汎用TRPG「ガープス(GURUPS)」について、だべったりつづったりする所。 魔法関連ルールの編集者募集中!


■01-02-06 種族:乗り物(Vehicles)p.7

GURPS Template Toolkit 2: Races』より■01-02「種族とは?」p.7参照。

 乗り物は通常、簡略化されたステータスを用いる機械として説明されます 「代替案:簡易ステータス」p.4参照)。 ただし、キャラクター作成システムを使用して、主要キャラクターが乗り回したり、搭乗可能な特殊な種類の「仲間」として乗り物を作成することができます。 乗り物の各モデルは“種族”としてカウントされ、テンプレートがあります。
 共通性質乗り物」 (p. 9) により、コントロールを使用して乗り物を操作できるようになります。 一般的な乗り物には「ペイロード」があり、オペレーターにスペースと積載量を提供します。「遠隔通信」 (「漠然」) を備えた乗り物は、それを視認できるオペレーターによって遠隔制御できます。 「遠隔通信」 (「映像」) と画像センサーを備えたものは、画像をオペレーターに送信できます。 このような乗り物知力は0で、「仲間」として増強しもべ」があり、CP合計に上限はありません。
 知力が0より大きい乗り物をロボットまたはサイバーシェルとして扱います (「ロボットとオートマタ」p.7 を参照)。 彼らはまだコントロールを持っているかもしれません(「並列思考」、p.43を参照)。

原書表記

共通性質「乗り物」(Vehicle)p.9

GURPS Template Toolkit 2: Races』より■01-03「共通性質集」の■01-03-04「精神的な共通性質」p.9参照。
精神的な共通性質乗り物」[-190cp]
[[共通性質]]「[[乗り物]]」
 あなたは知覚や独自にコース設定する能力を持たない普通の乗り物です (「種族:乗り物」p.7参照)。

原書表記

関連

乗り物(VEHICLES)ルール

 『ベーシックセット』第17章「科学技術とアーティファクト」p.438/118より。

 乗り物というのは、どこか他の場所に行くための手段にすぎないかもしれません。しかし、さらなる動力源となることもありますし、あるいはキャラクターのコンセプトの一部であるかもしれません! 戦闘機や戦闘ロボットは、騎士にとっての忠実な愛馬のハイテク代用品たりえます。 そして冒険に冒険を重ねるパーティにとっては、海賊船や星間巡航船も「家」と呼べるかもしれません。

目次


乗り物のステータス(VEHICLE STATISTICS)

旧名は「乗り物の数値」
[[乗り物のステータス>乗り物#VEHICLE_STATISTICS]]
 乗り物表では、一般的な乗り物の種類についての数値と、それを扱うのに必要とされる技能を記します。乗り物のシステムによっては、センサー武器など、ここに記されていない技能が追加で必要なこともあります。

●体力/HP:ST/HP
[[体力/HP>乗り物#ST/HP]]
 乗り物体力HPです。 体力HPは動力で動く乗り物の場合等しくなります。 乗り物の質量が、それを動かすのにどれだけのエンジンが必要であるのか(体力)と、それを破壊するのがどれだけ困難であるか(HP)の両方を決定します。
動力のない乗り物の場合、ここには「†」がつけられており、HPだけが書かれています。 体力は0です。 動力のない乗り物は「負傷耐性/均一」を持っています。それ以外のものは、「機械」の共通性質を持っています。それには「負傷耐性/無生物」が含まれています。

●操作/安定:Hnd/SR
[[操作/安定>乗り物#Hnd/SR]]
 最初の値は「操作値」(Handling)です。 次の数値は「安定値」(Stability Rating)です。 詳細は「制御判定」を読んでください。

●生命力:HT
[[生命力>乗り物#HT]]
 乗り物生命力です。 信頼性と頑丈さの基準になります。「脆弱」な乗り物には補足の記号があります。
「c」なら「着火性」(Combustible)です。
「f」なら「可燃性」(Flammable)です。
「x」なら「爆発性」(Explosive)です。

●移動力:Move
[[移動力>乗り物#Move]]
 最初の数値は加速力で、二番目の数値が最高速度です。どちらもメートル/秒です(3倍するとキロ/時になります)。これらの数値は、「高速移動」をそなえている場合の移動力、および最高速度と同等になります。
地上の乗り物に関しては、*は道路が必要、‡はレールが必要なことを示しています。 宇宙船に関しては、地球と同じ重力下では加速力を10で割ってください。 「c」という記述は光速(約30万キロメートル/秒)を意味します。

●最大重量:LWt.
[[最大重量>乗り物#LWt]]
 燃料と積載物を最大に搭載したときの重量(Loaded Weight:載荷重)です。単位はトンです。実際の重量はしばしばこれより少なくなります。

●積載量:Load
[[積載量>乗り物#Load]]
 その乗り物が運ぶことができる搭乗者(乗員含む)・貨物の重量です。 単位はトンです。 貨物の積載能力を求めるには、搭乗者の重量を引いてください(単純化のため、装備含めて1人 0.1トンとみなします)。「全装備重量(燃料は含むが、一切の荷物を積んでいない状態)」を求めるには、 最大重量から積載量を引いてください。
●サイズ修正:SM
 乗り物サイズ修正です。

●搭乗者:Occ.
[[搭乗者>乗り物#Occ]]
 その乗り物がふつうの快適さで運ぶことができる人間の数です。 乗員+乗客の形式で書 かれています。 例:「2+6」なら乗員2名、乗客6名です。
「A」とあれば、“宿泊設備(accommodation)”のようなものがあり、その乗り物長距離の移動に適応して構築されています。 睡眠、料理......などのための空間があります。
乗り物が搭乗者に特別の防護を与えている場合、以下の記号で追加されます。
「S」なら「気密」(Sealed)です。
「P」なら「耐圧」(Pressure Support)です。
「V」なら「真空耐性」(Vacuum Support)です。

●DR:DR
[[DR>乗り物#DR]]
 乗り物防護点です。さまざまな表面や部位ごとに、異なるDRをもつ乗り物もあります。 表では重要なものを2つ記してあります――地上の乗り物の場合、ふつうは正面のDRと、側面・背面のDRの平均値です。

●航続距離:Range
[[航続距離>乗り物#Range]]
 燃料が尽きるまでに移動できる距離です。単位はキロメートルです。
動力を使用しない、あるいは特殊な乗り物の場合、「-」は必需品(食料と水)だけが必要です。「F」は漕ぎ手や牽引動物の疲労点FP)と、必需品の貯蔵量によって航続距離が決定します。宇宙船の場合、この数値は完全に省略するか、超高速能力を表すために使用します。
●価格:Cost
 乗り物価格です。単位は$です。

