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 『魔法大全』第28章「錬金術」 p.203より。

〈錬金術〉技能(THE ALCHEMY SKILL) p.203

 〈錬金術〉は「知力/至難」の技能です。技能なし値はありません。呪文と同様、独学で修得するなら、倍の時間がかかります。マナが存在しない地域では学べません! この技能については、魔法の反応過程をその目で見、耳で聞き、感じとった経験が大きくものを言います。独学でも実験によって同じ経験を積むことができます――ただし、錬金術が機能する地域に限られます!
エラッタ修正:【誤】「精神/至難」 【正】「知力/至難」

錬金術による品物の作成(Making Alchemical Items) p.204

[[錬金術による品物の作成>錬金術技能#Making_Alchemical_Items]]
 錬金術師は適切な処方箋その他、錬金術に関する文献を利用して、206~212ページのリストにある霊薬(エリクサ)を作ることができます。経験を積むうちに、文献を見なくても特定の霊薬(エリクサ)を作れるようになるかもしれません。ゲーム的には各霊薬の作成はすべて「難」の技能として扱います。ほとんどの技能なし値は〈錬金術〉-1です。〈錬金術〉にかかわる技術はけっして元の〈錬金術〉のレベルを超えてはなりません。
 霊薬(エリクサ)を作るには、相応の金額の材料が必要で、一定の期間がかかります。その期間中は24時間煎じつづけ、1日最低8時間は錬金術師1人が番をしなければなりません。ずっと同じ錬金術師である必要はありませんが、最後の〈錬金術〉判定のときには、その霊薬(エリクサ)の製造に関わった者のうち、もっとも低い技能レベルの錬金術師が判定を行ないます。異なる過程にある2つの霊薬(エリクサ)を1人の錬金術師が同時に世話することはできません。しかし、材料を増やせば、1つの釜で2服以上の霊薬(エリクサ)を作ることができます。この場合、最終の判定に、余分の1服分につき-1の修正を受けます。
 定められた期間の最後に、製造中の霊薬(エリクサ)に対して技能判定を行ないます。〈錬金術〉にはクリティカルはありません。成功したか失敗したかのいずれかしかありません。失敗すると材料は無駄になり、それに費やした費用ももどってきません。ファンブルすると、釜に入っている霊薬1服分につき-1の修正を受けて、2回目の技能判定を行ないます。これに成功すれば最悪の事態は免れます(ので、通常の失敗と同様に処理します)。3Dを振り、下記の表に従って結果を適用してください。
[[霊薬ファンブル表>錬金術技能#Critical_Failure]]
霊薬ファンブル表(書籍ではリスト名はない)
出目結果
3-5100メートル以内にいる者はすべて、霊薬(エリクサ)の効果か、その正反対の効果を受ける。どちらになるかは確率50%。
6-910メートル以内にいる者はすべて、霊薬(エリクサ)の効果か、その正反対の効果を受ける。確率は上に同じ。
10-12研究室が爆破される。錬金術師が逃げる時間はある。
13-14研究室が爆破される。錬金術師は3Dダメージを受ける。
15-18研究室が爆破される。錬金術師は6Dダメージを受ける!

錬金術の研究室(Alchemical Laboratories) p.204
[[錬金術の研究室>錬金術技能#Alchemical_Laboratories]]
 錬金術師が好ましい結果を得られるかどうかは、機材にかかっています。〈錬金術〉の判定には最低限、を起こす手段と、充分な量の清潔な容器が必要です。これだけしか揃っていないと、技能判定に-1(ときに-2以上)の修正を受けます。さらに研究机と$1000相当の機材、たとえばアタノール(燃料自給式炉)や蒸留器などがあれば、不利な修正はなくなります。専門の研究室になると最低30メートル四方の正方形の部屋と、5000相当の錬金術の機材が必要ですが、こうした環境に恵まれれば技能判定に+1のボーナスを得ます。最新鋭の研究室は当代最高の機材を整えており、最低60メートル四方の広さと、$20000の備品を備えています。錬金術師がそこで作業する場合は「+文明レベル/2」のボーナスを得ます。このように最高に洗練された施設が真価を発揮するのは、火薬が登場して、ありふれた化学が錬金術の発展を促すようになってからです。

