汎用TRPG「ガープス(GURUPS)」について、だべったりつづったりする所。 魔法関連ルールの編集者募集中!

ベーシックセット』第19章「ゲーム世界」より。

経済活動(ECONOMICS) B488P / 2B168P

 経済の形態は、ゲーム世界ごとにまったく異なります。しかし、貨幣が――どのような形をとるにせよ――重要な役割を果たしていることは、まちがいないでしょう。
 買いたいものに交換できるものなら、それがその世界での貨幣ということになります。これは世界ごとに変わります。文明レベルが高くなると、買い物はすべてクレジットカードで処理されることになるでしょう。文明レベルの低い世界では、金貨や銀貨が支配しています。
 ガープスでは便利なように、金銭の単位は$に統一されています。もちろん、GMがこの単位を自分の好きなものに置き換えるのは自由です。クレジット、ファージング銅貨、火星フームファ......なんでもかまいません。28ページの「文明レベル開始時の財産」を参照してください。
 文明レベルが低い世界では、宝石や指輪などを金銭のかわりにすることができます。そうした貴金属は、決まった金額が刻まれているわけではありませんが、軽くて携帯に都合がよいという利点があります。また簡単に硬貨に替えたり、直接ほしいものと交換したりできます。実際、金銭などを介さずに、物々交換だけで経済が成り立っている社会も少なくありません―こういった世界ではプレイヤーの想像力が問われることになるでしょう。

所持金

銀行預金と所持金(Bankrolls and Possessions) B488P / 2B168P
[[銀行預金と所持金>経済活動#Bankrolls_and_Possessions]]
 キャラクターが持っている現金は、他の持ち物と同じように、キャラクター・シートの「所持金」の欄に書かなければなりません。所持金が頻繁に出入りするときには、それだけを別の紙に書くことにしたらよいでしょう――そうすればキャラクター・シートに消しゴムで穴をあけることもなくなります。
 持ち歩いていないお金は所持金とは別に、その預け場所とともに記録しなければなりません。GMは洪水、銀行強盗、増税、などの事件をおこして、PCたちの預金残高を少なくしてもかまいません。奪われた資産をPCたち自身に取り返させるのもいいでしょう。PCが持ち歩いていないその他の持ち物についても、すべて同じことが成り立ちます。

物の売買(BUYING AND SELLING) B488P / 2B168P

[[物の売買>経済活動#BUYING_AND_SELLING]]
 PCは、他のPCと自由に物を売買することができます。NPCと売買するときは、GM(あるいはサブマスター)が商人の役割を演じます。ごく普通に物を売り買いするだけなら、特に商人の反応を決める必要はないでしょう。しかし、特殊な状況では、GMが商人の反応を決め、それにしたがって対応します。たとえば、初めて訪れた町で、PCたちがを着たままうろついて奇妙なそぶりを見せれば、店主が彼らに応対してくれるかどうかは判定が必要でしょう。
 GMは需要と供給のバランスに応じて物の価格を決めてください。ラクダは砂漠の近くでは高値が付くでしょうが、ジャングルではなんの役にもたちません。戦争が終わったあとなら、中古のはくず鉄と同じ値段で取り引きされるでしょう。
 〈商人技能をもつPCは、取り引きで有利にふるまえるでしょう。

武器や装備(Equipment and Supplies) B488P / 2B168P
[[武器や装備>経済活動#Equipment_and_Supplies]]
 GMはプレイヤーに、標準の武器装備と、その“通常の"価格を一覧にしたものを渡すべきです。アイテムの種類と価格は、ゲーム世界によってまちまちです。
 この装備一覧に載っていないものをプレイヤーが欲しがることはよくあります。動機が適切であれば――なにが「適切」なのかはGMが判断します――買い物を許可してください。価格は他の物品を参考にGMが決定します。現実世界のカタログが役に立ちます。
 より詳しい情報は、第8章「装備」を見てください。