●部位:Locations
[[部位>乗り物#Locations]]
 胴体以外に存在する乗り物命中部位です。記号の前の数字はその数です。 例えば「3M」は3本マストの船です。「14D」なら牽引動物が14頭です。 乗り物命中部位は、「その乗り物がどのように動くか」(後記の「乗り物の基本的な移動」参照)と「戦闘中にどこに命中を受ける可能性があるか」 (「乗り物命中部位表」527ページ)を決定します。
記号部位の原書名部位の和名
Aarm
Ccaterpillar tracks無限軌道
Ddraft animals荷役動物
Eexposed rider露出した乗り手
Glarge glass windows大きなガラス窓
gsmall glass windows小さなガラス窓
Hhelicopter rotorsヘリのローター
Lleg
Mmast and riggingマストとリギング
Oopen cabinオープンキャビン
Rrunners or skids滑走部、そり
rretractable引き込み式
Slarge superstructure or gondola大きな外的構造物、あるいはゴンドラ
ssmall superstructure小さな外的構造物
Tmain turret主砲塔
tindependent turret副砲塔
Wwheel車輪
Wia pair of wings翼一対
Xexposed weapon mount開放式のウェポンマウント

●喫水:Draft
[[喫水>乗り物#Draft]]
 水上の乗り物の場合、安全に航行するために最低限必要な水の深さ。単位はメートル。

●失速:Stall
[[失速>乗り物#Stall]]
 離陸した後、安全に空を飛んでいるために最低限必要な速度。単位はメートル/秒。0であればホバー可能です。

●追記事項:Notes
[[追記事項>乗り物#Notes]]
 その乗り物がもっている特別の能力や問題点。もしその乗り物が複雑なシステムを有していれば、脚注や別枠でその武器装備を説明します。


乗り物表(Vehicle Table)

[[乗り物表>乗り物#Vehicle_Table]]
地上車両表(Ground Vehicle Table)
[[地上車両表>乗り物#Ground_Vehicle_Table]]
p.440/120
文明レベル乗り物名体力/HP操作/安定生命力移動力最大重量積載量サイズ修正搭乗者DR航続距離価格部位追記事項
<御者>
TL0犬ぞり
Dogsled
27†0/212c6/60.290.14+112F$40014DER[1]
TL1チャリオット(二輪馬車)
Chariot
22†0/211c4/9*0.290.2+11+11F$43302DE2W[1]
TL3四輪荷馬車
Wagon
35†-3/412c4/8*0.840.5+212F$6802DE4E[1]
TL4大型四輪馬車
Coach
53†-2/-312c4/9*2.41.2+31+92F$110004DO4W[1]
<運転/文明レベル/鉄道>
TL5機関車
Locomotive
152-2/5111/35‡280.2+51+181050$450008W
<運転/文明レベル/自動車>
TL6オープンカー
Roadster
42-1/39f2/22*0.850.25+21+14300$3600O4W
TL6セダン型自動車
Sedan
460/410f3/30*1.30.5+31+35540$8000G4W
TL6ジープ
Jeep
520/311f2/321.60.4+21+34562.5$10000O4W
TL7小型トラック
Pickup Truck
550/411f3/502.20.85+325675$20000G4W
TL7セダン型自動車
Sedan
530/411f2/55*1.80.6+31+45750$15000G4W
TL7有蓋トラック
Van
68-1/411f2/45*3.51+41+74975$25000g4W
TL7スポーツカー
Sports Car
57+1/410f5/75*1.80.4+31+34750$85000GW4
TL8高級車
Luxury Car
570/411f3/57*2.10.6+31+45750$30000G4W
TL8SUV
スポーツ用途の多目的車
Sport Utility Vehicle
68-1/411f3/50*41.5+31+45600$45000G4W
<運転/文明レベル/大型自動車>
TL62.5tトラック
2 1/2-Ton Truck
88-1/411f1/24*8.53+41+25562.5$17000G6W
TL7バス
Bus
100-2/411f1/30*14.76.7+61+664600$120000G4W
TL8セミトラック
Semi-Truck
104-1/512f2/55*10.310.3+41+251800$60000G6W[2]
<運転/文明レベル/オートバイ>
TL6大型バイク
Hvy. Bike
33+1/210f5/32*0.40.1014300$1500E2W
TL7スクーター
Scooter
29+1/210f3/27*0.30.1013285$1000E2W
TL7大型バイク
Hvy. Bike
33+1/211f8/55*0.50.201+14300$8000E2W
TL8スポーツバイク
Sports Bike
30+2/210f9/78*0.420.201+13225$11000E2W
<運転/文明レベル/無限軌道>
TL7装甲兵員輸送車
APC
111-3/511f1/2012.51.6+42+11S50/35450$1200002CX[3]

[1] 荷役動物は、犬ぞりは犬、チャリオットと四輪荷馬車と大型四輪馬車は馬です。

[2] 約14メートルのセミトレーラーを牽引します。 トレーラーを扱うときの操作/安定は-3/4、移動力は1/30*です。 トレーラーのHPは100†、積載量24、サイズ修正+5、DR3です。

[3] “APC"は"装甲兵員輸送車(Armored Personnel Carrier)”の略です。DRの高いほうは、前面からの攻撃にのみ有効です。 屋根の上の外部マウントにマシンガン(7.62ミリか.50)を搭載しています。


水上車両表(Watercraft Table)
[[水上車両表>乗り物#Watercraft_Table]]
p.440/120
文明レベル乗り物名体力/HP操作/安定生命力移動力最大重量積載量サイズ修正搭乗者DR航続距離価格部位喫水追記事項
<ボート/文明レベル/手こぎボート>
TL0カヌー
Canoe
23†+1/112c2/20.30.2+122F$200O3
<ボート/文明レベル/モーターボート>
TL7ゴムボート
Inflatable Boat
20+2/2112/120.60.5+1+1+42150$2000O2
TL7高速モーターボート
Speedboat
50+1/311f3/2021+21+93300$18000O3
<操船/文明レベル/船舶>
TL2ペンテコンター
Penteconter
85†-4/311c1/512.57.5+8553F$14000MO6[1.2]
TL3コッグ
Cog
147†-3/412c0.1/48560+7185-$23000M13[1.3]
TL6不定期貨物船
Tramp Steamer
750-3/611f0.01/6140009000+1041+29A3010800$1500万g2S25

