最終更新: tominosyou 2023年01月06日(金) 19:30:16履歴
以下の“選択ルール”は、銃器・榴弾・焼夷弾にしか用いません。「故障」(Malfunctions)というのは武器の機械的な不調のことです。不発や弾詰まりです。ファンブルとは異なり、故障はふつう使用者を危険にさらすことはありません。
このルールを用いる上では、銃器・榴弾・焼夷弾は「故障値」(Malfunction number または Malf.)という数値を用います。これはそのTLによって決まります。
TL | 故障値(Malf.) |
---|---|
TL3 | 12 |
TL4 | 14 |
TL5 | 16 |
TL6以上 | 17 |
優、ないし特優の銃器は故障値が+1されます。安価な武器は-1されます。武器の種類によっては故障値が高かったり低かったりするものもあります。それぞれの説明で示されます。酷使されていたり、メンテナンス不足だったり、ダメージを受けたりしている時には、GMは故障値を自由に下げてかまいません。
攻撃者の技能レベルとは関係なく、命中判定のサイコロの目で故障値以上の目を出してしまうと武器は故障します。正確な効果は武器によります。
- 撃ちあげと撃ちおろし(FIRING UPWARD AND DOWNWARD)
- 撃ちおろし(Firing Downward)
(例:40m離れた敵を銃で狙っています。敵は10m低い位置にいるので、距離を5m減らすことができます。そのため相手は35m離れているものとして考えることができます)。
- 撃ちあげ(Firing Upward)
(例:40m離れた敵を銃で狙っています。敵は10m高い位置にいるので、相手は50m離れているものとして計算します)。
相手を見るためには、ふつう頭蓋骨・目・顔・首をさらしていなければなりません。片手用の武器で射撃するためには、手と腕をさらさなければなりません。両手用の武器であれば、細い隙間から狙っているのでない限り、両方の腕と手に加えて、胴体と重要器官の半分をさらさなければなりません。明らかに遮蔽物に覆われている状況であれば、鼠径部、脚、足は隠れたままでかまいません。もし遮蔽が完全でなかったり、低い遮蔽物の後ろで膝立ち・座り・伏せ状態などで行動ができなかった時には、より多くの部位を敵にさらすことになります。
もしあなたが狙いたい敵が部分的な遮蔽の後ろにいる場合、あなたには3つの選択肢があります。
●遮蔽されていない部位を狙います。あなたの攻撃には通常の命中部位修正がかかります。半分しか露出していない部位を狙う時には、追加で-2の修正があります。
●命中部位をランダムに決めます。あなたの攻撃に命中部位の修正はかかりませんが、隠れている部位に命中した時には遮蔽物に当たります。半分露出している部位に命中した時には1Dします。4〜6の目なら遮蔽物に当たります。1〜3なら目標に命中します。
●遮蔽物を無視して貫通を狙います! あなたが強力な武器を持っているか、遮蔽物が非常に薄い場合にのみ有効です。命中判定には他に加えて-2の修正があります。(例外:もし敵が遮蔽物の後ろに完全に隠れている時には、見えない目標を射撃する場合の通常の修正がかかります。普通は-10です)。遮蔽物は「遮蔽DR」(Cover DR)をその攻撃に対して付け加えます。建造物の場合、典型的な遮蔽DRは素材のDRに加えてHPの4分の1です。「建造物ダメージ表」と「遮蔽DR表」を見てください。生物を遮蔽にしている場合の遮蔽DRについては、「ダメージの完全貫通」を見てください。
遮蔽はふつう長射程攻撃に対してしか効果がありません。しかし障害物によっては、白兵攻撃を妨害するものもあります。もし充分な攻撃範囲があって上で武器を振るうことができるのであれば、低い障害物越しに攻撃することは可能です。つまり、二人の剣士がテーブルを挟んでそれ越しに決闘はできますが、どちらも相手の脚や足を狙うことはできません。
