GURPSよろず - 雇用人
ベーシックセット』第19章「ゲーム世界」の「経済活動」より。

雇用人(HIRELINGS) B491P / 2B171P

 「雇用人」というのは、冒険者に雇われたNPCのことです。雇用人はGMが管理します。雇用人に命令を下すのはPCですが、それに従うかどうかをきめるのはGMです。
 雇用人を使うことによって、新しいPCを作らなくても、パーティに戦闘力や特殊能力を加えることができます。雇用人は何人でも雇えますが、独自の「人格」を持った重要な雇用人の数は、2人か3人までに制限するべきでしょう。GMは個性のない剣士なら一度に何人でも扱うことができます――しかし、PCと同じような個性を持ち、キャラクター・シートに記入をしなければならない雇用人を何人も同時に扱うのは大変な作業だからです。

目次

雇用人を作成する(Creating Hirelings) B491P / 2B171P

[[雇用人を作成する>雇用人#Creating_Hirelings]]
 雇用人の能力はGMが設定します。もし雇用人仕事に対して職業テンプレート(「キャラクター・テンプレートの種類」249ページ参照)があれば、そのテンプレートのステータスを書き写すことで時間を節約できるでしょう(もしテンプレートがその職業の平均人ではなく、英雄的なPC向けだった場合、すべての能力値技能に-1か-2してください)。
 雇用人の記録はGMが管理します。プレイヤーはそれを見ることができません。重要でない雇用人については、カードやメモ書きでいいでしょう。重要な雇用人については、完全なキャラクター・シートが必要です。

雇用人を探す(Finding a Hireling) B491P / 2B171P

[[雇用人を探す>雇用人#Finding_a_Hireling]]
 PCは雇用人を空中から取りだすことはできません。現実世界と同じように、誰かを雇いたいと思ったら適切な人物を探さなければなりません。そして、思った通りの雇用人が見つかるとは限らないのです。
望むタイプの雇用人を探すには、1週間に1回、PCは知力判定を行なわなければなりません。GMは知力の代わりに適切な技能で判定させてもかまいません――〈管理〉(一般的な企業の雇用タイプ)、〈時事知識〉(著名な“世界的権威")、〈プロパガンダ〉(積極的な採用活動)、〈裏社会〉(犯罪者を捜している場合)など。1パーティは1人探すごとに1週間に1回判定を行ないます。以下が一般的な修正です。
精神系特典人材発掘」[1cp]があれば雇用人を探す判定に+2ボーナスがつきます。
街の人口:City Size
 街に住む人の数が多くなれば多くなるほど、チャンスも多くなります。
人口修正
99人以下-3
100〜999人-2
1000〜4999人-1
5000〜9999人0
10000〜49999人+1
50000〜99999人+2
100000人以上+3
広告:Advertising
 求人広告を出すことができます。広告費として月給の50%使用すれば+1500%なら+2、5000%なら+3(以降10倍ごとに+1)の修正があります。これは交際費による食事、手書きのビラ、新聞広告、“求人説明会”などの出費をカバーしています。
賃金:Money Offered
 その仕事にふさわしい賃金よりも20%多い額を提示した場合+1の修正があります。50%増しなら+2、倍額なら+3の修正があります。
危険:Risk
 明らかに戦闘に巻き込まれる可能性がある職場で働かせる場合、-2の修正を受けます。護衛、傭兵など戦闘に巻き込まれるのが当然の仕事の場合、この修正は無視します。どのような職種が“戦闘の可能性がある”かを決めるのはGMです。
合法性:Legality
 違法な仕事を行なう雇用人を見つける場合-5されます――そしてファンブルすると法的な問題になります。〈裏社会〉を用いて探す場合、GMはこの-5の修正を適用しないことにしてもかまいませんが、ファンブルの結果は同じです!

 成功するとPCは志願者を見つけます。GMはその雇用人キャラクターの概要を説明します。必要なら“面接”を行なってもいいでしょう。それからプレイヤーはその人物を実際に雇うかどうか決めてください。もし気に入らなければ、再び候補を探すところからやり直してください。
 失敗した場合、雇用人は見つからなかったことになります――特に小さな町では。再挑戦を認めるかどうかはGM次第です。
 もちろん、PCたちがある種の雇用人を絶対に雇うべきだ(もしくは、雇うべきでない)とGMが思った場合は、サイコロの目を“細工”してもいいでしょう。例えば、冒険にある種の雇用人が必要なときには、GMはその雇用人が“必ず”現れることにできます。これはおおっぴらにやってもかまいませんし(仕事を探しているNPCが、バーにいるPCに声をかける)、密かにやってもかまいません(プレイヤーが「雇用人を探す」と言ったとき、GMはサイコロを振ったふりをして、実際には事前に準備したNPCを登場させる)。

雇用人の忠誠度(Loyalty of Hirelings) B492P / 2B172P

[[雇用人の忠誠度>雇用人#Loyalty_of_Hirelings]]
 雇用人は雇用主であるPCのために常に最善を尽くすとは限りません。GMは「忠誠度」を指針として使うべきです。あらかじめ設定されていない限り、雇用人忠誠度は雇用主と最初に会ったときの「反応判定」によって決まります(469ページ)。あるいは雇用人が自分について嘘をつくかどうか見るために、最初の面接のときに判定してもかまいません。非常に忠誠度の高い志願者は、パーティに参加したいと思うあまり、自分の能力を過剰に申告することもあるのです。