[1] “ペンテコンター(penteconter)”は帆とオールが一列あるギリシャの戦闘用ガレー船で、略奪者や海賊に愛用されました。“コッグ(ラウンドシップとも呼びます)”はマストが1本だけの中世の帆船です。

[2] 50人のこぎ手がオールを使います。帆を掲げているなら、順風での航続距離は「-」、移動力は1/4です。青銅製の衝角を装備しており、衝突ダメージのサイコロ1個につき+1されます。

[3] 風力で動きます。重量にはバラストが含まれます。


航空機表(Aircraft Table)
[[航空機表>乗り物#Aircraft_Table]]
ベーシックセットp.441/121
文明レベル乗り物名体力/HP操作/安定生命力移動力最大重量積載量サイズ修正搭乗者DR航続距離価格部位失速追記事項
<操縦/文明レベル/軽飛行機>
TL6“バーンストーマー”複葉機
“Barnstormer” Biplane
43+2/310f2/370.90.2+31+13127.5$5500002WWi23
TL7小型単葉飛行機
Light Monoplane
45+2/310f3/701.150.3+41+13750$150000G2WWi25
<操縦/文明レベル/LTA-空気よりも軽い航空機>
TL6小型軟式飛行船
Blimp
120-4/3101/38184+1010A13450$300万S0
<操縦/文明レベル/重飛行機>
TL6双発式プロペラ旅客機
Twin-Prop Transport
100-2/312f2/11412.83+72+2142250$340000g3WWi34
TL7ビジネスジェット
Business Jet
840/311f4/2759.21.6+62+6P51950$1000万G3WWi55
<操縦/文明レベル/ヘリコプター>
TL7小型ヘリコプター
Light Helicopter
47+2/210f2/901.50.5+41+33337.5$400000GH3Wr0
TL7汎用ヘリコプター
Utility Helicopter
700/210f2/654.71.4+52+123450$200万gH2R0
TL8汎用ヘリコプター
Utility Helicopter
87+1/211f3/110103.5+53+145/20555$800万gH3W0[1]
<操縦/文明レベル/超航空機>
TL9エアカー
Air Car
45+2/311f4/1901.20.4+31+3P41350$500000G4W0
<操縦/文明レベル/反重力機器>
反重力バイク
Grav Bike
30+4/21120/800.40.201+131500$25000E0
反重力ジープ
Grav Jeep
50+3/31210/10021+41+543000$400000O0
[1] ローターのDRは20です。その他の部位はすべてDR5です。


宇宙船表(Spacecraft Table)
[[宇宙船表>乗り物#Spacecraft_Table]]
ベーシックセットp.441/121
文明レベル乗り物名体力/HP操作/安定生命力移動力(G)最大重量積載量サイズ修正搭乗者DR価格部位追記事項
<操縦/文明レベル/気圏航空機>
TL9軌道快速船
Orbital Clipper
170-2/310fx30/9000(3G)51510+92+4SV4$3億5000万-[1]
<操縦/文明レベル/高性能宇宙船>
シャトルクラフト
Shuttlecraft
136+2/41220/c(2G)10025+61+10SV100$3500万3Rr[2]
星間輸送給
Star Freighter
5000/51115/c(1.5G)1000400+92+1BASV100$1億3Rr2t[2.3]

[1] 軌道快速船は地球の軌道に飛び出したり大気圏に再突入したりすることのできるスペースシャトルの代用品です。通常のニュートン力学の宇宙飛行を用います。TL10以上では価格は7000台まで下がります。

[2] 光速(c)――またはGMが限界だと定めた光速の何分の1か――まで加速するために、無反動ないし重力式の推進エンジンを使います。星間ドライブやフォースフィールド(もしあるなら)についてはGMが決めてください。

[3] 域外センサー(「全周視覚」と「望遠視覚」10レベルを備えた「域外視覚」)とレーダー(「照準」の増強を施した500キロの「走査感覚/レーダー」)があります。2つの独立した砲塔には、別料金で(1つにつき50万$)レーザー・キャノンを搭載できます。これはダメージ6D×5(2)焼き正確さ18、射程距離100000/300000、連射4、反動1です。

エラッタ修正:「宇宙船表」の脚注3



乗り物の基本的な移動(BASIC VEHICLE MOVEMENT)

[[乗り物の基本的な移動>乗り物#BASIC_VEHICLE_MOVEMENT]]
p.439/119
 冒険者が移動の手段として乗り物を用いる場合、「どれだけ速く移動できるのか」(最高速度、メートル/秒)と「どれだけの距離を移動できるのか」 (航続距離、キロ)があれば充分です。以下のルールは、詳細が重要になったときのルールです。


長距離の移動(Long-Distance Movement)

[[長距離の移動>乗り物#Long-Distance_Movement]]
 もし長距離の移動を扱う場合、以下の要素は最高速度や航続距離よりも重要になります。

●巡航速度:Cruising Speed
[[巡航速度>乗り物#Cruising_Speed]]
 安全を重視して、燃料やエネルギーを節約する必要がある場合の移動状態です。実際には、地上や空中の乗り物は、長距離を移動する際にはふつう最高速度の60〜70%しか使いません。 動物に引かせたり、手で漕ぐ乗り物は数分間しか最高速度を発揮できません――動物や漕ぎ手は、移動するにつれ疲労します! 維持できる最高の速度は、おおよそ75%です。これは行軍として疲労します。もし動物や漕ぎ手のFPが3分の1以下になったら、最高速度は半分になります。
エラッタ修正:【誤】漕ぎ手のFPが3分の1以下になったら、 → 【正】漕ぎ手のFPが3分の1未満になったら、

●航続時間:Endurance
[[航続時間>乗り物#Endurance]]
 航続距離よりもゆっくり着実に進む能力が重要なときには、航続距離を巡航速度(キロ/時)で割ってください。それが航続時間(単位は時間)です。航続時間が1日を超えている場合、乗り物は生活必需品も運ばなければなりません。 食料と水は1日1人あたり約6キロですが、TL5未満では1ヶ月以上もたないでしょう(TL5以上になると、缶詰および同等の糧食が利用可能になります)。