あなたが貫通体・刺し・収束ビーム焼き攻撃を長射程攻撃によって与えた場合、ダメージが目標を突き抜けて、より遠くにいる何かを傷つける可能性があります(例:罪のない通行人)。同様に、強力な攻撃は遮蔽や盾(「盾へのダメージ」参照)を完全に通り抜けてしまいます――建物や乗り物すら貫通して、中の物にダメージを与えたりもします。
ダメージの貫通によって誰が攻撃を受けるかはGMが決定します。最初の目標のすぐ後ろに誰かがいた場合、それが次の目標になります。例:遮蔽物の後ろに隠れている人や、盾で防御した人。そうした人がいない場合、誰に命中したかは「誤射」や「搭乗者命中表」を見て決めてください。
ダメージの完全貫通が発生するのは、その「基本ダメージ」が目標の「遮蔽DR」を越えた時だけです。この数値を求めるためには、目標か遮蔽のDR――鎧を着た人間などの場合、鎧の両面です――と生物ならHP、機械・乗り物・その他無生物ならHPの半分、集合体ならHPの4分の1を加えます。壁やドアのように薄い板状の物であれば、その物体のDRだけを使用します。最後に徹甲除数があればそれを適用します。
こうして攻撃が、遮蔽DRを突き抜けるのに充分なダメージを与えた時、そしてその向こう側にいる誰かに命中した場合には、その相手はダメージに対しては遮蔽DRに自分自身のDRを加えた値を適用します。
例:
- とある特別捜査官はライフルを構えた暗殺者を発見しました。
- VIPはどうなったのでしょうか?
- VIPは負傷しましたが、それほどひどい怪我ではありません――特別捜査官はVIPの命を救ったのです!
- オートマチック銃器と「フルオートのみ」(Automatic Weapons and Full-Auto Only)
オートマチック銃器――連射4以上の銃器――は「速射」のルールを用います。その大半は制御されたバースト射撃と「フルオート射撃」(引き金を引いている間ずっと発射し続ける)の両方が可能です。
オートマチック銃器の一部には(例:機関銃)フルオートでしか射撃できないものがあります――セミオートや、数発に限定したバースト設定(発射速度変更)ができません。「フルオートのみ」の武器は連射の数値の後に「!」の記号があります。こうした武器で短いバースト射撃を行なうためには、引き金を1秒以下の時間で戻すしか方法はありません。発射数の最低値は、完全な連射地の4分の1(端数切り上げ)か、斬弾数のうち小さい方です。
- 速射と至近距離の静止した目標(Rapid Fire vs. Close Stationary Targets)
目標が完全に静止しており(例えば動かないもの、完全に拘束されていたり意識を失っている人)、サイズ修正が距離修正を完全に打ち消すほど大きい場合、命中判定に成功すれば射撃した弾丸の半分(端数切り上げ)が命中します。攻撃の成功度が武器の反動よりも大きかった場合は、全弾が命中します。
例:SM+2のドアを射撃します。このルールは距離5m(距離修正-2)以内で射撃する場合に適用します。人(SM0)を撃つ時には、距離2m(距離修正0)以内で射撃する時しか適用しません――そして、相手が拘束されているか、意識を失っている場合のみです。
- ショットガンと多弾頭武器(Shotguns and Multiple Projectiles)
- 多弾頭武器(Multiple Projectiles)
例:
とある神父のショットガンは連射3×9です。彼は自分に向かって飛んでくる悪魔に3発発射します。連射のルールを用いる上では、彼の放った3発の弾丸は3×9で連射27として計算します。なぜなら彼の発射した弾丸はそれぞれ多数の大粒の散弾を発射するからです。
極至近距離では、多弾頭弾は充分に拡散する時間がありません。これは致傷力を増加させます!
