汎用TRPG「ガープス(GURUPS)」について、だべったりつづったりする所。 魔法関連ルールの編集者募集中!


ベーシックセット』第18章「マスタリング」より。

ゲームの進行(Running the Game) B466P/2B146P

 ゲーム中にGMがやらなければならない仕事――簡単です。まずプレイヤーから「キャラクターにどういう行動を取らせたいのか」という発言を聞いて、その行動に対してゲームのルールを適用します。そして何が起こったのかをプレイヤーに説明します。それからまたプレイヤーの発言を聞いて――この繰り返しです。しかし、おそらくこれはそんな簡単なことではないでしょう。
 以下は、あなたがGMになったとき、さまざまな局面に対して「次にどうしようか」を決める判断基準にしてください。優れたマスタリングにとってもっとも重要なのは、“ルール”ではなく、こうした指針なのです。

●常識をはたらかせる(Use common sense):
 あるルールを適用すると、現実にはおこりそうにもない結果が導き出されるときには、ルールではなく常識のほうに従ってください。どれだけテストプレイを重ねても、完璧なルールなどありはしないのです――それはこの本も同じことです。プレイヤーを“ルール至上主義者”にはしないでください。最終的にはGMが判断を下します。

●公平であること(Be fair):
 どのプレイヤーにもチャンスは均等に与えられます。なにか1つの行動に対しては、それに参加する機会を平等に与えてください。ルールを変更したり、特別な例外事項をもうけたときには、それは全員に等しく適用されなければなりません。

●流れを止めないこと(Keep the action moving):
 ロールプレイング・ゲームは物語としての側面ももっています。GMはその物語の原作者です。しかし主な出演者は全員が自由意志をもっており、ストーリーはしばしば出演者の望んだ方向に流れていきます。しかし話の流れが止まったときには、それを活性化するのはGMの役目です。新しい遭遇、手がかりの発見......など、ストーリーの流れをちゃんとさせたり、プレイヤーがなにか思いつくよう手助けしなければなりません。

●なにごとにおいても、1つの型に頼り切らないこと(Don’t lean on formulas):
 これはルールの適用でも同じことがいえます。ルールは本当に必要になったときだけ使えばよいのです――それだけを頼りにしてはいけません。ルールに固執してゲームの面白さを損なうようなことは避けなければなりません。ゲームを進めるためにヒーローが岩を持ちあげるしかない場合には......持ち上げられたことにすればいいのです。

●汝殺すことなかれ――なるべく(Thou shalt not kill. Not much, anyway):
 RPGの中には命の価値が極めて軽いものもあります。始まって1時間以内に、少なくともパーティの半分を殺さなければ、GMとしてすっきりしないというようなゲームです。しかしほとんどのプレイヤーにとって、それは愉快なことではありません。ガープスではキャラクターをかなり細かい部分まで詳しく設定することができます。そのようなキャラクターを使い捨ての斬られ役として扱うのは、GMとして恥ずべき行為です。覚えておいてください優れた冒険譚では、とくに理由もなくヒーローが死ぬことはありえません。この件に関しては「キャラクターを生き延びさせる」の項(470ページ)で詳しく論じます。
 もちろん、あなたとプレイヤーが本当に「ハック・アンド・スラッシュ」型のゲームを望んでいるのであれば、その通りにしてください。


ルールへの疑問に答える(Settling Rules Questions) B467P/2B147P

[[ルールへの疑問に答える>ゲームの進行#Settling_Rules_Questions]]
 ルールへの疑問に対しては、GMの答えこそが正解です。GMは、どの選択ルールを用いるか決め、疑問に答えます。優れたGMは、重要な疑問はプレイヤーたちと話し合ってから解決します――そして優れたプレイヤーは、GMがくだした決断を拒んだりはしません。
 GMは、ルールに精通しておくべきです。ルールで解決できない状況や“現実世界”めいた判断が必要な場合は、いくつか解決のテクニックがあります。

成功判定(Success rolls):

 「成功判定」とは、キャラクターの能力値技能を試すことです――第10章参照。何かをこなす能力が問題になる場合には、成功判定を用いてください。

●無作為判定(Random rolls):
 「車にキーがついているか?」「僕の馬と同じ色の馬に乗っている兵士はいるだろうか?」といった疑問に対しては、無作為に判定するのが一番です。GMが確率を決め、サイコロをふって判定します。確率が半々の場合もあれば、ほとんど起こらないようなこともあります。GMは確率だけを決めて、あとは運命の手に委ねます。

●自由裁量(Arbitrary fiat):
 必ずしもサイコロを使う必要はありません。冒険の筋書きにふさわしい“正解”が1つしかなければ、それが答えなのです。「運がいいことに、手榴弾は階段をころがり落ちていった。誰も怪我はしなかったけど、警備兵が気づいたよ!」


プレイヤーに対処する(Dealing with the Players) B467P/2B147P

[[プレイヤーに対処する>ゲームの進行#Dealing_with_the_Players]]
 プレイヤーというのは、それぞれの意見と先入観をもった個人の集合です。GMは治安を守らねばならない場合もあるでしょう。以下にそうするための助言を挙げます。
議論(Arguments) B467P/2B147P
[[議論>ゲームの進行#Arguments]]
 GMは、つねにプレイヤーの提案に耳を傾けるべきです――あなたがルールを間違えたのなら、進んで自分から正すようにしてください。しかし、最後の決定権を持ち、頼みの綱であるのはGMです。公平と思える判断をしたのに、あえて文句をつけてくるプレイヤーがいた場合は......一時的に、あるいは永久に、そのプレイヤーにはゲームから外れてもらったほうがよいかもしれません。ゲームは楽しいものですが、議論は楽しくありません(あなたが議論をとめるきっかけをつかむ前に、他のプレイヤーが止めに入るかもしれません。そうさせてください!)。

