆風（公財政危機+新自由主義）
1990年代 「生涯学習」が前面に
生涯学習を推進する新しいパートナーシップの追求
国家の役割の変化：教育提供者から学習機会調整者、学習成果評価者へ
2000年代 「生涯学習」が基本原理であることの国際的確認
１ 生涯教育概念の提起（1960年代）
（１）「生涯教育」概念の登場−第2回CONFINTEA−
「生涯教育」の原語はフランス語éducation permanenteであるが、この語がUNESCOでの論議に最初に登場するのは1960年8月にカナダのモントリオールで開催された第2回CONFINTEAである。
この大会は、科学技術の発展による世界の全面的な変化、AA諸国の独立運動の進展、冷戦の激化といった時代状況の下で、人類進歩の夢と絶滅の悪夢が交差しつつ高まった時期に、「変化する世界における成人教育」をテーマとして開催された。採択された「宣言」は、人類存続のための相互理解と共生の学習、途上国における識字・基礎教育、先進国における技術変化への適応と十全な人格形成のバランスといった課題を挙げたうえで、最後に、それを果たすためには成人教育を教育領域の「不可欠の部分」（a necessary part of the educational provision）（UNESCO 1960a p.9）として扱うべきであることを強調している。
このように、成人教育がもはや贅沢品でも代用品でもなく、先進国、途上国の別なく急激で全面的な社会変化に直面する万人にとって必要なものであり、それゆえ学校教育や職業訓練に並ぶ教育全体の不可欠の構成部分として推進されるべきであるという主張が、この大会の基調をなしていた。そこから成人教育を含む全教育を統合する新たな教育理念として登場してくるのが生涯教育である。それは未だこの大会の明示的テーマではなかったとはいえ、『報告書』フランス語版では「生涯教育éducation permanente」という言葉が少なくとも4回使用されている。
� 崟�人教育の形態と方法」を検討した第2委員会報告の前書き部分では、急激な社会変化への適応を可能とするために、「生涯教育の観点からdans une perspective d'education permanente」からすべての教育方法を活用することが提言されている。
��同じ報告の職業教育と人格発展の推進について述べた箇所で、職業生活での不断の発展に主体的に適応するために「一種の生涯自己教育une sorte d'auto-éducation permanente」が必要だとしている。
��『報告書』付録の「国・団体からの報告分析」で、先進国の報告に共通することとして成人教育の諸問題を「万人に対する生涯教育という新たな視点une nouvelle perspective, celle de l'éducation permanente de toute la population」から捉えていることが指摘されている。
�い笋呂蝓峭顱γ賃里�らの報告分析」で、カナダでは多くの国民的機関が「生涯教育の多様な側面à divers aspects de l'éducation permanente」に関心を寄せていることが紹介されている。
『報告書』の英語版でこれらéducation permanenteがどう表現されているかを見ると、��、�い了�例ではcontinuing educationだが、�，任�a continuing process of education、�△任�perpetual process of self-educationと表現されている。これはフランス語版と比較して独自概念という認識がまだ弱かったことを意味している。また、これらの使用は『報告書』の中の委員会報告や付録においてであり、「宣言」や「決議」といったより公式的な文書ではまだ使用されていない。とまれ、UNESCOでの生涯教育をめぐる論議がここで開始したことは間違いない。
1972年の第3回CONFINTEAにおける全体会議の閉会式辞において当時のUNESCO事務局長ルネ・マウー（René Maheu）は「1960年のモントリオール会議以前には生涯教育という概念は存在しなかった」と回想し、第2回CONFINTEAで生涯教育概念が登場したという見解を表明している。1976年の第19回総会では「生涯教育領域でUNESCOが遂行した全面的な研究とプロジェクトの結果」が報告されたが、そこでも「UNESCOによる生涯教育という用語の使用は1960年に始まる」としたうえで、第2回CONFINTEAでは生涯教育という用語が幾度も使用されたが「教育用語としての明快な定義」を欠いていたと述べている（UNESCO1976 p.1）。
日本では生涯教育の概念が1965年の成人教育推進国際委員会第3回会議でラングランによって提起されたという見解が定説化している。しかし、上述のようにこれは正確ではないし、UNESCOの見解とも異なっている。生涯教育概念の発信に関して65年の会議が決定的な役割を果たしたことは云うまでもないが、生涯教育をめぐる国際的論議が既に1960年から開始している事実を再確認すべきであろう。
（２） 成人教育推進国際委員会における生涯教育概念の形成と提起
１）「万人のための生涯教育」（1961年）