半致傷距離の10%以下で射撃した場合、連射(RoF)の値の掛け算はしません。その代わり、本来掛ける数字の半分(端数切り捨て)を、基本ダメージと目標のDRに掛けて計算します。
エラッタ修正:「RoF」の訳語不統一【誤】連射値 → 【正】連射の値例:
とある神父が持っているショットガンの半致傷距離は50です。ですから、悪魔が5m以内まで飛んで来たら、散弾が充分に拡散しない距離になります。ここで神父が3発撃った場合、彼の連射は27ではなく3になります。しかし、この攻撃は「×9」の散弾ですから、基本ダメージと悪魔のDR両方を×4します。ショットガンの基本ダメージは1D+1です。ですから神父は各命中弾ごとに4D+4のダメージを与えます(3発まで。何発命中したかは命中判定の出目によって決まります)。しかし悪魔のDRは、この攻撃に対しては本来の3から12に上昇します。
- 複数射撃(Spraying Fire)
連射5以上の武器は、1回の連射で複数の目標を撃つことができます。目標はだいたい同じ方向にいなければなりません(30度以内)。そして攻撃は連続して行なわなければなりません――右から左でも、左から右でも構いません。あなたが選択してください。
命中判定を行なう前に、それぞれの目標に何発撃つかを宣言しなければなりません。連射の値は好きに割り振ることができますが、目標の間が1メートルを越えて離れていれば、その間を横切る時に、何発か弾が無駄になります。連射16以下なら、1メートルごとに1発が無駄になります。連射が17以上なら、1メートルごとに2発が無駄になります。“それた弾丸”は、意図しない意図しない目標に命中するかもしれません(「誤射」参照)。
エラッタ修正:「RoF」の訳語不統一【誤】連射値 → 【正】連射の値
また、例を見る限り、目標間にそれた無駄弾数にて、「1メートルごとに」の説明部分は「(目標間の距離-1メートルが)1メートルあるごとに」と見なすべきだと思われる。
命中判定はそれぞれの目標ごとに行ないます。実質の連射はその目標に対して発射した弾の数になります。こうして“五月雨(さみだれ)式”に複数の目標を狙う場合、武器を制御するのが難しくなるため、2つめの目標に対しては反動が+1されます。3つめの目標に対しては(さらに+1され)+2されます(以下同様)。
例:
とある特殊空挺部隊の軍曹はドアを蹴破って、3人の武装テロリストを視認しました。視界内に人質はいません。軍曹は発砲を始めました!
- 制圧射撃(Suppression Fire)
連射5以上の武器を使っている場合、あなたは「制圧射撃」を行なうことができます。これは引き金を下げたまま、水道のホースのように射撃しながら、1つのヘクスに狙いをつけることを意味します。これはあなたの次のターンが始まるまでに、そのヘクスに侵入した人に影響を与えます。射撃を始めた時に、目標がその範囲にいる必要はありません!