やっぱりこうしよう!(“I changed my mind!”) B467P/2B147P
[[やっぱりこうしよう!>ゲームの進行#I_changed_my_mind]]
 なかには都合が悪いと思うと、行動を“撤回”するプレイヤーがいます。トラブルを避けるために、実際に方針を変えるだけの余裕がある場合を除き、認めないようにしてください。

例:ジョージが言います。「ニトログリセリンを落とそう」GMはサイコロをふり、彼に告げます。「爆発したよ。ダメージは3D点だ」こうした状況では、行動を撤回することはできません。しかし、次のような場合はどうでしょう。ジョージが言います。「ビルに火をつけよう」ところが、それから彼は方針を変えました――これは認められます。「いいよ。マッチに火はつけたし、新聞も見つかった。でもやめるんだね。じゃあ、火をふみ消した」ビルはそんなに早くは燃えません。ジョージには考え直す余裕があったわけです(もちろん、ジョージが火炎放射器を構えていれば、話は違います!)。

 一般に、プレイヤーが“取り消せない”行動をすると宣言すれば......実際に行動してしまいます。


リーダーに従う(Follow the Leader) B467P/2B147P
[[リーダーに従う>ゲームの進行#Follow_the_Leader]]
 プレイヤーたちがリーダーを選ぶのなら、リーダーがプレイヤーたちの意見を聞き、リーダーがGMに自分たちのすることを話すようにします――非常時は除きますが。そのあとは、キャラクターがそれぞれ独自に行動します。リーダーは命令することができますが、それを押しつけることはできません。もっとも、そのキャラクターがゲーム世界で命令を与えることのできる立場にあるのなら話は別です。リーダーがGMに助けを求めた場合は、こう言ってください。「リーダーは君だ。自分で判断してくれ」。


おしゃべり(Table Talk) B467P/2B147P
[[おしゃべり>ゲームの進行#Table_Talk]]
おしゃべりプレイヤーたちがうるさすぎるなら、こう言ってください。「君たちがしゃべったことは全部、キャラクターがしゃべったことにするよ」こうすれば、プレイヤーたちが静かでないかぎり、キャラクターたちは身を隠すことができません。そして、プレイヤーたちが急いで判断しなければ、キャラクターたちもすばやく判断できません。このルールを使えば、GMもやかましさに悩まされることがなくなるでしょう――特に非常に多くのプレイヤーがいるときには。


NPCの演技(Playing the NPCs) B467P/2B147P

[[NPCの演技>ゲームの進行#Playing_the_NPCs]]
 NPC――「ノン・プレイヤー・キャラクター」――というのは、GMによって演じられるキャラクターすべてのことです。冒険の間、GMは数十人ものキャラクターを演じることになります――道ですれちがっただけの旅人から、強力な後援者や敵までさまざまです。
 GMはNPCを好きな方法で作成してかまいません。重要なNPCならプレイヤーのキャラクターと全く同じように作成しなければならないでしょう。しかし“やられ役”やさほど重要でないNPCなら、テンプレートを使用したり(「キャラクター・テンプレート」422ページ)、CPのことはあまり考えずに、その場その場で“ふさわしい”能力をもっていることにしてもかまいません。
 一度作成されたNPCは――重要なNPCも、そうでないNPCもGMが“演技”してください。金を儲けようとするNPCもいるでしょうし、重要そうに、立派そうに見せようとする者や、身を守ろうとする者もいるでしょう――彼らも他の人間とまったくかわりなく、最終的な目標にむかって努力します。NPCの演技がうまくなれば、GMとしても成長し、あなた(とプレイヤー)もより楽しくゲームを遊べるようになります。
 NPCの中には自動的にプレイヤーのキャラクターに好意的なものもいますし、プレイヤーのキャラクターの“生まれついての敵”もいるでしょう。これらの反応はシナリオで設定されます。しかし、ほとんどのNPCはPCに対してそうした“自動的な”反応を持っていることはありません。その代わりに「反応表」(534ページ)を使って態度を決めてください。

サブマスターによる演技(Playing the Adversary) B468P/2B148P
[[サブマスターによる演技>ゲームの進行#Playing_the_Adversary]]
 GMがNPCとしてプレイヤーのキャラクターの敵を演技する場合、NPCの知識は「本人が本当に知っていること」に制限しなければなりません。GMはパーティー全員の長所や欠点を知っています――しかし、敵のNPCはそうではないのです。これをうまく解決するための1つの方法は、もう1人の別の人間――サブマスターがその敵キャラクターを演じるということです。
 GMサブマスターに演じてもらうキャラクターの情報を可能な限り正確に伝えます。しかしサブマスターは「そのキャラクターが本当に知っていること」より詳しい情報を知ることはできません。特に、PCとその能力についてはほとんど知らされることはないでしょう――冒険が始まった直後であればなおさらです。完全なリアリズムのためには、サブマスターを2人準備するべきです――1人はパーティのことをよく知っている敵を演じるサブマスターで、もう1人は何も知らない愚かな“やられ役”を演じるのです。
 サブマスターというのはGMのアシスタントです。サブマスターの仕事は敵をできるだけうまく演じることです。サブマスターは自らを“無慈悲な殺戮機械”のように演じてはなりません(敵が本当にそういう性格なら話は別ですが)。ある状況下で、そのキャラクターが行なうべきもっともふさわしい行動が「戦闘」だったときには、戦闘すればよいのです。しかし「待ち伏せて岩を落とす」「大声で挑発する」あるいは「即座に走って逃げる」といった行動がふさわしい場合だってあります。
 GMサブマスターの間で意見が食い違った場合、GMの言葉が法律です。しかし優れたGMであれば、可能な限りサブマスターの自由裁量権を認めるはずです。また論争が起こったときには席を外して相談し、会話の内容をプレイヤーに聞かれないようにしてください。
サブマスターとして経験を積むことは、将来GMになるためのよい訓練になります。