コラム:ゲーム世界を移動する場合のお金について(Moving Money Between Worlds) B488P / 2B168P

[[ゲーム世界を移動する場合のお金について>経済活動#Moving_Money_Between_Worlds]]
 PCがゲーム世界を移動する場合(「いくつものゲーム世界を渡り歩く」参照)、いくらかの現金をもったまま移動するのが普通でしょう。しかし、ある社会での「法貨」――社会がその価値を保証する通貨――は、別の社会では意味をもたないことがあります。GMが忘れてはならない2つの原則をあげておきます。
  • 1:新しい世界では、その貨幣はもはや「法貨」ではありません。それは「もの」として扱われます。もし中世の金貨を21世紀で使おうと思ったときには、まず骨董品――あるいは、金の塊――として売らなければなりません。おそらく30グラムで400$ほどになるでしょう。もしアメリカの紙幣を10世紀に持っていったら、ただの紙切れです。現金よりむしろ「プラスチック製のヘルメット」や「MP3プレイヤー」のほうが価値が出るでしょう(「この箱の中の奇跡のオーケストラにいくらの値をつけてくれますか?」)。
  • 2:異なる世界間で通商を行なうと、一瞬で大金持ちになってしまいます。GMは世界間の移動を認めた場合、世界間で持ち運びできる物品の種類・質を制限することでバランスをとらなければなりません。推奨される制限としては、「持ち運びできるのは身体一つ」「世界間はあまり頻繁には移動できない」とするのがよいでしょう。
エラッタ修正:
【誤】現金よりむしろ「プラスチック製の潜水帽」や「MP3プレイヤー」のほうが価値が出るでしょう(「この魔法のオーケストラボックスにいくらの値をつけてくれますか?」)。
【正】現金よりむしろ「プラスチック製のヘルメット」や「MP3プレイヤー」のほうが価値が出るでしょう(「この箱の中の奇跡のオーケストラにいくらの値をつけてくれますか?」)。
原文P.B514 : Moving Money Between Worlds : So, rather than money, take along a few plastic hard-hats and maybe an MP3 player. (“What am I bid for this miraculous orchestra in a box?”)
plastic hard-hatsは潜水帽とは限らず、工事現場など普通の安全帽として使えるヘルメット。オーケストラボックスはorchestra pit(オケピ:舞台と観客席との間に設けられる演奏用スペース)の和製英語として使われているため、誤解を招くので、 orchestra in a box は、普通に「箱の中のオーケストラ」程度の訳が望ましい。

戦利品とその換金(LOOT, AND DISPOSING OF IT) B488P / 2B168P

[[戦利品とその換金>経済活動#LOOT_AND_DISPOSING_OF_IT]]
 多くの冒険は財宝が目当てですが、そうでないものもたくさんあります。しかし、目的を達成して帰還したパーティは、なにがしかの価値のある物を持ち帰ってくるのがふつうです。他に何も収入がなければ、その資金で次の冒険のための装備を購入することになります......
 古典的なファンタジーRPGなら、冒険に成功したパーティは宝石や金貨の入った宝箱を家に持ち帰ることになります。この方法はとても便利です!もう少し現実的な冒険をやりたいのであれば、宝物の種類についてもう少し考えるべきです。
 たとえばパーティが隊商の護衛として雇われたとします。襲ってきた山賊のあとを追ってアジトを発見し、山賊たちを一掃してかれらの略奪品を回収しました。充分な荷役動物がいれば、略奪品を街まで持ち帰ることは簡単です。そして商人と接触できれば(必要なら〈地域知識〉や〈裏社会〉を使ってください)、できるだけ高く売れるよう商談を始めましょう。GMは商人の反応判定を行ない、略奪品の中に興味深いものがあれば買い取りを申し出ます。この申し出を受けるのも断るのもPCしだいです。簡単ですね?
 しかし、事はつねにこれほど簡単であるとは限りません。宝物の価値を鑑定し、現金に換えてくれる人物を発見すること自体を冒険にしてもよいのです。例えば......
  • 宝物は動かせないものでした。どうやって街に持って帰りましょう?
  • 宝物は、それなりの鑑定眼を持っている者でなければ価値のわからないものでした。あるいは、逆に素人には高価そうなものにみえるが、実はガラクタでした。
  • 宝物は特定のコレクターや専門家にとってのみ価値のあるものでした。買い手を探すこと自体が冒険になるでしょう。
  • 宝物は非合法だったり、その地域のモラルに反するものでした。売却するには危険がともないます。
  • 宝物は壊れやすかったり、取り扱いに注意を要する危険なものでした。
  • 誰かがその宝物を狙っています。
  • 宝物は物ではなく、情報でした――真の財宝や、キャンペーン全体の目的に向かう大きな手がかりです。

 どれほど慎重にシナリオを考えたとしても、プレイヤーたちはGMが予想していなかった「戦利品」を手に入れることがあります。例えば、PCたちが奴隷商人によって鉄の檻に入れられていたとします。PCたちは自由になったとき、鉄の艦をもって帰って鉄くず屋に売ろうとしました。ここはGMが想像力を発揮するチャンスです。その物品にどれだけの価値があるのかわからないときには、“話が面白くなる”ように解決すればよいのです。GMが「PCたちには資金が必要だ」と感じたときには、隣村で鉄くずの需要があったことにすればよいでしょう。そう思わなかったときには――だれも鉄の檻に興味をもたなかったとします。簡単でしょう?