制圧射撃を使うためには、武器の射程内にある直径2メートルの範囲を指定して「全力攻撃(制圧射撃)」を選択し、射撃を開始します。これには完全な1秒間がかかります。そのターン、あなたは他に何もできません。
武器を何発発射するかを特定してください。ただし最大でも武器の連射までです。もし連射10以上の武器を使用している場合、直径2メートルの範囲を複数制圧することもできます。ただし、それらは隣接していなければならず、それぞれに最低でも5発発射しなければなりません。それぞれの範囲での実質的な連射は、あなたの射撃した弾数の総計ではなく、それぞれの範囲に発射した弾数になります。
一度制圧射撃を始めてしまうと、その範囲に入った者や、目標範囲の中心とあなたを結んだ直線の両側1メートルの場所に入った者には、必ず――敵でも味方でも――攻撃しなければなりません。目標の可視性によるペナルティを除いて、通常の攻撃修正をすべて適用します――実質的な連射の値によって得られる連射ボーナスと、それ以前の「狙い」によるボーナスを含めます。大半の武器の場合、最終的な目標値は「6+連射によるボーナス」を越えることはありません。車載やトライポッド使用の場合、「8+連射によるボーナス」までです。
もし命中したら「ランダム命中部位」を使ってください――あなたは制圧射撃で目標の特定部位を狙うことはできません。この結果、何発かは遮蔽に命中するかもしれません(「遮蔽」参照)。もしあなたの発射した弾丸がすべて目標に命中したら、そのターンそれ以上別の者に命中することはありません。
- ボーラ(Bolas)
ボーラとは投げて絡ませ、動きを封じる武器です。目標は「よけ」と「止め」が可能ですが、もし「受け」た時にはその腕に絡まって、以下のような効果を発揮します(例外:切り武器を用いて受けに成功した時は、刃でボーラの紐を切ったことになり、ボーラは壊れてしまいます!)。
ボーラを投げる場合、相手の特定部位を狙ってかまいません。命中した場合、ダメージを与えた上で相手に絡みつきます。逃れるためには1本の手が自由でなければなりません。さらに3回敏捷力判定の成功が必要です。それぞれの試みは準備行動として考えます。その間、犠牲者は他の行動は一切できません。鈎爪を持った動物なら敏捷力-6で判定します。
武器や何かを持っている腕か手に命中した場合、あなたの<ボーラ>技能対防御側の体力とで即決勝負を行ないます。あなたが勝つと、相手は持っている物を落とします(腕に固定されている盾は落とすことがありません)。
脚か足に命中した場合、両方の足に絡まったことになります。走っていた目標は敏捷力判定が必要になります。これに失敗すると転倒して1D-2ダメージを被ります。首に命中した時には、相手が逃れるまでの間、ボーラは目標の呼吸を中断させます(「窒息」参照)。
クロスボウを買う時には、その体力を特定しなければなりません。自分の体力以下のクロスボウを準備するには2秒かかります。
体力の大きなクロスボウはより多くのダメージを与えますが、準備に必要な時間も長くかかります。自分の体力よりも1〜2大きいクロスボウを使う場合、弦を引き絞るのに6秒かかります。3〜4大きいクロスボウを使う場合、「ヤギの足」(goat’s foot)という道具が必要になります(弦を引き絞るのに20秒かかります)。5以上体力の大きいクロスボウの弦を引き絞ることはできません――機械式の道具を使えば話は別ですが。しかし、撃つことはできます!
それに加えて、ボルトを取り出すのに1秒――<早抜き/矢>があれば話は別です――さらにクロスボウにつがえるのに1秒かかることを忘れないでください。
- 手榴弾(Hand Grenades)
手榴弾をベルトやウェブギアなどから取り出して握るには1回の準備行動が必要です。また、使うためには起爆の準備(ピンを抜く)をしなければなりません。これに2秒目の準備行動が必要です。それから、通常通り投げることができます。
たいていの手榴弾は一定の遅延時間が決まっていますが(典型例は5秒未満)、衝撃で爆発するものもあります。もしその手榴弾に遅延時間があるならば、投げる前にあなたは1秒か2秒間「狙い」をつけることができます(そして誰かがあなたを撃たないように祈ります)。そうしないと、落ちた場所の側にいる敵がそれを拾い上げて、あなたに向かって投げ返す可能性がでてきます!