コラム:オンラインでのゲーム(Gaming Online) B468P/2B148P

[[オンラインでのゲーム>ゲームの進行#Gaming_Online]]
 近くにゲーム仲間がいなかったり、全国(あるいは世界中!)に散らばってしまった学生時代の仲間たちと遊ぶために、オンラインを使いたいことがあります。それにはいくつかの方法があります。

●電子メールによるゲーム(PBEM):Play by e-mail (PBEM)
 このスタイルはまず、GMが全員のために状況を記述します。その後プレイヤーは次の「行動」をGMに返信します。GMは全員の行動を統合して、NPCがその時何を行なうかを考えて、アクションをすべて解決し、次の状況を発送します。利点:急いで行動することを強要されません。電子メールが送受信できるのであれば、どのような環境でも参加できます――10年落ちのコンピュータでも最新型とまったく同じように機能します。キャラクターが見たものをプレイヤーにも見せたい場合、GMはメッセージにファイルをつけくわえることができます。遅刻したプレイヤーを待ってゲームが中断することがありません。誰もあなたのお菓子を奪うことはできません。欠点:GMはやることがたくさんあります――特にタイピングが苦手であれば。1つの遭遇であっても、それが終わるまで数週間かかるかもしれません――もし返信の頻度が遅い場合は。詳細な戦闘を実行することは事実上不可能です――実際、多くのPBEMでは戦闘を積極的に避けます。

●リアルタイムチャット(IRC、メッセンジャーなど)によるゲーム:Play by real-time chat (IRC, M*, instant message,
etc.)
 電子メールゲームと直接対面するゲームの妥協案です。オンラインチャットルームや、インスタントメッセンジャーサービスを利用します。これは2つのアプローチの、いい点と悪い点の多くを持っています――ゲームは時間を決めて行なわなければなりませんが、物理的に同じ場所にいる必要はありません。プレイヤー同士がリアルタイムにやり取りすることは可能ですが、誰かがタイピングが苦手であればゲームは停滞してしまいます(そのプレイヤーはゲームから取り残されます)。誰も他人のお菓子を奪うことはできませんが、GMにピザを奢ってくれる人もいません。しかし、チャットサイトによってはサイコロ判定機能があるところもあり、ゲームを簡単にしてくれます。

●大規模多人数オンラインRPG(MMO-RPG):Massively multiplayer online RPGs
 プレイヤーとGMがオンラインで対話可能なコンピュータゲームです。使用するゲームシステムを好きに選ぶことができるものもあります。備え付けのルールで遊ぶものもあります。

その他のオンライン上の情報(Other Online Resources)
[[その他のオンライン上の情報>ゲームの進行#Other_Online_Resources]]
 もしあなたがオンラインでゲームをしなかったとしても、テーブル上でガープスを遊ぶために役立つ場所がたくさん本当に“たくさん”――あります。以下にいくつか例を挙げます。

●ピラミッド:Pyramid
 わたしたちのオンライン・マガジンは“社内報”ではありません――ガープス関係の記事をたくさん含んでおり、毎週更新されます。雑誌時代のピラミッド(そしてその前身である「ロールプレイヤー」)の、ガープス関係の記事が保存されています。その中には、後にガープスの書籍に入れられなかった記事も多数含まれています。オンラインチャット(ゲーム用もあります)、掲示板、そして毎週新しい記事が載ります。ピラミッドは入会されればお得です!

●e23:e23
 わたしたちの新しい電子出版事業は、絶版/新版双方で冒険シナリオや参考資料を提供します。さらに、これは徐々に成長します。ですから、どのような新製品がが加えられたかを確かめるために、頻繁にチェックしてください。

●ウェブサイト:Our website
 SJゲームズのウェブページには、これまで出版されたほとんどすべてのガープスの本についての追加の内容(そしてエラッタも)が載せられています。さらに、対面・オンラインでゲームを遊ぶことを支援するさまざまなソフトウェアがダウンロード可能です。ウェブフォーラムでは、ほとんどどのようなものもカバーしています。もちろんガープスもカバーしていますし、質問をするには最適の場所
です。
  • URL
    • SJゲームズのメインページ:www.sjgames.com
    • ガープスのメインページ:www.sjgames.com/gurps/
    • フォーラム:forums.sigames.com
    • ピラミッド:www.sjgames.com/pyramid/
    • e23:e23.sjgames.com
    • ガープスのエラッタ:www.sjgames.com/errata/gurps/
    • グループSNE:www.groupsne.co.jp
    • 富士見書房ゲームサポート:www.kadokawa.co.jp/fujimi/index.html