●船団:Convoys
[[船団>乗り物#Convoys]]
 船団を組んだり集団で移動する乗り物は、隊列を維持する必要があるため、その中で最も速度の低い乗り物の80%の速度で移動します。〈指揮技能判定に成功すると、もっとも遅い乗り物の100%の速度を使用することができます。長い移動の場合、毎日判定を行ないます。


制御判定(Control Rolls)

[[制御判定>乗り物#Control_Rolls]]
 潜在的に危険な状況の場合、操作者は「制御判定」を行なわなければなりません――これは<ボート><運転><操縦>など、ふさわしい技能で行ないます。 例えば、激しい嵐のように進行中の状況であれば数時間おき、あるいは戦闘中なら数秒おきにGMは判定を要求してもかまいません。
●修正:Modifiers
 乗り物の「操作値」はすべての制御判定で修正となります。 突然の減速や急旋回については「限界を超える」を見てください。
暗闇や霧などの場合は激突の危険を避けるために、可視性の修正(-1〜-9。完全な闇であれば-10)を適用してください。これは高度1万メートルや、大西洋の真ん中で嵐を切り抜けようと しているときには重要ではありません。しかし飛行機で山脈の中をジグザグに抜けたり、離着陸しようとしていたり、帆船で岩だらけの海岸から出航しようとしている......などのときには重要です。 他の修正については、関連する乗り物技能を参照してください。GMは必要だと思えば、状況による修正を適用してもかまいません。

 失敗した場合、操作者は適切に操作できなかったか、危険を回避できなかったことになります。 失敗度乗り物安定値以下であれば、ささいな問題です(例:車はスリップして道から外れました。 船は数時間無駄に迷いました)。それ以上の失敗度であれば、重大な問題ということを意味します(例:衝突)。GMは、重大な問題によって大惨事をひきおこすのを回避するために、大きな修正を与えて二度目の制御判定を行なわせてもかまいません。 操作者が実際に行なう行動に応じた修正を適用すべきです。 ファンブルすると大惨事は避けられません!
 巨大な乗り物は、責任者の〈操船技能と、実際に操作する操作者の〈乗組員技能の平均による判定の、両方を必要とするかもしれません。 成功度失敗度の「平均値」を見てください。


地上の移動(Ground Travel)

[[地上の移動>乗り物#Ground_Travel]]
 地上の乗り物は車輪・そり・無限軌道・脚で移動します。 何を使うかは「部位」の欄に示されています。 維持できる移動平均速度は地形と天候に依存します。地形と天候の定義については、「長距離を歩く」(332ページ)を見てください。

地形:Terrain
[[地形>乗り物#Terrain]]
 巡航速度(キロ/時)は、最高速度(メートル/秒)から以下のように導かれます。

●非常に悪い(深い雪、沼):Very Bad
 車輌やそりなら最高速度×0.15。 無限軌道なら最高速度×0.225。 脚なら最高速度×0.3。

●悪い(丘、森):Bad
 車輌なら最高速度 × 0.375。それ 以外なら最高速度×0.75。

●普通(土の道、平地):Average
 車輌なら最高速度 × 0.75。 それ以外なら最高速度×1.5。

●良い(舗装道、塩平原):Good
 最高速度×1.875

 道路が必要な乗り物(例えばふつうの自動車)については、道路を移動する場合のみ最高速度を使用してください。オフロードでは「最高速度」と「加速力×4」のうち低いほうを使用して、これらの公式を適用してください。

例:移動力が3/57の高級車は、舗装道路(よい)上であれば57×1.875≒107キロ/時が平均移動速度です。 未舗装道路(ふつう)なら57×0.75≒43キロ/時です。しかしふつうの地形のオフロードでは、3×4×0.75=9キロ/時にまで低下します!

 レールが必要な乗り物の場合、レールは「よい」地形として扱ってください。しかしそうした乗り物はレールから離れると“まったく”移動できません。
 これらの移動速度は巡航速度で安全に旅を“持続する”ことを想定しています。 全速力で進む乗り物は、これよりも60%速く(例:舗装道路のように「よい」地形なら最高速度の3倍のキロ/時)移動することができます。しかしGMは、1時間おきに制御判定を要求してもいいでしょう。 失敗すると衝突のような事故が起こるかもしれません。

天候:Weather
[[天候>乗り物#Weather]]
 天候は徒歩で行軍する(長距離を歩く)ときと同じように、 地上の乗り物に影響します。雪ぞりやスノービルは、氷上ならスケート、雪上ならスキーと同じように扱ってください。


水上の移動(Water Travel)

[[水上の移動>乗り物#Water_Travel]]
 動力船は最高速度×3キロ/時で移動します。 帆船は、風の状態が理想的であれば最高速度×3キロ/時で移動できます。 実際の速度は風の向きと強さによって一定の割合で低下します――場合によっては0になります。 人が漕ぐ船は最高速度×2.25キロ/時でしか移動できません(そして次第に乗組員が疲労していくでしょう)。
 海流は速度を直接増減します――ふつうは数キロ/時程度です。 荒海(強風によってひきお こされた)はふつう移動速度を低下させます。動力のない船が嵐に直面すると、航路から外れたり、 よりひどい事態を回避するために、 船長と船員による<操船><船員>判定が必要になるかもしれません。


●喫水:Draft
[[喫水>乗り物#Draft]]
 「喫水」というのは、水面から船体最下部までの距離のことです。水深がこれよりも浅いと、 座礁するでしょう。 再度浮かせるためには、潮の変化を待つか、バラスト(船の安定をよくするために船底に積む重り)や積荷を船外投棄しなければなりません。水深がわからない水域では、ゆっくりと用心深く進むのが最善です(水深を思い出すためには〈地域知識〉判定、海図を読むには〈航法/海上〉判定が必要です)!