錬金術の処方と秘密(Alchemical Formulas and Secrets) p.204
[[錬金術の処方と秘密>錬金術技能#Alchemical_Formulas_and_Secrets]]
  • 用語:処方箋(Alchemical Formulas)
 特定の〈霊薬〉のレベルが〈錬金術〉のレベルと等しくなると、文献その他の資料を見なくとも霊薬(エリクサ)を調合できるようになります。それ以外は、必ず「処方箋」と呼ばれる文献を参照するか、その霊薬(エリクサ)を修得した導師に手ほどきを受けなければなりません。文献や監督者なしに、未修得の霊薬(エリクサ)を調合する場合は、技能判定に-6の修正を受けます。
 処方箋の希少度と価格は、背景世界によって決まります。錬金術がただの商売に過ぎず、処方箋価格もふつうの書物や巻き物と変わらない世界もあるでしょう。別の世界では、錬金術が深遠な秘儀として扱われ、処方箋も厳重に隠されているかもしれません。ふつうはその中間くらいの扱いで、厳選されたいくつかの処方箋だけが秘密にされているでしょう。
 一般的には、一服分の小売り価格が$1000を超える霊薬(エリクサ)の処方箋は非公開と考えます。その道の達人である〈錬金術師組合(ギルド)〉の支部長(商人階級2レベル)だけしか知りません。小売価格が$10000を越える霊薬(エリクサ)の処方は、ギルド長(商人階級3レベル)だけが握っています。
 もちろん、こうした制限があっても、錬金術師のPCが処方箋の写しを発見すれば、その霊薬(エリクサ)を調合することは可能です。しかし、このようにギルドの方針を無視するなら、それなりの反動は覚悟すべきでしょう。

魔法使いの錬金術師(Wizard Alchemists) p.204
[[魔法使いの錬金術師>錬金術技能#Wizard_Alchemists]]
 魔法使い魔術師はすばらしい錬金術師になれます。その能力ゆえに、短い期間で一流の錬金術師に成長します。魔法的な効力のある材料を見極めるのは、魔導師には朝飯前のことです。《蒸留》や《発酵》といった呪文は、錬金術のさまざまな過程を促進します。《真なる酸》や《真なる土》などの呪文はわずかな費用で、高度な試薬を生み出します。GMの判断で、錬金術師が適切な呪文を知っていれば準備時間エネルギー消費を適宜、減少させてください。


発明家の錬金術師(Gadgeteer Alchemists) p.204
[[発明家の錬金術師>錬金術技能#Gadgeteer_Alchemists]]
 錬金術師が有利な特徴発明家発明家)」か「発明家超発明家)」のどちらかを備えていることがあります。「発明品複雑さ/ふつう)」の場合は、錬金術師は205ページのルールにしたがって霊薬(エリクサ)を研究することができます。技能判定の不利な修正は2倍するのではなく、霊薬(エリクサ)に対する〈錬金術〉の不利な修正を適用します。「発明家」の特徴なしで霊薬(エリクサ)の研究をするのと同様、文明レベルによる修正は加わりません。
 「超発明」の場合、錬金術師がその方法を知っていれば、通常2日かかる準備をわずか1分で終えることができます。〈錬金術〉の技能判定には、未習熟の霊薬に対するペナルティに加えて、対象となる霊薬(エリクサ)の技能なし値の修正に等しいペナルティがかかり、さらに即席の機材を利用するなら-1の修正が加わります。材料費は変わりませんが、錬金術師が材料をすでに準備していたり、すぐに発見できるなら有利に働くでしょう。錬金術師は通常どおり高速学習で能力を上昇させることができますが、通常の学習は標準の学習とは別物になるため、個別に学ばねばなりません。即席の機材による不利な修正は決して減らすことはできません。
 また、錬金術師は有利な特徴謎のアイテム」を錬金術の準備に用いて、その段階で知っている霊薬を手早く作りだすことができます。
コラム:草木秘伝(The Herb Lore Skill) p.204
草木秘伝(The Herb Lore Skill) p.204 エラッタ。修正前は「薬草口伝技能」


その他の錬金術師の能力(Other Alchemist Abilities) pp.204-205

[[その他の錬金術師の能力>錬金術技能#Other_Alchemist_Abilities]]
 錬金術はただ霊薬(エリクサ)をかきまぜるだけの仕事ではありません。多くの世界では、物理学にごく近しいものと見なされていますし、錬金術師は飽くなき探究心から他にもさまざまな隠し玉を持っています。