反応判定(Reaction Rolls) B469P/2B149P

[[反応判定>ゲームの進行#Reaction_Rolls]]
 PCがNPCと遭遇した場合、あらかじめその反応が決められている(以下参照)のでなければGMがサイコロを3個あって「反応判定」を行ないます。目が大きいほど、よい反応がかえってきます。534ページの反応表を見て、その指針をもとにNPCの態度を決めて演じることになります。
 この判定はプレイヤーの目には見えないように行なわなければなりません。例えば、偶然出会った友好的に見える農家のおじさんは、親切に助言してくれているのか、罠にはめようとしているのか、PCには判断できないのです。
 反応判定成功判定では“ありません”。次のような重要な違いが3つあります。

1:「目標値」がありません。
2:出目は高い方がいい結果になります。
3:反応修正はサイコロの目に直接適用します。反応にボーナスを与えるなんらかの要素はNPCを友好的にします。ペナルティをもたらす何かはNPCにPCに対する偏見をもたせます。

 一般的な修正としては、次のようなものがあります。

●キャラクターの容貌や行動:Personal appearance and behavior
 特に先頭に立って会話しているキャラクターの容貌や行動がものをいいます。「平均的」を超える容貌を有しているキャラクターは、反応修正にプラスの修正をうけます。「カリスマ」「ファッションセンス」「同情を誘う」「美声」の特徴も同じです。大半の場合において高いことが明らかな「地位」も修正の対象になります。平均を下回る容貌や、さまさまな不利な特徴はペナルティを与えます。

技能:Skills
 その状況にふさわしい技能で判定を行なって、成功すれば反応に+2できます。例えば官僚と取引するなら〈管理〉、パーティなら〈社交、政治家と話をするなら〈政治〉です。いずれの場合でも、20レベル以上で習得していれば“自動的に”反応に+2されます。〈外交〉と〈言いくるめ〉は会話が可能な場合のみ、この用途に使用できます。〈商人技能は商取引のときに使用できます。GMは他の技能についても、似たようなボーナスを与えることにしてもかまいません。

●特定の人種・国籍への偏見:Racial or national biases
 エルフはドワーフが嫌いです。フランス人はドイツ人を無視しがちです......などなど。ふつうペナルティになります。PCが「社会的弱者」をもっていたり、NPCが「[狭量]]」を持っている場合などです。

●プレイヤーの行動:Appropriate behavior by the players!
 うまいロールプレイングにはそれだけの見返りがあります。交渉のやりかたが適切であれば、+1以上の修正があります!まったくその場にふさわしくない態度だった場合には、NPCの反応修正に-1から-2の修正を受けることになります。プレイヤーに「きみは相手の機嫌を損ねたようだね」と教える必要はありません――気分を害したNPCを、その通りに演じればいいだけのことです。そしてプレイヤーにそのことをわからせるのです。
 反応判定をランダムにおこなうことは、ゲームに予測できない要素を付け加えるのに役立ちます――それはGMにとっても楽しいことです。しかし、NPCに明確な理由があったり、論理的に反応]がわかるときには、この表を用いてはなりません。

あらかじめ決まった反応(Predetermined Reactions) B469P/2B149P
[[あらかじめ決まった反応>ゲームの進行#Predetermined_Reactions]]
 NPCによっては、あらかじめ反応判定への修正(たいていはマイナス修正)が決まっている場合があります。たとえば、ギャングのチンピラなら、誰に対しても-5の修正です。
 あらかじめ決まった反応には、「最善の結果」が書かれていることがあります。サイコロでの反応がそうした最善の結果よりよかったとしても、書かれた「最善の結果」として扱ってください。振りなおしてはいけません。例えば、山男は他人を寄せつけませんから、よそ者に対して-2の修正があります。さらに、“中立”よりいい反応がかえってくることはありません。この場合、中立よりもよい反応が出ても中立として扱います。
 尋常ではなく友好的なNPCは、あらかじめ決まった「ボーナス」と「最悪の結果」(例:最低でも中立)をもっていることもあります。


二度目の反応判定(Second Reaction Rolls) B469P/2B149P
[[二度目の反応判定>ゲームの進行#Second_Reaction_Rolls]]
 プレイヤーが好ましくない反応を返された場合、最初の判定で戦闘になっていないかぎり、接触の仕方を変えて、もう一度試みることができます。接触の仕方を変えるには、次のような手段があります。何かのわいろを送る、態度を改める、別の者が交渉する、新しい情報を与える、適当な技能を使う(後を見てください)。NPC(GMが演じます)がPCに対して不快感を募らせてしまった場合は、2度目の判定には-2、3度目の判定には-4などというようにマイナスの修正があります! 適当な時間をおけば、このマイナス修正をさけることができます。“適当な時間”がどのくらいなのかは、GM次第です!


