[[戦利品とその換金>経済活動#LOOT_AND_DISPOSING_OF_IT]]
多くの冒険は財宝が目当てですが、そうでないものもたくさんあります。しかし、目的を達成して帰還したパーティは、なにがしかの価値のある物を持ち帰ってくるのがふつうです。他に何も収入がなければ、その資金で次の冒険のための
装備を購入することになります......
古典的なファンタジーRPGなら、冒険に成功したパーティは宝石や金貨の入った宝箱を家に持ち帰ることになります。この方法はとても便利です!もう少し現実的な冒険をやりたいのであれば、宝物の種類についてもう少し考えるべきです。
たとえばパーティが隊商の護衛として雇われたとします。襲ってきた山賊のあとを追ってアジトを発見し、山賊たちを一掃してかれらの略奪品を回収しました。充分な荷役動物がいれば、略奪品を街まで持ち帰ることは簡単です。そして商人と接触できれば(必要なら〈地域知識〉や〈裏社会〉を使ってください)、できるだけ高く売れるよう商談を始めましょう。GMは商人の
反応判定を行ない、略奪品の中に興味深いものがあれば買い取りを申し出ます。この申し出を受けるのも断るのもPCしだいです。簡単ですね?
しかし、事はつねにこれほど簡単であるとは限りません。宝物の価値を鑑定し、現金に換えてくれる人物を発見すること自体を冒険にしてもよいのです。例えば......
- 宝物は動かせないものでした。どうやって街に持って帰りましょう?
- 宝物は、それなりの鑑定眼を持っている者でなければ価値のわからないものでした。あるいは、逆に素人には高価そうなものにみえるが、実はガラクタでした。
- 宝物は特定のコレクターや専門家にとってのみ価値のあるものでした。買い手を探すこと自体が冒険になるでしょう。
- 宝物は非合法だったり、その地域のモラルに反するものでした。売却するには危険がともないます。
- 宝物は壊れやすかったり、取り扱いに注意を要する危険なものでした。
- 誰かがその宝物を狙っています。
- 宝物は物ではなく、情報でした――真の財宝や、キャンペーン全体の目的に向かう大きな手がかりです。
どれほど慎重にシナリオを考えたとしても、プレイヤーたちはGMが予想していなかった「戦利品」を手に入れることがあります。例えば、PCたちが奴隷商人によって鉄の檻に入れられていたとします。PCたちは自由になったとき、鉄の艦をもって帰って鉄くず屋に売ろうとしました。ここはGMが想像力を発揮するチャンスです。その物品にどれだけの価値があるのかわからないときには、“話が面白くなる”ように解決すればよいのです。GMが「PCたちには資金が必要だ」と感じたときには、隣村で鉄くずの需要があったことにすればよいでしょう。そう思わなかったときには――だれも鉄の檻に興味をもたなかったとします。簡単でしょう?