膝をついて拾うまでに1秒、投げ返すのに1秒……。
エラッタ修正:
【誤】膝をつくのに1秒、拾うのに1秒、投げ返すのに1秒……
【正】膝をついて拾うまでに1秒、投げ返すのに1秒……
○「膝をつくのに1秒、拾うのに1秒、投げ返すのに1秒……」と書いてあるが、膝をついて拾うまでは1秒でできる。グループSNEのエラッタ(http://www.groupsne.co.jp/products/gurps/eratta/4t...)では異なる説明を掲載。
- 投げ縄(Lariats)
銛と同じように、(一方の端を握ってはいますが)投げ縄も手投げ武器として扱います。投げ縄は相手の特定部位を狙って投げることができます。目標は「よけ」と「受け」が可能です。切り武器を用いて受けに成功した時は、投げ縄を切ろうとしたものとして扱います(以下参照)。しかし受けを試みて失敗した場合、受けに使った側の腕を自動的に絡めとられてしまいます。
腕か胴体に命中した時には、相手を絡めとったことになります。以降のターン、相手を絡めとり続けるためには準備行動が必要です。あなたのターンに体力の即決勝負を行ないます。勝てば相手は動くことができません。負けたら、相手は投げ縄を引っ張ってあなたは手を放してしまいます。
首に命中した時には、上と同じルールを用いますが、相手は即決勝負を-5で行なわなければなりません。勝てば、相手の呼吸を中断させます(「窒息」ページ参照)。
足に命中した場合、目標は敏捷力判定に成功しない限り転んでしまいます(その時走っていれば敏捷力-4判定)。敏捷力判定に失敗して転倒すると1D-4ダメージを被ります(走っていれば1D-2)。以降のターン相手を絡めとっておくためには、上記のルールを用いてください。
相手の動きを止めたり窒息させるためには、常に縄を張った状態にしておかなければなりません。これには毎ターン準備行動が必要です。縄を張った状態を維持する訓練をうけた馬に乗っている場合、投げた側は体力の即決勝負の際に馬の体力を用いることができます。
絡みついて引っ張られている状態の投げ縄から逃れるためには、縄を切ってください(DR1、HP2)。ただ巻きついているだけの状態から抜け出す場合は(攻撃側が手を放してしまった場合を含みます)、ボーラと同じ判定が必要です。
投げ縄での攻撃に失敗すると、準備には5メートルにつき1ターンかかります。典型的な投げ縄は10メートルの長さがあります。
- 火炎瓶と油瓶(Molotov Cocktails and Oil Flasks)
「火炎瓶(TL6)」というのは、ガソリンを詰めた瓶に、燃える“信管”――たいていはただのボロ布――で栓をした物です。すでに手に持っているとすると、信管に火をつけるのに1秒(もしたいまつやライターを持っていれば)の「準備」がかかり、それから「攻撃」で投げることができます。
理論的には、固い物(DR3以上の何か)に瓶が当たると割れて、ガソリンをまき散らし、それからすぐ火がつきます。しかし現実には、火炎瓶はまったく信頼できません。TLに関わらず、故障値は12として扱います(「故障」参照)。命中判定で12以上の目を出してしまうと、飛んでいる間に信管がすっぽ抜けてしまったり、瓶が割れなかったり、燃料に着火しなかったりします。
目標が人間の場合、「よけ」や「止め」を行なうことはできますが、「受け」はできません。よけに成功すると、瓶はキャラクターがいるヘクスに命中します。防御に失敗したが、DRが2以下の時にも同じことがおこります(瓶は割れずに跳ね返りました)。止めに成功すると、瓶が盾にぶつかって壊れることになります。
目標が地面だったり、人を狙ったにもかかわらず地面に落ちた時には、火炎瓶は1メートル半径に火をつけます。「範囲に影響する攻撃」を見てください。戦闘マップでは、目標ヘクスが炎に包まれているものとします。