影響技能(Influence Skills) B469P/2B149P
[[影響技能>ゲームの進行#Influence_Skills]]
 状況によっては、反応判定を行なう代わりに適切な技能が使える場合もあります。〈外交〉〈言いくるめ〉〈脅迫〉〈礼儀作法〉〈性的誘惑〉 〈裏社会〉といった技能です。いずれかの技能があれば、通常の反応判定の代わりに用いることができます――「影響判定」(340ページ)参照。GMは、反応判定と同じように修正値を当てはめますが、技能レベルに対する修正になります。


知識(Knowledge) B469P/2B149P

[[知識>ゲームの進行#Knowledge]]
 ロールプレイングの楽しみの1つに、キャラクターの知識を「そのキャラクターが知っていると考えられること」だけに限定するということがあります。
PCの知識(PC Knowledge) p.(149) 469/p.495
[[PCの知識>ゲームの進行#PC_Knowledge]]
 GMの仕事の1つは、キャラクターが知らない情報をプレイヤーが利用するのを防ぐということです。

●時代にふさわしくない技術:Anachronistic technology
 プレイヤーはキャラクターが知らないはずの文明レベルの高い知識を利用することはできません。中世を舞台にしたキャンペーンだとしても、キャラクターはさまざまなものを発明しようとするでしょう――黒色火薬、合成弓、ペニシリンのためにカビの生えたパンを使う......。しかしそれを許可してはなりません。もちろんPCが過去にたどりついたタイムトラベラーなら、それらの知識を使っても問題ないのですが。
 同じように、現代のキャラクターが過去の技術を使うことも制限しなければなりません。例えば黒色火薬がその例です。21世紀の現代人のうち、黒色火薬の正確な精製方法を知っている人間がどれだけいるでしょうか――原料を混ぜて、粉末にして、ふるいにかけて、暴発させずに保管する方法を。しかし、現代のキャラクターは、それらの技術を“再発見”しようと試みることができます。〈歴史〉(かなり大きなマイナス修正をうけるでしょう)や適切な専門技能判定に成功すれば、うまくいったことになります。

●歴史的知識:Knowledge of history
 もしキャンペーンが、過去の地球で起こった“史実”をもとにしているときには、プレイヤーは――学校で注意して聞いていたなら
“実際には”なにが起こったのかを知っている可能性があります。しかし、プレイヤーにその知識に基づいた判断をさせてはいけません――もちろん、PCが未来から来たタイムトラベラーなら話は別ですが。そして、ゲームでは歴史が変更される可能性があることを忘れないでください――そのため、プレイヤーの知識は誤っている可能性もあるのです。

●読み書き:Literacy
 これは重要で、面白い要素です。もし読み書きが「わからない」ときには、そのキャラクターには一切読み書きさせないでください!これでどれだけ多くのプレイヤーが、3CPを得るために母語の読文を「わからない」レベルにするのか楽しみです。その場合でも、地図を見ることはできますし、看板や店の商品は理解できるのです!


NPCの知識(NPC Knowledge) B470P/2B150P
[[NPCの知識>ゲームの進行#NPC_Knowledge]]
 PCと同じように、GM(やサブマスター)が演じるキャラクターの知識も、「論理的に考えて、そのキャラクターが知っていると思われる」ものに制限しなければなりません。これがサブマスターに手伝ってもらう最大の利点です。そうすればGMは、自分が知っているPCについての情報すべてを使うわけにはいかなくなります。「PCの知識」であげた注意はすべてGMが管理するキャラクターにもあてはまります。GMはさらに次のような点にも注意しなければなりません。

●パーティの目的:Objectives of the party
 これは2通りに分かれます。GMはプレイヤーの真の目的を知っていますし、サブマスターも知っているかもしれません。しかしGMが目的を“知らない”キャラクターを演じるときには、“知らない”つもりで判断しなければなりません。そのため、NPCが「本当は友好的に接したほうが得をする」場合でも、PCに敵対してしまうこともあります――もちろん、その逆の可能性もあります。またパーティが城に忍び込もうとしている場合でも、衛兵が宝物庫だけに殺到するようなことはありません――パーティがどこに行こうとしているのかは、わからないからです。

●パーティの能力:Abilities of the party
 すべてのNPC特にサブマスターの演じるキャラクターは、パーティの“見た目の”強さに対応して行動することに気をつけてください。わかりやすい例をあげます:あるパーティがオークの一団が住みついている洞窟を探検しているとします。初めてパーティをみるオークたちは、パーティの魔術師が《爆裂火球》の呪文を唱えると気づくのは困難ですなんとか生き残ったオークが、味方にそのことを伝えるまでは。

●パーティの特別な弱点:Special weaknesses of the party
 (例えば)もしパーティ中の2人が死ぬほどヘビをこわがっていたとしても、サブマスターが演じるキャラクターは実際にその光景を目にするまでは知らないはずです。事実、GMは最初にそのような情報をサブマスターに与えてはなりません。自分自身でそのことを知らなければならないのです。サブマスター自身が気づいた場合でも、演じているのがそうしたことを知っているべき敵でないかぎり、その情報を利用することはできません。


コラム:ドアをあけて、毒の刃のトラップの下をくぐって(I open the door, duck under) B469P/2B149P
[[ドアをあけて、毒の刃のトラップの下をくぐって>ゲームの進行#I_open_the_door]]
本来の項目名は長い。「ドアをあけて、毒の刃のトラップの下をくぐって、レンガを2つとばしに踏んで、隠されたレーザーセンサーに引っかからないように注意するよ」(“I open the door, duck under the poisoned blade trap, step on every third brick, and make sure not to trip the hidden laser sensors.”)

