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運行管理システム(うんこうかんりシステム)は、北宮急行電鉄(宮急)がアーバンネットワーク各線に導入している、列車の進路をコンピュータにより自動制御する運行管理機能と旅客に対して運転状況を自動案内する機能をもつ列車運行管理システム (PTC) の一種。首都圏では、副都心線を除きすべての路線でそれぞれ違うパターンのシステムが導入されている。

なお、初代中山線システムではONOS(Omura Network Operation System、オノス)の愛称が付けられていたが、その後導入された北宮線システム以降ではこの名称は用いられていない。

概要

このシステムのメリットには、ダイヤ復旧の迅速化などがある。運行状況から色んな情報をすべて大村総合指令所のコンピューターで一元管理し、モニタで列車の在線位置を表示している。ダイヤ乱れの時などダイヤを変更する際は指令所でダイヤ変更を行い、変更後のダイヤもコンピュータにより管理・予測されている。

中山線?では過密運転に対応するためJR西日本をパクり、従来の列車集中制御装置(CTC)を発展・統合させた「中山線運行管理システム」(初代)が導入されている。その後、北宮線にも中山線のシステムを改良したうえで、新機能として構築された「線路保守作業管理システム」を統合した「宮急北宮線運行管理システム」が導入された。複々線区間を走行する列車種別の違う路線を総合的に管理する点で、中山線に導入されたシステムよりも高い信頼性が求められている。さらにその後導入された「村上東・西線運行管理システム」「環状・石切線運行管理システム」および2017年に更新された「中山線運行管理システム」(2代)には、トラブル発生時における列車の駅間での停止ならびに列車無線の輻輳を回避する目的で、「抑止表示器」が新機能として追加されている。

中山線では、当時としては最新鋭のシステムであったONOSは鳴り物入りで導入された。しかしながら導入当初はシステム障害やシステムダウンによりたびたび制御不能に陥り、ポイント切り替えを手動で行うなどトラブルが頻発した。2010年代においても2016年9月と2018年8月にシステムの不具合で大規模な障害が発生している。

主な機能

機器構成

初代中山線システムでは、従来のCTC装置が中央から各駅の進路制御を行っていたのに対し、各駅に進路制御装置を設置し中央からあらかじめ毎日のダイヤを送っておき変更が生じたときだけ中央から変更の指示を送る、駅分散方式を採用している。この方式は中央装置の負荷を低減することが可能で、列車の運転密度が高い線区でも適応可能である。北宮線システムも分散構成を踏襲したが、その後導入された村上東・西システムや環状・石切線システムでは伝送速度の向上などを背景に集中方式を採用している。2017年に使用開始した中山線システム(二代目)も集中構成としているが、その理由として「指令所〜各駅の伝送路がメタルから光になり、短い周期での伝送が可能になったこと」「CPU処理速度向上により進路制御出力に要する時間が短縮されたこと」が挙げられている。

列車遅延案内

次の電車が何分遅れで到着するか即座に計算し、各駅の旅客案内情報処理装置を通じて発車標には遅れ時分が、3分以上2時間未満の場合は「遅れ約30分」「30 minutes behind」など、2時間以上の遅れの場合は「遅れ120分以上」「120 minutes over」と表示され、また駅自動放送でも「約30分遅れて運転しております。申し訳ございませんが、少々お待ちください。」と案内される。事故や天災などで大幅な遅れが出ている場合はこれに加えて「約15分後」「About 15 minutes later」などと表示する。この表示の時には、時刻の表示欄が空白となる。また、乗務員区所の運行情報表示装置にも表示を自動で行っている。 また、近年では一斉配信機能により運行情報の配信を各駅に行い、発車標の下段にてその情報をスクロール表示する。また、運転見合わせ時には、「☆運☆転☆見☆合☆わ☆せ☆」「☆Driving postponed☆」とも表示される。
遅れ・運転見合わせ表示の例

旅客案内装置

「運行管理システム導入線区では、これと連動した自動放送装置や発車標などが設置され、旅客への案内が充実している。

自動放送装置は予告放送、接近放送、到着放送、停車中放送、出発放送、啓発放送を自動で行っている。到着列車の遅れや運転休止、行先やのりばの変更なども自動で案内される。予告放送や接近放送、停車中放送については英語放送にも対応しており、一部の主要駅で行われている。発車放送は車掌がボタンを押して行う。

発車標は今後の列車の種別や行先、時刻などの情報を表示する。列車の走行位置や先着案内、接続案内などにも対応している線区もある。形状は駅の規模に応じて異なるが、おおむね2列車から6列車が表示されるようになっている。

なお、これらの自動放送や発車標は全駅には導入されていない。郊外を中心に、従来のまま(または未設置)の駅が残っている。」
停車アナウンス
音声ファイルへのリンク
列車が停車する際駅で流れるBGM
クレジット:VOICEVOX 男声2,音読さん

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