第2回CONFINTEAは、大会での決定や議論を現実化し、発展させていく成人教育分野での常設委員会を、1949年の第1回CONFINTEA以後活動してきた「成人教育諮問委員会」を発展させるかたちで設置することを勧告した。それを受けたUNESCO第11回総会決定で発足したのが「成人教育推進国際委員会International Committee for Advancement of Adult Education」である。同委員会は61年の第1回会議で、UNESCOが取り組むべき成人教育の三大課題の一つとして「万人のための生涯教育Life-long education for all; éducation permanente de tous les adultes」を勧告した（あとの2課題は、「無知および未識字への大衆的挑戦」と「国際的理解のための教育」）。
この会議報告書ではéducation permanenteの英語表記が既にLife-long educationとされている点にも注目したい。「万人に対する生涯教育」が必要とされる理由、背景として、委員会が挙げているのは、以下のような論点である。
�）�人が自己の能力を限りなく向上できる機会の提供。
�⇒床砲料�大による新たな成人教育機会や成人教育ニーズの登場。
�２板蹇�地域、職業、公共生活への全面的参加を保障する成人教育の役割。
�だ�人教育を小学校から大学、職業教育に至る全教育領域の一分野として統合的に位置づけること。
�タ邑�拡大に伴う食糧・資源問題の解決の鍵としての成人教育の意義。
このように第2回CONFINTEAでの論議や決定を発展させるかたちで、1961年には生涯教育がUNESCOの新しい教育課題として提起されたのである。
２）UNESCO総会レベルでの生涯教育概念の登場
CONFINTEAさらには成人教育推進国際委員会での論議や提言を受けて、UNESCO最高機関である総会でも生涯教育推進に関する討議や決定が行われるようになった。
1962年11月パリで開催された第12回総会の『決定記録集』では、63-64年度の活動・財政計画の「成人教育および青少年活動」の項で「成人と青少年のための生涯教育の提供に関する諸条件の研究」という課題が提起され、具体策として生涯教育のための技術研究や地域会議への参加が挙げられている。
その2年後、1964年11月にパリで開催された第13回総会の『決定記録集』の65-66年度活動・財政計画では従来記録集の「成人教育および青少年活動」という項そのものが「成人のための生涯教育」へと改められ、「成人のニーズに対応した多様な形態の生涯教育の開発」のためのさまざまな具体策が列挙されるまでになった。これは64年段階で生涯教育がUNESCOの成人教育事業の中心課題として位置づけられたことを示している。と同時に、生涯教育は成人教育の発展形態だとする現在に至る「誤解」につながる扱い方が当初から行われていたことも確認できる。
上述の具体策には、生涯教育の促進のために成人教育推進国際委員会の助言などを全面活用できるという方針も含まれていた。このような期待を受けて、1965年の成人教育推進国際委員会第3回会議が開催されたのである。
３）「生涯教育」概念の国際的な提起（1965年）
成人教育推進国際委員会は1963年に第2回会議を開催したが、そこではUNESCOの成人教育事業全般に関する検討が行われ、「生涯教育」に関する特段の議論はなかった。1965年12月に開催された第3回会議では「生涯教育の概念とUNESCOの事業全体にとってのその意義」が主要テーマとして取り上げられた。会議にはUNESCO事務局成人教育部門担当ポール・ラングラン（Lengrand, P.）らが起草した事務局の作業ペーパー『生涯教育』（仏education permanente;英continuing education）が準備され、これをもとに検討が行われた。
この文書の序では、生涯教育という用語への関心が高まっており、今や生涯教育の概念、原理、内容、意義を研究、検証し、さらにその実践的効果を考察して政策提言をなす時が到来したという認識が謳われている。そのうえで、「生涯教育システム」を構築するための論点を、以下のような構成で示している。
１ 統一と統合
２ システム化
（a）青少年教育と成人教育のコーディネーション（b）一般教育と職業訓練
３ 計画という視点から見た生涯教育
４ 生涯教育振興のための法的、行政的施策
（a）労働時間の調整、（b）教育休暇、（c）教育制度と教育施設
５ 学校及び大学の役割
６ 個別の問題
(a)教育の研究、(b)世代間の関係、(c)学校と学校外活動との相互関係、(d) 国際理解への貢献、(e)教育者とその養成・研修、(f)教育的落伍者の減少、(g)女性にとっての生涯教育の重要性
以上の議論の前提となる社会・歴史認識は、ラングランがすぐ後の論稿で纏めているが、�（儔修硫誕�化、�⊃邑�増加、�２奮悄Φ蚕僂糧�展、�ぬ閏膽腟狙�治に向けた挑戦、�ゾ霾鷁宗↓ν床冒�大、�Ю験萢夕阿反祐峇愀犬諒儔宗↓�肉体の（再）発見、��イデオロギーの危機・終焉といった脱産業社会（post-industrial society）的状況の下で、教育期と労働期を峻別する従来の人生観、教育観、教育制度が機能不全に陥っているというものである。そのうえで、統合的な教育概念としての生涯教育が提起されたのである。