火炎瓶が目標に命中して破裂した時には、3Dの焼きダメージを与えます。さらに毎秒1Dの焼きダメージを与えます。ほとんどの防護点は5分の1の効果しかありません。気密式の防具は完全に防御します。盾に命中した時には、盾がダメージを受けます。それを持っている相手は、盾が壊れるまで使い続けることができます(炎は外側に発生します)。「盾へのダメージ」のルールを使うか、その盾は戦闘後に使えなくなってしまうことにしてください。もし地面に命中した時には、炎は半径1メートルの範囲内に毎秒1D-1点の焼きダメージを与えます。いずれの場合でも、炎は10D秒間燃え続けます。
「ギリシア火薬(TL3)」(Greek fire)はナフサ(naphtha。原油から精製した軽い石油製品で、おおまかにいってガソリンと似ています)と油脂、タール、硝石を混合したものです。これは粘性を持ち高温で燃えます。これは非常に高価であるべきです! 「ギリシア火薬」を陶製の瓶に詰めたものは、火炎瓶と同じに扱ってください。いわゆるファンタジーでの「油瓶」です。
エラッタ修正:「ギリシャの炎」は「ギリシア火薬」(Greek fire)と呼ぶべきであろう。少なくとも後者が一般的な日本語名称なので。TL2以下の世界では、高温を発生する可燃性の液体はリアルなゲーム世界だと手に入りません。
この武器は非常に“もろい”点に注意してください。あなたが倒れた時には瓶ごとに1Dしてください。1から4の目で割れてしまいます。また、敵はベルトに下げた瓶を狙うこともできます(命中判定に-5のペナルティ)。打撃が命中すれば、瓶は自動的に壊れてしまいます。どちらにせよ、腰から下は引火性の高い液体でびしょぬれになってしまいます。なんらかの焼きダメージを受けると、燃え上がってしまうでしょう!
- 「ネット」(Nets)
ネットは相手を絡めとる目的で投げて使う武器です。目標は「よけ」と「受け」が可能です。もし切り武器で受けに成功した場合、相手はネットにダメージを与えることができます。ネットはどの大きさでも、DR1とその自重に応じたHPを持つ集合体として扱ってください。もし目標が防御に失敗すると、絡めとられてしまいます。絡めとられた目標は、ふりほどくまでは移動も攻撃もできません。
ネットをふりほどくには少なくとも片手が必要で、敏捷力-4判定に3回成功しなければなりません。試みはいずれも準備の行動として扱います。その間、他の動作は一切できません。片手しか使えない場合、あるいは大半の動物の場合はさらに-2の修正があります。小型のネットから逃れる場合には+3の修正があります。判定に3回連続で失敗すると、余計ひどく絡まったことになり、ネットを切る以外の方法では脱出できなくなってしまいます。
ネットを傷つけることによって脱出することもできます。目標が使用できるのは攻撃範囲としてCを持つ武器だけですが、自動的に命中します。「武器を壊す」を見てください――ただしネットは集合体として扱います(「無生物・均一・集合体へのダメージ」参照)。
小型のネットは白兵武器として使用することができます。攻撃範囲は1か2です。攻撃は投げ縄と同様に扱いますが、逃れようとする試みはボーラとして扱います。
- バイポッドとトライポッド(Bipods and Tripods)
武器をバイポッド(二脚)に乗せた場合、射手が伏せていれば、その武器は「支えられている」(「狙い」参照)とみなします。また、必要体力が通常の3分の2(端数切り上げ)になります。バイポッドを開いたり、折り畳んだりするには準備の行動が必要です。
銃火器はトライポッド(三脚)や似たような装置に据え付けることができます。このような武器を発射した射手は、そのターンには移動やステップができませんが、防御は通常通り行えます。据え付けられている間は、武器の必要体力を無視することができます。マウントから武器を取り外したり、再度取り付けたりするには、3秒間の準備行動が必要です――より重い武器であればもっと時間がかかります。
- レーザーサイト(Laser Sights)