 あらかじめ準備された冒険を使用する場合、プレイヤーのうち誰かがそれを見たことがあったり、あるいは遊んだことがあるかもしれません(もしあなたが本当に不幸なら、GMすらやったことのある人がいるかもしれません!)。プレイヤーが「本来持っているはずのない知識に基づいて行動している」と勘づいたら、すぐに“変化球”を投げるべきです。計画されていない遭遇、“ないはずの”部屋、予想できない罠、などです。また、「他の人の楽しみを犠牲にし、だましてまで遊ぼうとする人」と本当に遊びたいかどうかをもう一度考えてみてください。


キャラクターを生き延びさせる(Keeping the Characters Alive) B470P/2B150P

[[キャラクターを生き延びさせる>ゲームの進行#Keeping_the_Characters_Alive]]
 これはRPGの抱える根本的な矛盾です。プレイヤーはみな冒険を求めています――そして冒険とは危険なものです。その一方で、殺されることを望んでいる者もいません。GMはつねに「誰も本当の危機には陥らない安直な冒険」と「無差別な虐殺」の間にある細い線の上を歩いていかなければなりません。
 ガープスのルールは2つの重要な要素――ロールプレイングとリアリズム――を、この順に優先してデザインしています。「リアリズム」を追求すると、本気で戦闘を行なえば誰かが死ぬか、ひどいケガを負ってしまう可能性があります。現実社会でもだれだって死にたくはない以上、「よいロールプレイ」というのは、普通の人は好きこのんで戦ったりしないことを――他に選択肢がなければ――意味しています。NPC、PCのどちらもこのように考えるでしょう。
 最終的な判断としては、よいロールプレイング(そして面白い冒険をすること)を最優先させてください。もしよいロールプレイングとリアリズムが衝突するようなときには、ロールプレイングのほうを優先させてください。GMとしては、なるべくこのような衝突を起こさないよう努力すべきです。しかしもし衝突がおこったら、“面白くなる”方向に判断をするのです。
 特に、PCをあまりに多く殺さないようにしてください。キャラクターが単なる数値の羅列でしかないハック&スラッシュ型のゲームのときには、死は損失ではありません。しかしキャラクターを完全に個性化した(長い時間がかかっていることでしょう)本当のロールプレイングゲームを遊んでいるときに、キャラクターを失うのは実につらいことです。これはPCを絶対に殺すなといっているわけではありません。PCが死ぬことはあります。しかしよいゲームでは、PCが大量に死ぬことはありません。
 RPGは楽しむためにあるということを忘れないでください。RPGは日常生活を忠実に再現するものではありません――ヒーローたちの冒険譚を再現するものです。RPGはGMとプレイヤーがともに紡ぐ物語なのです。最良の物語ではヒーローたちが(ほとんどの場合)生き延び、勝利を収めるのです。これは“論理”よりも重要なことです。論理的に考えればルーク・スカイウォーカーは撃墜されているでしょう......フロドとサムはモルドールで飢え死にしているはずです.........ターザンは6歳のときにライオンの餌になっているでしょう。古典となるストーリーは論理に反しています。それでも、人々には受け入れられています――そう望む人が多いからです。よいゲーム、というのもこれと同じなのです。
 物語の“メイン・キャラクター”を殺さずにすむテクニックをいくつか紹介します。なかには全く矛盾するものもありますが、どれを使うかはボスであるGMが選んで決めてください。

●よく考えてシナリオを作成する:Intelligent scenario design
 PCを殺すために罠、敵、モンスターだらけのシナリオを作ってはいけません。プレイヤーに考える余地とロールプレイの機会、そして公平なチャンスを与えるようなシナリオをデザインしてください。PCはヒーローだと考えるなら、五分五分より有利な条件を与えていいかもしれません。

●NPCを現実的に演じる:Realistic NPC behavior
 もしNPCを現実的に演じるならば、どうしても必要なとき以外は生命を危険にさらしはしないでしょう。遭遇がすべて敵対的なものにはならないでしょうし、敵対的な遭遇がすべて戦闘に発展するとは限りません。戦闘になったとしても、素手での殴り合いでおさまるかもしれません。もちろん、とても暴力的なゲーム世界というものもあります。しかし「命の価値が安い」世界では、ふつうよい冒険はできないものです。
 たとえ暴力的なゲーム世界だったとしても、敵のNPCがPCを即座に殺さず捕虜にする理由はいくらでも考えられます。奴隷にする、尋問する、身代金目当て、投獄する、いけにえに使うなど、さまざまです。ひとたび囚われの身になるが脱出する、というのはフィクションの定番です。もちろんゲームでも同じことがいえます。
 またPCが勝利を収めそうな場合、NPCは自分の生命を守ろうとするでしょう。現実社会では、大半の警備員や野生動物、山賊は――義務や獲物や財宝があったとしても負けそうならば逃げてしまいます。ゲームでも同じように行動させてください。

●NPCの能力をありきたりにする:Realistic NPC abilities
 多くの場合、PCは“平均的な”人より多いCPでゲームを開始します。これはほとんどのNPCが、PCほど肉体的・精神的に強力ではないことを意味します。もちろん、例外はあります――興味深く、危険な例外ですが。しかしながら“どこにでもいる”キャラクターは、PCと比べると能力値は貧弱で技能レベルも低いのがふつうです。ほとんどの場合、PCは自分より劣る敵を相手にすることになります。これは冒険のバランスをとるためだけではありません――冒険物語の“リアリティ”を再現するものです。
 だからといって“平均的な”キャラクターが危険ではないかというと、そんなことは決してありません。25CPで作成されたチンピラでも戦闘に関係のない不利な特徴を2〜3選び、体力敏捷力戦闘系技能を集中的に鍛えれば、油断のならない戦士になるでしょう。100CPで作成されたキャラクターに対しても、相手が専門の戦士でない限りは互角以上に戦えるはずです。たしかに、100CPで作成された専門の戦士であれば、25CPの戦士は簡単に粉砕できるのですが。