会議参加者はこの事務局提案を積極的に受け止め、最終的に「教育全体の活性化原理」として生涯教育を普及することを決定し、以下の勧告を行った。
「UNESCOは本委員会で提案された文書中で展開されている「生涯教育」の概念を推奨すべきである。生涯教育の簡潔な定義とは、「最初の子ども時代から終末に至る人間の全生涯を通じて継続し、それゆえに統合的全体であることが要求される、教育の全過程を活性化する原理であり、それに必要な統合とは垂直的に全生涯を通しての統合であり、水平的に個人及び社会の生活の全局面の統合である」
とはいえその過程では、この理念があまりに「革命的」であり、成人教育を超えた全教育を対象とするが故に時期尚早ではないかという疑念や用語の適切性が問題とされ、以下のような論点が議論された。
�＼�人教育者に小学校、大学等を含む全教育制度の改革を論ずる権能（competence）があるのか
��education permanenteを英語でcontinuing educationと表現するのは不適切だ
��成人教育を教育制度に統合することを政府に認知させることが果たして可能か
�ぜ瓜�や基礎教育の実現に直面している途上国の現状からはかけ離れた理念ではないか
�ハ�働者層が既存の定型的教育機関の夜間課程や通信課程での資格向上への多大な要求を持っていることを考慮した時、新概念の提起が定型的教育機関の対応を弱める危険性はないか
これらに対して会議が出した回答は、
�，亡悗靴討蓮∪�人教育者は急激な社会変化の下での教育要求の変化をいち早く感知する立場にあるがゆえに教育制度改革のパイオニアになる、
��に関しては、既に生涯教育的な統合が行われている実例がある、
�い亡悗靴討蓮∪験橋軌蕕療�合的な観点・政策は教育資源の少ない途上国においてこそむしろ効果的である、というものであった。
４）英語表記の確定
�△陵儻譴量簑蠅鮠�し詳しく見ておこう。
仏語education permanenteの英語表現は、60年のCONFINTEA2ではcontinuing education等が使用されていた。61年の会議報告書ではLife-long education となったが、まだ確定したものではなく、その後のUNESCOの総会文書でもむしろcontinuing educationという表現が用いられていた。ラングラン等が提案した文書でもcontinuing educationとされていた。
これに対し英語圏の出席者から、continuing educationは既に具体的な成人教育事業の名称に使用されているので、誤解や混乱を招くという指摘がなされた。そこで、会議は用語問題を検討する小委員会を組織して検討することにした。
小委員会ではcontinuing education以外の英訳候補としてpermanent education、continuum of education、 articulated education、 total education、 coherent educationなどが検討されたが、何れも不十分であるとし、Life-long integrated educationを最善の表現として提案した。会議末に提出された報告書第1次草案では以上の経過を紹介したうえで、この表現を用いている。ところが、Life-long integrated educationという用語に関して、理論的には正確かもしれないが、生硬に過ぎて実践的インパクトが弱まるという意見が出されたらしい。Integratedは無くても、十分意味は通じるし、むしろ簡潔で分かりやすいというのである。こうして、翌年2月に出された最終報告書ではlifelong educationで統一され、それをUNESCOの教育政策全体において実現することが課題として提起されたのである。
もしcontinuing educationのままだったら、education permanenteの概念が「生涯教育」と訳されることはなかっただろう。「継続教育」「恒久教育」とされた可能性が高い。そして今ほどポピュラーにならなかったかもしれない。そう考えると、65年の小委員会での訳語議論には興味深いものがある。
（３）生涯教育概念の広がりと学校外教育（out-of-school education)への着目
第３回会議の勧告を受け、生涯教育に関するUNESCOの取り組みはさらに進んでいく。その様子を総会での論議から概観してみよう。
（以下略）
２ 「生涯教育の観点からの成人教育」振興に関する国際的合意形成（1970年代）
生涯教育概念は急速に受容され、1972年東京で開催された第3回CONFINTEAでは「生涯教育のコンテキストにおける成人教育」が全体テーマとなった。新しい教育概念としての生涯教育が国際的に認知されたことを示すものと言えよう。