探知と分析(Detection and Analysis) p.205
[[探知と分析>錬金術技能#Detection_and_Analysis]]
 錬金術師が知覚力を基準にした〈錬金術〉の判定に成功すると、目で見るか、においを嗅ぐか、中身を飲むだけで、その霊薬(エリクサ)が錬金術による調合物かどうかを判別できます。「鋭敏視覚」「鋭敏聴覚」といった鋭敏な五感があれば、対応する判定にボーナスを得られます。同様に、魔術師は「知覚力+魔法の素質」による自動判定を行ない、最初に見た瞬間、その霊薬(エリクサ)が魔法的なものかどうか見わけることができます。霊薬(エリクサ)が魔法的な性質のものなら、魔法を探知する呪文で見つけだすことができます。しかし、魔法を分析する呪文霊薬(エリクサ)には効果がありません。霊薬(エリクサ)を分析できるのは錬金術師だけです。
 錬金術師が霊薬(エリクサ)を分析するには、〈錬金術〉による判定が必要です。分析には4時間かかります。ファンブルすると霊薬ファンブル表のような影響を及ぼします。霊薬(エリクサ)を味見すれば、この時間を10秒まで縮めることができますが、万一判定に失敗してしまったら、悪い効果のある霊薬(エリクサ)の場合、丸一服分を飲んだのと同じ影響を受けます。ただし、この味見でファンブルしても、ファンブル表を振る必要はありません。ちょっと味見する程度では研究室を破壊するようなことはまずありません。
 分析した霊薬(エリクサ)が錬金術師の処方気に掲載されていれば、判定に成功すると、その性質が詳しくわかります。珍しい霊薬(エリクサ)なら、ふつうの成功ではだいたいの効能しかわかりません。クリティカルで成功すれば詳細な効果を突き止められますが、名称まではわかりません。費用は時間をかけて分析するなら$20、急いで分析するなら$200かかります。

魔法の品物の分析(Identifying Magic Items) p.205
[[魔法の品物の分析>錬金術技能#Identifying_Magic_Items]]
 錬金術師は魔術師ほど正確には魔法を分析できません。しかし、分析に1時間かけ、$50相当の材料を費やして〈錬金術〉-2の判定に成功すれば、その品物に魔法がかかっているかどうか確認できます。クリティカルで成功すれば、その魔法の種類がなんとなくわかります。ファンブルすると、品物は酸を撒きちらしたり、を噴きだしたりします。どのような災害が起こるかは、品物によります。

単純な〈化学〉(Simple Chemistry) p.205
[[単純な〈化学〉>錬金術技能#Simple_Chemistry]]
 〈化学技能は〈錬金術〉-3の技能なし値です。錬金術師は非常に広い範囲について専門的に学んだ化学者もであるのです!この技能なし値は、一般的な知識にしか利用できません。錬金術師は複雑な化学分析はできませんが、酸とアルカリを見わけたり、蒸留したり、染料や香料を調合したり、外見やにおいから化学反応物を識別することができます。中世の錬金術師は多くの場合、味見によって分析を行なっていましたが、それは現在では賢明なやり方ではないと見なされています......。


コラム:新しい霊薬を作る(Inventing New Elixirs) p.205

[[新しい霊薬を作る>錬金術技能#Inventing_New_Elixirs]]
 研究すべき処方箋が尽きてしまったら、錬金術師は研究室にこもることになるでしょう。ふつう、実験は処方箋のない霊薬(エリクサ)を複製するために行なわれますが、大胆な錬金術師はまったく新しい霊薬(エリクサ)を編みだそうとします。
 まったく新しい霊薬(エリクサ)を発明する場合は、標準の発明ルールを使います(「新発明」『ベーシックセット・キャンペーン』447ページ参照)が、いくつか変更点があります。新しい霊薬(エリクサ)の考案に必要な技能は〈錬金術〉です。文明レベル修正や「複雑さ」は適用しません。
 「発想判定」には標準の修正ではなく、基本ペナルティとして-6、それに霊薬(エリクサ)に対する技能なし値の2倍の修正を受けます。したがって、“無敵”の霊薬(エリクサ)を作るなら、ペナルティは-6+(2×-4)で、合計-14となります。マナが「疎」の場所で研究を行なうなら、さらに-5のペナルティが加わります。その他の修正は標準どおりです。
 新しく考案した霊薬(エリクサ)の最初の一服分は「試作」のルールに準じます。最低ランクの研究室なら機材による修正が-5かかり、最新鋭の研究室なら「文明レベル/2」のボーナスを得ます。製作時間と費用は、その試作品の「複雑さ」より1段階上のものを適用します。たとえば、『鉄皮薬』の霊薬(エリクサ)ならペナルティは-14、「複雑な発明品」と同じく製造時間は1人で1か月かかり、費用は$24250000となります。「試作判定」にファンブルした場合は、他の〈錬金術〉と同様に扱います(霊薬ファンブル表も参照)。
 「試作判定」に成功すると、一服分の新しい霊薬(エリクサ)とその処方箋となるメモが手に入ります。以降、他の霊薬(エリクサ)と同様、製造したり研究したり改良したりできるようになります。しかし、この霊薬(エリクサ)に習熟するまでにメモをなくすと、処方箋を書きなおすために、もう一度研究過程をくりかえさねばなりません。
エラッタ修正:【誤】《不死身》の霊薬(エリクサ)ならペナルティは-14、 【正】『鉄皮薬』の霊薬(エリクサ)ならペナルティは-14、

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魔法大全』第28章「錬金術」 p.203


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