●安全網ルール:Safety-net rules
 PCを生き延びさせることを目的としているルールを使用します。FPを費やして防御判定にボーナスを与えたり(「戦闘中のさらなる努力」338ページ)、CPを消費して成功を買ったり(「成功判定への影響」330ページ)させてください。アクション指向のキャンペーンであれば、運の悪い出目からPCを“合法的に守る”ために、「幸運」の有利な特徴を必須にすることも考慮します。

●デウス・エクス・マキナ:Deus ex machina
 これは外部からの干渉です。どたんばで奇跡的な逆転勝利を収めさせるためのものです。丘の上に騎兵隊が現れる......宇宙船のトラクタービームで脱出する......恩赦の発効で救われる......など。プレイヤーが最善の努力をしたにもかかわらず、すべてが最悪の方向に流れてしまった場合、どんなに見込みがなくても奇跡的に脱出できる方法を準備してやってください。E・R・バローズがやった程度のことなら、ゲームに使っても充分でしょう。いうまでもないことですが、この“強引な手助け”によって窮地を脱した場合、キャラクターに報酬やCPを与えてはいけません。自分自身の力で切り抜けたのではないのですから。

●いかさま!:Cheat!
 他の方法がすべて失敗したのなら、これしかありません。プレイヤーの見えないところでサイコロをふって、判定の結果をごまかします。「よし、うまくいった!ドアはなんとか開いた。奥に駆け込んでドアを閉めると、オークの群れは追ってこれないね」といった具合です。もし“正直な”目がゲームを無残な虐殺で終わらせることになったとしたら、GMはその出目をプレイヤーの有利になるように変更してもかまいません。

●最後にひとこと:One last note
 どれだけ努力しても、PCが“本当に”死んでしまうときがいつかやってきます。大きな不注意、かなり愚かな振る舞い、(これを望んでいますが)よいロールプレイの結果などによって、つらい結果に終わることもあります。キャラクターを常にから守ることはできません――それはおもしろくないことにもつながります。もしキャラクターがみずから危険に近づいていったときには、止める必要はありません。そうさせておけばよいのです。


コラム:困ったときは、サイコロを振って叫べ!(When in Doubt, Roll and Shout) B471P/2B151P
[[困ったときは、サイコロを振って叫べ!>ゲームの進行#When_in_Doubt_Roll_and_Shout]]
 GMが慎重に準備したにも関わらず、予想外のことはよく起こります。それこそ、どんなことでも起こり得ます。いかに念入りに準備したところで、プレイヤーたちは予想外のことを考えつくものなのです。
 それでも、いっこうにかまいません。プレイヤーが何か予想外のことを考えつかれば、GMのおもしろさは半減してしまうでしょう。だからと言って、この問題に対処しないわけにはいきません。
 例を挙げましょう。ヒーローたちがようやく母なる女神の神殿を発見しました。彼らは突然、後をつけられていたことに気づきます! 猿に似た巨大な生き物が十数体、戸口からあらわれ、威嚇するように近づいてきます。他に出口はありません。
 ここでいくつか考えられるような手段は、あらかじめ考慮ずみです。PCたちが戦う場合に備えて、猿に似た生き物の戦闘用ステータスは用意しています。友好的に接しようとした場合、生き物はPCを洞窟から引きずっていき、夕食用に太らせることにすると決めています。逃げ出したり、魔法の障壁を作ろうとするなら、祭壇のうしろに隠し扉があります――見つけられればですが。なんとか母なる女神を呼び出そうとしても、何も起こらないことに決めてあります――PCはその呪文や儀式の方法を知りません。
 ところが、若いキャラクターの1人が、猿に似た強大な生き物を目にして、パニックを起こしてしまいます。母なる女神の巨大な像に駆け寄り、ひざまずいて必死に女神の助けを求めます。祈りではなく、まるでおびえた子供のような嘆願です。あなたはそのような事態に対しては準備していませんでした。
 もちろん、はじめの予定では、「何も起こらない。効果はないようだ」と告げるところです。しかし、思いもつかなかった試みに対して、それではおもしろくありません。
 それとも、「そんな準備はしていなかった。他のことを試してくれ」とでも言うのでしょうか。それでは、さらにおもしろくありません。
 優れたGMなら、ここでプレイヤーの創意に合わせます。前述のようなドラマチックな状況では、流れに身を任せるべきなのです! 母なる女神が、哀れだけれども誠実な愚か者に同情する絶好の機会です。女神は、猿に似た生き物を外に叩き出してしまうかもしれません。それとも、他のキャラクターは戦わせておいて、そのキャラクターだけを安全な場所に連れ出すでしょうか。どうなるかは決まっていません。あなたがGMなのです。思いもかけない状況では、プレイヤーたちに公平であり、物語をおもしろくできるのなら、どんなことが起きてもかまわないのです。
 ただし、どうなるにせよ、その場で考えたことだとプレイヤーたちに話してしまうのはよくありません。すべてあらかじめ考えてあったと思わせてください。プレイが終わったあとで、“あれは間に合わせだったんだよ”と認めるのは自由です。しかし、プレイのあいだは、ゲームの流れを妨げないようにしてください。サイコロをふるふりをして「きみたちはうまくやったぞ!」(あるいは「ダメだった!」)とでも叫び、あとはそのまま続けるのです。