この会議では従来から懸案とされてきた成人教育に関する国際法規の策定も勧告された。それを受けた検討作業の末、1976年の第17回総会で採択されたのが、「成人教育の発展に関する勧告（ナイロビ勧告）」である。ここでは「生涯教育の不可分の部分としての成人教育adult education as an integral part of life-long education」という観点が原理的な立場として表明されている。こうしてモントリオール会議から15年を経て、1970年代中期には生涯教育が国際法規に明記されるに至ったのである。{ ところで、この勧告では既に「生涯教育および生涯学習life-long education and learning」という表現も用いられていた。とはいえその場合も生涯教育に力点が置かれていた。
３ 教育から学習への重心移動と公的成人教育制度への逆風（1980年代）
1985年の「学習権宣言」で有名な第4回CONFINTEAの文書でも生涯教育という表現でほぼ統一されていた。}
それが1997年の第5回CONFINTEAでは「生涯学習」という表現に統一され、「ハンブルク宣言」でも枠組みとしての生涯学習の重要性が強調された。そして2009年の第6回CONFINTEAが採択した「ベレン行動枠組み」は「生涯学習は、包容、解放、ヒューマニズム、民主主義の価値を基盤とする全教育の哲学、概念的枠組、体系化の原理」であるとし、それを原理としてさらに明確に宣言したのである。ナイロビ宣言では「生涯教育および学習」と表記されていたのが、ベレン行動枠組みではすべて「生涯学習および教育」と順序が入れ替わっている。これは、生涯教育から生涯学習への概念転換が国際的に確認されたことを意味すると言えよう。
４ 生涯教育・学習概念の日本における受容と普及・制度化
前述の成人教育推進国際委員会第3回会議には20名の委員が参加していたが、その一人が御茶ノ水女子大学教授波多野完治であった。波多野はL’éducation permanenteあるいはLifelong Educationを「生涯教育」と訳し、学歴社会や受験競争に象徴される教育制度の病弊を抜本的に改革する理念として紹介した。それは急速に普及し、既に1971年の社会教育審議会答申「急激な社会構造変化に対処する社会教育のあり方について」において、人口構造変化、家庭生活変化、都市化、高学歴化、工業化、情報化、国際化に対応した「生涯教育の観点」が打ち出された。
1981年には中央教育審議会答申「生涯教育について」が出され、�ー匆顱Ψ从僂竜淆�な変化、��教育的、文化的な要求の増大、�Ｂ人佑奮惱�活動を可能ならしめる経済的、社会的な条件の成熟、�て�本の社会の維持・発展のうえからの必要といった条件を挙げつつ、「生涯教育」が「教育制度全体がその上に打ち立てられるべき基本的な理念」であることを宣言した。同時に、この答申では、「各人が自発的意志に基づいて」「必要に応じ、自己に適した手段・方法は、これを自ら選んで、生涯を通じて行う」学習を「生涯学習」と定義し、生涯教育はその条件整備の役割を担うものとした。
これを受けて、1985〜87年の臨時教育審議会では、「生涯学習」を可能にする社会の「生涯学習体系化」という答申が行われ、さらに1990年中央教育審議会答申「生涯学習の基盤整備について」を経て、同年「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律（生涯学習振興法）」が制定された。そして生涯学習局を筆頭局とする文部省改組が行われ、日本は世界に先駆けて「生涯学習」を制度化したのである。
生涯学習概念のこのような急速な政策化・制度化は、その半面で概念・理念の曖昧性を生じたともいえる。生涯学習は従来の社会教育の同義語として使用されることが多く、両者間の区別・関連は曖昧というより、混乱したままである。
（以上まだ不完全であるが、次回の授業の基本資料として使用する）
1981年には中央教育審議会答申「生涯教育について」が出され、�ー匆顱Ψ从僂竜淆�な変化、��教育的、文化的な要求の増大、�Ｂ人佑奮惱�活動を可能ならしめる経済的、社会的な条件の成熟、�て�本の社会の維持・発展のうえからの必要といった条件を挙げつつ、「生涯教育」が「教育制度全体がその上に打ち立てられるべき基本的な理念」であることを宣言した。同時に、この答申では、「各人が自発的意志に基づいて」「必要に応じ、自己に適した手段・方法は、これを自ら選んで、生涯を通じて行う」学習を「生涯学習」と定義し、生涯教育はその条件整備の役割を担うものとした。
これを受けて、1985〜87年の臨時教育審議会では、「生涯学習」を可能にする社会の「生涯学習体系化」という答申が行われ、さらに1990年中央教育審議会答申「生涯学習の基盤整備について」を経て、同年「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律（生涯学習振興法）」が制定された。そして生涯学習局を筆頭局とする文部省改組が行われ、日本は世界に先駆けて「生涯学習」を制度化したのである。
生涯学習概念のこのような急速な政策化・制度化は、その半面で概念・理念の曖昧性を生じたともいえる。生涯学習は従来の社会教育の同義語として使用されることが多く、両者間の区別・関連は曖昧というより、混乱したままである。
（以上まだ不完全であるが、次回の授業の基本資料として使用する）
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