空中の移動(Air Travel)

[[空中の移動>乗り物#Air_Travel]]
 航空機の巡航速度はおよそ最高速度×2.4キロ/時です。動力式の航空機は、燃料を50%余分に使えば最高速度×3キロ/時まで出すことができます。その分航続距離が落ちます。 超音速の航空機(移動力360以上)が最高速度を出せるのは、空気が薄くなる高空(高度5000メートル以上)のみです。 低空では、最高速度が350~400(1050~1200キロ/時)を越すことは滅多にありません。
 GMは天候や視界が悪いときに着陸したり、低空や山岳地帯を高速で飛行するときには制御判定を要求すべきです。風と嵐は、気球や飛行船に対しては、帆船と同じ影響を与えます。

●地上の速度:Ground Speed
[[地上の速度>乗り物#Ground_Speed]]
 動力式の航空機は、ふつう失速速度の3分の2までの速度で滑走できます。


宇宙の移動(Space Travel)

[[宇宙の移動>乗り物#Space_Travel]]
 巡航速度に到達するまでには、「0.10×速度(メー トル/秒)÷加速G」秒かかります。その速度で移動している宇宙船は、一定の距離を移動するのにおよそ「距離(キロ)÷速度の3倍」時間だけかかります。 比較のために例を挙げると、月は地球から約38万4400キロ、火星は近日点で5600万キロ程度離れています。

例:1.5Gの加速を備えた宇宙船が9万メートル/秒まで速度を上げるには、(0.1×95÷1.5)=6千秒=1時間40分かかります。9万キロメートル/秒まで加速すると、火星に到達するためには5600万÷(9万×3)≒189時間かかります。

 惑星間の距離はしばしば「天文単位(AU)」で 測られます。1AUは地球と太陽の平均距離で、 約1億5千万キロです。 恒星間の距離はしばし ば光年(約9兆4600億キロ)やパーセク(約3.26 光年)で表現されます。 地球から最も近い恒星であるアルファ・ケンタウリは4.3光年離れています。
 推進式飛行(例えば現実のロケットすべて)を使用する宇宙船については、最高速度は実際には「Δv」です。 反応剤(ロケット燃料など)が尽きる前に、それが行なうことができる速度変更の最大値です。 加速と減速はそれぞれ、 このΔvの一部を「消費」します。
 地球では低周回軌道に上昇するためには、移動力8700が必要です。 脱出速度に到達して周回軌道を去るためには、さらに3600の移動力が必要です。他の惑星の場合、それぞれの速度に(M÷R)の平方根をかけてください。Mは惑星の質量÷地球の質量、Rは惑星の半径÷地球の半径です。 充分なΔvがあることに加えて、宇宙船 の加速は惑星の重力(地球なら1G)を超えなけれ ばなりません。
 宇宙空間を旅行する場合、望む速度までΔvを使って加速して、それから慣性で移動して、その後目的地の軌道に突入するために必要とされる速度まで、ΔVを用いて減速しなければなりません。

例:地球軌道の宇宙船は20万のΔvを持っています。まず巡航速度まで加速するために90000消費して、軌道から脱出するためにさらに3600消費します(移動力9000)。それから1.5時間慣性飛行して月に近づき、88500消費して月の周回速度まで減速します。 残りのΔvは200000-3600-90000-88500 =17900です。

 超科学的な宇宙駆動装置については、 Δvについて心配する必要がないものがあります――宇宙船は常に加速し続けることができます! 宇宙船が惑星を離脱するために必要なのは、「加速力が惑星の重力を超えていること」だけです。 このような宇宙船が長距離を移動する場合、「0.34×距離(万キロ) ÷ 加速(G)」の平方根時間かかります。
 宇宙船が超高速移動できる場合、その能力はどのような超科学が存在するかによります。GMは自分のキャンペーンに合致する装置を設計しなければなりません。「ワープ移動」の「超空間ジャンプ」の限定を参照してください。


乗り物の基本的な戦闘(BASIC VEHICLE COMBAT)

[[乗り物の基本的な戦闘>乗り物#BASIC_VEHICLE_COMBAT]]
  「乗り物の戦闘」というのは、乗り物内部からの手で扱う武器(例:銀行強盗が逃走車両から射撃する)、車載の武器(ジェット戦闘機、戦車、戦闘ロボット、スパイカーなど)、乗り物それ自体を武器として用いる場合(衝角、戦闘ロボットのを使ったパンチキック)などすべてを含みます。
 以下のルールでは、
  • 乗り物の“操作者”というのは乗り物を制御している人のことを表しています。
  • 「制御技能」は、操作者が乗り物を操るために使用する技能のことです。例:<運転>や<操縦>。
  • 「搭乗者」は乗り物に乗っている、または中にいる人全員のことです操作者、乗員、乗客です。

●上級ルールと乗り物:Tactical Combat with Vehicles
第13章のルール(騎乗戦闘など)で乗り物を扱う場合、乗り物は複数のヘクスを占めるコマや模型で再現できます。1メートルが1ヘクスです。

戦闘行動(Maneuvers)

[[戦闘行動>乗り物#Maneuvers]]
 乗り物は操作者の延長として扱います。すなわち、操作者のターンに、操作者の行動順(操作者の基本反応速度で決定されます)に移動します。乗り物を制御するためには、操作者は自分のターン戦闘行動として「移動」か「移動攻撃」を選ばなければなりません。しかし移動したり攻撃したりするのは乗り物です。操作者は制御を続けなければなりません。操作者が他の戦闘行動をとったり、朦朧状態になったり、何らかの形で無力化されたときには、乗り物は直前のターンと同じ速度とコースで移動します。
 乗り物の他の搭乗者は、それぞれ自分のターンに行動します。適切なコントロール装置に隣接しており、適切な戦闘行動をとったときには、乗り物のシステムを使用できます。電子装置を使用するには「集中」、車載の武器で射撃するには「攻撃」か「全力攻撃」となります。
 窓から身を乗り出したり、デッキに立っている搭乗者は、「全力攻撃」ではなく「攻撃」や「全力防御」のほうが好ましいと思うかもしれません。そうすれば、敵が乗り物の代わりに彼ら搭乗者を攻撃したときに、能動防御ができます。これは露出した乗り手(E)、ガラス窓(Gやg)、オープンキャビン(O)、開放式のウェポンマウント(X)にとって、非常に重要になります。

動いている乗り物から脱出する:Bailing Out of a Moving Vehicle
[[動いている乗り物から脱出する>乗り物#Bailing_Out_of_a_Moving_Vehicle]]
 動いている乗り物から飛び降りるか落下して地面にぶつかったら、乗り物速度で「動かない物体」に衝突したものとして扱います。乗り物飛行していた場合、これに落下によるダメージを加えてください。詳細は「衝突と落下」(408ページ)を見てください。2台の動いている乗り物の間をジャンプして渡るためには、敏捷力または<跳躍>判定を行なってください。相対速度を「サイズ・速度/距離表」(523ページ)で見て、そのペナルティを適用してください。

戦闘中の移動(Movement During Combat)