インフレーション対策(Controlling Inflation) B489P / 2B169P
[[インフレーション対策>経済活動#Controlling_Inflation]]
 GMはPCが急に裕福になりすぎないよう注意しなければなりません。万一そうなってしまった場合でも、物の値段をあげたりするのではなく、PCになにか高額の買い物(船、爵位など)や、長期的でリスクの高い、面白い投資(発明家への資金援助)をさせてください。あるいは、PCを破産に追い込むような偶発事件を発生させるか、金では買えない頭脳が必要な冒険を作ってください。
 文明レベルが高い世界の場合、金で買える有利な特徴に制限はありません。しかし文明レベルの低い世界では、よいと高品質の武器、優れた馬を数頭揃えてしまえば、それ以上個人用の装備が必要になることはありません。軍隊でも雇えば話は別ですが......。
 リアルに考えるなら、略奪品の価値は低下するのが普通です。、戦闘車輌、その他軍事物資は、戦闘の後にはダメージを受けています
――街まで引きずって帰った場合、本来の価値の3分の1も残っていれば運がいいほうでしょう(非常にリアル思考のGMなら、PCが使う車輌/武器/などのメンテナンスにかかる費用も請求することでしょう)。


コラム:自分で道具を作る(Making Your Own Goods) B489P / 2B169P

[[自分で道具を作る>経済活動#Making_Your_Own_Goods]]

 適切な技能をもったキャラクターが、お金を節約するために自力で装備品をつくろうと思うことはあるでしょう。その場合、以下の指針を使用してください。
 開始時の装備は、たとえ手作りできる道具であっても、常に「定価」がかかります。材料を買ってきて、その品物を作成する手間を掛けることは、その品物を買ってきたときと同じようにPCの財産を減らします。
 装備の自作はまったく合法です。GMはそうさせるべきでしょう。考慮に入れなければならないのは:
  • 1:どんな原料が必要なのか、そのコストは?「部品代」はふつう完成品の20%ほどです。
  • 2:作業にどれほど時間がかかるのか?冒険と冒険の間に道具を作っているPCは、その間収入を得たり技能を学習することができません。冒険の最中に道具を作っているPCは、その間行動できません。
  • 3:どんな技能が必要か、失敗やファンブルの影響は?一般に、失敗すると材料を壊すだけです。ファンブルすると、使ったときに破滅的な失敗をもたらす道具を作ってしまいます!

 作れる道具、原料、技能、時間をすべてリストアップすると、おそらく何冊もの資料になるでしょう――そのため、これはGMの裁量に任されています。


コラム:金と銀(Gold and Silver) B489P / 2B169P

[[金と銀>経済活動#Gold_and_Silver]]
 伝統的なファンタジーRPG(そしてファンタジー小説)では、金貨や銀貨は重くて買い物をするため持ち運ぶにはたいへん不便です。あなたがGMなら、そうしたいときだけ重くすればよいと思います。
 史実では、金や銀は“非常に”価値のある金属です――一方で道具類はとても安く買えます。現実の中世イギリス(14世紀)経済では、1$は1ファージング銅貨として扱います――大きさはだいたい直径2.5cmです。ペニー銀貨は4%で、直径1.2cmほどです。ペニー銀貨250枚(1000$)で重量は0.5kgです。もし銀と金の交換比率が20対1だとすると(これは史実通りの比率です)、0.5kgの金は20000$ということになります。ですから、たとえ国王の身代金といえども背負い袋の中にいれて一人で運んでいけるわけです。
 財産をより運びにくくしたいGMは、(1ドル銀貨と同じように)1$を30グラムの銀貨1枚としてあつかえばよいと思います。30グラムの金の塊は20$の価値があります。硬貨12枚(トロイ衡)で0.5キロになるので、この比率だと0.5キロの金塊はたったの240$の価値しかありません。このような世界では、莫大な富を持ち運ぶ方法としては宝石に換えるしかありません。そして荷馬車いっぱいに金塊を積んだ隊商というのも実際に存在します。