ゲーム内時間(Game Time) B472P/2B152P

[[ゲーム内時間>ゲームの進行#Game_Time]]
 「ゲーム内時間(Game time)」というのはゲーム世界で経過した時間のことです。これはGMの判断で決定します。現実世界と同じ割合で経過することは滅多にありません。
関連修正劇中時間換算」(Game Time)[+0%]

冒険中(Time During Adventures) B472P/2B152P
[[冒険中>ゲームの進行#Time_During_Adventures]]
 戦闘は“ゆっくりと”処理されます。戦闘中の1ターンは1秒間を表わしていますが、現実世界では1ターンの解決に数分間かかるのが普通です。特に戦闘に慣れていなかったり、大規模な戦闘のときには時間がかかります。戦闘はよく「生きるか死ぬか」という状況になるので、プレイヤーにはじっくり考える時間を与えてください。
 会話、行動を考えている、罠から抜けだそうとしている......といった状況のときには、“現実と同じ速度で"処理します。もしプレイヤーたちがNPCの商人とどうやって交渉するかを10分間議論していたとしたら、キャラクターたちは実際に10分間、店の前で立ち話をしていたことになります。
 普通の移動、長い仕事などは“すばやく”処理されます。たとえばパーティが街道を歩いていたとすると、何か遭遇が発生するまで時間を飛ばしてもかまいません。「そこからしばらくの間は2時間くらい歩いていった。そこで2人の若い女性が長い棒のようなものをもって近づいてきた」
......と言えばよいのです。誰かと遭遇したり、街に到着したり、日が暮れてきたときに、そのことを告げます。その間の時間、は省略してかまいません。状況によっては――たとえば大洋や宇宙を旅行する場合――数ヶ月間特にイベントがおこらないこともあります。その場合「6月は特に事件は起こらなかった。自分で起こすつもりなら話は別だけど」といって話を進めてください。キャラクターはこういった何もない時間に、なにかいたずらをして過ごしてもかまいませんし、「スケジュール表」を使って自分の技能を磨く学習の時間にしてもかまいません(「スケジュール表」473ページ参照)。



セッションとセッションの間(Time Between Sessions) B472P/2B152P
[[セッションとセッションの間>ゲームの進行#Time_Between_Sessions]]
 もしある冒険がそのセッションで終わらなかったときには、セッションの間でまったく時間の経過がなかったことになります。パーティの目の前にティラノザウルスが現れた場面でゲームを中断したのなら、現実世界でどれだけ時間が過ぎても、実際にゲームを始めるまで、ティラノザウルスがそれ以上パーティに近づくことはありません。


冒険と冒険の間(Time Between Adventures) B472P/2B152P
[[冒険と冒険の間>ゲームの進行#Time_Between_Adventures]]
 キャンペーンでゲームを進めている場合、冒険と冒険の間の時間は記録しておかなければなりません。これはキャラクターの学習時間、移動できる場所の範囲、年齢などにかかわってくるからです。1つの冒険が終わって次の冒険が始まるまでの期間は、毎回一定に固定してもかまいませんし、GMとプレイヤーが共に納得できる時間にしてもかまいません。およそ1〜2ヶ月にするのが適切でしょう。それだけあれば治療もできますし、“普通の”仕事で生活費をかせぐこともできます。学習して新しい技能を習得することもできるでしょう――「スケジュール表」参照(473ページ)。
 ときどき突発的な事態を織り交ぜることにも長所があります――プレイヤーに対して、PCが何を行なっているかを質問してください。そして、彼らの行動を次の冒険が妨害するのです。ときとして、これはかなり効果があります。特にその冒険が「緊急事態中の緊急事態」である場合です。パーティが広くばらけているときには、これは新しいやりかたを試すチャンスです――例えばeメールを用いたり、1対1の冒険にしてみたり。彼らが再度集結するまでの間、危機に対しては一人で対処しなければなりません。しかし、あまり頻繁にこれは使わないでください。特にPCのうち誰かが新しい技能を訓練していたり、長い仕事(魔化、発明など)を行なっている最中には。フィクションのヒーローであっても休息時間は必要なのです。
 この代わりに、実際に経過した時間1日をゲーム内でX日経過したことに等しいとしてもかまわないでしょう。倍数Xが7の場合、現実の1日がゲーム内の1週間になります。前回の冒険から7日後に次のゲームを始めるときには、ゲーム内では7週間が経過していることになるのです。
エラッタ修正:
【誤】この代わりに、実際に経過した時間にいくらかの倍数をかけただけの時間がゲーム内でも経過したことにしてもかまわないでしょう。倍数が7の場合、
【正】この代わりに、実際に経過した時間1日をゲーム内でX日経過したことに等しいとしてもかまわないでしょう。倍数Xが7の場合、
 
原書(第2刷)のエラッタより。
P. 498. In "Time Between Adventures," replace "Alternatively, you can let X days of real time equal one day of game time, all the time." with "Alternatively, you can let one day of real time equal X days of game time, all the time."
「この代わりに、実際に経過した時間1日をゲーム内でX日経過したことに等しいとしてもかまわないでしょう。」
意訳としては間違っていないものの、「倍数」という語による混乱を避けるため文を原文と原文のエラッタに沿って整理。

関連

ベーシックセット』第18章「マスタリング」より。

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