[[戦闘中の移動>乗り物#Movement_During_Combat]]
 「乗り物の数値」で説明されたように、乗り物移動力には2種類あります。加速力と最高速度です。加速力はキャラクターにとっての基本移動力と同様に機能します。この速度以下では、乗り物移動に特別な制限はありません。それを超える速度から最高速度までは、「高速での移動」(373ページ)のルールを用います。ただし敏捷力判定の代わりに制御判定(「制御判定」439ページ参照)を行なってください。

●加速:Acceleration
[[加速>乗り物#Acceleration]]
 乗り物は毎ターン加速力の値まで加速できます。急降下する飛行体の場合、これに10×その場所の重力G(地球の場合1G)を加えることができます。

●減速:Deceleration
[[減速>乗り物#Deceleration]]
 動力をもち車輪で動く地上の乗り物は、毎ターンに5メートル/秒減速できます。動物に牽かせている・無限軌道・歩行・這うで移動する地上の乗り物は、毎ターンに10メートル/秒減速できます。ほとんどの空中と水上の乗り物は、毎ターンに(5+操作値)メートル/秒減速できます(最低1メートル/秒)。この割合は“安全な”減速を想定しています。制御判定に成功すれば、「限界を超える」で説明されているように、さらに減速することができます。失敗すると制御を失ったことになります。


制御判定(Control Rolls)

[[制御判定>乗り物#Control_Rolls]]
 危険を伴う行動をとったときや障害物に遭遇したとき、乗り物が大きなダメージをうけたり突き飛ばされたりしたときは、操作者は必ず制御判定を行なわなければなりません。失敗すると、乗り物の制御を失います。その種類の乗り物についての“事故や衝突の表”があるルールブックを用いている場合、その表で判定してください。そうでなければ、以下の項目を参照してください。こうした効果に加えて、制御判定に失敗すると「狙い」によるボーナスがすべて消えてしまいます。また操作者の次のターンまで、乗り物からの攻撃にはすべて失敗度に等しいペナルティがかかります。

●空中の乗り物:Air Vehicle
[[空中の乗り物>乗り物#Air_Vehicle]]
 失敗度安定値以下であれば、それは高度が5メートル低下して、10メートル/秒減速することを意味します。もしそれよりも低い高度か、低い速度で飛んでいれば、地面に激突するか失速の危険があります。そうでなければ、まっすぐ飛んでいきます。失敗度安定値を超えるかファンブルしていれば、制御できない急降下やきりもみなどを意味します。もし上昇中であれば、失速して、それから墜落し始めます。そうでなければ、最高速度で毎ターン急降下します。どちらにしても、水平飛行に戻すためには、以降のターンに〈操縦〉-5判定を行なって成功しなければなりません。

●地上の乗り物:Ground Vehicle
[[地上の乗り物>乗り物#Ground_Vehicle]]
 失敗度安定値以下のとき、向きを変更しようとしていれば、スリップして、意図した向きには移動しません。そうでなければ、右か左かランダムな方向に向きが変わります。何かにぶつかったかどうかは、GMが決定します。失敗度安定値を超えるかファンブルしていれば、スピンして衝突したことを意味します。その時点での速度の3分の1に等しい距離だけスリップするか横転して止まります。そして、制御を失った時点での速度に基づいた落下ダメージを受けます。

●宇宙・水中の乗り物:Space or Underwater Vehicle
[[宇宙・水中の乗り物>乗り物#Space_or_Underwater_Vehicle]]
 失敗度安定値以下であれば、それは意図した動作の代わりに、前に突っこむか、ランダムな方向に向きを変えてしまいます。もし障害を回避しようとしていた場合、それができなかったことになります。潜水艦はさらに5メートル深度を失うため、衝突の危険があるかもしれません。失敗度安定値を超えるかファンブルしていれば、非常に厳しい負荷がかかることになります。乗り物生命力判定を行なってください。失敗すると、負荷に関連したダメージを受けます。水漏れ、エンジン故障などです。

●水上の乗り物:Water Vehicle
[[水上の乗り物>乗り物#Water_Vehicle]]
 失敗度安定値以下であれば、地上の乗り物とまったく同じように扱います。加えて、甲板上に立っている人は、全員が体力体力基準の〈船員〉判定を行なってしがみつかなければなりません。失敗すると船外に投げ出されます。失敗度安定値を超えるか、ファンブルしていれば、転覆を意味します! 甲板の上にある物は自動的に船外に投げ出されます。水上を航行している潜水艦、ゴム製いかだ、カヌーなど“沈まない”乗り物は、元に戻すことができます。そうでない乗り物は、単純に沈み始めます。


コラム:乗り物のウェポンマウント(Vehicle Weapon Mounts)

[[乗り物のウェポンマウント>乗り物#Vehicle_Weapon_Mounts]]
 乗り物に組み込まれた武器はすべて“マウント”されていると考えます。マウントの種類によって武器の安定性と射角が決定します。動く乗り物から長射程攻撃を行なうときの、こうしたマウントの効果については「長射程攻撃修正」(521ページ)を見てください。

●外部開放式マウント(TL1):External Open Mount (TL1)
[[外部開放式マウント>乗り物#External_Open_Mount]]
 ピントルマウントや、放水銃などを含みます。こうした武器は上方に射撃するために上を向けたり、他の方角に発射するために回転させることができます。これらは、実際には乗り物の中にはありません。武器と作業員は保護されていません。

●固定マウント(TL1):Fixed Mount (TL1)
[[固定マウント>乗り物#Fixed_Mount]]
 乗り物を向けることにより銃の狙いをつけます。例えば、ジェット戦闘機の機首に内蔵された砲です。向いている方向にしか攻撃できず、どの向きにマウントされているかを明示しなければなりません。正面なら[F]、右側面なら[R]などです。操作者は〈砲手〉か乗り物を運転する技能のうち低いほうで判定します。

●台車(TL3):Carriage (TL3)
[[台車>乗り物#Carriage ]]
 船によっては車輪のついた台車やそりの上に武器を載せているものがあります。甲板の上に置くか、舷窓を通して発射します。固定マウントとして扱ってください。しかし、砲員が武器を向けるためにロープを使用することができるので、命中判定に用いる技能乗り物を運転する技能に制限されません。

●砲塔(TL5):Turret (TL5)
[[砲塔>乗り物#Turret]]
 これは武器が内蔵された砲塔(あるいは頭)です。乗り物向きとは関係なく、向きを変えることができます。“大きな”砲塔はふつう動力で動きます。