この射程を超えると、点はぼやけて見えなくなります。最大射程が書かれていない時には、つけている武器の半致傷距離がそれに該当すると考えてください。
もしあなた自身が照準の点を見ることができる時には、命中判定に+1のボーナスがあります。あなたが「狙い」の戦闘行動をとったかどうかには関係ありません。しかし目標がそれを見ることができる場合、相手は「よけ」に+1されます! レーザーサイトの起動は自由行動です。しかし「狙い」や「攻撃」の前に起動しているかどうかは明示しなければなりません。
- スコープ(Scopes)
望遠鏡照準器、あるいは「スコープ」は、あなたが「狙い」の戦闘行動をとっていれば、命中判定にボーナスを与えます。倍率固定式のスコープであれば、最低でもスコープのボーナスと同じだけの秒数狙わなければなりません。倍率可変式のスコープであれば、あなたはより短い秒数しか狙わずにいることができます。しかし同時に得られるボーナスも同様に少なくします。特に記述がない限り、スコープは倍率可変式です。
スコープは武器に内蔵したり、取り付けたりすることもできますし、乗り物の照準システムの一部にすることもできます。「望遠視覚」はスコープと同じボーナスを与えます。あなたが一度に使うことができるのは1つのスコープだけです(「望遠視覚」を含みます)。先進的なスコープの中には、暗視装置として機能するものもあります。
- サイレンサー(Silencers)
サイレンサーは銃の発射音を消します。屋内で数部屋離れた所にいたり、あるいは屋外であなたを見ることができない場所にいると、消音されていない銃声に気付くかどうかの聴覚判定を+5で行ないます。大火力の銃だったり、静かな環境であれば+4までの、火力の小さな銃やうるさい環境であれば-4までの修正があります(GM判断)。よくあるサイレンサーはこれに-4の修正を加えます。市販されている最も性能の良いサイレンサーは修正が-6です。
あなたがもっている武器の前方にいて、隠れておらず、攻撃できる範囲内にいる相手は、自動的に銃声に気付きます――例えサイレンサーをつけていてもです。しかしサイレンサーがついていると、音の発生地を認識することが困難になります。銃声を聞いた者は知力判定を行ない(聴覚判定ではありません!)、これに成功しないと居場所がわかりません(あなたが丸見えの場合は別ですが)。
サイレンサーはオートのピストルやサブマシンガンには一般的ですが、他の様々な武器用のものも存在します。
誘導兵器は、多くの参考資料では、発射装置がどのように誘導しているかによって分類されています。例えば「有線誘導」ミサイルや魚雷は、飛んだ後をついていく細いワイヤーによって指令を受け取ります。「無線誘導」兵器は無線によって指令を受け取ります。他にも様々なシステムがあります!
誘導兵器による攻撃は他の長射程兵器と"まったく同じように"扱いますが、以下のような特殊ルールがあります。
弾は最大射程に等しい距離を移動するまで、その半致傷距離に等しい速度で飛び続けます(つまり、命中するまでは、発射されたターンを含めて「最大射程/速度」秒間です)。もしそれで命中しなかった場合、ミサイルは墜落したり、自縛したりします。つまり誘導・追尾攻撃から「逃げ切る」ことができます……逃げる速度が充分に速ければ可能でしょう!
以下にさらなる追加ルールを載せます。
- コラム:セミアクティブ追尾武器(Semi-Active Homing Weapons)
現代の兵士はしばしば密かに目標に近づき、ライフルサイズの"レーザー誘導器"を照射して、遠くの航空機や砲から放たれたレーザー追尾式の「スマート爆弾」やミサイルを導きます。目標を示し続けるためには、連続して「狙い」の行動をとらなければなりません。また敏捷力基準で<前方観測>判定に成功しなければなりません。失敗すると、武器は目標を見失ってしまいます。
- 円錐状の攻撃(Cone Attacks)
円錐状の攻撃には命中判定が必要です……しかし失敗しても、効果範囲内にいる目標はひっかかるかもしれません!
