魔法を実行し、発動を成功させるには、以下のような要素が関わってくる。
想子保有量
想子保有量?は、まだ
CADの性能が低く、魔法の発動に多くの
想子を必要としていたころに重視されていた要素である。
現在では、
CADの性能向上に伴って
想子消費量が低く抑えられた結果、ほとんど重要視されていない。
ただし、『
術式解体』のように大量の
想子を必要とする魔法や、
常駐型魔法?のように長時間、連続的に発動し続ける必要がある魔法を実行する場合は、
想子保有量?によって魔法の成功が左右される。
(出典:)
対象の認識
魔法を発動するには、発動の対象を
認識?しなくてはならない。
対物魔法?においては個々の物体が、
領域魔法においては特定の空間が対象となる。
一般に
領域魔法が
対物魔法?より難度が高いとされている理由は、空間の特定領域を切り取って認識することが難しいためである。
(出典:21巻74・75P,)
認識の距離
情報の世界である
イデアには物理的な距離ではなく、情報的な距離(
認識?の距離)が存在している。
そのため、
イデアを経由しない『
想子粒子塊射出魔法』や『
術式解体』等を除くほとんどの魔法にとって、物理的な距離はあまり意味を持たない。
魔法の発動のしやすさは物理的な距離ではなく、術者が感じている「
認識?」の距離に影響を受け、対象物を近くに感じているほど発動しやすくなる。
一般に、魔法による砲撃を行う際は、対象に近づくほど対象を身近に感じることができ、より精緻な砲撃が行えるようになる。
しかし、物理的にどれだけ遠く離れていても、認識の距離(情報的距離)が近ければ、魔法を発動させることができる。
たとえば
精霊魔法では、術者が
精霊?と対話することで対象を身近に感じることができるため、遠距離にある対象や隔離空間に対しても魔法を行使することができる。
(出典:21巻246P,)
部分変化技術?
情報体?の一部分のみを指定して、その
事象?を改変するには高い技術力が必要となる。
これは、情報体の「全体」を
認識?の対象から意識的に外し、その「一部分のみ」を認識の対象にしなければならないためである。
例えば、
達也の『
部分分解』では、対象物の
エイドスの全体は意識的に認識しないようにした上で、対象エイドスの構造情報の一部分のみを改変対象に指定しなければならない。
領域魔法では、無限に広がっている空間の一部のみを切り取って対象として認識しなければならない。
『
爆裂』を海水を対象に行使するときは、「海はどこまでも広がっている」という「実感」を排除し、特定領域のみを切り取って対象として認識しなければならない。
(出典:21巻74・75P,)
変数の制御と定数処理
変数と定数
現代魔法においては、一般に
座標・
強度?・
終了条件?が
起動式の
変数項目?に設定され、その他のファクターは
定数項目?に設定される。
これらの
変数?は術者のイメージが反映されるもので、
魔法式構築時に
魔法演算領域で追加処理される。
(出典:1巻104・211P,)
定数処理
変数?は、少なければ少ないほど、術者の演算処理の負担が軽減されて
発動速度が向上する。
このため、
強度?を
定数?として処理し、
変数項目?を減らすことも少なくない。
防御系の魔法では、自分を中心とした相対座標を
定数?化することも多い。
対象に直接接触する場合には、接触点を
座標に設定することで
座標を
定数項目?として処理するというテクニックもある。
このテクニックは、
魔法競技?のひとつ「
マーシャル・マジック・アーツ」の基本技術にもなっている。
(出典:1巻211P,)
魔法の自由度と多変数化
変数?が多いほど
魔法の自由度?は高くなり、多彩な
魔法を使うことができる。
ただし、
変数?が増えるほど演算負担は大きくなる。
それゆえ、多くの
変数?を制御する
多変数化の技術は難度が高い。
達也は少なくとも4つは
変数?化することができ、
鈴音の反応から考えると、ハイレベルな技術であると思われる。
(出典:1巻179・181・182・211P,5巻8P,)
座標と照準
魔法では
照準?をピンポイントに合わせることができ、これが魔法の持つ最大の優位点とされる。
対象の
座標情報は、特に攻撃魔法においては
起動式・
魔法式の
変数?となることが多い。
それゆえ、魔法を行使する対象の
座標を把握して
照準?を合わせる力は、魔法の発動において必須の技術である。
座標を把握できず、
照準?を合わせることができない場合は、
魔法式を構築することはできない。
また、
魔法式構築中に、対象が術者の視界から外れるなどして
座標が把握できなくなった場合には、
魔法式がエラーを起こし、
魔法式になるはずの
想子情報体?は霧散する。
また
領域魔法では、対象が物体ではなく空間となるため、
座標の認識と
照準?の設定が難しく、
対物魔法?よりも高い空間認識力が求められることが多い。
これらの難点を回避するため、予め
座標を
起動式・
魔法式の
定数?にしておくこともある。
(出典:1巻173・174・211P,2巻180P,)
魔法の処理能力
起動式や
魔法式など、魔法の実行に係る
想子情報体?を構築する能力のことを、
魔法の処理能力と言う。
ここで言う「能力」とは、「いかに速く
想子情報体?を構築できるか」という意味であり、このことから「処理速度」「構築速度」「速度」などとも呼ばれる。
想子情報体?の構築速度ではなく、魔法そのものを発動する速度を指すこともあり、「発動速度」「実行速度」「速度」などとも呼ばれる。
処理速度が遅いと、事故や戦闘などの危機的状況において遅れをとることがある。
現代において特に重視されており、
魔法師の国際評価基準における評価項目に指定されている。
(出典:1巻182・189P,2巻104P,)
事象干渉力
対象物の情報を書き換える強度のことを、
事象干渉力と言う。
「干渉力」「干渉強度」「強度」などとも呼ばれる。
現代において特に重視されており、
魔法師の国際評価基準における評価項目に指定されている。
(出典:1巻182・189P,)
魔法のキャパシティ
構築する
魔法式などの
想子情報体?の規模のことを、
魔法のキャパシティと言う。
「演算規模」「構築規模」「規模」「出力」などとも呼ばれる。
現代において特に重視されており、
魔法師の国際評価基準における評価項目に指定されている。
(出典:1巻182・189P,)
魔法の持続時間?と終了条件?
永続する魔法は存在せず、魔法には必ず有効時間に限界がある。
魔法の終了条件を定義することは重要である。
終了条件が明確に定義されていない魔法は、いつ効力が切れるかわからない状態で発動対象に残り続けてしまう。
結果として、複数の魔法を連携させて相手を攻撃する場合や、相手の魔法を防御したりする場合に、自分が想定している効果に影響する。
終了条件は、
持続時間?もしくは魔法の結果を定義することで定められる。
実践においては後者が多用されることが多いが、
トーラス・シルバーの
飛行術式?によって前者も高く評価されるようになった。
(出典:18巻200・201P,19巻262P,)