●ハードポイント(TL6):Hardpoint (TL6)
[[ハードポイント>乗り物#Hardpoint ]]
 航空機はしばしばウェポンポッド・爆弾・ミサイルを胴体か翼の下のパイロンにマウントします。これは固定マウントとして扱ってください。ただし「正確さ」に-1されます。外装の武器荷重として計算してください。

●安定装置つき砲塔(TL7):Stabilized Turret (TL7)
[[安定装置つき砲塔>乗り物#Stabilized_Turret]]
 砲塔と同様ですが、乗り物の動作に関係なく武器の狙いを保つことができるジャイロ式安定装置があります。

●安定装置つき外部開放式マウント(TL7):External Stabilized Open Mount (TL7)
[[安定装置つき外部開放式マウント>乗り物#External_Stabilized_Open_Mount]]
 上記と同じですが、移動しながら射撃する場合のペナルティを減少させるジャイロ式安定装置があります。

●腕持ち(TL8):Arm Mount (TL8)
[[腕持ち>乗り物#Arm_Mount]]
 乗り物攻撃部位を持っている場合、それに武器が内蔵されていたり、あるいは武器を手で持っているかもしれません。こうした武器による攻撃は、手で構えた武器と同じルールを用います。


コラム:動く乗り物から武器を射撃する(Weapon Fire from a Moving Vehicle)

[[動く乗り物から武器を射撃する>乗り物#Weapon_Fire_from_a_Moving_Vehicle]]
 動く場所の上から武器を使用する場合例えば、逃げる車からトミーガンを撃つ、ハンニバルの象兵がかごの上から投げ槍を投げる――目標に命中させるのは、静止していたり自分で移動しているときよりも困難です。このペナルティは、乗り物移動がどれほど荒っぽいか、使っている武器がマウントされているか手持ちかによって決まります―「長射程攻撃修正」(521ページ)参照。
 乗り物がいつ揺れたり、回避運動するかを知らなければ、真っ直ぐ撃つことは困難です!もし乗り物が「よけ」を行ない、あなたが操作者でない場合、命中判定に追加で-2の修正があります。空を飛んでいれば-4です。
 動きながら狙いをつけるのはとても困難です。サイトやマウントが安定化されているのでない限り、狙いをつけた事によるボーナスの合計(正確さ、余分な時間をかけて狙う、照準システム支え)は、動いている乗り物安定値を超えることはありません。この制限は、水の上で揺れていたり、乱気流の中で空中に浮いている乗り物から攻撃する場合にも適用されます。宇宙空間では、これは「機動」したときのみ適用します。直線的に移動しているときには適用されません。
 また“見た目の”速度を考慮することも重要です。もし2台の自動車が衝突コース上を相手に向かって真っ直ぐ走っている場合、一方ともう片方の相対速度は180キロ/時を超えるかもしれません。しかし互いを正面から見たときの相対速度は0です。速度の修正は交差する目標にのみ適用してください。あなたに向かってほとんど真っ直ぐ近づく、あるいはあなたから遠ざかる目標に対しては、速度のペナルティを無視してください。


攻撃(Attack)

[[攻撃>乗り物#Attack]]
●マウントされた武器:Mounted Weapons
[[マウントされた武器>乗り物#Mounted_Weapons]]
 搭乗者は、もし武器管制室に配置されていれば、乗り物に内蔵された武器で攻撃することができます。TL6以上では、武装した乗り物の多くが照準システム(光学・レーダー・コンピュータなど)を備えており、砲手の修正後技能レベルにボーナスを与えます。ちょうど望遠鏡のサイトと同じようにです。こうしたシステムの多くは、砲手が「狙い」の戦闘行動をとったときのみ効果を発揮します。良質なTL6の光学サイトは技能に+2の修正があります。TL7~8の典型的なシステムは、コンピュータ化されたレーザーやレーダーで指示される射撃管制で、+3の修正を与えるでしょう。

●衝角攻撃:Ramming
[[衝角攻撃>乗り物#Ramming]]
 ラム攻撃のことで、乗り物の操作者は乗り物自体を武器として使用できます。「衝突と落下」を参照してください。

●白兵攻撃:Melee Attacks
[[白兵攻撃>乗り物#Melee_Attacks]]
 もし乗り物があれば、まるでそれが自分の身体の延長であるかのように、操作者はパンチキックつかむなどが可能です。

●手で構えている武器:Handheld Weapons
[[手で構えている武器>乗り物#Handheld Weapons]]
 手で構えている武器を使うことができるかどうかは、乗り物と状況によります。ジープやオートバイのように開放式の乗り物の中、あるいはその上にいる射手は、ほとんどどんな方角にも発射することができます。閉鎖式の乗り物の搭乗者は、開いた窓・ドア・ハッチ・射窓などを通して、あるいはそれから身を乗り出して射撃しなければなりません。フロントガラスごしに射撃すると、“放射状にひび割れて"不透明になります。割れたガラスを取り除くには1回の「準備」行動が必要です。もし乗り物が「気密」「耐圧」「真空耐性」などを持っている場合、窓越しに射撃するのは賢明ではありません空気の漏洩や爆発的減圧という結果を招くかもしれません!
 もし操作者が手で構えている武器を使う場合、「移動攻撃」の行動をとらなければなりません。この命中判定には「-2」と「武器扱いやすさ」のうち悪いほうのペナルティがあります――注意力が運転と射撃に分割されるからです。このペナルティはマウントされた武器衝角攻撃乗り物による白兵攻撃には適用しません。


コラム:ダメージの縮尺(Scaling Damage)

[[ダメージの縮尺>乗り物#Scaling_Damage]]
 戦車・戦艦・星間宇宙船などのような巨大な乗り物は、巨大なHPDRをもちます。それらの武器は大量のダメージを与えることができます。莫大な個数のサイコロを振ることを避けるために、ダメージの縮尺を使うのが最善の方法です。

●十倍規模(D規模):Decade Scale (D-Scale)
[[十倍規模>乗り物#D-Scale]]
 戦車や戦艦、あるいは超人が関与する戦闘ではこれを使ってください。戦闘が始まる前に、HPDRダメージのサイコロを10で割ってください。0.5以上の端数は切り上げてください(例外:ダメージのサイコロが1D未満の場合、0.25までの端数は1D-3、0.5までの端数は1D-2、それ以上の端数は1D-1に換算してください)。ダメージにかける乗数は最初に適用してください。例:6D×25のダメージはまず、150Dになります。それから15Dに変換されます。ただし徹甲除数をこのように割ることはありません。