命中すれば、「誤爆」のルールで新しい目標となった点を決定してください。目標が決まったら、攻撃者とその目標をまっすぐ結ぶ線を想像してください(あるいは戦闘マップ上で確認してください)。円錐はその最大射程まで、その線の両端に広がります。
円錐の最初の幅は1メートルです。しかし"拡散率"に等しい割合で広がっていきます。これは最大幅を最大射程で割ったものです。例えば最大射程100メートル、最大幅5メートルの円錐は、距離20メートルあたり1メートル広がるでしょう。つまり60メートルの地点で3メートルの幅になります。
もし最大幅が指定されていない場合、円錐は距離1メートルごとに1メートル広がるとして扱ってください。
円錐は範囲内にいるもの全員に影響します。しかし、その攻撃に耐えれることができる遮蔽の背後に完全に隠れている人や物は影響を受けません。目標は「よけ」の能動防御を試みて、範囲から逃れたり遮蔽に入ったりすることができます。「伏せてよける」(B356P)を見てください。
- 減衰(Dissipation)
ダメージを与える攻撃の場合(例「特殊攻撃」)、ダメージは目標と、効果範囲の中心または円錐の頂点からの距離に応じて減衰します。円錐の場合、頂点から目標地点への距離における円錐の幅(メートル)でダメージを割ります。範囲効果の場合、中心からの距離(メートル)でダメージを割ります。
抵抗するのに生命力判定が必要な攻撃(例「特殊効果」)にとっては、上記のように「ダメージ除数」を計算しますが、それをダメージ(もしあれば)に適用するのではありません。代わりに、その数値を抵抗の際の生命力判定のボーナスとして適用します。例:範囲効果の中心から2メートル離れている時には、生命力判定に+2されます。
- 誤爆(Scatter)
命中判定に失敗した時には、失敗度に等しいメートルだけ(ただし最大でも本来の目標との距離の半分、端数切上)離れた場所に命中します。もし敵が「よけ」た時には、距離を決める際に相手の成功度を代わりに用います。
例外:
目標が飛行していたり水中にいる場合、およびあなたが目視できない目標に対して<間接射撃>か<投下>技能を用いて砲撃や爆撃した場合、失敗度の自乗メートルだけ距離が離れます。これは「よけ」には適用しません。
はずれた方向を決定するには、サイコロを1個ふります。あなたが向いている方向を「1」として時計回りに、60度(ヘクスで言うと向き1つ分)ずれた方向(右手前方の方向)が「2」、120度ずれたら(右手後方の方向)「3」、「4」なら180度のずれ(あなたの向きとは逆方向)、「5」は240度(左手後方の方向)、「6」は300度(左手前方の方向)となります。失敗した攻撃は、その方向に上記の距離だけ離れた場所にずれます。
- 故障(MALFUNCTIONS)
- 撃ちあげと撃ちおろし(FIRING UPWARD AND DOWNWARD)
- 遮蔽(COVER)
- 用語:遮蔽DR(Cover DR)
- ダメージの完全貫通(OVERPENETRATION)
- 速射についての特殊ルール(SPECIAL RULES FOR RAPID FIRE)
- オートマチック銃器と「フルオートのみ」(Automatic Weapons and Full-Auto Only)
- 速射と至近距離の静止した目標(Rapid Fire vs. Close Stationary Targets)
- ショットガンと多弾頭武器(Shotguns and Multiple Projectiles)
- 多弾頭武器(Multiple Projectiles)
- 複数射撃(Spraying Fire)
- 制圧射撃(Suppression Fire)
- 特殊な長射程武器のルール(SPECIAL RANGED WEAPONS)
- 銃器のアクセサリー(FIREARM ACCESSORIES)
- バイポッドとトライポッド(Bipods and Tripods)
- レーザーサイト(Laser Sights)
- スコープ(Scopes)
- サイレンサー(Silencers)
- 誘導・追尾兵器(GUIDED AND HOMING WEAPONS)
- 誘導兵器(Guided Weapons)
- 追尾兵器(Homing Weapons)
- 命中までの時間(Time to Target)
- コラム:セミアクティブ追尾武器(Semi-Active Homing Weapons)
- 範囲・拡散攻撃(AREA AND SPREADING ATTACKS)
- コラム:範囲を攻撃する(Attacking an Area)
- 誤爆(Scatter)
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