財産と地位(WEALTH AND STATUS) B490P / 2B170P

[[財産と地位>経済活動#WEALTH_AND_STATUS]]
 「財産」と「地位」は、別々ではありますが関連した性質です。この関係の詳細を決定するのはGMの仕事です。
 多くのゲーム世界では、高い社会的地位を備えた者は、自分の「地位」レベルが0を1超えるごとに、“標準”より1段階高い「財産」を買わなければなりません。しかし高い「地位」がなくても多くの「財産」を持つことは可能です。また多くのゲーム世界では、財産が豊富なキャラクターは、「財産」レベルが“標準”より1段階上回るごとに、「地位」レベルを1買わなければなりません。しかし「財産」レベルが低くても高い「地位」につくことは可能です。GMは双方の要求をさらに強化して、「地位」レベルと「財産」レベルを厳格に関連づけてもかまいません。しかしこれでは、面白いキャラクターコンセプトの多くを除外してしまいます。すべてのゲーム世界において、一般にマイナスの地位レベルを持っている者は、地位レベルが0を1下回るごとに財産は“標準”より1段階低くなります。
 話をそれなりに面白く進めるために、GMは貧乏なキャラクターが高い地位をもったり、裕福なキャラクターが低い地位をもつことを禁止したほうがいいでしょう。ただし、設定がどうしてもそれを必要としている場合は除きます!

地位レベルと生活費(Cost of Living and Status) B490P / 2B170P
[[地位レベルと生活費>経済活動#Cost_of_Living_and_Status]]
 キャラクターは、自分の「地位」レベルに応じた生活費を支払わなければなりません。そうでなければ「生活費」で説明されているような結果になります。PCは特別に「地位」を上げ下げしていない限り、「地位」レベル0「中流階層」――とみなします。
 キャラクターが毎月自由に使えるお金をどれだけ持っているか推定するためには、自分と扶養家族の生活費月給(以下「仕事」参照)から引いてください。仕事のルールを採用しない場合、生活費は冒険によって得られた収入から払わせるか、このルールを完全に無視するかを選んでください!


仕事(JOBS) B490P / 2B170P



雇用人(HIRELINGS) B491P / 2B171P

コラム:仕事につく(Finding a Job) B492P / 2B172P


奴隷制(SLAVES) B492P / 2B172P


コラム:忠誠度の判定(Loyalty Checks) B493P / 2B173P

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第1章キャラクターの作成

キャラクターの作成
キャラクターのタイプ
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機械と疲労

第2・3章:特徴

特徴(第4版特徴一覧)
汎称特徴鋳型
特徴グルーピング表
判定に修正を与える特徴一覧表
下位の特徴と上位の特徴
消耗品型特徴


特典/
特色/禁止性質
学習できる有利な特徴
Powersの追加特徴

修正/増強/限定
攻撃修正/貫通力修正/発明品
特別修正/特別増強/特別限定
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について
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GURPS Power-Ups 6:Quirks

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第4章:技能

第4版技能一覧
意志力を基準にした技能
知覚力を基準にした技能
生命力を基準にした技能
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技能なし値に能力値が工面しづらい一般技能
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万能技能について
↓特集サプリメント
GURPS Power-Ups 7:Wildcard Skills
第4版呪文一覧
原書呪文一覧
第3章〜第26章

各コラム

魔法流派の例を扱ったサプリメント

第7章テンプレート

第8章装備

装備品対訳表

第11章:戦闘

戦闘
移動と戦闘

第12章:上級戦闘

第13章特殊な戦闘の状況

特殊な戦闘の状況
特殊な移動関連

関連

圧力潜水病
船酔い
窒息溺れ
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第20章
インフィニット・ワールド

インフィニット・ワールド

保留

ルールあれこれ

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Horror

Supers

GURPS Supers
とんでも能力の超人を扱うサプリメント。

Social Engineering

GURPS Social Engineering
社会的ルールを補完するサプリメント。

Pyramid #3/54: Social Engineering

追加特徴「全言語対応
万能言語

Pyramid #3/65: Alternate GURPS III

追加特徴「特殊武器

Pyramid #3/76: Dungeon Fantasy IV

Pyramid 3/76: Dungeon Fantasy IV



GURPS Template Toolkit 2: Races

GURPS Template Toolkit 2: Races
追加特徴

GURPS Monster Hunters Power-Ups 1

追加の有利な特徴 追加テクニック

GURPS Tactical Shooting

GURPS Powers: Divine Favor

神への嘆願を扱ったサプリメント
GURPS Powers: Divine Favor

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