●百倍規模(C規模):Century Scale (C-Scale)
[[百倍規模>乗り物#C-Scale]]
 巨大宇宙戦艦など、極めて大きな乗り物が関与する戦闘ではこれを使ってください。上記と同じルールを用いますが、10ではなく100で割ります。

●例:戦車はDR700と300HP持っています。そして主砲は6D×30(2)、マシンガンは7Dのダメージを与えます。D規模だと、DR70とHP30持っていることになります。主砲は6D×3(2)、マシンガンは1D-1のダメージを与えます。


 戦闘終了後、使用した縮尺をもとに残ったHPを10倍か100倍して適切な数値に戻してください。


防御(Defense)

[[防御>乗り物#Defense]]
 操作者は乗り物に対する攻撃を回避するために、回避運動をとることができます。これは「よけ」として扱います。乗り物よけの数値は(操作者の制御技能レベル=2)+乗り物操作値(端数切り捨て)です。例えば、〈運転/オートバイ-14>のキャラクターが操作値+1のオートバイを扱うときには、よけの数値は14÷2+1=18です。
 GMはベビーカーや道にできた穴のような危険を回避したり、あるいは窮地を切り抜けるためによけの判定を行なわせることができます。これらは制御判定の代わりでもかまいませんし、制御を失った後の大惨事を避けるためでもかまいません。
 自由に動くことができる搭乗員(シートベルトを締めていない、など)は、自分を目標として行なわれた攻撃よけることができます。しかし流れ弾や、乗り物を貫通して向かってくる攻撃防御することはできません。


戦闘の結果と命中部位(Combat Results and Hit Location)

[[戦闘の結果と命中部位>乗り物#Combat_Results_and_Hit_Location]]
 乗り物は他の道具・装置と同様にダメージを受けます。特定の命中部位には特殊な効果があります――詳細は、乗り物命中部位表(527ページ)を見てください。
 ある乗り物命中部位は、対応する乗り物表にあります。あるいは、乗り物の説明個所でも記述されています。攻撃者が特定の場所を狙うと言わなかった場合、その攻撃乗り物胴体(生物の胴体と同等)に向けられているとみなします。あるいは、命中部位をランダムに決定してください。いかなる場合でも、露出している部位にしか命中することはありません。例えば戦車が丘の後ろにいて、砲塔だけが目に見える場合、唯一の有効な目標は砲塔です。
 攻撃者はときとして乗り物の搭乗者を目標とすることができます。これは露出した乗り手(E)やガラス窓(Gやg)、オープンキャビン(0)があったり、船の甲板や積載台の上に搭乗者がいる場合にのみ可能です。露出した乗り手には遮蔽がありません。開いている乗り物の奥、あるいはガラス窓越しの者は部分的な遮蔽(鼠径部胴体の半分)になります。搭乗者が実際に身を乗り出しているのでない限り、窓の内側から、あるいは窓の外側から射撃するときには追加で-1の修正があります。


衝突(Collisions)

[[衝突>乗り物#Collisions]]
 攻撃防御の関する判定の上では、乗り物武器として扱う試みはすべて体当たり(「体当たり」350ページ)とみなします。操作者はこの命中を判定するときには制御技能で行ないます。もし意図的に激突したときには、衝突のダメージを通常通り計算します。もし別の乗り物を道からはじき出すことが目的であれば、側面衝突としてダメージを計算してください。しかしダメージは突き飛ばしのみです。詳細は「衝突と落下」(408ページ)を見てください。


誰が操作している?(Who’s at the Wheel?)

[[誰が操作している?>乗り物#Who's_at_the_Wheel?]]
 乗り物の操作者が行動不能になったら(殺された、意識を失った、コントロールを放棄した、など)、通常恐ろしい結果が待っています。1輪か2輪の乗り物、2脚か3脚のロボットであれば、制御を失ったのと同じように転倒します。その他の乗り物は、何かにぶつかるまでまっすぐ前方に進みます。この際、毎ターン1Dしてください。6の目、あるいは乗り物安定値よりも大きい目を出すと、乗り物は制御を失います。他の誰かが制御を取り戻そうとすることは可能ですが、制御装置に到着するまでに数秒かかります。どこにいたかによって、この時間は変わります。もし前の操作者が無力化している場合、技能判定には-2かより悪い修正がかかります。前任者の身体がそこに残っているからです!


水漏れ(Leaking)

[[水漏れ>乗り物#Leaking]]
 「水に浮かぶ乗り物の、船体の喫水線より下の部分」「気球や飛行船の船体すべて」「潜水艦の、外部にマウントしたものを除くすべての部位」にダメージをうけて突き抜けると、水(空気)漏れが発生します。「出血(398ページ)のルールを用いてください。ただし“止血”するための〈応急処置技能の代わりに、〈乗組員技能で穴を塞いでください。

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第1章キャラクターの作成

キャラクターの作成
キャラクターのタイプ
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機械と疲労

第2・3章:特徴

特徴(第4版特徴一覧)
汎称特徴鋳型
特徴グルーピング表
判定に修正を与える特徴一覧表
下位の特徴と上位の特徴
消耗品型特徴


特典/
特色/禁止性質
学習できる有利な特徴
Powersの追加特徴

修正/増強/限定
攻撃修正/貫通力修正/発明品
特別修正/特別増強/特別限定
限定値

について
↓特集サプリメント
GURPS Power-Ups 6:Quirks

限定について
↓特集サプリメント
GURPS Power-Ups 8:Limitations

第4章:技能

第4版技能一覧
意志力を基準にした技能
知覚力を基準にした技能
生命力を基準にした技能
影響技能
第4版逆引き・技能なし値一覧表
技能なし値に能力値が工面しづらい一般技能
専門化が必要な技能
文明レベル技能
必須の技能を知らない
万能技能について
↓特集サプリメント
GURPS Power-Ups 7:Wildcard Skills
第4版呪文一覧
原書呪文一覧
第3章〜第26章

各コラム

魔法流派の例を扱ったサプリメント

第7章テンプレート

第8章装備

装備品対訳表

第11章:戦闘

戦闘
移動と戦闘

第12章:上級戦闘

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特殊な戦闘の状況
特殊な移動関連

関連

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真空

第20章
インフィニット・ワールド

インフィニット・ワールド

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万能言語

Pyramid #3/65: Alternate GURPS III

追加特徴「特殊武器

GURPS Template Toolkit 2: Races

GURPS Template Toolkit 2: Races
追加特徴

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追加の有利な特徴 追加テクニック

GURPS Tactical Shooting

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